"アビス"に転生したと思ったらキャベツが飛んでいた。   作:琥珀色の大西洋サバ

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最近ホグワーツレガシーやり始めたんですよ。
インセンディオ撃つ時いちいちエクスプロージョンって叫んでます。



手続きというものはどこでも面倒くさい。

 

その話は遥か大昔に巻き戻る。

 

とある女神様が現実世界から人間をこの異世界へ転生させたという。

そしてその人間は様々な兵器を作り出し、魔王討伐に貢献したらしい。

 

……ただそこで問題発生。

 

その過程としてなんか生物の魂を弾として撃つ拳銃も彼は作り出してしまったのだ!!

 

しかもその弾となる魂は別世界の生物から引っこ抜いていくというクソほど厄介な仕様入り!!しかもそんな物を最近使用してしまった人がいるんだとか!!

 

……さて、かなーり雑に説明したが、勘の良い人ならもうお気づきだろう。

 

 

その拳銃の被害者が俺である。

 

 

どうやら全世界(マルチバース)で唯一の人間の被害者なんだとか。

 

 

……いやいらねぇよそんな称号!!

 

—————————————

 

はい、どうもナキカバネです。

 

あの時からもう2年経ちました。

皆さんお元気でしょうか。

この私ナキカバネは2年間キャベツを追いかけ続けた結果、遂にネルトリンゲンっぽい街周辺の森へ辿り着きました。

 

そして現在——

 

女神様から思いっきり土下座されてます。

 

どうしてこうなった⭐︎

 

……これテンプレになり始めてきた気がする。

 

 

閑話休題。

 

 

まぁそれはいいとして。

さっきヒジョーに簡単に説明したとは思うが、俺がナキカバネになったのは転生者……いやそれを転生させた女神様のせいらしい。

んで、なんかそれの責任がどうたらこうたらで今こうなっているんだとか。夜寝てたら突然召喚されてびっくりしたぞ。

 

ちなみに現在、真っ暗な空間……というか恐らく精神世界的なものなんだろう。そんな所に今俺は居るが、姿は変わらずまんまナキカバネである。

 

……どうしてだよ。

こういうの一時的に人間に戻るだろ。別にいいけど。

 

土下座している女神様を見る。

 

「本ッッ当にすみませんでしたッッ!!」

 

美人さんだ。

白い髪に整っている顔に青い綺麗な目。

それになんか神秘的な服を拵えている。

いかにもThe・女神って感じの人。

どうやら本物のようだ。

 

いやぁ、神様って本当にいるんだね。びっくりした。

転生モノって結局は架空のものだと思っていたけど全然そんなことは無かったらしい。

 

……俺だけ経緯がアレだけど。

 

今更だけどなんでナキカバネなんだろうなぁ……。

他にもっといいチョイスあっただろうに。

いやもう転生して2年になるから疑問とか特に無いけどさ。

 

にしても、だ。

 

もう2年になるのかぁ……。

 

キャベツ追いかけ回していただけなのに色々あったなぁ。

アビスだと思っていた所が実は全然違う場所だったり、上昇気流なくとも飛べるように特訓したり、ミツラギ?とやらに斬りかかられたり。

 

……最後だけ物騒だな。

 

まぁ、それは置いといてだ。

 

そろそろ話を戻そう。

だって女神様困惑してるもん。

目の前で土下座しているのに俺が感慨に浸っていたせいで。

 

とりあえず女神様には顔を上げてもらおう。

なんかそうしないと話が進展しなさそうだし。

 

声を出した。

 

『顔をお上げください(ボ卿ボイス)』

 

「しゃ、喋っ……た?」

 

女神様は呆気に取られた表情でそう口にする。

どうやら喋るとは思っていなかったようだ。個人的にはもうその事は知られているとは思っていたが、さすがの女神様も万能という事ではないらしい。

 

……これが2年の発声練習の成果だ。

 

実はコッソリナキカバネの鳴き真似を練習していたのだ。

おかげで様々な声が出せる様になった。

今では森川○之さんだけでなく、石○彰さんのキャラの物真似が出来るぞ。

最近は大○育江さんを練習中だ。

次は花江○樹さんをできる様にしたい。

 

『少し休まれて、考えを巡らせてみてはいかがでしょう』

 

面白がって卿のセリフを口にする。

こうしてみると紳士的な奴だよなボンドルド。

 

……度し難いけど。

 

「あ、ありがとうございます……」

 

その後、女神様は深くお辞儀した。

 

 

 

 

「では遅れましたが…自己紹介、させてもらいますね?」

 

照れくさそうに女神様がそう口にする。

 

『どうぞ』

 

そう返した後、女神様の自己紹介が始まった。

 

「私は幸運の女神エリス」

 

「この世界の……いえ、あなた目線では異世界でしたね」

 

「その死んだ者の魂の管理する仕事をしています」

 

「よろしくお願いします」

 

彼女……いやエリス様はそう言いながら微笑む。

その姿はまさに女神と呼ぶのに相応しかった。

 

エリス様、ねぇ………。

 

『よろしくお願いします』

 

これはこの世界の住人達ラッキーだなぁ。

だってこんな美少女に"管理"されてんだもの。

 

「今何か変な妄想しませんでした?」

 

『いいえ何も』

 

エリス様は目を半開きにし、ほっぺを膨らませながらこっちを軽く睨みつけた。可愛い。

 

「さて、本題に入りましょう」

 

彼女はコホン、と小さく咳払いする。

 

すると、雰囲気が変わった。

さっきよりかは女神らしい真面目な顔だ。

 

「さっき説明した通り、貴方はこちら側のミスによってこの異形の姿になり、異世界にやってきました」

 

『はい』

 

「その事態についてはすみません」

 

彼女はもう一度深々と頭を下げる。

そして、口を開いた。

 

 

「よって人間の姿で元の世界に帰る事を許可します」

 

 

……え?

 

俺は目を見開く。

俺にはそれが信じ難い事だったからだ。

2年は……いや、2年もこの姿だ。

元に戻る事はてっきりもう無理かと思っていた。

 

戻れる……のか?

 

俺は疑心暗鬼になりながらもエリス様に近づく。

 

「そ、それは本当ですか?」

ボ卿の様な低い声ではない、高く震えた声で恐る恐るそう質問する。

 

 

そして———

 

 

 

「……とは言っても手続きの都合上、帰るまであっちの世界でもう三年程掛かりますけどね

 

 

 

俺はずっこけた。

 

 

……いや先に言えよ。

 

 

 

翌日である。

 

とりあえず手続きが完全に済むまでこの異世界で住む事になった。

別に抵抗感とかはもう何もない。頑張ろうって感じ。

 

……言いたい事がないと言えば嘘になるが。

 

ちなみに姿はナキカバネのままである。

あの時何故こんな姿かエリス様に聞いてみたが、本人もよく分かってないらしい。

最有力説は"呪い"だそうだ。しかも女神様ですら解除が難しいな強力な物が俺にかかっているらしい。

 

……成れ果ててたのか俺。

 

まぁ、手続きが終わったら超絶神様パワーで人間の姿に戻れるらしいので良かった良かった。

 

 

……三年掛かるけど。

 

 

……三年掛掛かるけど!!

 

 

更に、だ。

 

此処ネルトリンゲンみたいな所エリス様曰く"アクセルの街"と言うらしいんだが、俺手続きの関係で今後三年間————

 

そこ周辺から移動出来なくなるらしい。

 

……いや制限が重い!!!

 

なんなの!!?

神様は俺を虐めたいの!?!?

 

エリス様は申し訳なさそうに謝罪してたけどどうせ上の奴らとかは笑ってんだろ!!

エリス様にその原因を聞いてみたけどなんか上司の神様の指示って聞いたし!!!

 

どうせなんか位置情報とかそういう関係で指示したんだろうけど俺人外だよぉ!?

絶対アクセル版モンスターハンター*1始まっちゃうって!!

 

そこら辺手厚くしてくれよ!!!

頼むから!!!

 

……ま、来るはずもないんだが。

 

俺は現実の非情さでわんわん泣いた。

 

 

閑話休題。

 

さてそんな訳で俺はアクセル周辺から出られなくなった訳だが、何も暮らせない訳では無い。

一応城壁外にある草原やそこから少し離れた所の森の中までは潜れるようになっているらしい。意外に範囲は広い様だ。

 

……まぁ、1日の人間と遭遇する確率は大幅に上がるだろうけど。

 

もうそこは妥協点と考えるほかないだろう。

ささっと逃げれば良いだけの話だ。

 

……調査の為に狩られるかもしれないけど。

 

生活面も少し心配だが、まぁ大丈夫だろう。

二年間もサバイバルしていれば経験がつく物だ。色々としぶとく生き抜いてきたしな。

 

一番心配な食料面だが……

ま、最悪人間食えばいいか。*2

 

さぁて、頑張りますか!!

 

と、言う事で俺のキャベツ狩りの道はここで途切れたのだった。

 

……別にどうだってよかったけど。

*1
勿論狩られる側である。

*2
人外の思考。




少し展開が早いと思いますが許してください。空白の二年間は今度別に間話として書こうと思っていますので。

よかったら評価と感想お願いします。
してくれると投稿主が国会議事堂をバックにボ卿の物真似します。
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