"アビス"に転生したと思ったらキャベツが飛んでいた。   作:琥珀色の大西洋サバ

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事前に申しておきます。
何故かエリス様がブロリーになっちゃいました。
書いてたらなんかいつの間にかエリス様が変わり果ててた……怖い……。


落とし物。(下)

 

【いい加減分かってくれませんかねぇ……?】

『すみませんがここだけは引き下がれませんね』

森に敷かれている道の上、俺は翼を広げ戦闘態勢をとった。

負けたらどうなるか、そのぐらい俺でも分かるさ……!!

 

運命の女神VS俺!!

勝つのはどっちだ!!

 

レディ…ファイ!!!

 

【最初はグー!!】

『ジャンケン!!』

『ポイ!!!』

 

「私の命運をジャンケンで決めるのはやめてくれませんかねェ!!?」

 

『ぐわー!!!』

「そんでもって負けてるし!!!」

 

———————————————

 

『……みたいな事にならないように頑張りましょう(適当)」

「想像でもやめてください!!?」

【というかあなたパーしか出せないでしょうに……】

 

あ、盲点だったわ。

 

「何だコイツ」

【何だコイツ】

 

いやー、だってねぇ?

正直事件が完全に身内で起こってるもの。どうにかしたくてもエリス様には手を出したくないというか。万が一戦ったとしても相手は運命の神様だし。正直言って詰みである。

 

【そう、詰みです。なので諦めろこの駄肉野郎】

「うぅ……」

 

その一言でウィズさんが涙目でこちらを見つめ始める。

どうしてこうなったのか、それは5分前に遡る……。

 

◆◆◆

 

ウィズさーん!!

 

急いで爆心地へ向かう。

あのエリス様がどうしてこんな事を……!!

いやそれよりもウィズさんの救出が優先だ!!

さっきの一撃でもしかしたらウィズさんは……。

 

「か、間一髪……でした」

 

大丈夫だったわ。

ほっと大きな息を吐く。

しかしながら、ウィズさんを襲った一撃は強大で彼女を中心としてクレーターができていた。今更だけどこれをガードできるウィズさんも中々化け物だよな。この世界キャベツが飛んだりするトンチキな世界観の癖してハードモードなんよ。安楽少女も騙す系のモンスターとして完成されてるビジュアルしてるし。

まぁそれはそれとして無事で良かった……。

 

「あ、ナキカバネさん!心配してきてくれたんですね!」

「いやぁ……危ない所でした。ギリギリセーフですよ、セーフ!」

 

ウィズさんがが左右に大きく手を広げるジェスチャーを取る。

油断は禁物だと思うが……まぁウィズさんなら大丈夫か。

 

「私、帰ったらこの子達の利益でカニを食べるんです……」

 

あ、駄目だぁこれぇ!!

 

【じゃあ今からアウトにしてあげましょう】

 

その声が響いた瞬間、天から一人の女性が舞い降りてきた。

来ちゃった……来ちゃったよ……。

 

【あ、なんならハンデとしてボールにしてあげましょうか?ちょっと体が消し飛びますけど】

 

女神エリス……降臨☆

 

◆◆◆

 

まぁそんな訳でウィズさんが殺されそうです♪

ちなみにエリス様からウィズさんはアンデットの女王「リッチー」である事が明かされました☆どうやら神様的にはアンデットや悪魔は処すべき対象で、存在自体が絶許らしいです☆

 

……いやどうすりゃええねん!!

 

「助けてください!!」

【目を逸らしてください】

 

何この究極の選択っ!!?

恋愛ならまだしも人の命ではやりたくないなぁ……!!

というかそもそも俺は選ぶ立場にはあまりなりたくないってのに……はぁ。

いやさぁ、ウィズさんをこのまま成仏させてしまう訳にはいかないのは分かってるのよ?うん。ここで引き下がったら実質人殺しの様なもんだし。

でもまさかウィズさんがリッチーだとは思わんって……。あそこまで善人なら魔物という正体になんて気づく筈ないからね?うちの安楽少女と比較するともう一目瞭然。どう見ても月とスッポンだよ畜生め!

 

……途中から安楽少女愚痴混ざっちゃったよ。

 

まぁいいや。それはともかくしての話、見捨てる訳にもいかないが、だとしても相手が悪すぎる。女神だし。普通に瞬殺されそうだし……。

 

【アンデットと悪魔は処す……ウィズ、まずは貴様から血祭りにあげてやる!】

 

ほらキレ過ぎて女神通り越して悪魔になっちゃったよ!?

エリス様の髪が逆立ち、神々しいオーラが彼女の身体を包む。ビジュさえ変えたらもはやご本人だよこれ……。

 

「いやぁ!まだやり残した事がまだ沢山あるんですぅ!!」

 

あ、ウィズさんが逃げ出した!

とても逃げ切れる相手ではないと思うが逃げ切れるか!!?

 

【どこへ行くんだァ?】

 

女神ックパワーでご本人みたいに瞬間移動しながらウィズさんに迫り来るエリス様。ウィズさんもウィズさんで中々人間離れした動きを披露しているが捕まるのも時間の問題だろう。これをどうしろと?助けて安楽少女。正直言って全てを放り出して逃げ出したい。

 

【先程のビームはなんとか防御したみたいだが今度は私が直々にぶっ○す!!!】

「ひぃぃぃ!!!?それならまだじゃんけんの方が遥かにマシだった!!!」

 

にしてもエリス様はこんな所に降臨してもいいのだろうか。もし他の人間に見られたりしたら大騒ぎになるだろうに。

 

【ウィズ!お前だけは簡単には死なさんぞ!!】

「怖い怖い怖い怖いッ!!!」

【手加減って何だァ?】

 

いや、これ多分見られたとしてもこの鬼の形相がエリス様のものだとは認識されんか。じゃあ大丈夫だな。ヨシ!

 

『ヨシ!』

「何がヨシ!なんですか成仏しちゃいますって!!もうすぐ後ろに居るんですよ!?お願いします助けてください!!!」

 

やっぱ何も大丈夫じゃないわ!!

俺は急いで二人の間に割って入って翼を広げる。

こうなりゃヤケクソだぁ!!

 

やっぱ皆、後悔のない選択はしたいよね!!

少なくとも俺はしたかったよ畜生!!

 

もうどうにでもなれやァー!!!

 

【ほう……また一匹虫けらが死ににきたか】

『エリス様、貴方は危険すぎます』

 

来るぞ!!

 

【セイクリッド……オラァ!!】

「ビュン!!」

 

さては技名叫ぶのも面倒臭くなったなこの人!?

 

凶悪な笑みを浮かべながら殴りかかってくるエリス様。俺の顔を狙った渾身の右ストレートである。

俺は首を大きく動かしてなんとか避けるも風圧で俺の羽根が凄い勢いで靡いた。

 

威力が洒落にならねぇ!?なんだあのパンチ!!?

 

そう悟った瞬間、木々の倒れる音が聞こえる。

データキャラではないが解る。

多分当たったら即死。俺の頭が消し飛ぶだろう。

 

ウィズさんも言ってたけど容赦がねぇこの悪魔!!

 

【俺は悪魔じゃない…女神だ!】

 

It's 比喩表現!!!

 

『やんちゃが過ぎますね』

 

エリス様の空を切った腕を足で掴んで空にぶん投げる。

女性に暴力を振るうのは好みじゃないがこの状況なら仕方ないよな!!?

空に打ち上げられるエリス様。その一瞬の隙で俺は翼で追撃を仕掛ける。俺には炎や水や氷とか、何か特別な能力は持ち合わせていない。けど、なくても充分この世界で戦える程には強いのだ。

理由は簡単だ。ナキカバネのあんなにデカい身体が空を飛ぶんだぞ?それに応じて肉体を支える骨、そしてそれを動かす筋肉は……。

 

「ドゴォッ!!」

 

馬鹿みたいに強くなる。

一回エリス様には冷静になって貰わないとなァ!!

 

「ドゴォ!!」

 

体を回転させ、先の一撃で怯んだエリス様に更にもう一発。

要するに俺のやっていることはポ○モンのつばさでうつだ。ただ翼で相手を叩いているだけ。一文だと弱そうに見えるが、攻撃としては充分強い。現実でもコウテイペンギンのビンタ一撃はミドル級ボクサーの平手打ちに匹敵し、人間の骨を骨折するほどの力があると言われている。それをこの巨体でやっているのだ。

いくら女神でも少しは効くだろ!!

 

「す、すごい……!!」

 

質量の暴力って奴をお見舞いしてやるよ!!

三発目。人間なら即死の威力だが、エリス様も即死級の拳を繰り出してきたんだ!どうせ生きてるだろうし後で許してくれるだろ!!

 

しかし、現実はそんなに甘くはなかった。

 

【おとなしく見殺しにすれば痛い目に遭わずに済んだものを…さすが転生者と褒めてやりたいところだ】

 

刹那、彼女はその一撃を片手で受け止める。

あ、これやばい。詰んだ。

 

【ふん!】

 

そうして俺の頭は見事に消し飛んだのだった。

 

◆◆◆

 

【という夢を貴方は見たんです♪】

「……ソウイウコトデス」

『いやでもしっかり痛みの感触が……』

【いいですね?先程の出来事は全て夢でした。いいですね?】

『はい……』

 

いやこれに至っては言い訳できないでしょ。だって道に血痕がすっごい残ってるもん。これで通じたらもう洗脳能力だよエリス様。

そんな言葉を頭の中に封じ込め、大人しく返事をする。

 

【……まぁ、謝りますよ。色々と】

【これは昔からの癖でして……先輩はあそこまではなりませんけど、基本的にアンデットや悪魔と遭遇すると神様は皆我を失ってよく暴走するんです。許してください。】

 

顔を俯かせながら小声で話すエリス様。流石に罪悪感はあったようだ。

まぁ俺は無事に元の世界に帰れるならそこまで根に持たないけどさ……。

 

【この……ウィル・ス○スさんも悪い方ではないと分かったので、今回ばかりは目を背けます。アンデットや悪魔もなんやかんやこの世界では重要な存在でもありますからね】

「いやしれっと私を映画俳優にしないでくださいよ……」

【あ"?】

「スンマセンデシタ」

 

よく分からないけどなんやかんやでウィズさんは命拾いした様だ。よかった。

これで何とか丸く収まった……と信じたい。

 

【しょせん、クズはクズなのだぁ!】

「ひぇぇぇぇ!!!?」

 

エリス様が髪を逆立ちさせながらウィズさんを追いかけ始める。

全然そんな事なかったわ。頼むからもう勘弁してくれ。

その後、事態が再び収まるまで約30分の時間を要したのだった。

 

……とても疲れましたクソッタレが。以上。

 




キャラ崩壊もいい所ですがアンデットや悪魔が出てこない限りいつものエリス様を心掛けているので大丈夫……な筈です。計画性皆無で申し訳ない。
一応今後も投稿続けていくつもりではあるので評価と感想お願いします。
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