レベル上がらないテイマーさん 作:匿名幼女
「瑠璃ぃ、何だよそのアホ面は」
「いろいろあってNPC天誅しようか悩んでるだけだよフェアクソ未だにクリア出来てなくて徹夜した時のアホ面お兄ちゃん」
「残念! フェアクソならラスボス一歩手前まで来ててクリアまで秒読みだぜーってか、NPC? 幕末にやべえのいたか?」
「シャンフロの話だよ。お兄ちゃんもシャンフロやろうよ」
「クソゲーじゃねえ神ゲーはご遠慮します。……っとそうだ、瑠璃。フェアクソの息抜きにお前が作ったゲームやったぜ」
「えっ、マジで!? ど、どうだったの?」
「フェアクソよりキャラクターのクソさは劣るが、まあまあ良きクソゲーだな。特に武器を作る際のヒロインの挙動と、ラスボスを倒す時に関節があり得ねえほど曲がるバグり方が便秘みたいだったぜ」
「クソゲー作るためにゲーム作ってる訳じゃないのよお兄ちゃんの馬鹿ぁ!」
「あっ、やめろ馬鹿! あんま叫ぶと瑠美がまた────」
「お兄ちゃん! また瑠璃ちゃん泣かせたの!?」
「ちげえわ!」
私が小学生であるからか、若干過保護なお姉ちゃんによる仁義なき喧嘩が背後にて起きたが無視。
クソゲー作りたいわけじゃないのにクソゲー言ってるのが悪い。
いやそりゃあデバッグ済ませたのにバグるのも挙動おかしいのも機材足りてないだけだから、もっとお金かけたら神ゲーが出来るはずなのよ……!
というかそもそもネットに放流した私の作り上げたVRソフトはなかなかに売れてるんだし、クソゲーじゃないはず!
「次はお兄ちゃん得意の格ゲーで勝負してやる」
そんなにクソゲー評価なら本物のクソゲーを作ってやろうじゃないか!
便秘みたいだったっていうなら隠しコマンド搭載しまくりのパンツゲー!
野球拳と格闘技混ぜたクソゲーにしてやる!!
「……それよりかは、シャンフロだよねぇ」
いくつか調べてみた結果、職業『
闇の石に関してもそう。あれはつまり隠し職業へ行くためのものであり、そのきっかけとなるのがリュカオーンだったと……。
それに呪いとなった『リュカオーンの影』もやばい。
説明文みたけどあれナーフされるべき案件。
職業:
別名、ネクロマンサー。退治したモンスターを使役し、そのものの能力、経験値、スキルを条件付きで付与可能。一日に一体の使役が可能となる。
いつしか、プレイヤーが破棄したモンスターは影となり再び襲い来るだろう。夜道には気を付けろ。
・リュカオーンの
それはかつて、与えられるはずだった奮起の兆し。
リュカオーンの呪いが石に吸収され、破壊されたことによりその力はプレイヤーに付与された。リュカオーンが遊び、それを許す限り影の力を行使するに至る。プレイヤーは職業を強制的に
プレイヤーの経験値及びスキルはリュカオーンへ付与される。呪いの変異による代価としてプレイヤーのレベルは初期値となる。
リュカオーンの分身よ。内部より喰われるまでに、その意志よ奮起せよ。
所々に怖いのが並んでるんですよねぇ!
つまりこれ、キャラロストになるかもしれない職業と呪いじゃんか。
ユニークモンスターの分身になったってことでしょ?
だからレベルがリュカオーンに奪われて、かつリュカオーンに至る可能性が大きいってことでしょ?
どう足掻いても詰み案件じゃん!
「……いや、シャンフロがクソゲーに染まるはずはない。何処かに突破口があるはず!」
とりあえずシャンフロやろう。そんでリュカオーンを脳天から天誅してぶっ飛ばすんだ。
ついでに闇の石を売って面倒なことしやがった商人も天誅する。
「というわけでおはようファステイア! こなくそレベルワン!!」
ゲームを起動させ、リルとして目が覚めたら宿屋の中。あの時リスポーンしなかったら二つ目の町に着けたのに!!
レベルだって頑張って上げたのに!!
そうやって苛立っていたら気づいた。
「んあぇ」
不意に下を見て寒気がした。私の影が蠢いていたのだ。