レベル上がらないテイマーさん   作:匿名幼女

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影に至るは暗殺なり

 

 

 

 

 影が影じゃないということはすなわちリュカオーンの影! つまり敵!

 

 ────というわけで即座に右ストレートを発動させて床を破壊。宿屋の出禁が脳裏をちらつくけど仕方ない。

 

 しかし私の影から飛び出したのはリュカオーンではなく、片腕のヴォーパルバニーであった。

 

 

「……え、何で真っ黒なの?」

 

 

 盛大に舌打ちしてきた兎。こいつ無口なわりに態度が悪いなぁ。

 そういえば使い魔になってたんだっけ?

 ステータス画面を確認すれば、

 

使い魔

・片腕のヴォーパルバニー(名無し)

影法師より捕縛された影。ご主人への殺意は高い。使役を怠れば殺しにかかるだろう目でお前を見ている。

 

 

 

 そりゃあ態度が悪くなるのは当然ですよねぇ!

 私が腕斬った時の恨みがまだ残ってるのだろう。町まで追いかけて来てたもんね。でも幕末はもっとヤバイからこれぐらいでビビる私じゃないよ。

 

 えーっと、つまり影だから真っ黒なのか。というか何で影? 捕縛ってリュカオーンがやったの?

 いろいろと疑問はあるが、今はとにかく知ることが大事だ。

 

 職業変異による呪いでレベル1から不動となった私に残された戦略は使役すること。つまり殺意なんざ気にせずポケットなモンスターのごとく育てるのが大事なはずだ。

 

 説明より下を見ればヴォーパルバニーの基礎ステータスが見れたが、レベル25と微妙に高かった。あと暗殺、即殺用の攻撃スキルが多いように感じる。

 

 

「名前つけれるみたいだし、片腕のーっとかよりいいよね……ラビット、バニー……良し。お前は今日からラピンで!」

 

 

 

 盛大に舌打ちされたし、包丁をこちらに向けてきたんだけど、こんな感じで使役って出来るの?

 

 

 

 

 

 速報、ラピン氏暗殺者の素質あり。

 スピード重視で動きたいけど初期値でクソザコな私に合わせてなのか、ラピンが仕方なく周囲のモンスターの急所を包丁で切っていく。

 そのスピードたるや早業である。職人かこいつは?

 

『ゴブリンが使い魔となりました』

『ゴブリン二体目が使い魔となりました』

『ゴブリン三体目が────』

 

 

 ラピンが倒すごとに増える使い魔。ゴブリンが沢山いても使役する時は一体のみだから意味ないんだけどね。

 

 とにかく狩り尽くしそうな勢いのラピンにドン引きしつつ、「流石は遭遇レア度高めのヴォーパルバニー、いよっ! 職人気質!」と褒めたら満更でもない顔してたので懐かせるためにこれから褒め殺し作戦します。あと鍛冶屋に行かなきゃね。

 

 そろそろエリアボス倒せそうだし、町を探索してラピンの懐かせ度を上げよう。

 というかラピン先生のおかげで私何もしてないや。これゲームしてるといえる?

 

 

 ……あっ、倒した。

 

 

 

『片腕のヴォーパルバニー(ラピン)のレベルが上がります』

『ゴブリンのレベルが上がります』

『ゴブリン二体目のレベルが上がります』

『ゴブリン三体目の────』

 

 

 どうやら使い魔全員のレベルが上がるらしい。私は上がらないし、リュカオーンに経験値喰われるけどさ!

 

 

 

『貪食の大蛇が使い魔となりました』

 

 

 

「うぇっ!?」

 

 

 

 エリアボスも使い魔に出来んの!?

 

 

 

 

 

 

 

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