レベル上がらないテイマーさん   作:匿名幼女

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わんことツチノコ捕獲騒動

 

 

 

 

「そこのワン公止まれ! 情報吐きやがれ!!」

 

「その毛並みの良い黒い兎ちゃん見せてぇ!!」

 

「リュカオーンになれるって本当なのかー!? なぁ答えてくれよ!!」

 

 

「やばいやばいやばい!!」

 

 

 後ろに迫るはプレイヤーの波。レベル1で他の人より俊敏じゃないけどなんとか耐えられてるのはラピンを思わず召喚して、抱えてもらいながら逃げてるから。

 ラピンより少し大きめの身体なだけだからか、それともラピンのレベルが昨夜のリュカオーン騒動で一気に上がって68となったせいか。

 幼女の身体で良かったぁ!!

 

 でもやばいよね。なんとかギリギリの範囲で逃げきれてるけど、これ時間の問題!

 

 

「うぉぉぉぉ!」

 

「サンラクサン揺れが激しすぎましゅわぁぁぁ!!」

 

「気合いで捕まってろエムル! 妹連れて脱出するまではフルスロットルだ!!」

 

「はぎぞうですわぁ」

 

「ちょうどいい! 奴らにぶちまけちまえ! リバースリバース!!」

 

「おぶぇぇ!」

 

 

 

 聞こえてきたお兄ちゃんの声に前を向くと、そこには何故か────私より少ない方だけど、プレイヤーに追われる変態半裸鳥男の姿。うそでしょお兄ちゃん……。

 

 昨日は服着てたはずなのになんで?

 

 

 

「捕まえたぞ!」

 

「くそ、惜しい!!」

 

「誰か捕縛用の縄持ってきて!!」

 

 

「ひぇっ、お兄ちゃんんん!!」

 

 

 

 

「おおっ────おおいっ!? そっちもか! クソッ、仕方ねえ!!」

 

「まっ、待ってくださいですわサンラクサン! 彼女を助けるんですわ!?」

 

 

 ラピンより服を着ていてお洒落なウォーパルバニーが喋る。

 ギョッとしたその顔は、昨夜遭遇したプレイヤーが私を見るものと同じ。

 

 

「サンラクサン逃げた方がいいですわ! リュカオーンですわぁぁ!」

 

「承知の上ぇ!」

 

「ひゃぁぁぁぁ!!?」

 

 

 

 私を抱えたお兄ちゃんに慌ててラピンを影へしまいこむ。

 影のスキルに一瞬お兄ちゃんが驚いた様子を見せたが、すぐさま駆け出した。

 

 

「ぬぅ、このままだとやべえな……」

 

 

 プレイヤーの数が多い。多すぎる。

 流石のお兄ちゃんといえど、私達という介護要員がいては対応しきれないようだ。

 

 

 ────そんな時、だった。

 

 

 

 

「────おうてめえらぁ! 新しい可能性秘めたリルちゃんによってたかっていい度胸しやがる!」

 

「なっ、邪魔すんじゃねえ!」

 

「うるせえ幼女への暴行罪でPKだ!!」

 

「ぎゃああああ!!!」

 

 

 

 聞こえてきた悲鳴に、兄が足を止めた。

 そこにいたのは見るからに何処かのクラン所属なプレイヤー達が街路を封鎖しようと動く様子。

 私達はともかく、他のプレイヤー達の行く手を阻んでくれる。

 

 というか、何故かとっても楽しそうにプレイヤーをキルしまくっていた。

 

 

「リルたんとお近づきになるんだぁ!!」

 

「着ぐるみ着てくれー!」

 

「リルたん仔犬のコスプレしてぇ!!」

 

「青のワンピース似合いそう! ティーアスたんと姉妹コーデ!!」

 

「ツインテ幼女! わんこ属性幼女!!」

 

「リルたん後で握手してくれぇ~~!!」

 

「声可愛いよリルたん!」

 

「鳥頭はいらねえ」

 

「ああ、いらねえ。むしろ殺せ! リルたん抱っこして羨ましいっ!!!!!」

 

 

 骸骨輝くレッドネームのプレイヤー達。

 PKしまくりながらこちらを助けてくれるらしい。

 

 見知らぬ男どもが野太い声で楽しげな歓声を上げるそれはどう見てもロリコン軍団。

 

 

「……妹よ、ネットでの友達は選んだ方がいいぞ」

 

「変態プレイしてるお兄ちゃんに言われたくない」

 

「というか、逃げなくていいですわ?」

 

「お、おうそうだなエムル。何処の変態どもかは知らねえがチャンスだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「────行っちまったか」

 

「サバさん! 作戦はバッチリですぜ!」

 

「マーニも充分揃った! あとはリルたんにお願いするだけでさぁ!!」

 

 

「おう。……に、しても。まさかまた会えるたぁな、サンラク」

 

 

 

 背後から聞こえてくる声に気づかず、私達は駆ける。

 

 

 

 

 

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