「エルフ?」
耳は長く先はとんがっている。痩せぎすの体で健康状態は良くはなさそうだ
「お前、名は?住みかは何処だ?」
「名?…無い。魔族が全部消した」
「…そうか」
こういう場合どうするのが正解なのだろうか。とりあえず自分の頭の中にあるのは1.見捨てる2.俺が育てる3.仲間に売る
さて、どうしたものか…
「…お前、俺についてこい。最近ちょうど暇だったんだ。面倒くらいは見てやろう。名は…俺が知っているかぎり最強のやつの名をやろう」
「名前をくれる…のか?」
「ああ…今日からお前の名はゼーリエだ」
「ゼーリエ…」
「分かったら乗れ。おぶってやる」
おぶってみて分かるが、こいつ相当軽いな。まずはまともな飯を食えるようにするところから始めないとだな。そうしてゼーリエが俺の背中に乗ったのを確認してから、飛行魔法で自分が棲んでいる天翼竜の背中に向かい飛び始めた
「ほれ、降りろ」
天翼竜の背についた俺は、まず家を軽く案内することにした
「ここがリビングだ。お前と俺の2人で飯を食う」
「うん」
「ここがいつも俺が魔法の訓練をしている広場だ」
「へー」
感情の色が薄いな。まあ、故郷を魔族に滅ぼされたんじゃそれもやむなしか
「ここがベットだ。きょうは疲れただろ。…寝るか?」
「…いい」
「そうか」
家の案内などを粗方終わらせた俺は、ゼーリエに1つ質問することにした
「ゼーリエ。お前、魔法は好きか?」
「嫌いだ」
「…何故だ?」
「…魔法は争いの元になる。魔法のせいで我が里が滅ぼされた。魔法なんか嫌いだ」
「つまり、里が滅ぼされる前は好きだったのか?」
「うん」
「…そうか」
俺の心情としては魔法を好きになって欲しい。と言うことで俺が開発した魔法を見せることにした
「ゼーリエ、お前に魔法を1つ見せてやろう」
「だから魔法は嫌い…」
「これは俺が作った魔法でな。俺の好きな花畑を見せることができる魔法なんだ」
「花畑…」
「意外か?」
「まあ、うん」
「喜べ。明日から俺が魔法を教えてやる。最近は物騒だからな。嫌いでも自衛のために魔法は使えるようになっといた方がいい」
「別に。ちょっとは使える」
「ちょっとじゃだめだ。それこそ大魔族を倒せはしなくとも抗えるくらいは強くしてやるつもりだからそのつもりでな」
「ええ」
こうして、俺とゼーリエの2人だけの旅が始まった。これから先ゼーリエは俺に敵対せざるを得ないだろうがそれも仕方がないだろう。ああ、ゼーリエ。お前にできるものならばこの俺を止めて見せろ