レイ・ヴァレンシュタイン、転生特典【ガチャ】呪い【超不運】 作:寝心地
ガチャガチャ ガチャガチャ ガチャ
ガチャガチャ ガチャガチャ ガチャ
「まだやっていたのか。それで準備は?」
部屋で【ガチャ】を回す俺に輝夜がそう訪ねてくる
ああ、出来た
【ガチャ】から出た物に囲まれ最早足の踏み場も無い部屋で俺は輝夜に返事をする。もう俺自身何が出て何が使えると判断したか曖昧だ。そんな中で、一際輝く薔薇の剣とその匂いだけが存在を強く主張していた
「青薔薇の剣とか言ったか?いつ見ても惚れ惚れする美しい剣だな」
そうだな。こいつの力を引き出せないのが惜しい位だ
【ゴブニュ・ファミリア】に鞘を用意して貰い腰に下げ右手にはアサシンブレードを装備し盾も新調した
「なら行くぞ。まだ闇派閥どもが暴れまわっている。お前の手が必要だ」
ああ、了解した
街に出ればそこは地獄だった。破壊跡に血の跡、そこに平和は無かった。勇気も愛も歌も希望も
ああ、こんな光景はアイズに見せたく無いな
今更ながらそんな事を思った。叶う筈の無いと分かっているのに
俺達の信頼は地に堕ちた。あるのは罵倒と守れなかった者達に置き去りにされた嘆きだけ
そう言えばリオンは何処に行った?
「丁度良かった。レイ、お前も来い。2人で見回りって体なら迷子探しも格好がつくだろ?」
問いに答えること無くライラが俺にそう言い腕を引く
いや、アイツ迷子になったのか?
「まぁそんな所だ。どうもアーディの死がよっぽど堪えたみたいだな」
そういうものか
「お前はそう言う意味では変わらないな」
そうだろうか?
「ああ、これっぽっちも変わってねぇ。妹が大好きで大切でこんな荒事全部自分が引き受けてやる!!って感じだ」
まぁ、間違ってはいないだろう。しかしこんな事態になるのであればフィンにコンパスを渡すべきではなかったな
「コンパス?」
北を差さないコンパスと言うのがあってな。それが指すのは北ではなく持ち主が一番望んでいるもののありかとなる
「そいつは便利そうだな。なんでそんなもん渡したんだ?」
妹の為に
「ハァ」
おい、あれリオンじゃないか?
ライラのため息の横で俺はたなびく金髪を見付け指を指す
「お、いたな、んじゃ後は任せたぜ」
一緒に来ないのか?
「私のガラじゃねえんだよ」
ライラはそう言うと去っていった
リオンの後を追い辿り着いたのはアーディ・ヴァルマが死んだ元闇派閥の基地。扉を破壊し中に入れば彼女の亡骸があった場所を呆然と見下ろすリオンの姿があった
「…………………………レイ」
何してる?
「教えて下さい、正義とはなんですか?」
意思だろう。己の心にある何があっても揺らがない意思
「………………意思」
…………………………そうだな、1つ話をしよう。ある所で世界の危機に立ち向かった英雄達がいた。彼らは1度敗れ闇派閥に世界の半分の命を奪われた。5年かかったが彼らは全てを取り戻した。1人の鉄の男の犠牲を持ってな
「……………………聞いたこと無い話ですね」
まぁ聞け。それから更に年月が経ち1人の少年が世界の危機に立ち向かった。彼は鉄の男を父の様に敬い失い傷付き敵にそこを漬け込まれた。鉄の男の部下に助けを求め彼はこう訪ねられた。【友達に危険が迫り1人きり。武器もない状況でお前はどうする?】と少年はこう言いきった【敵を倒す】と
「………………………………」
俺もお前に問おう。友が死に心に傷を負った。仲間との間にも溝が出来た。でお前はどうする?
「……………………………………私は、アーディの死を無駄にしたくない!!!!」
ならそれが答えだ
俺はそう言ってその場を去ると入り口でアイズと会った
「お兄ちゃん!!」
おお、今日は帰ろう。今は中に俺の仲間がいるから1人にしてやってくれ
「???分かった」
そろそろ飯時だな、何食べたい?
「じゃが丸くん!!」
よし、なら買いに行くか。店やってるか分からんが
アイズと手を繋ぎ俺は三時間じゃが丸くんを作っている屋台を探し回り一件も見付けることは出来ず、仕方無く自分で作りアイズに食べさせた