レイ・ヴァレンシュタイン、転生特典【ガチャ】呪い【超不運】   作:寝心地

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第29話

【死の7日間】3日目

 

薬酒が尽きた

 

1人1滴とは言え数百も数千もいれば小さな1瓶などあっという間に空となる

 

故にこれ以上使わなくても良いように青薔薇の剣を振るった。血にまみれ泥にまみれ悪魔の兵器にも手を染める

 

ズガン!!と言う轟音と共に闇派閥の1人の頭が消える

 

ガチャンとレバーを引き弾を込め2人目に標準を合わせ放つ。この調子では50発などあっという間に消え去るだろう

 

血と薔薇と硝煙の匂いが体に染み付いている。青薔薇だった剣は血により赤く染まっている。休息を挟む暇も無くもうどれ程そうしているか分からない。アイズにも見せられない程酷い顔をしているだろう、やはり元を叩かねば此方の物資(リソース)が尽きてしまう。【ガチャ】から出る物も無限ではない。フィン曰くオラリオにある金の3割弱を使い込んだらしい。その内の殆どがうちと【ロキ・ファミリア】から出ている。これ以上どちらにも負担は強いれない

 

「やぁやぁ、ここにいたのか」

 

声が聞こえ振り返る、先日見た『絶対悪』がそこにいた

 

「酷い顔じゃないか。正義の女神の眷族とは思えない顔だね」

 

だからどうした。お前を殺せば全て終わる

 

「あぁ?まぁ良い。お前にも問いたかった。『正義』とは何だ?」

 

何?

 

「俺は知りたいのだ。お前の『正義』を」

 

知ったことか

 

「…………………………」

 

正義がどうした。【勝てば官軍負ければ賊軍】と言う言葉を知らないのか。いくら正義を語ろうが負ければ悪だ。後は後世が決める。俺が戦うのは妹に真っ当な婚約者でも見付けて平和に過ごして貰いたいからだ。それ以上はない

 

「……………………論外」

 

テメェの尺度だけで物事を語るなよ。俺にはそれが全てだ!!

 

奴に向けて剣を振るった瞬間、俺の体は吹き飛び建物の瓦礫の下敷きになり意識を失った

 

そうしてどれ程経った頃か。異様な息苦しさに目を覚ますと、むせ返る様な土煙に咳き込みながらも立ち上がろうと体に力を入れ様とした瞬間、突き抜ける様な痛みが走る

 

腕は動く。右足も動くが左足は感覚がない。折られたか関節が外れたか、或いは瓦礫が血を止めているのか。失っていないと良いが、なんでも良い。外の景色が見たい。今が何時なのかあれからどれ程経ったか、もう薬酒も尽きた空気もどれ程持つか分からない。体を動かせばガラガラと瓦礫が崩れる音がする

 

そうして踠いていればいつの間にか外の光が入ってくる

 

ヒタヒタと頭に水が滴っている、剣は何処だ?

 

キョロキョロと周りを見回せばそこに薔薇の香りを放つ剣があった

 

拾い上げ鞘に戻し鎮痛剤を飲む。速効性は無く治療できるわけでもない。薬酒を過信しすぎた。ミアハかディアンケヒトから水薬(ポーション)を買っておくべきだったな

 

ひとまず戻らねば、こんな状態でいることを闇派閥に知られれば数で押し潰される

 

「いたぞ!!、【血風】だ!!」

 

「満身創痍だ!!、数で押せ!!」

 

ああ、知っていた、【超不運】が発動した、今まで以上に濃い死の香り

 

その香りは血と硝煙と、そして強い薔薇の香りをしていた

 

武装完全支配術(エンハンス・アーマメント)

 

その香りは強く、俺の脳天を撃ち抜き俺の口にその言葉を吐かせた

 

俺に出来るのはそこまでだった。疲労、怪我、物資不足、欠落する思考の中で俺の目にはアイズの幻影が此方に走ってくるのが映っていた

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