ギネヴィア転生物語   作:妖月くぅちゃん

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誤字脱字報告ありがとうございます。
感想等も楽しく見させて貰ってます。
書き直そうと思ったけど永遠に終わらなそうなので出します。
それではどうぞ



後日談2「疾走せよ恋せよ乙女」

 

朝日が差し込む自室でモルガンは悩んでいた。

最近、ギネヴィアと会うたびに心が鳴り響くのだ。

 

その思いはとある夜を起点にして始まった。

最初はギネヴィアを利用するつもりだったモルガンはあの夜、とある作戦を実行した。

 

かのアーサー王から王位を簒奪する為に色々と策を練り実行したあの夜。

上手くいったかと言われると微妙だがモルガンは当初の目的は達成した。

 

だが、その中で予想外の手痛い反撃をギネヴィアから喰らった彼女。

 

その時、気づかない内に彼女の中に巣食っていた意思の一部がギネヴィアの銀の鎖にて吸収されていたのだ。

 

その吸収した事にギネヴィアは気づいてない。

それもそうだろう。その時、ギネヴィアは薬によって正気ではなかったのだ。

 

そして、今まで憎しみで構成された一部が減ったことによって起きた感情という名の意思の混乱。

 

あの時に何かをされたと考えた彼女はギネヴィアに会いに行った。

その結果として複雑に絡まった憎しみから解放されたのだ。

 

その時に初めてモルガンは1人の少女となった。

 

それからは等身大としての自分と接してくれる彼女にモルガンは恋をしたのだ。

だが、これまで妬み恨みしかしてこなかった彼女は恋という物を知らない。

母として子供もいるのに恋愛をしてこなかったのだ。

 

その結果、その気持ちに気付かずその思いに振り回されていた。

その様子は、まるで思春期の恋する乙女。

 

そんな彼女は今日、ギネヴィアと庭園でお茶会をする予定があった。

その事を考えるだけでモルガンの心はときめいていく。

 

さて、何のお話しをしましょうか?

そんな事を考えながら今日のお茶会の為のドレスを選ぶモルガン。

沢山ある中からギネヴィアが好きそうなドレスをわざわざ選んだ彼女は早速とそれを着ると鏡の前に立つ。

 

そして鏡に映る自分を見ながらポツリと思いが溢れる。

 

「貴方は褒めてくれるでしょうか?」

 

そんな事を言いながらモルガンは問題ないかを確認する為にひらひらとドレスを翻す。

 

そして問題ないと判断するとモルガンは予定の場所に向かうのであった。

 

ーーーーー

 

庭園の入り口に着くとモルガンを迎える様に色とりどりの花が迎えた。

その見事に咲き誇る花達はギネヴィアが育てたらしい。

それを知っているモルガンとしては彼女の多彩な趣味に感心をしながらもその花達に見惚れる。

 

「いつ見ても美しい」

 

まるで彼女の心の中を現すように美しいそれらに目を奪われながらもモルガンは目的地の中央に向かっていく。

 

途中、庭園の端で息子のガウェインが何かに水をやっていたのを見たのだが幻覚として思うことにして、気のせいとして見なかった事にして歩く。

 

この様な素晴らしい庭園に理解が無さそうな息子がいるわけない。

そう思い込みながらも目的の場所に着いた。

 

そしていち早く着いた彼女を迎えたのはギネヴィアだった。

 

「あれ?思ったより早く来ましたね?」

 

机の上にティーポットなどを並べていたギネヴィアは予定より早く来たモルガンに驚いていた。

 

それもそのはず。モルガンは一刻も早く彼女に会いたいという気持ちから予定より早く来ていたのだ。

 

その事に気付いたモルガンは恥ずかしそうに言う。

 

「その…貴方とお話しをするのが楽しみで…早く来てしまいました…」

 

その恥ずかしそうな様子を見たギネヴィアは朗らかに笑うと口を開く。

 

「ふふっ。大丈夫ですよ。せっかく楽しみにして来てくれたのですから始めちゃいますか」

 

ギネヴィアはそう言うと魔術を使いパパッと準備を終えると椅子に座る。

 

「さぁ。モルガン様もどうぞ」

 

そう言うと椅子に座る様にモルガンに促してきた。

モルガンが椅子に座ったのを確認するとギネヴィアは魔術を使いティーカップに紅茶を注ぎモルガンの目の前に優しく置く。

 

そうしてお茶会が始まった。

 

ギネヴィアから振られる会話に頷きながら言葉を返すモルガン。

ときたまこちらからも話題を振り返す。

それらにテンポ良く頷いて言葉をくれる彼女にモルガンは楽しくなった。

好きな人が自分を見て楽しく笑っている姿に嬉しくなる。

そんな事を考えているとギネヴィアが口を開いた。

 

「それにしても今日もドレスがお似合いですね」

 

聞きたかったその一言にモルガンの心が跳ねる。

ギネヴィアが褒めてくれた。

その一言でモルガンの心臓が痛いほど鳴り響く。

 

精一杯オシャレをして準備したそれを褒めてくれたことに顔がニヤけるのを隠しながらもギネヴィアに言葉を返す。

 

「そう言う貴方も似合ってますよ」

 

モルガンもギネヴィアのオシャレを褒める。

 

「えへへ。ありがとうございます」

 

何処かあざとさを感じる様な可愛いらしい笑顔を食らいモルガンの心が可愛いの一言で埋め尽くされる。

 

可愛い!!

はぁ、何て可愛いのでしょうか。

持ち帰ってしまいたいぐらいに。

 

そんな風に危険な思考をしてしまうモルガン。

そして直ぐに正気に戻ると何も無かったかの様にティーカップを傾ける。

 

「モルガン様。それ紅茶入ってませんよ?」

 

その一言にえっ!?と言葉を漏らしたモルガンはすぐさまにティーカップの中を覗くがそこには飲み干した紅茶の茶殻があるだけで何もない。

 

一気に顔を赤くする彼女にギネヴィアは優しく笑う。

 

「くすっ。モルガン様もおっちょこちょいな時があるんですねー。それだけ美味しいそうに飲んでくれると用意した甲斐がありました」

 

そう言って微笑む彼女を見て笑わせることが出来たならいいかと納得するモルガン。

 

あの悪辣な用意周到な魔女は何処に行ってしまったのだろうか?

そう思うぐらい今のモルガンはポンコツになっていた。

 

「そう言えば、最近新しい趣味を始めたんですよ」

 

ギネヴィアはそう言うと机の上に薔薇の刺繍が入った薄水色のハンカチを置いた。

 

「ねっ!!見てください。私、いちから頑張ったんですよ」

 

今すぐ褒めて欲しそうな顔をしてこちらに近づいてきた彼女はそれをモルガン目の前で広げる。

 

近づいてきた彼女に心がときめいて心が悲鳴を上げるモルガン。

それを何ともない様に表情を作ると如何にも真剣に見てますよと言った感じにハンカチを見る。

 

その見事と言っていいほど綺麗で鮮やかな薔薇の刺繍がモルガンの目に入った。

 

「素晴らしい出来ですね」

 

モルガンはそう褒める。

それに嬉しそうな表情をしたギネヴィアは喋り出す。

 

「やっぱり、モルガン様はわかりますか!?これは世界の裏側で取れた素材からこだわりにこだわった逸品です。とある黄金の羊から採れた魔力伝達の良い毛を加工して染めて糸にして、それをとある植物から生成した布に魔力刻印に見立てて刺繍として通したんです」

 

ん?世界の裏側?黄金の羊?植物?頭にハテナが浮かぶモルガンはすぐさまハンカチに目をやる。

 

そして、じっくりと見るとそれが途轍もない魔術逸品になっていることに気付いた。

その無駄に洗練された無駄のない無駄しかない技術にモルガンは驚く。

 

魔術師はわざわざ魔術を使う為に1からハンカチなど作らない。

材料の選定から選ぶのはあるが、だからと言ってハンカチなどにしない。

もっと有効活用できる方法は幾らでもあるはずだ。

 

そしてわざわざ幻想種から採れた魔力伝達の良い糸を魔力刻印として薔薇に見立てて通すなどしない。

普通に幾何学的に刻んだ方が魔力伝達が良く魔力ロスが少ないのだ。

なのにこれは一切の魔力ロスなく糸が通されていた。

 

その精錬された無駄のない無駄しかない技術は使われている素材のせいで途轍もないほど神秘が纏わられていた。

それはもはやハンカチとして呼べない代物に成り果てている。

 

「流石は稀大の魔女ですね。これの凄さを直ぐに見破るとは!?アル様なんて気づかなかったですよ」

 

それに気付いていないギネヴィアは嬉しそうにモルガンを褒める。

 

モルガンも言われるまで気付いていなかったが、如何にも気付いていましたよ。と言った感じに表情を作る。

 

これで気付いていなかったと言った時に彼女から失望されるのが怖かったのだ。

 

そんな事を考えているとは梅雨知らずギネヴィアはハンカチを畳むとモルガンに差し出す。

 

「ん?なんですか?」

 

首を傾げるモルガンにギネヴィアが口を開く。

 

「プレゼントです」

 

「えっ?いいのですか?」

 

「モルガン様にあげる為に作ったんですよー」

 

好きな人から貰えるプレゼント。

しかもいちからの手作りと来た。

その余りの嬉しさにモルガンは感動してしまう。

 

ギネヴィアは他の人にもあげたと言っているがモルガンには聞こえていなかった。

 

私だけの為に1から作った。

それだけで使われている素材とかどうでも良くなったモルガンはギネヴィアにお礼を言う。

 

「ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」

 

「喜んでくれてよかったです」

 

そう言ってその後のお茶会も楽しんだモルガンは家に帰ったらベッドの上でわーいと喜んでハンカチに魔力を通して眺めていた。

 

そしてその事をマーリンに知られて揶揄われたモルガンがブチ切れてマーリンを吹き飛ばしたのはご愛嬌だろう。

 

つまり、恋する乙女を揶揄うのは怖い言う事だ。

 





少女?乙女?何か変だな?

それはさておきアンケートご協力ありがとうございました。
結果はこの様になりました。
1 43
2 198
3 190
4 52
5 151
6 109

結果として2の198票。原作時空アル様なしギネヴィアキャスタールートになります。
意外と票がバラけて2と3が接戦でした。
という事でこちらのルートを書かせて貰います。
と言っても見直したりしないといけないので間が開きますので気長にお待ちください。
それでは改めてアンケート協力ありがとうございました。
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