最初はガウェイン視点で書いてたけど主人公ちゃん視点で書き直した一品。
それではどうぞ。
「ふぅ〜んふぅふぅ〜ん」
私は上機嫌に鼻歌を歌いながら庭園にてお花達の水やりを行っていた。
そんな私に話しかけてきた人物がいた。
「ギネヴィア元王妃よ。相談があるのですが。今、大丈夫でしょうか?」
そう珍しいことにガウェインが話しかけてきたのだ。
一体どうしたんでしょう?
あのガウェインが私に相談とは珍しいこともあるんですね。
そう思いつつもガウェインに返答を返す。
「私に相談とは珍しいですねガウェイン様。どうかしたんですか?」
「折り入ってお願いしたい事があるんです」
そう言って深刻そうな顔をして少し間を溜めるガウェイン。
えっ?ここまで深刻そうな表情をされると怖いのですが…
助けてアル様ー早くきてー早くきてー。
私1人じゃどうしようもない可能性があります。
「庭園の一部を貸してくれませんか?」
あれ?思ったより大した事ないですね。
「大丈夫ですよー。ただ今花育てている場所は困るので庭園の端になりますがそれでも大丈夫ならいいですよ」
「それで大丈夫です。ありがとうございますギネヴィア元王妃」
「それじゃあ着いてきてください」
私はそう言うとガウェインを連れて庭園の端に向かう。
そこは土を耕してはいないがある程度の土地があった。
「ここなら、好きにしてもらって大丈夫ですよ」
「ありがとうございます」
「ちなみにこの土地で何をするんですか?」
「マッシュを育てようと思ってます」
ああ〜。いつもの発作の方ですか…
というか、離れた隣の丘に農業用の畑があるんですが…
わざわざ花を育てている場所で育てるとは嫌がらせなんでしょうか?
まぁ、いいでしょう。出来るだけ関わらない様にしますか。
「なるほど、頑張ってくださいね。それでは」
私はそう言うと足早にそこから距離を取る。
そして今さっきの続きで花達に肥料あげていくと今さっきの辺りから凄い音と共にボドボドと土が降ってきた。
はぁ。早速やらかしましたね。
どうせ耕す力加減でも間違えたんでしょうね。
溜め息を吐きながらとあることに私は気付いた。
育ている花の上に土が被っていることに。
うわぁああん。何してくれてんじゃボケェ!?
余りの怒りに私のこみかみがピクピクとする。
落ちつきなさい私。
魔術を使って取ればどうということはない。
素早く魔術を使い花達と自分から土を落とす。
そうやって土を落としているとまたもやガウェインが話しかけてきた。
「ギネヴィア元王妃よ。聞きたいことがあるのですが今大丈夫でしょうか?」
大丈夫に見えるかボケェ。
お前のせいで余計な仕事が増えてるじゃボケェ。
はぁはぁ落ちつきなさい私。
怒ってはダメです。ここは穏便に行かなければ。
花の上に乗っている土をどかしながらガウェインに言葉を返す私。
「どうかしましたか?」
「マッシュは一体どうやって育てるんでしょう?」
「何を言ってるんですか?」
不味い。余りにも何を言ってるのか分からんせいで心の声を漏らしてしまった。
そんな私を梅雨ほどしらずガウェインは言葉を返す。
「マッシュの種とは一体何処から手に入る物なんでしょうか?」
「普通にマッシュから取れる種を植えるかマッシュそのものを植えてでも出来ますよ」
「なるほど。それではマッシュを取りに厨房に行ってきます!!」
ガウェインはそう言うと凄いスピードで駆け抜けていった。
これで一旦落ち着けばいいのですか…
少し時間が掛かりながらも花に乗った土をどかし終えると再びガウェインが突撃してきた。
「ギネヴィア元王妃よ。マッシュの種かマッシュを持ってませんか!?」
「厨房に無かったんですか?」
「それが、料理長曰く何処ぞのマッシュ好きが全部潰して食べたとのことです。誰がそんな事を!?」
深刻そうにガウェインが言うが犯人は1人しかいない。
お前だよ。お前しかいないわボケェ。
このキャメロットでマッシュを好きな奴はガウェインぐらいしかいない。
それを分かっているんでしょうか?
「はぁ。マッシュですね。ちょっと待っていてください」
私は仕方なく魔法の袋を取り出して中に手を突っ込んでマッシュを探す。
あれ?マッシュがない?どう言う事でしょうか?
もしかして!?
ガウェインに植え付けられたマッシュに対する苦手意識のせいで知らぬ間にマッシュを避けていたのですか私!?
私は深刻そうにその事を言う。
「ガウェイン様すいません。マッシュがありませんでした」
「そんな…馬鹿な…これからどうやって私は生きて行けば…」
そう絶望した表情で語るガウェイン。
いや。普通に他の飯を食べれば良いでしょうに。
余りも絶望しているガウェインを見て可哀想だと思った私は1つの提案をした。
「仕方ありません。マッシュが無ければマッシュを探しに行けば良いんですよ。これを機に至高のマッシュを探して見るのも良いかも知れません」
「確かに!?何故そのことに気づけ無かったんでしょう」
まるでその手があったかと頷くガウェイン。
確かにマッシュが無ければ取りに行けば良いじゃないと行く気マンマンになったガウェインは何処行けばあるのかを聞いていた。
「それで、何処に行けばその至高のマッシュがあるんでしょうか?」
「そうですね。マーリン様が知っているかも知れません。あの人はこの世界の至る所を見ることが出来ますので。もしかしたらこの世から姿を消したロストマッシュなるもののありかを知っている可能性もありますよ?」
「ロストマッシュ!?何て良い響きだ。分かりました。今すぐマーリンを探してきます!!では失礼しました」
ガウェインはマーリンを探しに走り出した。
それを見届けた私はしばらく時間稼ぎが出来た事に喜ぶ。
もしかしたら神出鬼没のマーリンが見つからず一生探す可能性もある。
いつも通り頑張って逃げてくださいねマーリン。
私はそう思いながら降ってきた土で折れた枝などを丁寧に切断して整える。
ふむふむ。なかなか整ってきましたね。
私がそうして作業をしているとアルが来た。
「ヴィ。ここにいたんですか」
「あれ?アル様じゃないですか。どうかしたんですか?」
「いや、普通に恋しくなったので探しにきました」
アルはそう言うと私を持ち上げて抱き上げる。
「アル様は私を抱き上げるのが好きですよね」
「なんと言うか、よく抱き上げているせいかヴィを持ってないと落ち着かないんです」
いや、それはなんか良くない中毒症状なのでは?
全くこの人は仕方ありませんね。
「せっかく庭園まで来てくれたのですからティータイムなどはいかがですか?丁度あそこらへんにテーブルなど置いてあるので良かったらどうです?」
「いいですね。是非ともご相伴に預かろうと思います」
「それではあちらの方までよろしくお願いします」
私が指を刺して方向を伝えるとアルがそこまで私を運ぶ。
その場所に着き、私は降ろされるとティータイムの準備を始めた。
私は机にティーポットとティーカップを用意してお茶請けとしてアップルパイを取り出し分けて置く。
そして準備が終わるとアルとティータイムが始まった。
私は今日あった出来事をアルに話した。
「それでガウェイン様が酷いんですよ。私が育てた花達をボロボロにしてきましたし本人にそのつもりが無いのがタチが悪いんです」
「それは大変でしたね」
「本当に大変でした」
そんな風に私の愚痴を優しく聞いてくれるアル。
私の愚痴が終わりそこからは楽しい会話が始まる。
わいわいと盛り上がっているとそこにマーリンを担いだガウェインが再び現れた。
と言うかマーリン捕まってるやんけ。
萎れた様にグデッとしているマーリン。
そんなマーリンを担いでいるガウェインはアルに気がつくと素早く膝をつくと挨拶をした。
「これは前王よ。お元気そうで何よりです」
「ガウェイン卿もお変わりなく元気そうでよかったです」
「いや、僕の事を忘れないでくれるかい?降ろしてくれ。と言うかギネヴィア、僕の事を売ったよね?おかげで僕を見つけた彼が悪質タックルを決めて来たんだけど」
「売ったとは人聞きが悪いこと言わないでくださいマーリン様。そもそも貴方がいつもの様に逃げていれば問題なかったんですよ」
「それが出来てればこうはなってないよ。それにしても何だいロストマッシュとか聞いたことないよ」
「今の時代におけるまでの間に失われたマッシュがあるんじゃないかと思いまして。マーリン様なら知ってると思ったんですか…」
「普通にマッシュで良かったんじゃないかな?彼、変なやる気出しちゃってるよ」
「まぁ、それは確かにそうですね」
私とマーリンがコソコソと話しているとガウェインが口を挟んできた。
「さて、誰もロストマッシュを知らないとなれば答えは一つ、マッシュを探しに冒険に行きましょう!!」
まだ見ぬロストマッシュのせいでわくわくガウェインとかしてしまったガウェインがここにいるメンバーで探しに行こうと提案してくる。
「仕方ない。最近は良いところを見せれて無かったからね。僕の力で良ければ力を貸そう」
マーリンは意気揚々とマッシュ探しに参加しようとする。
最近は落ち着いたこともあり、こう言うわちゃわちゃした感じのイベントには全力で参加してこようとするのだ。
本当にいい迷惑だ。
「元家臣に力を貸して欲しいと言われれば手伝いましょう。それに昔みたいに皆んなで旅するのも悪くありません」
アルも昔みたいに純粋に旅するのは楽しいのかガウェインに賛成してきた。
まぁ、偶にはいいですか。
私はそう思うと一つの提案をする。
「私に1つ案があります。マーリン様曰く忘れられた神々や幻想種は裏世界にいるとのこと、ならばそこにあるはずです。但しそれ相応の危険もありますが1番可能性がある所です」
「なるほど確かに1番可能性があるかも知れないね。でもアーサーは今メインとなる武器がないけどそこはどうするつもりかな?」
ガウェインがいるためいつものアルトリア呼びをしないマーリン。
そういう気遣いが出来るのなら他の所で生かして欲しいのですが…
そんな彼が今のアルにはメインとなる武器がないと言う。
確かにアルのメインとなるエクスカリバーは湖の精霊に返してしまった。
だか私には変わりの武器となるものを持っている。
「確かに今のアル様にはエクスカリバーがありません。なので私がいつしか作ったこちらの細剣を貸します」
いつしか作ったヴォーティガーンの素材で作ったエクスカリバーもどき。
それならばアルの力について来られるだろう。
私はそれをアルに渡す。
「これは…いいのですかヴィ?」
そう言ってこちらを気にするアルに言葉を返す。
「別に大丈夫ですよ。私には水銀剣がありますし、そのエクスカリバーもどきなら幻想種や神々に対して特攻がついているので今回の探索に丁度いいと思います。もし気にするならもう一つ作ればいいので、気にしなくてもいいですよー」
私がそう言うと新しく貰った剣で颯爽と素振りを始めるアル。
そして意外と気に入ったのかうむうむと頷いていた。
それもそうだろう。エクスカリバーを参考に作ったのだ。
他の剣よりも手に馴染む事だろう。
「ヴィ。これ欲しいです」
「いいですよ。何ならもう一本作って夫婦剣みたいしてもいいですよね」
作り方はとある弓兵から見せて貰ったのだ、つまり私なら似たような感じで再現する事が出来ると言う事だ。
「夫婦剣…いいですね。是非とも今すぐに作りましょう!!」
それを聞いたアルが私とお揃いの剣を想像してウキウキとした感じで今すぐ作りましょうと言ってくる。
「では、今回の旅で丁度良い素材も集めましょうか」
新しい目標が追加されると私のやる気も上がった。
「それじゃあ各自準備を整えてまたここに集まりましょう」
そう言って私達は一旦準備という事で別れた。
そしていざその時となり集合場所になると、何処から聞いたのが元円卓の騎士達も勢揃いしていた。
「おいおい。俺たちを置いて楽しい計画を立てているじゃないか?当然各自準備の方は終わってるぜ。参加していいよな?」
ケイがそう言うと次々と参加表明してくる騎士達。
何処から嗅ぎつけたのか聞くとマーリンが旅をしにいくから参加したかったら準備しておいでと言ったらしい。
おかしいですね。ただのマッシュ探索だと言うのに円卓騎士勢揃いとは…
でも考えてみたら皆んなで旅に出た事はなかったですね。
これもいい機会だと思う事にしましょう。
「それでは、皆様準備はよろしいですか?」
私がそう言うとみなして了承の言葉を返してきた。
「では行きますよ」
魔術を使い空間に穴を開けて裏世界にある自分の魔術工房と繋げる。
穴を開けたそこに円卓の騎士達が入っていった。
穴を抜けた先には畑が広がっていた。
それは、私が魔術工房の隣の土地に作った畑である。
そんな私たちを出迎えたのが私が個人的に契約しているノーム達だ。
このノーム達は幻想種に棲家を追い出されたのを私が保護した子達なのだ。
それに恩を感じている彼らが色々と手伝ってくれている。
彼らとしては報酬はいらないと言っているのだが私個人としてその様なブラック企業の様なことは出来ないとして報酬を払っているのだ。
ノーム達は私を見るとミッミッと鳴き集まってきた。
それぞれ畑で取れた物を手に乗せて、どう?どう?と言った感じに見せてくれる。
集まって来たノーム達に敵襲かと騎士達が身構えるがすぐに敵意がないと警戒を解いた。
「すいませんが用事で暫く家を空けます。その間の事はよろしくお願いしますねー」
私がそう言うと1番前の子がミッと言って返事を返してくれる。
これは任せろと言っていますね。
「ありがとうございます。ついでに欲しい物があったら持っていっていいですよー」
「ミッ!!」
「それでは留守の間よろしくお願いします」
私はぺこりとお辞儀をして騎士達を連れて離れる。
そうするとノーム達のことが気になっていたのかそれぞれ聞いてきた。
「それにしてもいつの間にノーム達を手懐けたんだい?」
「手懐けたわけではないのですか。幻想種に追い出されたのを拾って家で面倒を見ているんですよ」
そうマーリンと会話している隣ではアルがノームと戯れているヴィが可愛いとか他の騎士達で盛り上がっていた。
そんな彼らを連れて歩いて行くと断崖絶壁に着く。
そしてそこから見える光景で此処が非現実な場所という事を思い知らされる。
「島が浮いている!?」
そう、此処は現実世界と違って、とんでも理論で何でもありな世界なのだ。
「此処では普通の事ですよ。逆さ海があったりなど何でもありです」
「くっ〜。ついて来て良かったぜ。こんな体験他には出来ないぜ!!」
モードレッドが楽しそうに喜んでいた。
「なるほどね。これは楽しい冒険になりそうじゃないか」
それにマーリンが続く。
そんな感じにそれぞれが冒険に胸を膨らまして楽しみにしていた。
「それでどうしますか?ここは見た様に断崖絶壁ですが…」
「アル様。私に任してください」
私はそれを水銀で形成する。
「これはヴォーティガーン!?」
「大丈夫です。これは私が水銀で再現した物なので本物とは違います。移動式魔術工房を一時的にドラゴン形態にした物です。ちゃんとビームも再現してます」
私が説明している裏でモードレッドが感動していた。
「かっカッケェ〜!!流石は母上様だ」
その反応に私得意げにする。
そうだろうそうだろう。これを再現するのは大変だったんだ。男のロマンが全部詰まっているのだ。
「それでは皆様お乗りください」
そう言って皆んなが乗った事を確認すると出発する。
そうしてマッシュを探す旅という旅行が始まったのだ。
道中色んな事があった。
この湖を渡りたければ私たちを感動させて見ろと言った人魚達に対してトリスタンが音楽を奏でマーリンが幻惑で水中に花を展開しケイがそれを纏いながら水中にてダンスを踊って人魚達を感動させたり。
火山地帯にて大量のドラゴンがブレスを吐いてきたのを私が結界を展開して防ぎ、それでも貫通してくるのをギャラハッドが盾を展開して止めて、その間に皆んなで剣からビームを撃ちまくってドラゴンを撃ち落としたり。
名も無き神が襲って来たので、私が捕まえて丁寧に権能をじわじわと削り取ったら何でもするから許してくださいと言って来たので、出す物だせとカツアゲしたり。
精霊にお願いごとをされてよくわからん羊狩りをしたり。
など色んな事があり、とうとう目標のロストマッシュを手に入れた私達はキャメロットに帰って来た。
ガウェインは早速それを植えると毎日水やりを行った。
途中マーリンが植物は日光が大事なんだよとか言ったせいでガウェインが輝けガラティーンとかいって庭園を焦土に変えた時は流石にブチ切れた。
その時、私を見た人達は怒らせない様にしようと誓ったらしい。
そして出来上がったマッシュを食べたガウェインが輝き騒動を起こすのだがそれはまた別のお話しなのだ。
長いから旅はカットという事で。
ちなみに後日談は本編終わった後で時系列がバラバラです。