ギネヴィア転生物語   作:妖月くぅちゃん

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誤字脱字報告ありがとうございました。
感想等もありがとうございます。
それでは続きをどうぞ



第2話 騒がしい夜

 

朝日が照らす公園にてギネヴィアこと私は困っていた。

 

あの召喚からすぐさまはぐれサーヴァントになるとは思っていなかったのだ。

 

だからといって意味ない殺人を行う者をマスターとして認めたくなかったし何より目で見えた情報から彼は魔術回路をまともに開けていなかったのだ。

 

なのでどちらにせよまともな魔力は補給されないので居ても居なくても変わらないマスターだったのだろう。

 

本来なら単独行動のスキルがないとじわじわと魔力を失い負けになる。その為に、すぐさま新しいマスターを探さないといけないのだが、そこは私の宝具と魔眼が解決していた。

 

私の魔眼は目に入った全ての情報を暴き写し出す。

 

本来ならすぐさま廃人になるレベルの代物なのだが、そこは目に刻んだ魔術刻印で解決している。

私のいらないと思った情報を全て分解して魔力に変換する事が出来るのだ。その為、ある意味それは無尽蔵な魔力炉と言っても間違いない。

普段は普通の人間レベルで見れる様に自動設定している為に問題はない。

 

そして、宝具の星剣。これは世界の外側の星海にて私が作った剣。文字通り星を重ねて作られた為に途轍もない神秘を秘めている。

これ自体がアホみたいなレベルで神秘と魔力を生成する為にマスターの魔力供給がなくても問題無いと言う事だ。

 

ある意味、今の私にピッタリな宝具なのだ。

 

こう言う理由もあり私はマスターを必要としていない。

 

それにしても夫婦剣にする為に堕落する剣の対になるように作ったのだが本当に夫婦剣なのだろうかと今更ながら考える私。

姉妹剣なのでは?と思ったけどまぁいいか。

 

正直なところ水銀剣の方が取り扱いがしやすい為、そっちの方が宝具として有り難かったのだが無いものねだりをしても仕方ない。

 

最悪、星剣で生成する魔力や神秘を使い水銀剣を作るのもありだ。

 

そんな風に考えながら公園のベンチの上でこの後の事を考える。

一応、私はベンチに座っているだけなのだか周りの子供や大人達にかなり遠巻きに見られていた。

 

何故こうも注目されているかと言うと、ブリテン時代に来ていたワンピースドレスを着ている。

つまり、召喚された時の服装のままという感じだ。

一応ここら辺には外国人の姿が意外と多い。だからと言ってこんな服装をしていたら目立つ。

しかもブリテンを駆け抜けた時の姿の為、身長も低くいのだ。

その為、とても目立っているのだ。

 

とりあえず、こちらを見ている人達にニッコリと笑顔を返して手を振っておく。

それに対して何故かキャーキャーと言う声が聞こえてくる。

確かに私の見た目はかなり可愛いのだが、だからと言ってその反応は過剰なのではと思う。

とても不思議だ。

 

という事で、まずは服を手に入れるところから始めなければ。

 

「やはり何にしても先立つためのお金と情報が必要ですね」

 

どうやってお金と情報を集めるか考えながら私は公園のベンチから立ち上がり歩き出すのであった。

 

ーーーーー

 

夜の道路を淡く照らす街灯を2人の男が歩いていた。

片方は巨漢と言った感じの男でもう片方は少年ぐらいの大きさだ。

 

その大きさの違いから少年は巨漢の男を見上げる形で話をかけなければならずその内首を痛めるのではないかと密かに心配をしていた。

 

そしてその小さな少年ウェイバー・ベルベットは巨漢の男イスカンダルにキレていた。

 

家でダラダラしていたらと思ったら急に出るぞとか言って連れ出されたのだ。

 

最初は何かしらの理由があるのかと思ったのだが、ただの現代視察と言われた時には腹が立ったのだ。

 

日頃から煎餅を齧りテレビを呑気に見ている姿を見てやる気を出したかと思えばこれである。

 

その為か外に出たライダーにぐちぐちと文句を言っていたが煩いと一言デコピンされた彼は錐揉みしながら綺麗な射線を描くように吹っ飛ばされたのだ。

 

それ以降はライダーが指を構える度にビクッと反応して頭のおでこを両手で隠してしまう様になってしまった。

 

哀れウェイバー。

 

そんな彼らの感じはというと、ライダーが何でもかんでも、あれは何だと質問してウェイバーが答えると言う感じで夜の街を散策していた。

 

「坊主あれはなんだ?」

 

早速と言わんばかりにライダーが指を向けた先には屋台があった。

 

いかにも移動式屋台と言った感じで、その屋台の先に吊るされいる赤提灯から漏れる光が夜の街を照らすと言った感じのコテコテな感じな物だ。

 

そんな屋台からは良い匂いが漂ってきていた。

歩き疲れて腹が減っている今のウェイバーでは、その腹を刺激する甘美な良い匂いに抗う事が難しい。

今すぐ見なかった事にして回れ右をしたいのだがライダーが質問したのもあり距離を取る事が出来ない。

 

「あれは屋台と言ってーーーおい!!話を聞け!!」

 

嫌々説明しようとしたのにそれに無視するかの様に突撃するライダー。

 

それにイラッとしながらもマスターとしてサーヴァントから離れる訳には行かないため大人しくついて行く。

 

良い匂いに釣られて向かった彼らを迎えたのは綺麗で可愛いらしい店主だった。

 

「2人ですか?」

 

「おう」

 

「いらっしゃいませ。メニューはあちらに書いてあるのでそれを見て注文してください」

 

先にのれんを潜ったライダーに続いて入ったウェイバーの目に入ったのは100人中100人全員が見返すほど綺麗な容姿をしている少女が目に入った。

 

そしてその期待を裏切る事は無く鈴を鳴らす様な可愛らしい声に女性経験が無いウェイバーは顔を赤くする。

 

そんな彼女に案内されるように座った彼等は座ってしまったのもあり、食事を注文することにした。

 

「なに?酒があるのか」

 

酒と書かれたそれにめざとく反応するライダー。

それに対して可愛らしい店主は答える。

 

「色んな地方の物から定番のものまで幅広く取り扱ってますよ」

 

「マケドニアのワインはあるか?」

 

「おいライダーあるわけないだろ!!」

 

「ありますよー」

 

「あるのかよ!?」

 

「なるほど、楽しみは後に取っておくことにしよう。ならまずは店主のオススメをくれい!!」

 

そう言って出されたのは定番と言っていいキンキンに冷えたビールと焼き鳥だった。

 

「何だコレは?小さいな…」

 

貧相な見た目の料理にライダーはそう口にしながらも串を摘み口に入れる。

そして焼き鳥を口に入れた瞬間に広がる肉汁と甘いタレ。その味に酒が欲しくなったライダーはビールジョッキを傾けて豪快に飲む。

 

「ガハハ美味い!!何だこれは!?坊主は食わんのか?余が貰ってやる!!」

 

美味しい料理に上機嫌になったライダーはウェイバーの目の前に出された焼き鳥を略奪すると喰らう。

 

「おい!?僕のだぞ!!」

 

「ハッハハ。ちんたらしていてはいかんぞ!!」

 

そう言って次々注文して喰らっていくライダーを見てウェイバーも新たに置かれた焼き鳥を口に入れる。

 

「美味い」

 

「そうであろう!!」

 

「なんでオマエが自慢げに言うんだよ」

 

「なぁ店主。余の料理人にならんか!?」

 

「おいライダー!?」

 

「誘いは嬉しいのですか…お断りします」

 

「なに!?」

 

断れると思わなかったライダーは声を上げると少し考え人差し指と親指で円をつくる。

 

「報酬も弾むぞ」

 

「そう言われると悩みますがやめておきます」

 

「おい。オマエ金なん…て…?」

 

ウェイバーがそう言いかけた時に思い出す。そういえば今の手持ちほぼないことに。

 

そのことに一瞬焦るが魔術で暗示を掛ければ良いことだと思い出し、気にする事をやめた。

 

不幸中の幸いにしてウェイバーの発言はライダーの声の大きさによって掻き消えていたので店主の耳には入っていなかった。

 

ということで気にせず食べることにしよう。

 

吹っ切れたウェイバーと食事に夢中になっているライダーは料理を片っ端から頼み店のお酒とご飯を全て喰らい尽くした。

 

そうして好き放題に食べた彼らは満足して屋台の椅子から立ち上がると外に出ようとする。

 

「お客様?お会計がまだなのですが?」

 

お会計と評してお金を請求してくる可愛らしい店主の少女にウェイバーは申し訳ない気持ちになりながら魔術を使い暗示をかける。

 

そして外を出ようとする彼等に再度声が掛かる。

 

「すいませんー。会計がまだですよー?」

 

その一言にウェイバーは暗示をミスったかと思い再度かけようとすると、少女が先に口を開いた。

 

「今さっきから暗示の魔術を掛けようとしていますし、もしかして食い逃げですか?」

 

可愛らしい店主から出た魔術という言葉にウェイバーは同胞かと思うと慌てて距離を取り臨戦態勢を取る。

そしてライダーを連れて逃げることにした。

 

「不味い。ライダー逃げるぞ!!」

 

そんな彼らに少女…ギネヴィアは手を動かして素早く水銀の檻を作り逃げれない様にする。

 

余りにも現実離れした魔術の展開の速さにウェイバーはもしかしてと気づく。

 

「この規模の魔術を詠唱なしで展開…まさかサーヴァント!?」

 

突如として起きたイベント。

ウェイバーはすぐ考える。

敵は魔術を使っているのでおそらくキャスター。

ウェイバーは魔術を使いサーヴァントとしての性能を見ようとするが何も分からない。

その事に焦り隣を見るといつものように腕を組んだライダーがいた。

 

堂々と変わらない事に少し安堵を覚えて落ち着く。

 

だが、ウェイバーは気づいていないがライダーはすぐさま戦闘態勢に入れるようにギネヴィアを注視していた。

 

そんなギネヴィアは2人を静止させるジェスチャーをすると口開く。

 

「まぁ、待ってください。お金が無いなら食べた金額と同じぐらいの何かと交換でもいいですよ」

 

そんな彼女の戦闘意欲が無さそうのを見てすぐさま戦闘と言った事にならない事にウェイバーは安心する。

そして恐る恐るどれくらいの値段か聞いてみる。

 

「これぐらいですね」

 

そう言って伝票をウェイバーに見せるギネヴィア。

ウェイバーはそれをいちべつすると書かれている内容に目を疑った。

 

「桁を間違えてるんじゃないか?」

 

ウェイバーがそう口に出してしまうぐらいの値段がそこには書かれていた。

 

「と、言われましても海外のお酒とかをガブ飲みされていますので妥当な、お値段ですよー」

 

確かに伝票をよく見てみるとお酒の所がアホみたいに高い。

普通ならもっとするのだがそこはギネヴィア。

優しい彼女としてはアホみたいなぼったくりの値段設定にはしていなかった。

 

だがそんな事も露知らず、ウェイバーは山ほど飲んだライダーを責める。

 

「ライダーがアホみたいに飲むからだぞ!!」

 

「そう言う坊主だって、沢山食っていたでは無いか。さてどうする坊主。余はこのまま戦闘でも構わないが?」

 

やる気満々と言った感じのライダーの一言を聞かなかった事にしたギネヴィアはウェイバーに提案する。

 

「んー。交換するものが無いなら現代の魔術を教えてくれませんか?」

 

「それぐらい自分のマスターに聞けばいいだろ?」

 

「残念ながらマスターはいないので」

 

マスターが居ないという事に引っ掛かるウェイバーだが、それよりも今の状況について考える。

 

まだ、どの陣営も大きく動いていない中で戦闘行為をするのは愚策。現代魔術の一つや二つ教えれば見逃してくれるなら教えるべきか。そう考え事を始めた彼をライダーがせっつく。

 

「おい坊主どうする?」

 

「分かった。その提案を飲む」

 

「交渉成立ですねー」

 

ギネヴィアは水銀の檻を解除して屋台も水銀に戻して回収する。

 

それを見ていたウェイバーは驚愕していた。

今まで食事をしていたあの屋台は少女の領域だったのだ。

 

その気があれば食事中のあの瞬間に一方的に攻撃する事が出来る。

ライダーは何とかなるかも知れないが魔術師としての自分はひとたまりもない。

 

その事実に気付き背筋がひんやりとするウェイバー。

そんなウェイバーに気付く事なくギネヴィアが口を開いた。

 

「それじゃあ、貴方達の拠点までよろしくお願いしますねー」

 

あれ?拠点に案内?一瞬何を言っているか分からなかったウェイバーは口に出して聞く。

 

「拠点って?」

 

「何を言ってるんですか?現代魔術を教わるのにこんな人目がつくような所で教えてもらうわけにはいかないでしょ?」

 

確かにそう考えればおかしな事を言っているのは自分の方だとウェイバーは考える。

 

「それはそうだけど…」

 

「ちなみに私の拠点はないのであしからず」

 

ウェイバーは拠点がないってどういう状況だよ。と考えながらも諦めて案内する事にした。

 

本来、魔術師の工房に敵を招き入れるのはかなり有利な状況なのだが、残念ながらウェイバーは魔術工房を設置できる資金や資材がなかった。

 

その為、この地で暮らしている老夫婦に暗示をかけて家に転がり込んでいるぐらいなのだ。

 

もしかしたらかなり不味い状況なのではと考えたウェイバー。

 

そして最悪、ライダーの宝具で逃げれば良いかと自分を無理やり納得させると家に案内するのであった。

 





主人公ちゃんを弱体化させたかったけど無理だったよ。(遠い目
抑止力の教えたルールを守り勝てたなら、だけが縛りなっている模様。

ちなみに交渉を受けずに敵対すると檻の水銀に込められた神秘魔力爆破からの星剣解放でブッパされる模様。

マスターなしでこれほどの魔術を使うとは!?

それでは次回までのんびりお待ち下さい。
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