ギネヴィア転生物語   作:妖月くぅちゃん

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誤字脱字報告ありがとうございました。
評価・感想ありがとうございます。

長らくお待たせしました。
それではどうぞ。


第3話 お泊まり

 

何故こうなった?ウェイバーは今の状況に頭を悩ませていた。

そんな彼の目の前には薄着をしたキャスターがスヤスヤと寝ていた。

そしてウェイバーはこうなる前を考える。

 

最初は良かったのだ。

 

帰る途中で自己紹介が始まり簡単に真名を言うキャスターとライダーにウェイバーは驚いた。

簡単に真名をばらしたライダーに文句を言いながら自分も自己紹介をする。

 

そんな感じに会話をしながら家に帰る。

 

そして遅い時間に帰った自分を心配していた老夫婦が迎えてくれた。

 

一瞬不味いと思ったが家に案内したキャスターが夜遅くに失礼しますと老夫婦に丁寧な対応をしていた。

 

最初は怪訝な様子でキャスターを見ていた老夫婦。

 

キャスターが連続殺人犯に捕まり隙を見て、命からがら逃げて彷徨っていた所をウェイバー君に助けて貰いましたと涙ながらに語った嘘の内容に老夫婦は大変だったでしょうと涙を流しながら暖かく迎えられていた。

 

しかも帰れる当てが出来るまで住んで良いと了承を得たのだ。

 

そのあとは何故か自分が怒られ、そしてよくやったと褒められた。

 

上手いこと対応してくれたのもあり疑われる事なく溶け込めたのは良いが少し納得がいかないと考えるウェイバー。

 

僕なんて暗示をかけて潜り込んでいるのにと少し嫉妬を覚えてしまっていた。

 

そしてそのウェイバーは約束通りギネヴィアに現代魔術を教える事になった。

 

最初は神代時代のキャスターに教えるのに気が引けていたがそこは我らの主人公ちゃん。

 

楽しそうに現代魔術を聞くギネヴィアにウェイバーはついつい楽しくなり話しに必要のない今の魔術体制の事を喋り、挙げ句の果てにケイネスにビリビリにされたレポートの予備を見せた。

 

そのレポートを見たギネヴィアにふむふむと読み込むと早速と言わんばかりに書かれたそれの解説が始まった。

 

まさか始まるとは思わなかった魔術談義はウェイバーにとって夢のような時間だった。

 

マンツーマンで魔術について教えてくれて、良い所は良いと言いダメな所は駄目と角が立たない様に優しく否定する。

 

ケイネスと違い一蹴にしないで丁寧に教えてくれる事にウェイバーはとても嬉しく思い真剣に聞いた。

 

そのギネヴィアが語る魔術理論は全てが分かりやすく、論理的に展開される魔術。

 

そこには一切の無駄なく魔術が編まれていて魔術師ならば惚れ惚れしてしまうぐらい美しさがあった。

 

聖杯戦争が始まってから自業自得とは言え苦労の連続をしていたウェイバーが優しいギネヴィアを気になってしまうのにそう時間は掛からない。

 

そしてその事に気づいていないウェイバーはギネヴィアにかっこいい所を見せようと教えてくれた事を実践する為に魔術を発動するが今まで変なところでサボってきたツケが襲い失敗してしまう。

 

恥ずかしさの余りに顔を真っ赤にしてしまうウェイバー。

 

ギネヴィア自身はそのような失敗を笑うことなく頑張っているウェイバーを優しく褒めて失敗したなら次頑張れば良いではありませんかと鼓舞する。

 

それによって少しずつ落ち着きを取り戻すウェイバー。

 

その様子を見守っていたライダーは、最初は坊主に悪影響があれば止めようと思っていたが、ギネヴィアが悪い方向に転がりそうになるのを綺麗に流していい方向に転がすの見て考えを改めた。

 

この様に人を導くのは難しい。

 

まさかのギネヴィアによるウェイバーの急成長を見たライダーは、よりギネヴィアを欲しくなりどの様な誘いをすれば良いのかを考えていた。

 

だが今は坊主が頑張り成長しようとしているならそれを見守ってからでも遅くないかと思い、自分の考えにけりをつける。

 

その様なやり取りがあり就寝となった時、風呂から上がった薄着のギネヴィアがベッドが足らないという事でウェイバーが使っている布団に潜り込んだのだ。

 

本人は大丈夫ですとか言って布団に入って来たがウェイバーとしては何が大丈夫だよと言った感じだ。

 

そして今に至るということである。

 

この状況でウェイバーの目がガンキマリになっていた。

 

同じ家のシャンプーを使っているのに何故ここまでいい匂いがするのかその事が不思議でたまらない。

 

ウェイバーは、ある意味魔法より魔法をしているギネヴィアに戦慄する。

 

そして隣で寝ているギネヴィア対して余りにも無防備過ぎないかと考える。

 

横をチラリと向いたウェイバーの目に余りにも美しい顔面が暴力として襲ってくる。

余りにも綺麗過ぎる顔は時として暴力と変わらない。

 

女性経験のないウェイバーからすると地獄の様な時間だ。

 

このまま朝まで耐えなければいけないのかと考えたウェイバーは絶望した。

 

だがそんなウェイバーを助けてくれるようにとある音が響く。

それはライダーのいびきだった。

余りにも煩いいびき。

 

いつもならこの音のせいでよく寝れていなかったが今となっては有難い。

これのお陰で気を逸らす事が出来る。

そのことに最初は喜んでいたがすぐにある事に気づく。

 

これ結局寝れないのではと。

 

そうしてある意味地獄の時間が過ぎて次の朝になった。

 

ーーーーー

 

「ふぁわぁあ」

 

スヤスヤと眠っている所を起きた私。

目が覚めた私は身体を伸ばしながら起きた。

まだ起きたばかりでぼんやりとした思考の中、昨日何があったかを思い出していくと、ふと横を見る。

そこには目の下の隈が凄いことになっているウェイバー君がいた。

 

「あれ?寝れなかったのですか?」

 

「ああ、気にしないでくれ」

 

何処か悟りを開いた様な表情をしているウェイバー君を見ているとそれを笑う様にライダーが声を上げる。

 

「ガハハ。正直に言ったらどうだ坊主。キャスターの顔に見惚れたとな」

 

「黙れライダー。オマエのイビキがうるさかっただけだ」

 

私は2人の様子を見て嗜める。

 

「ライダー様。ウェイバー君。朝から喧嘩は駄目ですよ。それより朝食の準備をしてきますので少しお待ちくださいませ」

 

私はそう言うと一階に降りて台所に立っているマッケンジー夫妻の祖母君に手伝いを申し込む。

そんな私に祖母君は優しく口を開く。

 

「あらあら。寝てていいのですよ?」

 

「いえ。せっかく泊めてもらったのに手伝いをしないのは申し訳ないです。なのでお任せください。こう見えて、料理は上手なので」

 

そう言って右手で力瘤を作る。

祖母君はそれを微笑ましい表情をしながら見る。

 

「それじゃあ、お願いしようかしら」

 

「はい。お任せくださいませ」

 

私は祖母君の了承を取ると早速と言わんばかりに料理をしていく。

 

料理を作っているといつの間にか降りてきたウェイバー君が話しかけてきた。

 

「わざわざ一国の王妃が料理なんてしなくてもいいんじゃないか?」

 

「そうですか?別に気にしなくても大丈夫ですよ。一宿一飯のお礼みたいな物ですから」

 

私の様子に何処かため息を吐く様にポツリと小さく呟くウェイバー君。

 

「ライダーに聞かせてやりたいよ」

 

そんな感じに会話をしながらも料理は進んでいった。

 

料理は終わり完成したオムレツにケチャップをかけてパリパリに焼いたウィンナーを横に添え、彩りを添える様に簡単なサラダを用意する。

 

そしてカリカリに焼いたトーストにバターを乗せてお供にコーヒーを準備して料理は完成した。

 

ふふっ。完璧な出来ですね。

 

それらを皿に乗せて机に並べていくと運ぶのを手伝ってくれていたウェイバー君が口を開いた。

 

「なぁ、なんか一食多くないか?」

 

「ん?ああーそうですね。これはライダー様の分です。せっかく現世に来ているのですから食事も楽しんで貰いたいと思いまして」

 

「アイツなんかほっといても良いだろうに…」

 

何かを思い出す様に呆れた様に言うウェイバー君に私はクスリと笑いながら言葉を返す。

 

「いえいえ、食事と言うのは生きていく上での楽しみみたいな物ですよ」

 

「確かにライダーもそう言ってたけど、そう言うもんなのか?」

 

「ええ、そう言う物ですよ。今は英霊と言われますが元は普通の人間なんです。生前は普通の人と変わらず腹が減るし夜は眠くなる物です。今までの習慣を捨てろと言われてもすぐに捨てられる物ではないですね」

 

私がそう言うと少し考え事を始めるウェイバー君。

きっと今頃、英霊について色々と考えているに違いませんね。

 

「では、こちらの方は私の方でライダー様に持っていきますのでお先に食べてていいですよー」

 

私は考えているウェイバー君にそう声を掛けると一食余分に作った料理に魔術を使い見えない様にして二階に運ぶと部屋に入る。

 

部屋に入ると横になってテレビを見ているライダーがいた。

私は置いてある机に作った料理を並べていくと一言ライダーに声をかける。

 

「ライダー様。朝食の準備ができましたので良ければ食べますか?」

 

「おおー!気が利くではないか。坊主が余の食事を用意してくれなくてな困っておったのだ。せっかく現世に来たと言うのに食事の一つも取らないのは勿体無いであろう」

 

「だから、昨日は屋台に来たんですね」

 

「いや、違うが」

 

違うんかい!?

あんだけ楽しそうに食べる物だから普通に食べに来たもんだと思いました。

私がそう考えているとライダーが早速と言わんばかりに飯を食いながら口を開く。

 

「見たことのない物が見えたので気になってよったら飯屋だったのだ。せっかく現代の飯が食えるのだ食わなきゃ損というものよ」

 

「まぁ、次からはお金を用意して行くといいと思いますよ。現代ではお金さえあれば嫌な顔をされませんから」

 

私がそう言うとライダーは腕を組み考え事をする。

 

「うーむ。そう言われると、どうにかして金策をしなければいかんな。何処かに金をたんまり貯め込んでいる都市があれば征服するのだが…」

 

ああ、これは征服王としての生き方が出てますね。

ウェイバー君。頑張って手綱を握ってくださいね。

 

私は密かにウェイバー君に合掌をするとライダーに一言声を掛けてから一階に降りる。

そしてマッケンジー夫妻とウェイバー君と一緒に食事を取るのであった。

 

食事が終わり夫妻と別れの挨拶をする。

2人は困ったらまた来ていいですからねと優しく言ってくれた。

私はそれに嬉しく思いながらお礼を言うと外に出る。

 

そして見送りに来た眠たげなウェイバー君に魔術をかけて寝不足を解消して上げているとライダーも来たので2人にまた会いましょうと別れの言葉を言いマッケンジー夫妻の家を後にした。

 

何だかんだ太陽は上がったばかりでまだ午前だ。

そんな中、私は聖杯の情報を集める事にしたのであった。

 

ーーーーー

 

「さてと。情報集めに行きますか」

 

ギネヴィアはそう言うとまずはこの地に流れている地脈を調べ聖杯の在処を探しに歩き出す。

 

剣の魔力製造に始まり魔術工房にて竜の炉心により魔力に大分余裕が出てきたのでそのリソースを割き、この聖杯戦争の事を調べ始めたのだ。

 

抑止力がギネヴィアに説明したのはあくまでルールと言ったもので何故勝つと聖杯がどの様に叶えてくれるなどの説明はされていない。

 

その為、それを解明するためにギネヴィアはまず地脈を調べ聖杯の在処を探しているのだ。

 

「うーむ?地脈そのものを魔法陣に見立ててるわけではないのですね…私だったら土地ごと弄って巨大な魔法陣にするのですが…まぁ、そんなことしたらガイアや抑止力が黙ってなさそうですけど」

 

ギネヴィアの考えの通りに地脈自体を魔法陣にしたら、そこをエネルギーが通り続けている限り常に自動で魔術が発動するという活気的な全自動システムになるのだが、星の命を使う様な事をしたら流石にガイアも抑止力も黙って無いだろう。

 

まぁ、そんな大規模な事が出来るのは一部に限られているので唯の魔術師には出来ないのだが…

 

そうして暫く地脈を辿り、その収束地に向かうギネヴィア。

 

辿りついた場所は地下空洞と言った感じの場所だ。

そこには巨大な魔法陣が敷かれており、これが聖杯戦争のシステムと言う事がわかる。

それを見たギネヴィアはポツリと呟く。

 

「それにしても気持ち悪いですね。人の魔術回路を複製して使われているとは…」

 

ギネヴィアはようやく見つけた目の前の聖杯をある意味、肉の聖杯と言っても良いのではと考えていた。

 

本人は普通に魔力伝導率が高い素材を使えば良いのにと思っているが現代ではその様なものを作ろうとすると時間が掛かる。

なら元から魔力伝達の良い人体の魔術回路を使うのは明白だった。

 

そういう意味では今と昔では使われている素材が色々と違うのだ。

 

「しかもなんか汚染されていますし、これは困りました」

 

そうポツリと呟いたギネヴィアの目にはおどろおどろしい怨念が聖杯の中で渦巻いているのが見えていた。

 

その大聖杯とやらは近づいてきたギネヴィアを取り込もうと沢山の黒い手や触手を伸ばしてくるが、残念な事にそれらは軽々と剣を振るうギネヴィアに切断され魔力に変換され吸収されるだけだった。

 

「んー。いっそのこと分解してしまいましょうか?」

 

聖杯戦争の根本を覆してしまう様な事を言うギネヴィア。

 

まだ優勝して手に入れた訳では無いのに手を出してしまって良いものかと考える。

 

そもそもこの用意された聖杯が正常と言われたらそれまでの話しなのだ。

なら、しっかりと戦い勝ってからでも良いだろう。

 

そう思ったギネヴィアは考えを打ち切り聖杯の解析を進めていく。

 

更に進んでいく解析結果から聖杯は小聖杯と大聖杯に分かれて運用されることを理解する。

 

「なるほど、サーヴァントが脱落するたびに小聖杯に蓄えられてある程度溜まったら聖杯が顕現するということですか」

 

ある意味面白い作り方をされていると思うギネヴィアだが肝心の願いを叶えると言う部分がしっかりと作られていないことに微妙そうな表情をする。

 

「指向性を持たせない事によって願いを叶えるのは良いんですけど、そのせいで過程を辿らなければならないとか…過程を知っていたら時間さえかければ誰だって辿りつけるじゃないですか…ただ省略出来るだけなら、これ…実はゴミなのでは?」

 

聖杯に対して余りにも辛辣な事を言うギネヴィア。

それもそうだろう。

ギネヴィア自身も気づいていなかったが過去に聖杯もどきを作っていたこともある。

そう言う理由もあって中途半端な作りを見ると文句を言いたくなってしまうのだ。

 

だが残念ながら願いを叶えるために御三家は聖杯戦争をしている訳ではない。

 

全てのサーヴァントが死亡して座に返還された時に出来る穴を通り根源に至ろうとしているのだ。

あくまで、願いは副産物に過ぎない。

 

それを知らないギネヴィアにとっては願いがメインなのに中途半端だなぁと言う感想しか無いのであった。

 

そして聖杯について、ある程度の解析が終わったギネヴィアは地下空洞から出ると街に行くのであった。

 





まだ下準備中です。暫く続きます。あとなんかスランプ中でした。
ここら辺を丁寧に書かないと後の展開に困るので書くしかないとも言う。
ボケたい…助けて…

暇が出来たと思ったらそうではなかったので暫く忙しいのが続きそうです。なのでのんびり更新となります。気長にお待ちください。
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