ギネヴィアがどこで資金調達をしているのかととかの説明。
それではどうぞ
昼の繁華街にギネヴィアは来ていた。
昨日の屋台にてライダー陣営に食材を全て食べられたこともあって、今日の屋台を始める為に食材を買うためのお金を用意しないといけなかったのだ。
一応、服は現代人に合わせている為に前よりは目立ってないがそれでもその余りある美貌は隠す事が出来ない。
ギネヴィアが道を通るたびに通行人がそちらを見るのは仕方ないことだろう。
そんな感じにギネヴィアが歩いていると目当ての場所が見えてきた。
そこは昨日の午前にも来た事がある質屋だった。
この質屋でギネヴィアは宝石を売ってお金を受け取っていたのだ。
ならその宝石は一体何処からと言うとそこら辺に落ちている石から魔術生成しているのである。
石から宝石を錬成するのはあり得ないと言うがそんなことはない。
石というのは原始時代からあるのだ。
何なら宝石という字にもある様に石と言うのはある意味全ての始まりでもある。
何処かの魔術師がこの世で初めて脱皮した蛇の抜け殻の化石に喜んでいたがそれよりも前、地球が生まれた頃からあるのだ。
それらは時間を掛けて石と言う歴史・概念を確実に固めていった結果に過ぎないのだ。
つまり今までの歴史が石一つに刻まれている。
本来なら途轍もない可能性を秘めている物なのだ。
そのため、石に込められた概念などを全て分解すれば大量のエネルギーを得ることが出来る。
だがそのあまりにも時間を掛けて安定したそれは本来なら分解出来るものではない。
ただしその分解を可能に出来る魔術技術を持つギネヴィアにとっては関係ない話なのだ。
そこらへんの石を拾い魔術工房にポイッと投げるだけで石の概念を変え宝石に変える。
錬金術師が見たら発狂間違いなし。
錬成されるそれは一切の不純物を含むことなく100%純粋の宝石となる。
宝石は100%だから良いと言う物ではないがその鮮やかな色は見る者を魅了する。
魔術を込めるのにピッタリだし加工して指輪などにしてもよい、ある意味最強の素材の出来上がりだ。
何処かの宝石魔術師は泣いていいと思う。
そんな感じに石からルビーを錬成したギネヴィアは更にそれを加工してネックレスにして装飾を施し付加価値を付ける。
正直ここまでくると国宝級レベルになっているのだが本人は気づいていない。
転生して一国の王子というかお姫様になった時から宝石を触っている為に詳しいのだが、悲しい事に一般の物が分かってないのだ。
転生する前は一般人だろと言われても一般人は宝石を見ることがあっても手に入れて触ることなど少ない。
その為に凝り性なギネヴィアは知らず知らずにブリテン時代の国宝級な物を作ってしまうのだ。
作り上げたそれをついでに作った金銀を使った豪華なケースに入れたギネヴィアは渾身の出来に内心大喜びだった。
それを懐に持ったギネヴィアは質屋に入っていく。
ギネヴィアを見た店員は冷や汗を流しながら素早く応対した。
何故ここまで店員が緊張しているかと言うと昨日来た時は美しいドレスを纏っていた。
それは見る者を全て魅了する容姿に行動の節々に現れる優雅な動作。
つまりどこかのお姫様がお忍びで来日していると勘違いしているのである。
今の服装は一般的になっているが昨日の事を知っている店員は失礼のない様に対応しなければと焦っていた。
「いらっしゃいませ。今日はどの様な用件でしょうか?」
「ネックレスを売りに来ました」
端的に言ったギネヴィアに店員は承知しましたと言うと素早く奥の部屋に案内して他の店員に1番良い紅茶とお菓子を用意して持ってきてくださいと言い聞かせギネヴィアの対応をする。
「それで今日はどの様な物をお持ちになられたのでしょうか?」
「こちらです」
ギネヴィアがそう言って懐から見事な装飾が施されたケースを取り出すと机に置く。
この時点で店員は来るとこ間違えているだろと思っていた。
何故昨日は宝石だけだったのに今日になってこの様なものを持ってくるんだと冷や汗を流しながら手袋がされている手で慎重にケースの蓋を開けるとそこには国宝級のネックレスと言ってもよい物が入っていた。
それを見た店員は震える手を隠しながらも慎重に取り出すと鑑定を始める。
そして鑑定が終わると口を開いた。
「申し訳ございませんが当店ではこれを買い取る事は出来ません」
その一言にギネヴィアは何故と言った感じに首を傾げる。
それを見た店員が買えないわけを懇切丁寧に述べた。
端的に言うとこの様な素晴らしい物を本来の価値で買い取るのは難しいと言う事だ。
その説明にギネヴィアは納得した。
本人は説明されるまで気づいていなかったが宝石一つ取っても現代人としての考えが大分怪しくなっていた。
正直、現代人として過ごした時間よりもブリテンを過ごした時間の方が長いのだ。
そういう意味では早めにこう言うことに気づけた事を良好だと考えていた。
そしてなんだかんだでネックレスを売らずに普通に宝石を幾つか売るに留めていたが、それでもかなりの値段になったのであった。
手に入れたお金にホクホク顔をすると、屋台にて出す為の食べ物を買いに行く事にしたのであった。
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屋台にて使う食材を買った私は誰もいない路地裏で今日の夜の為の準備を始める。
水銀を操り屋台を生成すると食材の仕込みを始める。
そして準備が終わる頃には夜になっていた。
私は屋台に認識阻害の魔術を掛けて自分を見た時に違和感を覚えない様にする。
これをおこなっておくと自分を見た時に違和感を感じなくなる。
つまり可愛い少女が屋台をやっていてもその違和感に気づかないと言う事だ。
そして仕上げに軽い誘導魔術を赤提灯にかけると水銀を操り人通りが多くもなく少なくも無さそうな所で屋台を始める。
そうして少し経つと仕事終わりの大工のおじさんっぽい人が暖簾を潜り入ってきた。
「大将やってるかい?」
「いらっしゃいませ。やってますよー」
私がそう言うと屋台に置かれているメニューに目を通す。
「おっ?美味しそうな物が沢山あるじゃないか」
少し悩む様に考えると目の前にぐつぐつと煮込まれているおでんを見て決まったのかそれを注文する。
「大根と卵、あと牛すじを一つずつくれ。飲み物はとりあえず生中をくれ」
「はいよー。大根、卵、牛すじに生中ですねー」
私は頼まれた物をよそうとすぐさまにお客さんの前に置く。
「おーきたきた。美味しいそうじゃーねか。どれ、まずは大根から行くか」
そう言って大根に齧り付く。
「味が染みていて美味い!!これにすかさずビールを飲む。カァー、仕事終わりの一杯はやっぱ格別だ」
美味しいおでんに酒で上機嫌になったおっちゃんは楽しそうに口を開いた。
「あまり見かけない屋台があるから来てみりゃこりゃ当たりだったな」
「ありがとうございます。のんびりと街を転々として屋台をやっているので見かけないのかも知れませんね」
「そうなのか。せっかく美味しいのにそれは惜しいなぁ」
そんな感じに会話と酒が進んでいく。
その間に新たにサラリーマンと言った感じの人も来て噂話などして盛り上がり2人してベロベロに酔っていた。
私は2人の噂話に耳を傾けてながら話を聞く。
「あぁ〜そう言えば聞きました?」
「なにがやぁ、にいちゃん」
「最近あのホテルで1つのフロアを貸し切りにした外人が居るって」
「ああ、ほんまかいな〜」
「ほんまほんまです。知り合いから聞いたので本当だと思います」
「それはまた金持ちな奴やな〜羨ましいわぁ」
「名前は確かぁーケイネス・えろえろいひと何だっけ?」
おっ?これはウェイバー君に聞いた事があるような?
私はすかさずその名前を言ってみる事にした。
「ケイネス・エルメロイ・アーチボルトですか?」
「おおせやせや。大将も知っていたんですかぁ」
「そうですねー私もこうやって仕事をしていると色々な話を聞きますからね」
「なるほどなー。でその人があの見ぇーますか?あのホテルの最上階を丸々借りてるらしいです」
「ほんとかいなー」
「ほんとほんと」
「がっははおもしろ」
2人してデロンデロンに酔い過ぎて会話成り立ってないじゃないですか。
私はその事にため息を吐く。
そして酔っている2人に水を出して置く。
本人達は酒と勘違いして喜んで飲んでいた。
それにしてもいい情報が聞けましたね。
この時期に魔術師がわざわざこの土地に来るとなると十中八九、聖杯戦争に参加している筈ですね。
話しが本当かどうかはさておき後で魔術を使って調べておきますか。
なんだかんだでそうしていると今いる客は帰り新しい客が来る。
今度はサラリーマン2人組と言った感じだ。
その2人は今さっきの人達と同じ様に注文すると新しい噂話を始める。
「先輩。最近友達から聞いたんですがあの幽霊が出そうな屋敷で男の叫び声が聞こえてくるらしいですよ」
「俺も聞いた事があるな。ここ一年苦しむような声が聞こえてくるらしいな」
「今度の休みに肝試しなんかどうですか?」
「やめとけやめとけ。もし他人の家だったらどうするんだよ」
「えぇー。せっかく面白い話を聞けたのになー」
「それに最近色々と物騒だからなぁ。怪しい所に行くのはやめたほうがいいんじゃないか?」
2人の客はお酒を飲みながら噂話しで盛り上がっていく。
ふむふむ?館で叫び声ですか怪しいですね。どの館か分かりませんがこの土地が館まみれと言う事はない筈です。
これも後で調べておきますか。
暫くして深夜を迎え、最後の客が消えた事を確認すると遠見魔術を使い館を調べていくと噂の館を見つける。
この館の近くにももう一つ館がありますね。
そちらにも飛ばして見ていると今ちょうどと言わんばかりにサーヴァントが乗り込もうとしているのを見ることが出来た。
おおー。これはビンゴですね。
私はそのサーヴァントが華麗な舞で魔術結界を超えて行く事に興奮していた。
かっ、かっこいい!!私も練習したら出来るでしょうか?
これがアサシンのクラスですか。まさに影に潜むと言った感じでいいですね。
まるでアクション映画を見てるがごとくかっこいい舞に興奮しているとそのサーヴァントは結界の中心部にたどり着いていた。
そして結界を解除しようと言うところで突如飛来した槍が手を貫く。
地面に縫い付けられたアサシンは逃げる事が出来ずに次から次へと飛んでくる物に押しつぶされ消えていった。
私はそれに少し悲しい気持ちになる。
あんなにかっこよかったのに案外呆気ないものでしたね。まぁ、幾つかある分体の1人ですしこんなもんですよね。
私の目は全てを見通す為にアサシンのカラクリを解き明かす事が出来るし真名を見破ることも出来る。
まぁ、あくまで見ることが出来ればの話しなんですけど。
それにしても暗殺教団のハサンに最古の王のギルガメッシュですかこれはまた豪華なメンツですね。
どちらの宝具も厄介ですけど意外となんとかなっちゃいそうですね。一応対策の方をしておきますか。準備しておけば何事も解決出来るものですからね。
私はそう思うと他の怪しい場所にも遠見魔術を飛ばしながら対策の準備をしていく。
と言うか、まず拠点を用意した方がいいですよね。いつまでも宿なしというのも問題だし。ウェイバー君の所でお世話になるのも悪いですから。
拠点を手に入れるという明日の予定を立てると、今日は魔術工房を使い簡易的な家を建てると休む事にするのであった。
2話目での違和感の正体はウェイバー君が主人公ちゃんを見た時の反応が普通すぎるのが正解ですね。本来なら深夜に少女が屋台をやっているのは怪しいすぎます。
それではまた暫くお待ちくださいませ。