やっとここまで来れた。
長かったわ。
それではどうぞ。
あれから時が経ち。
卑王ヴォーティガーン討伐の時になった。
ちなみにかの敵はどうやらドラゴンらしい。
マーリン曰くどうやら元は人間だったと言う話らしいがブリテンの意思でドラゴンの化け物になったらしい。
よく分からんけど流石ファンタジーな世界だ。
それはそうとして、私は今日のためにかなりの準備をしてきた。
最初、私も討伐についていくと言ったらアルが反対して来たが頑張って寝室で説得をして許可をもぎ取ったのだ。
そして、私はそのドラゴン討伐の為に色々と用意した。
まず魔力。別にその日の為に貯めたわけではないが毎日アルの過剰に生産されている魔力を魔力パスを通じて回収していたのだ。
今、その量は途轍もない量となり移動式水銀魔術工房に溜まっている。
私が魔力タンクとして動けば一日中アルがエクスカリバーを連打してもいいぐらいの余裕があるのだ。
もちろん、私が魔力を使っても余裕がある。
そして、水銀魔術工房の量も増やしていた。
前の防衛戦ではキャメロットを中心に半径1キロ程しか広げられていなかったそれを今では5キロ程になっている。
ここまでになれば戦場になるだろう地域を丸々支配下に置けるに違いない。
そして、よくわからん狙撃も流石に何とかなるだろう。
それに、新しく作った銀の鎖も完璧な出来だ。
相手の魔力や神秘を吸収して強固になり更に爆破出来るのだ。
私としては卑王ヴォーティガーンに使ってみたく討伐が楽しみで仕方ない。
一狩り行こうぜ。まさにその気持ちなのだ。
ちゃんと倒したら剥ぎ取りもしなければ。
それで装備も作ろう。
これはとても楽しみな遠征になりますね。
そして遂にその時が来た。
アルの号令と共に円卓の騎士達の錚々たるメンバーとヴォーティガーンの討伐の遠征が始まった。
私はアルの馬に乗せてもらい一緒に動いていた。
何日か野宿を繰り返しながら進みとうとう戦場になるだろ地域にたどり着いた。
山上からその場所を覗くと蛮族達が私達を迎え撃とうとかなりの数がいた。
もう少しで夜明けが上がりそうな薄暗い中。
暗闇を薄く照らす星々を見ながら私は口を開く。
「前回の討伐でアル様達がかなり削ったと思ったんですか凄い数の敵がいますね」
その私の言葉に隣にいたケイが反応する。
「あれからも蛮族達を招き入れていたんだろ。そう驚く事でもない」
そんな風にケイと会話をしていると、アルが会話に加わって来た。
「私としてはヴィにはキャメロットで待っていて欲しかった。しかも義体を使わずに本物で来るとは思いませんでした」
「そうですか?実は義体も使って良いんですけど。もし魔術であれこれ対策されていると弾かれてしまうので万全を期するならやはり本体の方がいいですよ」
「ヴィ。少しでも危ないと感じたら直ぐに逃げて下さい」
アルはそう言うけど最後まで戦うと思いますけどね。
そんな事を考えながら、言葉を返す。
「それにこの戦いが終われば少しは余裕が出来るはずですし、そろそろ子供も作りましょう」
「ヴィ」
「アル様」
「おい、待て。俺がいるのにいちゃつくな。気まずいだろ」
キスしようとのを止められたアルが口を開く。
「義兄さんも妻を迎えれば良いじゃないですか」
「俺は独り身の方が楽なんだよ。それにしてもあのアルトリアがこんな風になるとは思わんかったわ」
「それにしてもケイ様との立ち位置はどうなるんでしょうか?義兄って事になるんですか?」
「そう言えばその事を考えた事がありませんでしたね」
「何でも良いだろ?どうせ公の場では呼べないしな」
「あっ。公な場所で思い出しましたがケイ様って人前だとアーサー王って呼んでますよね」
「そう言えば確かにそうですね」
「ああ?そんな事を言ったらアルトリアだって人が見てない所で俺の事を義兄さんって呼んでくるじゃないか」
「確かに。そうですね」
うむうむと頷く私。
そんな風にに話していると1人の騎士がこちらに来た。
「王よ。準備は整いました。あとは王の号令があればいつでも行けます」
「わかりました。すぐに準備していきますので伝えといてください」
アルがそう言うと伝令役の騎士が走っていた。
「どちらにせよ、この戦いが終わらない限りどうしようもないですね」
「またこうやって集まって会話でもしましょう」
そんな感じに私達は会話を切ると騎士が向かった方向に歩いていくのであった。
ーーーーー
朝日が上り戦いが始まった。
開幕1発目の攻撃はアルのエクスカリバーだった。
その後、私から魔力をパスを通じて魔力回復したアルは連続でエクスカリバーを連射をした。
それだけで相手方の陣形が崩れた。
その様子に味方の騎士達はもうあいつ1人で良くね?と思ったがアルは敵の親玉と戦う予定を思い出しそれぞれ走り出し戦に赴く。
私達は近づいてくる敵を切り、道を作り走り抜けた。
そしてとうとう敵の親玉のヴォーティガーンのもとにたどり着いたのだ。
当初の予定通り、私、アル、ガウェインの3人で相手する事になった。
「やはり、ここまでたどり着いたか」
如何にも見た目ドラゴンといった存在が厳しげな声でそう言った。
一体何処から喋っているんだろう?
私はその事に気になっていた。
その間にもアルがヴォーティガーンに話しかけていた。
「あなたがヴォーティガーンですね」
「如何にも」
「あなたを倒し、このブリテンに平和をもたらします!!」
「小童がよく吠える!!この私がブリテンの意志だ!!貴様ら下等生物ごときに負けるそれではない!!」
大きく言ったそれに私が言葉を返す。
「そう言うあなたは畜生風情ではありませんか?人間じゃないのに人間の言葉を喋らないでください」
「小娘風情がぁああ!!」
「わっ、キレちゃった」
「ヴィ。あまり挑発しないでください!!危ないです」
切れたヴォーティガーンが口に魔力を溜めると凄い勢いでビームを放って来た。
素早く私が多重結界を張り、弾こうとするが結界を全て割り、威力が減衰しながらも飛んでくるそれをアルがエクスカリバーで吹き飛ばす。
「まさか、1発でこうなるとは厄介ですね」
私がそう呟いていると。
ビームを弾いている間に接近したガウェインが斬りつけていた。
「硬い!!」
剣を弾かれるとヴォーティガーンの攻撃を回避し、再び距離を取るガウェイン。
私はその様子を見ながらアルとガウェインの援護に回る。
そうするとヴォーティガーンは空に飛び魔弾を飛ばしながら再びビームを撃ってきた。
それをアルとガウェインが聖剣の真名解放して受けて立つ。
2人係でやっとヴォーティガーンのビームと拮抗する。
「それなら、これでどうですか!!」
私は2人が耐えている間に合わせて銀の鎖を飛ばし、ヴォーティガーンの翼に絡めまくる。
「何のこれしき!?馬鹿な外れないだと!!」
外そうとヴォーティガーンが力を入れるが鎖は外れない。
それどころかどんどん強固になる。
「吹き飛びなさい!!鎖状爆破!!」
私がそう大きな声で叫ぶと同時に鎖が爆破する。
ヴォーティガーンから吸った神秘と魔力で強化されたそれはヴォーティガーンから翼を奪った。
空を飛んでいたヴォーティガーンが地に落ちる。
「ヴィ。ナイスです!!」
アルはそう言いながらその瞬間をすかさず攻撃しに行く。
そしてそれに続く様にガウェインが攻撃をしていた。
「舐めるなぁああ!!」
ヴォーティガーンはそう言うと至近距離にいたアル達に向かって再びビームを放つ。
「まずい!」
そう言うアルとガウェインを転移魔法で飛ばし近くに置く。
そして2人が短くお礼を言ってまた走り出す。
デカい図体ながらもアル達の攻撃を弾き、カウンターとして、その鋭い鉤爪でガウェインに攻撃しようとする瞬間に合わせて水銀を展開して受け流す。
そんな感じに何回か攻防を繰り返す。
私はその状況を打開する為に次の策を打つ。
「2人とも飛んでください!!」
私の声に躊躇なく飛ぶ2人を尻目にこの拮抗した状況を切り崩す為の魔術を唱える。
「銀海!!」
私がそう言うと同時に地面から大量の水銀が現れ瞬時に水銀の海を形成する。
その水よりある質量に魔力と神秘で強固になった水銀でヴォーティガーンの足の動きを抑えにかかる。
そして飛んだ2人の足元の水銀を固め問題なく戦える様にする。
「2人の足場は作るので気にせず戦ってください!!」
私の声が終わると同時に水銀の上に降りた2人は足元を軽く確認すると再び走り出す。
私は水銀の海を操り波を作るとヴォーティガーンを沈めようと動かす。
それに対して動きにくそうな中、素早くヴォーティガーンは口からビームを撃ち迫りくる波を吹き飛ばす。
その間に接近した2人が再び切り掛かるの同時に水銀の海から鎖を形成して四肢を抑える。
「今です!!」
その私の言葉と共に2人は再び真名を解放してエクスカリバーを撃つ。
直に喰らったヴォーティガーンは気絶しながらボロボロになっていたが何処からか神秘が流れキズを瞬時に回復していった。
「まさかの回復待ちですか…」
私はヴォーティガーンの四肢に巻き付いている鎖の吸収力を上げる。
気絶しているヴォーティガーンの四肢に巻き付いた鎖が供給される神秘と拮抗して怪我の回復を抑えてるのを見ながらアルに話かける。
「ヴォーティガーンの防御力を突破して心臓を貫ける一撃じゃないと不味いですよ」
「分かりましたあれを使います。ヴィお願いします」
お願いされたので城を出る前に預けられた聖槍ロンゴミニアドを取り出す。
そしてアルはその真名を解放しながら意識が戻りかけたヴォーティガーンの心臓を貫く。
「馬鹿な…この私が負けるだと…ここで勝と…と…この…ブ……」
最後にぶつぶつと何かを喋りながらヴォーティガーンは生き絶えたのであった。
その後、私は颯爽とヴォーティガーンを水銀魔術工房に沈めると丸々持ち帰った。
そして見事、ヴォーティガーンを討伐した私達は城に帰ると勝利の宴を開いた。
私も料理を作り皆んなに配っていく。
それを受け取りながら各々がこれからのブリテンの未来に期待しながら話の会話で盛り上がったのだ。
そしてその夜も更けていったのであった。
補足
ちなみに主人公ちゃんがヴォーティガーンに、がんメタを張っていたので簡単に倒せている様にも見えますが実際かなり強いと思います。
鎖がなかったら神秘が豊富すぎてエクスカリバーも弾いていたと思いますし、ブリテンの意志という名の神秘援護もあるでしょうしかなり厄介な相手になると思います。
とりあえず、捏造に捏造を重ねてここまで来たのでこのまま駆け抜けるとします。
という事で、抑止力くんは余計な事をしたよねで終ろうと思います。