アドラステア・サーガ外伝 FE風花雪月「紺滅 復活の騎士編」 作:アサシン・零
「さて本題に入ろうか。」
「君達、生徒はここで待ってくれ。私は前年、行方不明だったモニカ殿を助けてくる。」
「モニカ殿がいないと私の本格的な授業が味気なくなるのでね。あと、モニカ殿を助けた後は私の元でしばらく保護監査とするよ。」
そう言うとアレクシスは止まらぬ速さで駆けていた。
「おやあなたはモニカ殿を攫った【クロニエ】という怪しい人物ですか。」
「あなたのような人間は嫌いではありませんね。ヌルフフフ。」
特徴的な笑い声であるヌルフフフが聞こえると【クロニエ】を一瞬で斬ってしまった。
「アンタ..............何者なのさ...............」
「出身はアドラステア帝国のアルタイル州ベネエズカ市に住む貴族である生を受けた我が名はアレクシス・ドラディレシュール・ディーシャンフォルテッタット。アドラステア帝国侯爵に当たるブレスレントル侯爵家の者である。イオニアス9世の命を受けてモニカ殿を救いに来た。」
実際はアドラステア帝国の侯爵にブレスレントル侯爵家が登場するのはエーデルガルトの子、ルーク・シュナイゼル・フレスベルグが分家を興して3年後のことである。今まだブレスレントル侯爵家は無論存在しないし、イオニアス9世の命令というのもハッタリだ。
だが確実にクロニエは息を絶えていた。
「ふう。まずは一人目か。モニカ殿、起きなさい。助けに来ましたよ。」
欠伸をしながらモニカが起きる。
「私はガルグ・マク士官学校戦術指南担当教師のアレクシスです。さてあなたとともに士官学校に帰ります。」
その後、帰ったときは大騒ぎ、セテスも頭を抱え込んで悩んでいたが士官学校の復籍が決まった。またトマシュことソロンがモニカを攫った命令役だということが分かったのである。
これを受けてソロンは逃げ始めるものの、アレクシスの剣技にやられた。ソロンは絶命したのである。
「これで2人目か。だが間違いなく戦争は起きるだろう。闇に蠢く者の協力はエーデルガルト様にとっても有益だった筈だがアレでは死人が多すぎるな。」
バレてるーーーー!!(汗)
エーデルガルトは冷や汗をかきながら自分の寮へと帰っていった。
以来、エーデルガルトは自分の子孫(アレクシス)は自分と同じで恐ろしいほどにどれをとっても強い人物だと今更になって気づいたのである。
ちなみに史実ではセイロス教がキリスト教で闇に蠢く者がイスラム教の単なる宗教戦争だったがここゲームは至って違うらしい。ちなみに黒鷲の学級の校外学習はセテスなどには黙っておいた。
ちなみに授業は無事再開された。士官学校の授業は色々あるが魔法学に紋章学、歴史に地理など20科目あるうちの一つ。教師はどれかを選択する。基本的には中学校と授業間隔は似ていて6時間目と休憩時間10分まである。教師は専門の担当がそれぞれあるのだ。マヌエラは信仰・音楽、ハンネマンは魔法学、紋章学で、イエリッツァが乗馬や実践的な教育を、ベレトが傭兵として培った経験からの戦闘や技術。一方でアレクシスは魔法学、地理、歴史、戦法戦術学などを担当する。
今回、4時間目黒鷲の学級はアレクシスが戦法戦術学を教える時間にぶちあったため、みんなは内心びくびく緊張していたが鐘(チャイム)の音が鳴りひびき授業が始まる。
「さて君達、戦法戦術科を担当するアレクシスだ。知ってのとおり、君達には今回、戦術や戦法などを学んでもらう。」
と黒板にアレクシスが書いたのは立憲君主制と共和制の違いについてである。
黒鷲の学級の生徒達はみんなアレクシスの顔を見て授業を受けていた。そりゃそうだ。アドラステア帝国歴戦の猛者である彼に教えを請うてもらえるチャンスは中々ないものだ。
エーデルガルトが質問をする。
「共和制って何?アレクシス師。」
アドラステア帝国は古代ローマ帝国とは違い、立憲君主制だ。逆に古代ローマ帝国ではほぼ共和制が当たり前だった。王政の次に彼らは共和制を選択し、後に帝政へと移行している。
「うむ。立憲君主制とは大公、国王、皇帝いずれかが君主である。立憲君主制は君主を主体とする政治体制だ。ファーガス神聖王国、アドラステア帝国がこれに当たる。君主権は名目上にすぎないイギリス型と、憲法は存在しても実際には君主権が制限されないドイツ帝国型に分類される。」
「イギリス、ドイツは共にアドラステア帝国からすると強敵だ。下手に動くとドカーンだ。」
この頃のアドラステア帝国は帝国暦1180年。(西暦換算1919年)アレクシスが生きていた時代の帝国暦5124年。(西暦換算2024年)3944年間の歴史が詰まっている。
「反対にレスター貴族諸侯同盟は共和制だ。みんなや貴族が集まって議会による会議で政治を決める。」
彼らが生きた時代はなんと紀元前1919年。古代ローマ帝国や日本もびっくりの長生きであり、まだイギリスやドイツは存在しないがいずれ脅威になる。
話している途端、地震が起き、黒鷲の学級はびっくりしたのだがエーデルガルトが気がつくと
「ここ宮殿よね?」
「お姉さん誰?」
という声が聞こえた。
「あなたこそ誰?」
とエーデルガルトが言う。
「私はエーデルガルト・フォン・フレスベルグだよ。」
「!!!」
過去の私? 過去の私は茶髪だったはずだ。しかし彼女は銀髪。母アンゼルマから譲り受けた藤色の眼はそのものである。
気がつくとエーデルガルトはエーデルガルトに憑依していた。国名はアドラステア帝国のままだがこれはアレクシスの言う過去であり、今、自分はアレクシスの言う史実の体験をしているのだろう。
「誰?」
エーデルガルトは言う。その時は思いもしなかった。
「俺の名前か?俺の名前はベレト・シャルル・アイスナーって言う。悪いがアンタの宮殿のところから金を奪いに来た。」
ところがエーデルガルトは夢を見ていたのだ。
アレクシスが言う
「さぁお遊びはおしまい。自分の過去と向き合わねば君は現実に向き合う必要がある。アサ〇リのアムニスのように君は過去を追体験しているんだ。」
「ここは?」
「おい!!誰か人がいるぞ。女性だ。」
「可哀想にここに流れて来たんだわ。」
「うーん。」
「はっ!!私はエーデルガルト?いや違う私の名前はアンナ。ここは?」
「お嬢ちゃん気がついたか?」
「ここはノーサンブリア王国のベバンバーグ。」
「おまえはデーン人か?」
「あなたは誰?」
「俺はアイルランド出身のフィナン。」
「おまえは誰だ?」
「アンナ。デンマークから来たの。」