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それから僕はドキドキいや時々、姫路さんと一緒に勉強をするようになった、図書館の机で顔を並べて、時には気晴らしに遊びに出かけたりした。
こういうのってデートって言ったりするんだろうか?
いや、まだ"付き合ってる”とも言えないだろう。
それでも、一生懸命教えてくれる姫路さんの期待に答えようと頑張って勉強した。
そして季節は春が訪れる。
そう、新しいクラスが発表される日だ。
☆ ☆ ☆
「おう、吉井おはよう」
学校に着くなり声を掛けられる、この声は……
「おはようございます、西村先生」
教育指導の鬼と畏れられる西村先生だ、見かけに違わず、トライアスロンなど肉体を使うスポーツが趣味だという。
………………何故、スポーツマンにならなかったのだろうか?
「うむ、よろしい。
ずいぶん真面目になったな、やはり"観察処分"認定は堪えたようだな」
腕を組み、うんうんと納得の表情で頷く西村先生。
確かに、雑用は辛いし周囲の目は痛かった。
でも、その理由はハズレだ。
「どうした吉井、ニヤニヤ笑って気持ち悪いぞ」
「笑ってたのは否定しませんが、気持ち悪いはやめてください」
「それはそうと、お前に渡すモノがある」
「スルーですか!? 僕の訴えはスルーなんですか!?」
「クラス分けの封筒だ、受け取れ。」
「またスルーですか!? 僕の訴えを全力で見逃すんですか!!」
「後が使えてるんだ、さっさと受け取れ。」
見れば、いつの間にか他の生徒も封筒を受け取るために集まって来ている。
仕方ない、封筒をうけとって移動しよう。
「待たせたな!」
そう言って次の生徒に封筒を渡す西村先生
☆ ☆ ☆
「ハロハロー元気ー?」
とりあえず他の人が封筒を受け取るのに邪魔にならない位置に移動すると、誰かが声をかけて来た。
この声は!!
「お、おはよう島田さん」
「朝っぱらからずいぶんユニークな事してたみたいね」
島田美波さん。ドイツからの帰国子女であり、去年のクラスメイトであり僕の天敵だ。
思わず声が引きつるが、向こうは気にした風ではなく、先程の問答について話しかけてきた。
「別にやりたくてはやってた訳じゃ無いよ、あれは鉄人が……」
「あ、さっきの違和感気づいた。 吉井、鉄人の事鉄人って呼んでない。」
「先生だからね、本人の前では面と向かって言えないよ。」
「そう言う訳ね。さ、早く教室行きましょう。」
そう言って踵を返す島田さん
「あれ?島田さんはもう封筒受け取ったの?」
さっきまで西村先生は僕と話し込んでいた筈だ、いつの間に受け取ったのだろうか。
「あんたより先にね、靴を履き替えようとしたらあんたが来たから、ここから眺めさせて貰ったわ」
うわー、つまりはまるまる見れられてた訳か。
「ところで、島田さんは何クラスだったの?」
「Fクラスだけど? なによ、仕方ないじゃない問題文が読めないんだから!」
こちらの送った視線に真っ赤になって弁明する島田さん、確かに、問題文が読めないのは、テストをする上では致命的とも言えるだろう。
「あんたもどーせFなんだから一緒に逝きましょう」
「ちょっとまった。 今、「いく」の字が凄い物騒な気がしたんだけれど。
じゃなくて、一応封筒開けさせて欲しいんだけど。」
一応ここ最近は勉強してたんだ、Fじゃない可能性だってある。
「はあ、勝手にしなさい」
そう言って上着のポケットからハサミを取り出して差し出した。
「べ、別に、いつも入れてる訳じゃないんだからね! 自分の封筒開けるのに使っただけよ!!」
一瞬、危ないんじゃないかと思った僕に島田さんが訂正する。
「あぁ、島田さんありがとう。」
封筒の上を切ると中に入った紙をだす。
さて、いったい何クラスだろうか、折り畳まれた紙を開くとそこに書かれていた文字は
“と⊆∠/∀”
日本でおk
「吉井、それ逆さま逆さま」
そういわれて紙の向きを正す。
“Aクラス”
一度顔を上げる、そしてもう一度紙面にかれた文字を確認すると、再び顔を上げた。
「我 が 世 の 春 が 来 た ぁ ぁ ぁ ー ー !!」
「ちょ!! 吉井どうしたの!?」
ちなみに、吉井がAクラスになることは先生方でも物議を醸したらしい