ほぼ一発ネタです。
人目が付かないように裏路地を嘔吐を繰り返しながら、ゾンビのようにふらふらと歩いている人影がいた。
その者の表情はまるで幽鬼のような、いかにも死人のような顔色を滲ませていた。
「島に・・・・故郷の島に帰ら・・・・・ないと・・・・」
全身が炎で燃えるように熱くて猛烈にだるい・・・・・。
「本土に・・・・・来たのが・・・・・間違いだった」
吐き気がする。頭が痛い・・・・・。
何かを産むように身体が割れて、裂けるような感覚もする!!
何故、今になって故郷の吸血鬼信仰に伝わる一族の風土病が発病するんだ・・・・・!?このままだと・・・・・間違いなく騒ぎに・・・・発展する・・・・・。
同じ一族で・・・・・私より長生きしている・・・・・和尚の警告をちゃんと聞いて・・・・・故郷の彼岸島に留まるべきだった。
「年長者の言う事は・・・・・素直に聞くべきだった」
自分が自分であって・・・・・自分では無くなる感覚だ。人間としての私は・・・・・もうすぐ、死ぬ。もう駄目だ。
「おい、これは俺達と同じ
「何か違うな」
「吸血鬼になるという点は変わらないだろう。コイツを俺達のクラブに連れて帰るぞ」
「分かった」
全身から血飛沫を撒き散らしながら崩れ落ちるように倒れて、10分もがいた後、死人のように血溜まりの中でぱったりと動かなくなった人間を、路地裏に突如として現れた黒服の集団が連れ去ったのは、彼女が死人のように倒れて動かなくなったすぐ後の出来事であった。
「最強の格闘技は何だと思う?」
「相撲だな。力士が一番だ」
黒スーツを着た
「ふざけるな。裸のデブに何が出来んだよ」
「力士をただのデブだと思ってんのか? 全身筋肉の鎧なんだぜ」
黒いスーツを着込み、格闘技談義をする5人組は、ぱっと見はホストの黒服に似た、ただの人間に見えるだろう。口内に確認できる、通常の人間より鋭く尖っている犬歯が生えていることを除けば。
「ボクシングのヘビー級チャンピオンだな。奴等には誰も勝てねえよ」
「ストリートファイトだぜ。殴る事しか出来ねえ奴等が勝てっかよ」
「俺は色ンな異種格闘技見て答え出してんだよ。わかってねーな」
「横綱に勝てる人間はいねえ」
「いやヘビー級ボクサーだね」
本来ならボクサーか横綱どっちが強いのか?という強さ議論は、タバコを咥えている金髪の男が口を挟むはずだった。
だが、この世界線で二人組の言い合いに口を挟んだのは、丈が長い黒スーツをマントのように、羽織ったように着ている、男にも女にも見える、中性的な、モデルのように整った風貌を持った、アルビノのような髪色と肌が特徴的な存在だった。
「個人的には・・・ボクサーより力士の方が強いと思うぞ。ヘビー級ボクサーが出すパンチの威力を換算すると1トンだかそこらくらいで、力士のぶちかましが2トンもあるらしいからな」
「ほらな、やっぱり相撲の方が強い」
「その情報、マジかよッ・・・!?」
「ただ、空手の高段者の蹴りも侮れない。1トンの威力を誇っている者もいるからな。そう考えると武術や格闘技で優劣を決めることは案外難しい・・・・・。地球上で最も危険で過激な格闘技はラウェイに決まっているけどな」
「だったら、それこそ相撲になるだろ。危険な格闘技は」
「いーや、一番危険で過激な格闘技はヘビー級のボクシングだね」
せっかく収まりかけていた最強格闘技議論がアルビノのように見える肌と赤黒い目が特徴な、ロングコートのようなスーツを着ている黒服の余計な一言のおかげで、最狂格闘技議論に切り替わる。
だが、タバコの煙を吹かす金髪の男の発言で更にヒートアップしそうになった議論は終わった。
「ジークンドーだろ」
「・・・・まァ、確かに・・・・・ブルースリーは強えし、奴の格闘技は危険だ」
「異議なし」
最強議論が穏便な形で終わったのを見計らうように、黒服を着た金髪の男は何かを発見したかのように皆に語りかける。
「いたぞ。ハンターが」
「まじかよ。あっちょっとコンタクトするの忘れた」
「バーカ。早くしろよ」
「準備は大切にしろよ。私はいつもそうしている。仮に、持ってくるのを忘れても、匂いでハンターがどこにいるかを見極めることが出来るから、問題ないけどな」
「おまえが有する吸血鬼としての性質は俺達と違うから当てにならん」
どうやら、この集団はただ者ではないらしい。
「なんだよ。消えていくぞ、おい」
「さっさと片付けるぞ」
「獲物の血液は、多めにご馳走になっていいか?」
「ご馳走になってもいい。邪鬼化とやらを抑えるためだろ?」
「正解。理性を失った化物になることで迷惑をかけたくないのでね、私は」
現に通常の人間では成し遂げることができない行為。肉体を変化させて、銃を筆頭としたあらゆる武器をしみ出るように手から生やすことが出来るという芸当を各々が披露出来るから。
「Ouch!」
「What happen?No!」
「ぎゃアッ!!」
「ゔッ」
「ぎゃアアッ」
M1911と呼ばれる銃をその能力で生み出した5人組の黒服達が、その銃で目的の人間達を虐殺していく。ある理由から普通の人間では見えない存在になっている人間の集団を。
私は元人間の吸血鬼である。GANTZ世界で彼岸島仕様の吸血鬼になったモノである。本来は彼岸島の原住吸血鬼。一族の吸血鬼になる筈だった者である。
本土の人間を吸血鬼化させるナノマシンウィルスと彼岸島の吸血鬼一族特有の特殊体質が化学反応を起こすことで擬似的な
本家本元の雅様よりは劣るが、
彼岸島仕様の吸血鬼体質のおかげでGANTZ吸血鬼の弱点である太陽光も平気だ。ただし、致命的な弱点が私にはある。和尚こと青山龍ノ助と同じタイプのアマルガムということだ。つまり、邪鬼化のリスクに怯えて暮らす必要性がある故に、人間の血液という薬が生活に必要不可欠ということだ。
この世界に存在している和尚は、彼岸島の吸血鬼一族や人間達と一緒に暮らしていることから、アマルガム化していないが。
雅様がいない&旧日本陸軍がやらかさないと平和になるもんだな。彼岸島は。
代わりに私がバイオハザードならぬ
・・・・・ああ。再生能力による不死性はなくてもいいが、純粋な彼岸島産原住吸血鬼になりたかった。不老の性質や通常の人間を上回る怪力さや自然治癒能力の高さはそのままで、邪鬼化というデメリットがない人間の上位互換だから。
この世界がどういう世界なのかを完全に理解していたら、本土に旅行にいかずに、彼岸島で第二の人生を終えるという選択肢を選べたのに。
「みんな!!逃げて!!みんなッ」
ロックオンもしてないXガンがそう簡単に当たってたまるか。見てから回避余裕だ。他の四人も余裕で回避している。華麗にムーンサルトをする暇もある程だ。
それに、私を撃って、下手に出血させたら、原住吸血鬼ではない方の彼岸島吸血鬼特有の感染能力の高さで吸血鬼が増えることになるぞ?キモ傘の強みの一つである、返り血の怖さを鈴木のおっちゃんは知らないだろうが。
それにしても幹部格の吸血鬼達はスーツの壊し方が器用で上手いな。中でも氷川は別格だ。
ガンツスーツを簡単にオシャカにできる方法に、サイコジャックからの力任せの攻撃がある私と比べてよくやるよ。
「危ねェッ」
「おッとォ」
和泉紫音と呼ばれる長髪の男が伸ばしたガンツソードの刀身が、メーター部分を狙われたことでスーツの機能を停止されてしまった鈴木良一を囲んでいた黒服集団を纏めて横薙ぎ一閃しようとする。
だが、それも吸血鬼と呼ばれる5人組の黒服達は誰一人欠けることもなく、完全に回避してみせた。
「サイコジャック使うか?」
「いらねーよ。このハンターとの戦いを楽しませろ」
そうだった。氷川はそういう奴だった。面白そうなハンターがいるという情報だけでジーンズ星人がいる場所に出張して、和泉と交戦する、一種の戦闘狂と呼べる人種だったな。
最終形態のぬらりひょんも斬ることが出来る業物と言え、単なる日本刀の範疇を出ない武器で、ガンツソードと剣戟を交わり、鍔迫り合いを成立させることがよくできるな。相変わらず技量がおかしい。
「残りの奴らは全員消えたな」
「このオヤジ以外取り逃したか。ちっ、どーする?」
「さっきの奴の写真撮ったぞ」
「よし、送っとけ」
吸血鬼化したことで前世の記憶を完全に思い出したが、正直、GANTZチームと敵対する意志はあまりない。このコミュニティに所属している都合上、血液を摂取するために色々な人間達を殺害して、何回もハンターと戦う羽目になった事実があっても。
「俺がやるから、後、自由にやっててくれ」
理由?色々あるが、未来を改変しようとしたひょうほん星人の件が大きい。この世界でも運命を変えるべく行動していた宇宙人だったが、GANTZの前日譚であるGANTZ/MINUS。その原作の展開をなぞるように東京チームに敗れ去ったからだ。
未来予知が出来る百点星人がどうしようもない
原作で氷川ときるびるがガンツ部屋に侵入した方法を利用して、ガンツメンバーの一人として活動しようと思ったのだ。
今はまだ、ガンツに敵対する星人の一人として振る舞っているが。
「いけるぜ・・・」
「肉はまずいが、血は中々だな」
「おまえの喰い方を見るとハムスターを連想させるよ」
殺害した人間は、血液も肉片も残さずに、全部食べる。勿体ないからな。
・・・・・人間だけでなく、同族の吸血鬼も捕食すれば、もっと強くなれるか?雅様だけでなく、豹丸様や金剛様を筆頭としたアマルガム達もそうやって強くなったから。
「何故、こっちをジッと見ている?」
「なんでもない。ただの考え事だ」
「そうか」
ワンパンでガンツスーツを貫通できる攻撃力や新しい能力を身につけることができるかもしれないが、今はやる必要性を感じないな。
「・・・・・私も・・・・・玄野君のようにあきらめないッ!!」
「!?」
相変わらずガンツの武装は驚異だ。
星人側の視点から見てもガンツ戦闘は中々のクソゲーぶりだと思う。基本的に何でも切断できる、斬鉄剣なガンツソードや転送=死なYガンや防御力があまり意味なさないXガンやXショットガン等・・・・・。
まともにやっていられるか。
「はァッ、はァッ!!あきらめないッ!!玄野君!!私はッ!!玄野君ッのようにッ!?!?」
黒服の集団に殺されまいと、Xガンを乱射していた中年男性の動きが止まる。
サイコジャックだ。アルビノのような肌と白髪と赤黒い目が特徴的な黒服の能力によって鈴木良一は動けなくさせられたのだ。
硬直した瞬間に氷川という名前を持つ金髪の男の日本刀が鈴木の肉体に斬り下ろされて、深手を負わせた。このままでは遠からず死ぬだろう。
「それを無闇に撃たせるな」
「はッははははははッ、相変わらずチートだな。その能力」
「単なる超能力みたいなモノだ。もしかしたら、人間にも使える輩がいるかもしれないぞ」
「まさか。おまえみたいな能力が使える輩が人間にいるなんて、それこそありえねェし、考えたくねェ」
談笑している吸血鬼達を余所にガンツと呼ばれる真っ黒な球体がある部屋の中に転送されていく瀕死の鈴木良一。それに気づいていたのは、白粉を使っているではないかと思うほど、病的なまで白い肌を持つ、黒スーツの女性だけであった。
「おい!さっきのオヤジいねーじゃん」
「はッはッはッ、マヌケー」
「はっ、まーいっか」
「帰るぞ」
オリ主はちゅよい吸けちゅ鬼ですが、初期ガンツ武器で充分打倒可能な範疇にいます。