GANTZ∶K   作:一般通過龍

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「どうするの?同士討ちをこのまま続けるつもり?あたし達の目的はハンターの壊滅のはずだッたのに。いいの?このままだと、同胞の吸血鬼達と一緒にハンター達と活動する羽目になるわよ」

 

「どうするもクソも・・・・・。なるようになれとしか思わないだろ。オツムにハンター特有の信号も発信する爆弾も入れられているらしいし、俺達も雅華やアキラと同じ選択肢をとることにする」

 

「何よそれ━━━。ちょッとどうすんのよ?」

 

「諦めろ。あの部屋で言われた、さっきの言葉が本当だったら俺達の当初の目的は叶いッこなかッたんだ。活動方針も変える必要性もある」

 

 

アキラはともかく、雅華が、ハンターに寄り添うと決めたのは想定外だったけどな。幾ら郷に入らば郷に従えと言っても、適応するのが早すぎだろ。

 

 

・・・・・もしや、最初から分かっていたのか?ハンターの真実を?そんなまさか・・・・・?だが、以前からやたら俺達が知らない情報を仕入れてくる情報通だったのを考えたらそれほど違和感はないか。

 

 

「要約するとハンター達と同じような行動を取ることで俺達も得点を稼ぐということだ。雅華達があいつらと同じスーツを着た以上、あいつらの頭にも言い訳が聞かない。もう星人側として活動することは諦める。人間達に寄り添うことに決めた」

 

「はあ・・・・・。あたし達が人間達に無事に受け入れられるかしら・・・・・?」

 

「ガラルルルルラルルルルル!!キーッ」

 

 

爬虫類じみた、巨大なコモドドラゴンに見える生物を馬として扱う星人。こちらに襲いかかってきた存在の攻撃を冷静に対処しながら、きるびると黒い球体に名付けられた女吸血鬼と共に切り刻む氷川は顔を上げる。

 

 

見上げた先、観光名所の一つである通天閣の展望台には、戦場と化していく大阪の街並みを見下ろすように三つの人影が立っていた。

 

 


 

 

天狗や犬神やぬらりひょんが身構えている場所は雑居ビルでなく、GANTZ∶Oの世界線と同じ通天閣か・・・・・。それほど戦況が進んでいないが、原作と差異がもうあるな。もしかして、あの桑原(変態)もいない可能性があるのか・・・・・?今後のことを考えると戦力はなるべくいた方が嬉しいが、ヤツが星人相手でも発情する変態を超えた変態。ド級の変態だということを考慮するといない方が嬉しいという気持ちもあるのも事実。

 

もし存在していても流石に私を犯さないよな?膜が破れたことによる出血、血液感染からの吸血鬼化という危険性があるんだぞ?ガンツメンバー入りしているから、大丈夫なはずだよな?

 

・・・・・それにしても彼岸島という下品な漫画を読んでいた読者だった前世があるはずなのに、我ながらそういう耐性があまりないのが恥ずかしいな・・・・・。この辺の感性に関してはそこら辺の人間と同じということか。

 

 

「わァアアアア」

 

 

この子供の声はタケシか。こんな序盤から悲鳴をあげているということはお歯黒べったりと遭遇したというわけか。

 

オニ星人の時にちゃっかりと回収してきた携帯電話の画面に映し出される地図とマーカー。特殊な携帯電話の機能のおかげで、大阪にいるガンツメンバーの大体の位置を掴んだ女性は、タケシと呼ばれる子供の元に最短距離で向かう。

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

誤射をしないように・・・・・あらかじめロックオントリガーを引いた女が、お歯黒べったりに向けてXガンを撃つ。

 

ギョーン。

 

 

パァン。

 

「うわアアアァァああ!!」

 

お歯黒べったりだったモノから脳漿を筆頭とした肉片が、破裂音とともに、タケシという名前の子供に降りかかる。どうやら、驚いたようだ。無理もない。

 

子供は人間や星人達が目の前で死ぬことに慣れていないから。例え、自身に危害を加えようとした存在相手でも。

 

 

最短距離で向かってきて、到着と同時にXガンをお歯黒べったりに対して撃って、見事に爆発四散させた雅華がタケシという子供に歩み寄る。

 

「私についてこい。貴様が筋肉ライダーと呼んでいる人間に会える」

 

要約すると保護にしにきたと語りかけてきた雅華は印象を良くするために笑顔を作っていた。

 

「・・・・・はい」

 

 

タケシはその笑顔が雅華という女性が子供に対して慣れないなりに無理して作ったモノと子供心に理解しながら着いていく。

 

少なくともこちらに害意を向けていないこと、彼女が所持している携帯電話の画面に映る特殊な地図の機能を説明しながら、筋肉ライダーこと風大左衛門がここにいると丁寧にナビゲーターしてくれたから。

 

タケシという人間の子供は無事に着いてきているな。警戒心を抱いているが問題はない。当然な反応だ。なにしろ私は吸血鬼だからな。タケシの身の上と自身の種族を考えるとよく信用まで持ってこれたものだ。

 

・・・・・ああ、それにしてもこのような行動を取ると、大なり小なりどうしても身の毛がよだつな。

 

 

「この銃を持て。私より自衛能力に劣る貴様が使った方が有意義だろう。使い方は分かるな?このトリガーで対象をロックオンする、この引き金を引いたら射撃だ」

 

「いいの?」

 

「私に関しては心配するな。今のところはこのスーツと吸血鬼としての能力で充分だ」

 

ゴキブリといった不快害虫を触るどころか見るのも生理的に無理という人間がいるように。感性が通常の存在と違う今の彼女にとって他者、特に人間に対して親切にすることは一種の自傷行為であった。

 

ストレスや嫌悪感によって青筋を立てるほどではないが、感情の高ぶりを表す、赤黒い目をしているのがいい証拠であった。表情や態度には出していないし、冷静に振る舞っているが。

 

 

 

我慢だ。これくらいのストレスは大したことはない。

 

────やっぱり、このストレスを吐いてスッキリしたい。早く風大左衛門にこの人間の子供を引き渡た後、人間達を守るという建前を駆使しながら大阪の妖怪(星人)達に八つ当たりするか。

 

 

ひゃははは。

 

げへへへへ。

 

ひひひひひ。

 

丁度いいところに現れたと言いたいが、今はお望みではない。

 

「おい。背負ってやるから私の背中にしっかりと掴まれ。目的の人物の元まで一気に突っ走る」

 

突然、タケシという子供を有無も言わせずに背負った雅華はスーツギアの筋力アシストを駆動させて全力疾走する。

 

 

「うわぁぁアアアア!!ヒィィィィィ!!」

 

 

二度あることは三度ある。

タケシ、本日三度目の絶叫である。

 

 

有象無象の妖怪(星人)達を衝突の勢いで肉の塊に変えて、殺しながら目的の人物の元に最短距離で縦横無尽で突き進む彼女は、正に絶叫マシン。それは並のジェットコースターなぞ洒落にならないダイナミックさだった。

 

背負われた哀れな子供の人生で、絶叫系のアトラクションを体験したことがある記憶が存在するのは怪しいとこだが。

 

 

◆◇◆

 

 

「タケシッ!タケシッ!タケシッ、どこやァッ!!」

 

「連れてきたぞ」

 

風大左衛門の目の前で、ドンッという着地音とともにタケシを連れた雅華が姿を現す。

 

「何もしてないやな?」

 

「していないよ。ここまで全力疾走していたら、その子供が絶叫した挙げ句に勝手にへばっただけだ。気になるならその子供に聞けばいい。事情が分かるはずだ」

 

鋭い目で睨みつける風大左衛門に対して、表面上は悠々と振る舞う女。

 

「では失礼する。精々頑張って護りたまえ、タケシという人間の子供のヒーロー。筋肉ライダーよ」

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「おまえらなんでここにおるんか知らんけど、ここは俺らのテリトリーやねん。獲物には手ェ出すなや」

 

「ンだよ。休みか俺ら・・・・・」

 

 

初遭遇時にお互いお互いを敵と勘違いする一悶着あったが、東京チームに対して大阪のガンツチームがここは自分達の狩場と宣言している。

 

 

「(アキラ、あの女とはどういう関係なんだ?)」

 

「(まあ・・・・今の彼女兼吸血鬼としての主人ということかな。少なくとも俺と同じようにアニキ達と敵対したくないから、そのように動こうとしているのは確かな事実だ)」

 

「(そうか。アキラの言うことなら信じるよ)」

 

大阪のガンツチームの宣言を聞いているのか聞いていないのか、玄野兄弟は小声で話し合っていたのであった。

 

理由は吸血鬼という人外の存在がチームメンバーにいると知られたら、星人か?とまた誤解されることでややこしい事態に発展すると思ったから。

 

だが、そんな隠し事は必要なくなった。

 

 

「探したぞ。私のアキラ」

 

小豆洗いといった日本妖怪の姿をした星人達を能力によって生成した武器、その身長と不釣り合いに巨大な槍で串刺しにしたまま、返り血で塗れた姿と特徴的な赤黒い目をこの場にいる全員に見せつけるように。

 

人ならざる者独特な雰囲気を何故か晒しだすように纏った雅華が皆の目の前にきたから。

 

 

 

 

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