透き通る世界に天の鎖   作:イルルヤンカシュる

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リアルでやることが多すぎる。


これじゃ小説書く暇もねぇ、ん?言い訳だって?
だってしょうがないじゃん!忙しいだもん!

今回は長めです。


4話 始まる物語

 

 

「ん?」

 

 爆音とかすかに聞こえる悲鳴に、狐面に和服姿の少女が堂々としていた足取りを止め、振り返る。連邦生徒会の手のものが不良達の暴動を制圧にきたのだろうか? 

 

「でも、ここにくるのはもう少し後ですわね」

 

 ならば問題ない。少女は、すぐに前の建物へと歩みを進める。情報によれば連邦生徒会長がここに何かを運び込んでいるはずだ。

 

「ふふ、一体何を運び込んできたのかしら?」

 

 その運び込んできた物を壊し、生徒会の連中がどんな顔をするのか、楽しみでならない。

 そうして少女は悠々とシャーレの部室のある建物に侵入した。

 

 

 **************

 

 

「やっ──ーとついたぁ!」

 

 目的の建物にたどり着いたユウカは、大きなため息を吐いた。

 

「先生のおかげで、迅速に終わらせることができました。ありがとうございます」

 

 ハスミが礼儀正しくお礼をしてくれる。

 

「なんだか、いつもより戦闘が楽だった気がします。先生の指揮のおかげですね」

 

「スズミさんも、そう思いましたか。わたしもです」

 

「いいや、君たちの実力あってこそだったよ。僕は大したことはしてないよ」

 

 ワタシがそういうと「ご謙遜を」と二人に言われてしまった。

 

『『シャーレ』の部室の奪還完了を確認しました。私も、もうすぐ到着予定です。周囲に注意しつつ地下へ向かってください。後ほど合流しましょう』

 

 リンの通信が入り、ワタシはもう一度『シャーレー』の部室のある建物を見上げる。外観的な特徴は特にないね。周囲の建物と比較しても、多少高さがあるぐらいかな。

 壁の一部にカビや汚れがついているから、ひと段落ついたら綺麗に掃除をしないとね。

 ワタシはみんなに声をかけて建物に入る。

 人の気配はほとんど感じないが、注意しつつより内部に入り、探索する。しんと静まり返った廊下に響く足音。昼間だというのに薄暗く電気をつけようにも電源スイッチが効かないことからどうやら『ぶれーかー』が落ちているようだ。

 

「みんなで手分けをして周囲の警戒をしてくれるかい。どうやら建物中には不良達はいないようだし僕は一人で中に入るよ」

 

「え、でも先生を一人にするのは……」

 

「心配してくれてありがとう。でも僕の実力はさっき見た通りだから、大丈夫さ」

 

「……分かりました。でももしものことがあったらすぐに呼んでくださいね」

 

 ハスミがエルキドゥの提案を受け入れると他の三人も同じように受け入れてくれた。

 

 

 皆がそれぞれに行動し始めるのを確認して真っ直ぐに地下へと降りる。

 『気配感知』のスキルで地下に一人いることは入る前から分かっていた。

 恐らくこの騒ぎを起こした元凶だろうとエルキドゥは予測する。

 薄暗い地下への道を足音を殺しつつ進んでいく途中から英霊として強化された聴覚がこれまでに聞いた覚えのない少女の声を拾い始めた。

 

「う〜ん、これが運び込まれた物なのでしょけど、一体なんなのか全く分かりませんわ? これでは壊そうにもどうすればいいのか……」

 

「やぁ、何をしているんだい?」

 

「───っ!! 」

 

 隠れもせずに堂々と話しかけたエルキドゥの声に狐面に黒を基調とした着物を着た少女が驚いて振り返る。

 エルキドゥが様子を伺っていると……

 

「あら、あらら、あらららら!? あ、あぁ、し」

 

「し?」

 

 先を促すと、

 

「し、失礼いたしましたぁ!!」

 

 そう、叫んで逃げるように狐面の少女は退室して行ってしまった。

 

「お待たせしました……何かありましたか?」

 

 思わず呆気にとられているとリンが少女の出て行った扉とは反対の扉から部屋に入ってきた。そして立ち尽くしているワタシにリンが首を傾げて問いかけてきた

 

「……いや、何でもないよ」

 

「……そうですが。先生今回の一件を企てた首謀者が分かりました。名前は孤坂ワカモ。百鬼夜行連合学園で停学になった後、矯正局を脱獄した生徒です。似たような前科がいくつもある危険な人物です。ですが、この件に関してはこちらで対処しますので、いまはこちらを受け取ってください」

 

 スッとその場で保管されていたタブレットを差し出される。

 

「ただのタブレットに見えるけど? これは何だい?」

 

「これは連邦生徒会長が残したもの。『シッテムの箱』です」

 

『シッテムの箱』と言われたタブレットをもう一度エルキドゥは見つめる。

 

「普通のタブレットに見えますが、実は正体の分からないものです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みのすべてが不明。連邦生徒会長は、この『シッテムの箱』は先生の物であり先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました。

 私たちでは起動すらできなかった物ですが、先生ならこれを起動させられると考えているのですが……」

 

 リンの声には不安と自責の念に満ちていた。実質的に連邦生徒会を任せられていながら、自分の力で解決できないことが本当に悔しいのだろう。

 恐らく思いつく手段は全てとってこの方法に辿り着いたのだろう。

 これでダメだったらという不安を持っていて当然だ。

 

「それでは、私はここまでです。ここから先は、すべて先生にかかってます。邪魔にならないよう離れていますので、何かあったらお知らせください」

 

 リンが退室して、ワタシだけが部屋にとり残される。

 

「う〜ん、どうしたものかな」

 

 全く見当がつかず、エルキドゥは渡された『シッテムの箱』のボタンや画面を適当に押してみる。

 

「む」

 

 すると電源に触ったのか、画面が光り文字が表示される。

 

『システム接続パスワードをご入力ください』

 

「パスワード……」

 

 もちろん、パスワードの意味は理解できるが、肝心のどんなパスワードかが分からない。

 瞬間頭に文字が浮かんでくる。それを何となく打ち込んでいく。

 

『……我々は望む、七つの嘆きを』

    『……我々は覚えている、ジェリコの古則を』

 

『「シッテムの箱」へようこそ、先生、生態認証及び認証書生成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します』

 

瞬きの間にワタシの意識は闇に沈んだ。

 

「……海?」

 

瞼を開けば、どこまでも続きそうな青空の下に天井のない教室、崩れた壁の向こうには澄み渡る海が見える場所にエルキドゥは立っていた。

 

「くううう、Zzzzzz、むにゃ」

 

奥の机に突っ伏し、気持ち良さそうに寝息をかく青と白のセーラー服に水色の頭髪、大きく白いリボンを頭頂部で結んだ少女がいた。

そして、少女は寝言を言い出した。

 

「くううぅぅ……Zzzz……くううぅぅ……Zzzz……むにゃ、カステラにはぁ……イチゴミルクより……バナナミルクのほうが……くううぅぅ……Zzzzzz……えへっ……まだたくさんありますよぉ……」

 

何やら美味しいものでも食べる夢を見ているようだが、このまま寝かせ続けるわけにはいかない。

 

「君、すまないけど起きてくれないかい」

 

エルキドゥが少女の肩を揺らすと、

 

「うへ・・うふふ・・ひへ!?」

 

少女はむくりと上半身を起こし、寝癖の着いた頭をこちらに向け、寝起きのボヤッとした目でこちらを瞳に写した。

 

「・・・」

 

「・・・・」

 

互いに一言も言葉を発さず、見つめ合うこと数秒、ようやく少女の思考が回ってきたようで、

 

「せ、先生!?この空間に入ってきたっていうことは、ま、ま、まさか先生...?!」

 

少女は途端に慌ただして、目を白黒させる。

 

「うわぁぁぁ!?、もうこんな時間!?うわ、わあぁ?」

 

「落ち着いてくれるかい」

 

「そ、そうですよね!落ち着いて、落ち着いて・・ま、まずは自己紹介を!私はアロナ!この『シッテムの箱』に常駐しているシステム管理者であり、メインOS、そしてこれから先生をアシストする秘書です!」

 

「寝ていたのではないのかい?」

 

「あぅ、それは、その・・」

 

「すまない、困らせたなら謝るよ」

 

「いえいえ!気にしてません。これからよろしくお願いします。まだ身体のバージョンが低い状態でして、特に声帯周りの調整が必要なのですが...これから先、頑張って色々な面で先生のことをサポートしていきますね!」

 

「うん、よろしくね」

 

「はい。あ、そうだ!ではまず、形式的ではありますが、生態認証を行います♪うぅ・・少し恥ずかしいですけど手続きだから仕方ないんです。私の指に先生の指を重ねてもらえますか」

 

「こんな感じかい?」

 

「はい、そんな感じです」

 

指と指が重なり、デジタルチックな紋章が広がり、

 

「うふふ。まるで指切りして約束するみたいでしょう?実は、これで生体情報の指紋を確認するんです!画面に残った指紋を目視で確認するのです。すぐ終わります!こう見えても目は良いので。どれどれ・・」

 

自身の指と重なったワタシの指をアロナはじっーと見つめて

 

「う〜ん、まぁ、これでいいですかね・・・はい!終わりました!もう大丈夫です」

 

「・・?そうかい、無事終わったならよかったよ」

 

一瞬奇妙な間があったが、何にも言わないなら問題ないのだろう。

 

「アロナ、君に頼みたいことがあるんだけど、いいかい?」

 

「はい?何ですか先生?」

 

ワタシはアロナにリンたちからサンクトゥムタワーの制御権を取り戻して欲しいと頼まれたこととそこまでの経緯を説明した。

 

「なるほど、先生の事情は大体わかりました。連邦生徒会長が行方不明になって、そのせいでキヴォトスのサンクトゥムタワーを制御する手段がなくなったと・・・」

 

「連邦生徒会長について何か知っているかい?」

 

「私はキヴォトスの情報の多くを知っていますが・・お役に立てず申し訳ないのですが、連邦生徒会長については私もほとんど知りません。彼女が何者なのか、どうしていなくなったのかも・・わかりません」

 

「いや、僕もここに来たばかりで、知らないことばかりだよ。これから協力して調べていけばいいだけの話さ」

 

「はい!そうですね先生!」

 

アロナは、俯いてしまったがワタシの言葉を聞いて笑いながら顔を上げてくれた。

 

「連邦生徒会長に関してはお役に立てませんでしたけど、サンクトゥムタワーの問題は私が何とか解決できそうです」

 

「なら、お願いするよ」

 

「はい、お任せください!それでは、サンクトゥムタワーのアクセス権を修復します。少々お待ちください」

 

そういうとアロナはまるで機械の読み込み中のように、一瞬動かなくなる。しかし、すぐに顔を上げて、

 

「・・・サンクトゥムタワーのadmin権限を取得完了・・先生、サンクトゥムタワーの制御権を無事に回収できました!今サンクトゥムタワーは、私アロナの統制下にあります。つまり今のキヴォトスは、先生の支配下にあるも同然です!」

 

「それはすごいね。でも僕は王にはなれないから、その権限は連邦生徒会に渡せるかい?」

 

「先生が承認すれば、すぐにでも生徒会に権限を移譲できます。でも・・いいんですか?生徒会に権限を移譲しても?」

 

「うん、大丈夫だよ。リン達になら任せられる。お願いするよ」

 

「分かりました。これよりサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に移管します!」

 

「それじゃあ、僕はキヴォトスに帰りたいんだけど、どうすれば帰れるんだい?」

 

「あぁ、それはかえれ〜かえれ〜って念じればいいですよ」

 

「なるほど、わかったよ」

 

言われたとおりにすると、瞬きのうちにシャーレの地下室に戻っていた。

ワタシはソファーに座り込んで、気絶していたようで、煌々と輝く照明が天井にぶら下がっていた。すると、扉を開けてリンが部屋に入ってくる。

 

「!先生、目を覚まされたんですね。サンクトゥムタワーの制御権の確保が確認できました。これからは連邦生徒会長がいた頃と同じように行政管理を進められます。お疲れさまでした、先生。キヴォトスの混乱を防いでくれたこと、連邦生徒会を代表して深く感謝いたします」

 

「いいや、僕は言われた通りに動いただけさ、君たちの方がこれから大変だろう?」

 

「えぇ、その通りです。ですがサンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会に付与していただけたので後始末は私たちが行います。あぁ、それとここを攻撃した不良たちと停学中の生徒たちについてはこれから追跡して討伐いたしますので、ご心配なく」

 

「そうかい、よろしくね」

 

「それでは『シッテムの箱』は渡しましたし、私の役目は終わったようですね...いや、もう一つありますね」

 

「もう一つ?」

 

「いえ、シャーレについて説明しないといけないと思いまして。ついてきてください。連邦捜査部『シャーレ』をご紹介いたします」

 

そういって、先導するリンに後ろからついていく。まっすぐ地下室に降りたから気づかなかったけど、蜘蛛の巣はさすがにないが、壁の角にホコリがたまっている場所が何ヶ所もあった。放置すれば、湿気が溜まりやすくなり、カビの原因になる。後で掃除しないと。

 

「ここがシャーレのメインロビーです。長い間空っぽでしたけど、ようやく主人を迎えることになりましたね」

 

階段を上り終えて、手前から4つ目の扉の目に立ってリンが扉を開ける。

 

「ここがシャーレの部室です。ここで先生のお仕事を始めると良いかと」

 

紹介された部屋にはパソコンが並べられた机、積まれた段ボールがたくさんあった。

 

「僕はこれから何をすればいいのかな?」

 

リンはワタシの問いに少し考え込んで、

 

「・・・シャーレは、権限だけはありますが目標のない組織なので、特に何かをやらなきゃいけない...という強制力は存在しません。キヴォトスのどんな学園の自治区にも自由に出入りでき、所属に関係なく先生が希望する生徒たちを部員として加入させることが可能ではありますけど・・・捜査部という名前に反して捜査する対象などは存在しないんですよね。その部分に関しては連邦生徒会長も特に触れていませんでしたし」

 

「それは、つまり・・」

 

「なんでも先生のしたいようにしていい、ということです」

 

ぶちゃっけた発言をしたリンは「それに、」と続けて

 

「生徒会長本人に聞いて見たくても、連邦生徒会長は相変わらず行方不明のままですし、しいて言えばたちは彼女を探すのに全力を尽くしているため、キヴォトスのあちこちで起こる問題に対応できるほどの余力がありません。

今も連邦生徒会に寄せられてくるあらゆる苦情…支援物資の要請、環境改善、落第生への特別授業、部の支援要請などなどを、時間のあるシャーレなら解決できるかもしれませんね」

 

「まぁ、その辺りに関する書類は先生の机の上に後ほどたくさん置いておきますので。気が向いたらお読みください。すべては、先生の自由ですので」

 

「自由か‥‥」

 

つまり今回、メソポタミアの神々のように使命を与えてくると輩はいないということだ。でもワタシには自分したいことがわからない。『人として生きる』と決めてもやりたい事の一つも浮かばない。望みすらないワタシは結局兵器なのだろうか。そんな考えが浮かんで、それを否定したくて望みを探して、探して、探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して探して・・・・・見つけた。

 

過程にいる人々(生徒)の未来を守りたい。それが、彼の隣でにずっといると約束したのに、一人で歩ませてしまった愚かな自分にできること、自分がやりたい事な気がした。彼が価値を定める未来へと繋がる生徒たちのを守り彼が価値を定める時、良きものだと思えるように、待った甲斐のあった良き旅の結末(くだらない旅の終わり)だと感じれるように、生徒たちの未来を守りたい。そして最後にワタシが守った生徒たちの未来はどうだったかと問いたい。君の友が守った未来はどんな価値があったかと聞いてみたい。そんな思いが胸の底にあった。他には思いつかない、考える余裕もない。でもこの願いを正しいと信じて、進もうと決めた。

 

 

「それではごゆっくり。先生のお力が必要な時には、またご連絡いたします」

 

リンは、そう言うと足早に部屋から出て行った。他にもやることがいっぱいあるのだろう。窓を見れば、ユウカ達が集まって話をしているのが見えた。お礼を言おうと外に出た。

 

「えぇ。サンクトゥムタワーの制御権を連邦生徒会が取り戻したことを確認したわ」

 

「ワカモは自治区に逃げてしまったのですけど...すぐに捕まるでしょう。私たちはここまでです。あとは、担当者に任せます」

 

外に出ると、彼女達は自分の組織に報告をしているようだった。ワタシが近づくと、安堵の顔をしてこちらに来てくれた。

 

「お疲れさまでした、先生。先生の活躍はキヴォトス全域に広がるでしょう。すぐにSNSで話題になってしまうかもしれませんね?」

 

「いいや、僕一人ではこんなに早く解決できなかったと思うよ。ありがとう」

 

「これでお別れですが、近いうちにぜひ、トリニティ総合学園に立ち寄ってください。先生」

 

ハスミがお辞儀をするとスズミも会釈をして一緒に帰って行った。

 

「私も、風紀委員長に今日のことを報告しに戻ります。ゲヘナ学園にいらっしゃった時には、ぜひ訪ねてください」

 

「ミレニアムサイエンススクールに来てくだされば、またお会いできるかも?先生、ではまた!」

 

ユウカ達もそう言って笑顔で別れていった。

 

「さて、最初はカビが生えてこないように部屋の掃除でもするかな」

 

そうして生徒を見届けた後、シャーレのオフィスに向かいながらそう呟いた。

 





ちょっと強引でしたかね。でも今回でエルキドゥがキブォトスとですることを定めたかったので、やらせていただきました。このエルキドゥの望みは自己設定丸出しなので、違うなぁーって感じた人がいたら、申し訳ありません。あと画力の無さになかなか、苦しんでます。エルキドゥぽいこと何もできてない。これからさせていきたいです。頑張ります。

エルキドゥ以外のfateのキャラを出して欲しいですか? *ただしアンケートの結果がどちらかに偏ってもその通りの展開になるかは、保証できません。

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