それと後日にアッコちゃんからある場所に一緒に着いて行ってもらうよう頼まれ、其処でアッコちゃんから自分のルーツに関わる過去を聞かされます。
※詳細設定はアニメ第1期の話から模索致しました。
[アッコの誕生パーティー]
今日は9月6日。
アッコの誕生日当日、修司はアッコの家に初めて出向くこと。
「ん、んん~……き、緊張するなぁ」
修司は緊張しつつもアッコの家の玄関ベルを鳴らした。
「は~~い」
ドアを開けて修司を出迎えてくれたのは、アッコの母親。
「ま、まぁ修司君。彼方もアッコの誕生パーティーに来てくれたのね」
「は、はい……お、お邪魔します」
修司はアッコの母に迎えられるがままに、リビングに入る。
「みんなー、修司君が来たわよ~」
そこには、すでにやって来ていたモコに大将、ギョロ・ゴマに大将の弟の少将、飼い猫のドラ、そしてモコの弟のカン吉とガンモにチカ子が集まっていた。
「ああっ、修司ったらやっと来たわね」
「みんなお前が来ないからパーティーをスッポカしたのかと話していたんだぜ」
「す、すまない……ちょっと準備に手間が掛かって」
モコと大将からの指摘に、修司が申し訳なさそうに返事すると小将とカン吉とガンモが呆れ返る。
「もう~、みなしゃんアッコちゃんの誕生パーティーだからって早々と来たんでしゅよ」
「そうそう。まったく彼氏が一番後だなんて」
「彼女に離れられちゃうでヤンスよ」
「ん……」
修司が黙り込んでいると、修司の足もとに一匹の猫が寄って来ました。
「うにゃ~」「うわっ、何だこのネコ?」
驚く修司にモコが説明する。
「ああ、その子はアッコが飼っている猫で《シッポナ》って言うのよ」
「し、シッポナか……よ、宜しく……」
修司はシッポナを優しく撫でてあげると。
「ゴロロ~、ゴロロ~」
シッポナは嬉しそうに喉を鳴らした。
「へぇ~、珍しいわねぇ。シッポナが初対面の人に此処まで懐くなんて」
「ホントホント、元から人懐っこい子だけど此処まで懐かれるなんて」
「ペットは飼い主に似るって言うでヤンスからね。さしづめ、シッポナも修司に惚れちゃったのかもしれないでヤンスねぇ」
モコとカン吉とガンモが笑顔で喋る。
みんながお喋りしているその時、アッコの母がパーティーの主役であるアッコを連れてやってきた。
「みんなー、本日の主役いや……お姫様のご登場よ」
アッコの母がそう言って、リビングに連れてきたアッコは薄いピンク色で胸にバラのブローチを付けた洋服を着て部屋に入って来た。
『うわぁ~』「あ……あ…………」
みんなが目を輝かせてアッコを見詰める一方、修司の方は言葉を失っていた。
「どう~? この日のためにママが買ってきたお洋服なのよ。アッコ気にいった?」
「……ママ、嬉しいけど何だか恥ずかしいわ……」
母親からの笑顔の問い掛けに、アッコは恥ずかしながらも満足そうにしていた。
「さぁさぁ、みんなでアッコの誕生日を祝いましょう。今ケーキを持ってくるわね」
「は~いっ」「待ってました!」
アッコ母はそう皆に言うと、モコと大将が大喜びに。
するとアッコ母が台所から持ってきたのは、高さ3メートルは有ろうかという特大のケーキだった。
「う、うわっ……で、でけえ……」
ケーキの大きさに流石の修司も仰天する。
「ママってば、こういうイベントでは決まってあんなに大きなケーキを作っちゃうのよね」
「は、はぁ……そ、そう……お前の母親ってスゴイなぁ」
そのケーキは大きさもさる程ながら、飾り付けもかなり奇抜で変わった飾り付けだった。
「……何だか飾りも変わっているなぁ」
「は、はは……ママが張り切って自分の作品みたいな飾り付けにしちゃうのよね……」「んっ? 自分の作品みたいに?」
「アレっ、前に言わなかったっけ。ママはあれでも結構有名な芸術家なのよ」
「あっ、ああ。そう言えばこの前言ってたっけな」
アッコと修司が話している内にケーキがテーブルに置かれ、ロウソクが立てられ、火が点けられると、スグに部屋の灯りが消された。
「さぁアッコ。ロウソクの火を吹き消してちょうだい」
「さぁアッコ」「どうぞ」
「……みんな、今日は私の誕生日パーティーに来てくれてありがとう! それじゃあ、スウゥゥ……フゥーー」
母親に大将やモコ達に急かされながらも、アッコは笑顔でロウソクの火を吹き消し、その瞬間周りからクラッカーが鳴り響いた。
部屋の灯りは点き、みんなが手拍子でアッコを祝福した。
「アッコ! 誕生日おめでとうーー!」
「ふふっ、ありがとうね。みんな」
各自それぞれ、アッコに対してプレゼントを渡していった。そして最後に修司がアッコにプレゼントを渡す番が回ってくる。
「さぁ修司。あんたは何をプレゼントするのかしらね?」
「ぐへへ、楽しみだぜ」
「案外、宝石とかだったり」「えっ。ま、まさか」
モコや大将にギョロとゴマが注目する中、ギョロの指摘にモコが唱える。
「有り得るわね、修司はなんたって街の市長。財力も私達とは比べ物にならないわ」
全員がプレゼントを渡す修司の様子にクギ付けだった。
そんな状況で修司はアッコに包装された小さな箱を手渡す。
「修司、これ……開けてみて良い?」「あ、ああ……」
アッコが箱の包装をキレイに剥がし、箱を開けてみると、中から黄色い花を模ったブローチが出てきた。
「んっ、何だこの花?」「見た事ないわね」
「……修司、この花は……」「あ、ああ……この花は……」
大将やモコ達が凝視する中、アッコが修司に問い掛けると。
[金蓮花(きんれんか)]
「……この花は……金蓮花って言うんだ」
「うん? キンレンカ……?」
居た堪れなくなった修司は、アッコに謝り出す。
「あ、ああスマナイっ。俺、お前に何をプレゼントしたら良いか悩んで、考えた末にお前の誕生日の誕生花であるこの金蓮花を模ったブローチにしたんだよ……」
「わ、私の誕生花……」
修司の説明にアッコが驚いていると、周りから次々と声が飛び交った。
「なんだよ、何か高えモンかと思ったら、ただの花のブローチかよ」
「宝石とかじゃなかったんですね」「何か期待外れだなぁ」
「市長何だからもっと高価な品でも持ってくるんだわさ」
「そうでしゅよ~、お金はイヤッて程持ってるんでしゅから」
「うっ……」
大将、ギョロ・ゴマ、チカ子、小将たちに文句を言われて修司が黙り込んでいると、アッコがみんなに言い聞かせる。
「みんな! 修司がせっかくプレゼントしてくれた物なのに文句なんか言わないでよ!」
アッコが修司のプレゼントに文句を言うみんなに注意すると、続いてモコもみんなに反論する。
「そうよそうよ、何より自分の誕生日の花を模ったブローチなんてロマンチックじゃないの。私がアッコでも喜んで貰うわよ」
モコに続いて、アッコの母親もみんなに笑顔で言った。
「そうよ、何よりこの金蓮花。凄く綺麗じゃない。これならアッコにお似合いの誕生花よ」
「あっ、ママもそう思う? 私もこの金蓮花のブローチ、凄く気にいったわ」
修司は喜ぶアッコの顔を見て、安堵する。
「そ、そうか……喜んでくれて何よりだよ」
安心する修司も参加する誕生パーティーは続いた。
「うぐうぐ、相変わらずオバサンの作るケーキは美味いなぁ」
「ホント、これなら誕生日じゃなくても毎日食べたいわ」
「ホホホ、まだ沢山あるからドンドン食べてね」
大将やモコ達がケーキを頬張るのを嬉しそうにするアッコ母。
そうしてみんなが、アッコの母親が作ったケーキを食べている時、庭の方から一匹のペンギンが入って来た。
「クワワァ」「うわっ、ぺ、ペンギン!?」
突然室内に入ってきたペンギンに修司が驚いていると、アッコがペンギンを抱きあげて修司に訳を話した。
「ああ、そうそう。修司は初めてよね。この子はペンペン。訳有って家で飼っているの。これでもアニマル・スター(動物タレント)なのよ」
「あっ、アニマル・スターのペンギンまでもお前ん家は飼っているのか!?」
アッコの説明に驚く修司をペンペンは睨みつけ、そして急に足を突っついてた。
「クワッ、クワワッ」
「わっ、イテテ……や、止めてくれよペンペン」
修司の静止を聞かず、ペンペンは更に修司を力強く突っつく
「クワッ、クワッ」
「うわーー、マジで勘弁してくれーー!」
修司が痛がっていると、攻撃していたペンペンをアッコが止めてくれた。
「コラッ、ペンペン! 修司に何すんのよ」
アッコに注意され、やっと静まったペンペンはそのままリビングから出てってしまった。
「い、イテテ……俺、何か気の触る事しちゃったかな……」
「おかしいわねぇ、ペンペンは元から気性が激しいけど初対面の人にあそこまでムキになるなんて…」
不思議がっているアッコと痛がっている修司に、大将が告げました。
「もしかしてペンペンの野郎、アッコを修司に盗られたのかと思ってヤキモチ焼いてたのかもな」
大将の一言に、修司は顔を真っ赤にして照れた。
「ま、まさか……」「ははっ、そんなバカな」
動揺する修司に笑い飛ばすアッコに対し、モコが真面目な顔で問い掛ける。
「いいやっ、そうかもよ。アッコ、あなた家でも修司の事口にしたり思ったりしてない?」
「えっ! い、いやね……そんなこと……」
モコからの指摘にアッコが動揺してると、母親が笑顔でアッコに言う。
「あらアッコ、あなたいつも修司君の事ばかり口にしてるじゃない」
「マ、ママ! みんなの前で言わないでよっ」
アッコの反応を見てその場のみんながドッと笑った時、修司は更に顔を真っ赤にして、まるで茹でたタコみたいな色になっていた。
「あ~、修司の顔まるで茹でタコみたいっ」
「ははっ、本当だ!」
「うわあ」「ホントに茹でたタコみたいだ」
「修司さん、顔真っ赤でしゅ~」
「はははっ、例えればこのケーキの苺みたいに真っ赤だわさ」
「……(カアアァ~~)」
モコや大将、そしてギョロやゴマだけでなく小将やチカ子ですらも笑う中、もはや尋常でない程の真っ赤な顔を浮かべる修司は居た堪れなくなって来た。
その時、アッコがみんなに訴える。
「もう~、みんな。修司が照れているじゃない、からかうのはもう止めてあげて」
アッコはそうみんなに言い、修司をかばった。
「修司、そんなに照れなくて大丈夫よ。ペンペンは初めて見た修司に多少の警戒をしてたのかもしれないし……な~に、すぐに機嫌直して戻ってくるわよ」
そうこうして、誕生パーティーが過ぎていった。
そして、パーティーが終わり、みんながアッコに、さよならの挨拶をして帰宅しようという時だった。
「じゃあねアッコ」「いや~、今日は楽しかったぜ」
「「ケーキ御馳走様でしたっ」」
「今日は僕もドラも呼んでくれて、ありがとうでしゅ」
「ウニャンニャン」
「ぷぅ~、もうケーキで腹いっぱいだわさ」
「ふふっ、みんな今日は本当にありがとね」
アッコがモコや大将にギョロとゴマそして小将やチカ子達みんなに、さよならの挨拶をした後、アッコに言われて残っていた修司にアッコが呟いた。
「待たせたね、修司」「ああ、何だ用って」
修司はアッコに自分を待たせた用件を聞いてみた。
「あ、あのね……こ、今度の休みに一緒に付き合って欲しい所があるの?」
「ん? 付き合って欲しい所?」
「そ、そう……ふ、二人っきりで一緒に来てほしいの……」
修司の心臓に衝撃が走った。
(ま、まさか……これが例に言うデートってやつなのか……!?)
激しく動揺うる修司に、アッコが更に続けて話した。
「じ、実は……しゅ、修司に会わせたい人が居るの」
「えっ、お、俺にか?」「……うん」
アッコは下を向いて、何やら思いつめた表情をしながら修司に呟く。
「……解った。今度の休みにだな」「う、うん!」
修司はアッコに休みの日に、一緒に付き合うことに承諾して家に帰った。
「ふぅ~。ま、まさかホントにデートなのかな……い、いやその前に。アッコの会わせたい人って……?」
修司は思い考えながら、家に帰っていった。
[休日の行き先]
そして学校が休みの日に、修司はアッコと一緒に駅で待ち合わせしていた。
「ふぅ~、しかしアッコは一体どこに俺を連れていくつもりなんだ……」
修司がアッコを待っているその時、近くにたまたま月野うさぎ・水野亜美・火野レイ・木野まこと・愛野美奈子のセーラー戦士五人が修司を見つけたのであった。
「ね、ねえ!あそこに居るの、市長さんじゃない!?」
「ええっ、あっ本当だ」「こんな所で何しているのかしら?」
レイとまことと亜美が修司を見付けて不思議がる。
「何だか、誰かを待っているみたいね」
「ふ~ん、誰待っているのかな?」
美奈子やうさぎが自然な様子で呑気そうにしてると、まことが肝心な話題を挙げる。「それよりみんな、市長さんに私達の事、話した方が良いんじゃないの?」
まことの指摘に、レイと亜美と美奈子が困惑する。
「! そ、それよっ。私達の正体[セーラー戦士]の事、黙ってもらわないと……」
「だけど、何て話しかけてから事情を話せば良いか……」
「う~~……それが難問よね」
4人が悩んでいると、うさぎが皆に言う。
「もう~、こう言う時はまず話しかけなきゃいけないでしょっ。お~いっ市長さ……、! う、ウググ……」
うさぎが修司に声をかけようとした瞬間、レイがうさぎの口を塞いだ。
「もうっ、バカうさぎっ。いきなり声掛けるヤツがある?」
レイに注意されていると、まこともうさぎに述べる。
「そうよ、うさぎちゃん。あの市長さん誰か待っているみたいだし、少し様子を見ないと」
「う、うぐ……は、はい……」
うさぎも二人の意見に同意し、かくして五人は駅前で待っている修司を陰ながら監視した。
「……一体、市長さんは誰を待っているんだろうか」
「もしかして、市長の仕事に関係する人と待ち合わせしているんじゃないかしら」
「そうかしら。それにしてもラフな格好だし……」
まこと、亜美、レイが駅前で待つ修司を遠くから観察し続ける。
そうして時間が過ぎていくと、修司の目の前にアッコがやって来た。
「あっ、修司! ゴメン遅れてーー」「もうっ、遅い、ぞ……」
遅れてやって来たアッコを視認して、修司は唖然とした。
アッコはいつも、学校でしてくる普段着よりもオシャレをしていて、胸には修司が誕生日にプレゼントした金蓮花のブローチを付けていた。
「あ、アッコ……その服……し、しかも胸にはあのブローチ……」
「へへ……今日はちょっと大事な人に会うからいつもよりオシャレな格好で来ちゃったの。それに、修司がプレゼントしてくれたこのブローチも付けてみたくって」「あ、ああ。そうか……」
修司がアッコに見惚れているとき、セーラー戦士達は陰で修司とアッコを監視し続けた。
「えっ、な、何あの子!?」
「あっ、あの子は……みんな覚えてない?私たちが山にハイキングしに行った時、市長さんの居たグループに居た子よ」
「あっ、思い出した。確か妖魔に襲われて、私が山のふもとまで運んであげたんだっけ」
まことの説明に美奈子が思い出していると、レイと亜美も思い出す。
「そう! それにあの女の子、市長さんと一緒にもう一人女の子を連れて私の神社にも来ていたわよ」
「え、ええ。きょ、今日は二人だけみたいね」
すると此処で、うさぎが思わず発言する。
「もっ、もしかしてもしかして。市長さんの彼女だったり?」
うさぎの発言に彼女達が騒然としている時、修司とアッコは駅の中に入っていった。
「あ、ああっ。ど、どうする? 話しかけるタイミング逃しちゃった」
「このまま行ってしまったら今度はいつ会えるのか解らないわ!なんせ相手は市長。いつだって多忙で中々会う機会がある訳じゃないわよ!」
「ど、どうするつもり?」
困惑する美奈子にレイが行動に移そうとすると、亜美が問い掛ける。
「そりゃあ、あの二人に付いて行って話しかけるチャンスを得るのよ!」
このレイの選択に、三人は賛成する。
まこと「うん、それは私も同感。今会えた時点で何か言っておかないと、あとあと面倒なことになるかもしれないわ!」
「よしっ、みんなで付いて行ってみましょう」
「ええ~っ、今日はこれからみんなで映画見に行くって話だったじゃな~い」
まことやレイ達が追跡に賛同する中、うさぎだけは泣きべそをかく。
「うさぎっ、映画ならまたいつだって見られるじゃない!」
「ほらっ、うさぎも早く!」う「ふ、ふええ~」
美奈子に言われ、レイに手を引かれながら、うさぎは泣きながら同行するしかなかった。
こうして五人は、修司とアッコに気づかれないよう追跡を開始する。
[加賀美家の墓石]
修司がアッコに連れられて、やってきたのは何と霊園だった。
「れ、霊園? こ、此処にお前が俺に会わせたいって人がいるのか!?」
「……うん、私にとって大事な家族なの」
「!!」
アッコの返答を聞いた修司はこの時、直感でアッコの言う大事な人がどんな人か感づいた。
(もしかして、アッコが俺に会わせたいって言う人は、すでに亡くなっているアッコの身内なのか?)
二人はそのまま、霊園の中に入っていった。
すると二人を付けて来たセーラー戦士達も、霊園に辿りつく。
「……こ、此処って」「うん、霊園じゃない」
「誰かのお墓参りかしら……」「うわ~、何だか怖いよ~……」
「私はこんなとこ全然平気よ、何てったって実家は神社なんだもん」
まことに美奈子に亜美が考え込む中、オバケの類が怖いうさぎが怯える一方で霊感のあるレイは得意気に語る。
「とにかく、あの二人に付いて行きましょう」
「そうね、こんな広い霊園で見失っても面倒だろうし」
「じゃ、じゃあ早く付いて行って言いたい事言いましょう……」
「うう……み、美奈ちゃんに一票~」
「まったく、だらしないわね。ホラッ、早く行きましょう」
まことと亜美が覚悟を決める中、一緒に怯える美奈子とうさぎをレイがしょっ引く。
そして五人が二人を尾行していると、修司とアッコは霊園の入り口付近でロウソクと線香、更にマッチに墓前に添える花を購入し、管理人からタワシと水の入ったバケツと杓(しゃく)を借りていた。
「……アッコ、今日は大事な人の命日なのか?」
「う、ううん。ただ、私が今年も無事に誕生日を迎えられた事の報告と、その人に修司を紹介したいのよ」
「………」
二人は霊園を進んでいったその先には《加賀美家之墓》と彫られた墓石があった。
「あっ……」「………」
修司とアッコはタワシで墓石を磨き、周りの草を抜き取って、ロウソクに火を点け、線香に火を灯してから、墓前の前でアッコがこう呟いた。
「……姉さん、今日は私の大事な友達を連れて来たわよ」
「!! ね、姉さん! お、お前、姉がいたのか!?」
驚く修司にアッコは悲し気な顔で答える。
「ええ、居たわ……私が産まれる前に死んでいるけど……」
「そ、そうだったか……」
修司はアッコにそう聞かされると、自身も墓前の前で深く黙祷した。
その時、少し離れた所でセーラー戦士達が隠れて二人の会話を聞いていた。
「ね、姉さん……!」
「あの女の子、自分のお姉さんのお墓参りに来てたのね」
「うん、そのお姉さんに自分の大切な人を紹介しに来たのよ」
「ええ……自分の誕生日が無事に済んだ報告とともに……」
「………………」
美奈子、亜美、まこと、レイ、そしてうさぎが悲痛な表情で修司とアッコを見詰める。
そして修司は黙祷を終えると、思い切ってアッコに自分の姉に付いて聞いてみた。
「な、なぁ、アッコ……」「うん、な~に、修司……」
修司に訊ねられたアッコは、黙とうを終えたからか何処かスッキリした顔で修司に訊き返す。
「お、お前のお姉さんってどんな人だったんだ?」
「……私のお姉さん?」「あ、ああ。そうだ」
修司からの質問に、アッコは言葉を詰まらせた後に答えた。
「……私の姉さんは……どんな人かは解らないわ」
「えっ、お、親から何か聞いてないのか?」
「………」
「あっ、わ、解った! 言いたくないなら無理して言わなくて良いよ! 悪かった、嫌な思いさせちゃって……」
修司が困惑していると、アッコが重い口を開いた。
「そんな、別に嫌な思いなんかしてないわ! ただ……」
「……んっ」「ただね……」
修司と隠れて聞いていたセーラー戦士達は次の瞬間、アッコの口から思いも寄らない一言が飛び出して来た。
[アッコのお姉さん]
「……私はもちろん、私の両親も。姉さんがどんな人なのか、どんな人間になるはずだったのか解らないのよ」
「えっ、ええ!?」『ええ~~!!』
アッコの予想外の返答に修司だけでなく、思わず陰で聞いていたセーラー戦士達も驚いて声を上げてしまった。
「えっ!?」「うっ、だ、誰だ!?」
一驚するアッコと修司。修司が問い掛けると、オドオドしながらセーラー戦士達が出てきた。
「あっ、お姉さん達は!」「お、お前らは……!」
5人に見覚えのあるアッコと修司に、美奈子や亜美、まことやレイ達が平謝りする。
「は、はは~。お、驚かしてしまってゴメンなさい」
「た、たまたまお二人を見かけたものだったから……」
「そ、そうそう! すぐ其処で見かけてね。なんか女の子の方が暗かったから、つい気になっちゃって……」
「や、山で会ったりウチの神社に足を運んでくれたりしている人たちが、なんで此処に居るのかな……って」
「そ、そうなんですか……」
「そ、そうそう。後付いて来た訳じゃないのよ~」
アッコに本音を零してしまう、うさぎを思わずレイが平手打ちする。
「……い、いった~い」
「ホホホ、この子ったらいっつも可笑しなことを言うのよ~、ホホッ」
「は、はぁ……」「…………」
後頭部を押さえるうさぎにレイが上手く話を逸らすのを前に、アッコは唖然とする一方で修司は険しい面持ちで五人を凝視していた。
そんな慌てふためく五人の前で、修司が話の続きをし始めた。
「……ところでアッコ。お前はもちろん、お前の両親もお前の姉さんの事知らないってどう言う事だよ?」
「あっ、うん……じ、実は……」
「うんっ?」『………………』
修司やセーラー戦士達が耳を傾ける中、アッコは自分の亡き姉について語った。
「……私の姉さんは、この世に産まれて3日後……生後3日で死んでしまったの……」
「えっ! み、三日で……!」『ええっ!?』
「私の姉さんは、いわゆる未熟児という状態で産まれてきて、体が弱かったために産まれて3日で死んでしまったの……」
「そ、そうだったか……」『………………』
「私もね、この話をママやパパに聞いた時は最初は驚いたわ。私に姉さんがいて、その姉さんは産まれてすぐに死んでしまったなんて……」
「ん……」「………………」
「でもね修司。だからこそ私が産まれてきた時、ママパパを初め、親戚中が総出を振って喜んでくれたの。そして、私自身も死んでしまった姉さんの分まで長生きして、そして同時に生きることに幸せを感じながら生きていこうって決意したのよ!」
「あ、アッコ……」
前向きな考えを主張するアッコに修司が感銘を受けると、アッコは話し続けた。
「それで今日は、転校してきて私の友達になってくれた修司を姉さんに紹介したかったのよ! 言っておくけどクラスで姉さんの事話したのは、修司が初めてよ。そして、こうしてお墓の前でお姉さんに誰かを紹介したのも」
「アッコ……」
二人の会話を聞いて、セーラー戦士達も重い口を開いてアッコに話しかけた。
「ね、ねえ……アッコちゃん……って言うんだったわよね」
「……は、はい……そうですが……」
「私達も、貴女のお姉さんにご焼香をあげたいと思うのだけど、良いかしら……」
「は、はいっ。あ、ありがとうお姉さん達……!」
火野レイや愛野美奈子たちにアッコは感謝した。
こうしてセーラー戦士達は、アッコの許しを得て、アッコの姉にご焼香をあげたのだった。
「……ねぇ、アッコちゃん」
「あっ、はい。え、え~と……」
「あっ、自己紹介がまだだったわね。私は[火野レイ]以前あなた達が来てくれた事がある火川神社在住の巫女よ」
「私は美奈子。[愛野美奈子]っていうの」「私は[水野亜美]」
「私の名前は[木野まこと]」
「わっ、私は[月野うさぎ]って言いますぅ」
五人の自己紹介にアッコは感激して、自分も自己紹介で返した。
「わあっ、私は[加賀美あつこ]みんなからはアッコって呼ばれています」
「俺は自己紹介する必要はないと思うけど一応。名は[小田原修司]だ。知っての通りの街の市長だ」
「どちらにしても皆さん、たまたま近くに居ただけなのに私の姉のために御線香あげてくれて、どうもありがとうございます」
「う、ううん。そんな、気にしないでよ」
「そうそう、線香あげるぐらいどうってことないわよ」
「……それにアッコちゃん。私も貴女の気持ち少しは解るわ」
「……えっ、そ、それはどう言う事で……?」
笑顔で返事する美奈子にうさぎに対して、悲しそうな顔を浮かべるレイにアッコが問い返すと。
「……実は、私の母も亡くなっているのよ」
「えっ! そ、そうだったんですか!?」
レイの告白にアッコが驚くと、まことも自分の境遇を語る。
「レイちゃんだけじゃないわ。私も昔、飛行機事故で両親共々亡くしてしまっているし、お姉さんの亡くなった悲しみは少しは解るわ」
「そ、そうだったんですか……」
悲愴な顔を浮かべるアッコに、レイが訴える。
「でもねアッコちゃん、これは私たちも同じ事だけど、だからこそ私達は死んだ人の分まで精一杯生きていかなきゃいけないのよ」
「そうね……天国で死んだお姉さんが安心していられるよう、元気に明るく生きていかないと……ね」
レイとまことがアッコと話していると、修司が話し出した。
「安心しな御二人さん、こいつはいっつも明るく笑っている女だからよ。また明日から懲りずに笑いっぱなしでいるだろうぜ」
「ふふっ、そう」「まぁ、女の子は元気で明るくなきゃね」
修司の発言にレイとまことが笑顔を浮かべると、アッコは堂々と言い放つ。
「それなら心配要りませんよ。私の周りには、いっつも陽気で明るい友達がたっくさん居るんですから。それに……」
『……それに?』
「それに、今は大事な人も側に居ますしね。ねぇ、修司」
「えっ、ええ……そ……そう、だな」
修司は照れながらアッコに呟き返す。
「うわ~、御二人さん仲良いわね~」
「わぁ~、まさか市長さんの彼女がこんなにもカワイイ美少女だなんて」
「いっ、いや……か、彼女とか恋人とかじゃなくて……その……」
顔を真っ赤にして照れる修司にアッコが呟いた。
「修司っ、ホッントに照れ屋さんなんだから♡」
「(カアアア……)」
「うわ~、市長さん顔真っ赤!」「ホントだ、カッワイ~♪」
うさぎと美奈子に冷やかされ、修司はますます照れて頬を赤らめた。
[スーパーヒロインに対する思い]
帰りの電車で修司とアッコ、そしてセーラー戦士一行は駅前まで一緒に帰ることになった。
(たくっ、どうして俺がセーラー戦士達と一緒に……アッコも人が良いんだから)
修司が黙り込んでしまっているとき、アッコはうさぎ達とお喋りしていた。
「へえ~、アッコちゃんの家でも猫飼っているんだ」
「はい、私の子は(シッポナ)っていうんです。うさぎさんと美奈子さんの猫ちゃんは何て名前なんですか?」
「う~ん、猫ちゃんって言うか……」「そうね……」
「???」
うさぎと美奈子の反応にアッコが不思議そうにしてると、それに気付いたうさぎと美奈子が慌てて猫の名前を話す。
「あっ、な、名前は……家の子はルナっていうの」
「わ、私のところは雄でアルテミスって言う名前なの」
「へえ、何だか幻想的な名前ですね」
「はっ、はは……な、名前だけよ」「そうそう、口うるさいしね」
「んっ、口うるさい?」
「「ギッ、ギック……!」」
美奈子の失言に、二人が動揺しているとアッコが勝手に勘違いする。
「そっかーー、そんなに鳴きわめく猫ちゃんなんですねお二人のとこの子は」
「そ、そうなのよーー」
「うんうん、いっつもニャーニャーニャーニャー鳴きっぱなしで」
うさぎと美奈子は何とか話をそらす事に成功する。
すると、アッコがうさぎの髪型を見て何か気付いた。
「そう言えば、うさぎさんって……」
「ん? 何か私の顔に付いてる?」
「うさぎさんの髪型…それに顔立ちも何だか地元で話題になっているセーラームーンにそっくりですね」
「えっ、ええ……!」
アッコの発言に、ううさぎだけでなく周りにいたセーラー戦士達の空気が一気に変わった。
「あ、あの子。まさか……」「うん、市長さんに続いて……」
「ちょっと、これ以上正体がバレルなんて嫌よ」
「こ、この子も感づいた……!?」
修司(おやっ…アッコも気づいちまったのか)
亜美にまこと、レイに美奈子が激しく内心動揺している中、修司だけは平静を装っていた。
「うさぎさんってもしかして………………セーラームーンに憧れているんですか!?」
アッコの勘違いに、セーラー戦士達の気が抜けた。
「そ……そうなのよ! 私スーパーヒロインに憧れて髪型とか真似ているのよね!」
「へぇ~」
うさぎは何とかアッコに対して誤魔化し切った。
「でも確かに顎かれますよね~。強いだけでなく綺麗でカッコイイスーパーヒロインって。セーラームーンも確かに美人で強いって聞きますし……」
「そ、そう!? アッコちゃんって私と気が合うね!」
「あっ、でも他にも赤毛のキューティーハニーってスーパーヒロインも居るし、他にもたくさんこの街にはスーパーヒーロー・ヒロインが居るって聞くし……一体どれくらいのヒーローが居るんでしょうね」
それからも女子によるお喋りが続いて、一行は駅に着いた。
「それじゃアッコ、俺は此処で家に直帰するよ」
アッコ「うん。修司、今日は姉さんの墓参りに付き合ってくれてありがとう」
「うん、いや……お前の姉さんを思う気持ちに比べたら大したことじゃねえよ、じゃあな!」
「しゅ、修司……!」
修司はそうアッコに言い残すと、早々に走り去ってしまう。
「ふぅ~。修司ったら。あっ、それと……お姉さん達も今日は姉にご焼香してくれてありがとうございました」
アッコは姉に焼香してくれたセーラー戦士達にも礼を述べた。
「えっ、う、ううん。そんな…」
「わっ、私達はただついでに焼香したぐらいの気持ちだし」
「それにしても、あの修司って子。何だかアッコちゃんには素っ気ない感じしてるわね」
「ええ、何だか自分から周りに壁を作っている……そんな感じがするわ」
「うん、なんだか何処か寂しそうな男の子だったよね……」
レイと美奈子が動揺する中、まことと亜美にうさぎは修司の言動に不服を感じていた。
そんな修司に対して色々言う彼女達に、アッコがこう切り出した。
「……確かに修司は自ら周りと接触を断とうとしてしまう傾向があります。だけど本当は寂しがりやで、ただ素直になれないだけなんです。本当は凄く優しくて、だけどいつも孤独に囚われてて……」
アッコの感極まった真意に、セーラー戦士達は言葉を失った。
あの修司の本心が少し垣間見え、そしてアッコがどれほど修司の事を想っているのかをセーラー戦士達は少しばかり理解できた気がした。
「あっもうこんな時間。それじゃお姉さん達、さようなら~」
アッコはそうセーラー戦士達に告げ、その場を去っていく。
「……ふぅ~、あの子行っちゃったね
「何だか見ているだけで、明るくなれる女の子でしたね」
まことと亜美が去っていくアッコの笑顔を思い出して、自然と自分らも笑顔になる。
「あ~あ、結局市長さんには私達の正体の事について話すことはできなかったわね」
「まぁ……またきっと話せるチャンスがあるわよ。……多分」
レイと美奈子が途方に暮れる中、うさぎが突拍子もない発言を口に出す。
「それにしても~、あのアッコちゃんってホンットに良い子だよね~♪」
「はぁ? 何急に言い出すの、うさぎったら」
「きっと自分を……セーラームーンの事を褒められていたから良い気になっちゃっているのよ」
レイとまことが呆れる中、うさぎはまたアッコに会いたいと強く熱望し出した。
「ああ~、またアッコちゃんに会いたいな~」
こうして休日である一日は終わり明日から修司やアッコ、そしてセーラー戦士達も変わらない日常を過ごすのであろう。
しかし彼らが再び会い、更にはアッコも巻き込んで今後の展開に深く関与することはセーラー戦士達もアッコも、そして修司自身も知らないのであった。