【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 昨日に続いて序章の第2幕を投稿します。

 新市長の小田原修司がアニメタウンの小学校に転入して、ある女の子とその親友たちと仲良くなっていく話です。

 今回から「ひみつのアッコちゃん」の世界観とクロスオーバー展開していきます。
 なお、市長やアッコちゃんが通うツバメ小学校は原作に出てくる学校をモデルに描いております。


アニメタウンの英雄達 ~序章~ 新市長の学校生活

[市長の転入初日]

 

 引っ越しの準備もでき、新しい生活にも落ち着いてきたある日、市長の側近であるウッズが新市長の修司の所にある話を持ちこみました。

 

「修司様、修司様。修司様が通学する学校が決まりましたよ」

「ほ~う、そこは何処だ?」

「ツバメ小学校というところです」

「ふ~~ん…まぁ、この街に潜り込みながら生活できれば何処でもいいや。所詮、俺の野望の第一歩いや半歩にもならないだろうしな」

「野望はともかく、明日から登校なんですからさっさと準備して早寝してくださいよ」

「そう五月蠅く言うなよ、まるで母親だな」

 そう着替えしながらウッズと話する修司。

「家族と別離して暮らしているんですし、少しは親代わりもしなければいけませんからね」

「お前も親戚に預けっぱなしの1人息子がいる訳だしなぁ」

「・・・」

「まぁ、明日に備えておくよ。学校のやつらから意外と多様な情報が聞けるかもしれないしな」

 

 

 

 

 

 

 翌日、ツバメ学校に転入した修司は5年2組に入る事になりました。

 修司はプライドが高く、周りからナメられる状況になるのを嫌がり、なるべく冷静無表情に振る舞う事を決めていました。

 

「え~~本日よりこのクラスに転入してきた小田原修司だ、みんな仲良くしてやるように」

「小田原修司です、宜しくお願いします」

 

 担任に紹介された修司は直立不動の無愛想で軽く礼をして済ませた。

 

「え~~とっ、そうだな。加賀美、お前の開いている隣に小田原を座らせてくれ。ほれ小田原、あそこの席だ」

 修司は担任に言われるがままに指定の席に座った。冷静に、何事も無いようにただ単とカバンの荷物を机にしまっていると隣の女の子が優しく声をかけてきた。

「初めまして、今日から同じクラスメートの加賀美あつこ。アッコって気軽に呼んでね」

 彼女は満面の笑顔で挨拶したが、修司は軽く「ああ、よろしく」と多少ふてぶてしい態度で返事した。

 休み時間も修司は誰とも絡むことなく1人でポツンとしていた。

 

「ねぇ、あの修司って何だか無愛想で近寄りづらいよね」

 アッコの幼馴染の浪花元子、通称《モコ》がアッコとおしゃべりしていた。

「きっと転入してきたばかりだからよ」

 

 その日、給食が終わり長時間の昼休みに事件は起こった。

 この学校のガキ大将で有名な《大将》こと赤塚大作が子分のギョロとゴマを携えて修司に言い寄った。

「おいっ新入り。俺の学校しかも俺のクラスで余りデカイ態度とるなよ。しかもアッコが優しく声をかけてやったっていうのに冷たくあしらいやがって。何様のつもりだ?」

「「そうだそうだ、大将の言うとおりだ!」」

「・・・」

 

 大将とその子分であるギョロとゴマに迫られる修司。

 しかし面倒事がキライな修司は大将たちを無視して立ち去ろうとすると、同然の事ながら修司の行く手を塞ぎます。

 そんな揉め事をクラスメイトから伝え聞いたアッコとモコが現場に現れました。

 

「大将、ギョロ、ゴマ。今日来たばかりの子にそんな言い寄る事無いじゃない。ただ新しい学校にまだ馴染めてないだけなのよ」

 

 ケンカに発展させたくないアッコは大将をなだめようと話しますが、これが返って逆効果になってしまいました。

 ただでさえ、アッコに自分の気持ちを素直に言えない大将は、アッコの隣の席に常に居られる修司に嫉妬していたのですがアッコが仲裁に入ったのを、まるで修司を庇うかのように見えたので大将は更に興奮してしまい。

 

「ウ、ウルサイっ!!アッコは口を挟むんじゃネェ!」

 大将は思わず足元にあった石コロをアッコに投げつけてしまったのです。

「アッコ、危ない!」

 アッコの危機にモコが叫んだ次の瞬間。

 

 

 

 石はアッコに当たるかと皆が思ったその時、修司がアッコの眼前に立ち塞がり、なんと片腕で石を振り払ってしまいました。しかし更に運の悪い事に振り払った石コロが窓ガラスに直撃してしまい多数のガラスの破片がアッコ目掛けて降り注いできました。

 

「キャーー」

 

 アッコが叫んだその瞬間、修司はガラスの破片で一番大きな欠片をなんと素手で思わず掴み、小さい破片はアッコを強引にしゃがませて自分の体を盾にアッコをガラスの破片から護ったのです。

 

「コラーーー!お前たち何を騒いでいるんだ!」

 教師達が騒ぎを聞きつけて駈けつけてきた。

 

 その時アッコは自分をがばった修司の右手が血で真っ赤になっているのを見て仰天。修司も咄嗟の事で思わず右手でガラスを掴んでしまったのだ。

 

 

「大変、早く保健室で手当てを!」

「これくらい大丈夫だよ」

 血相を変えて慌てるアッコに対して修司は強がっていた。

「何バカ言っているの! こんなに血が出て、バイ菌でも入っていたら大変でしょ。先生、小田原君の話は後でお願いします。まずは怪我の手当てを。さぁ早く保健室に」

 アッコはそう先生達に言って修司の左手首を引っ張り、修司を無理やり保健室に連れていきました。

 

 そして保健室で右手に包帯を巻いて落ち着いた修司にアッコが話しかけます。

「ごめんね、そしてありがとう。私の事を庇って…」

「何言ってんだよ、元々は俺とあの大将って奴等の問題だったんだ。関係無いお前に怪我されるのが不道理ってやつだよ。礼なんていらないよ。それにお前こそ俺達との間に口を挟まなければ大将だって石を投げつけるなんて真似はしなかったと思うぞ」

「でも友達同士のケンカなんて私、見たくはないわ」

 このアッコの友達発言に、修司は怪訝そうな顔で返した。

「…お前、今日来たばかりの俺をもう親友と思っているのかよ」

「当たり前よ。これから共にクラスで学校で、それにこの街で仲良く過ごしていく大事な仲間じゃない」

「…お前」

 

 

 

 

 其処に先生がやってきて修司からも事の事情を聞きたいと尋ねてきました。

「はい、今行きます」

 修司は先生に呼ばれて職員室に向かうため保健室を去る寸前アッコに小声で言いました。

「アッコ、…その…ありがとう」

 

 

 修司は顔を赤らめながらアッコにそう言い残して職員室に向かいました。

 アッコは初めて見る修司の無愛想な一面以外のその顔に思わずキュンっとしてしまいました。

 

 職員室で修司は担任の先生に事情を話した後、続けて校長室に呼び出されました。

「ホッホッホッ、修司君、転入早々問題が起きてしまったねぇ」

 校長先生は笑いながら修司に話す。

「まぁ、これも長い長い人生経験の貴重な糧になりますよ」

 それに対して修司はふてぶてしい態度で校長と向き合っていた。

「はっはっはっ、君と話していると何だか子供とは思えないような口調だね」

「校長、自分は今まで色んな体験をしてきたんですよ。凡人とは違う人生を歩んできましたし、これからも普通とは違う人生を望んでいる訳なんですよ」

 修司は野心に満ちた表情で軽々と校長に言い放った。

「まぁ、そんな君がこれから行う新しい街造りに私も期待しているよ」

 実は修司が街の新市長であることは学校では学校のトップ、すなわち校長しか知らないのである。

 これも、普通の生活を送りながら同時に街の情報収集をしていく修司の目論みなのである。

「あぁ、それと怪我の治療費は別に赤塚には請求しませんし、割れた窓ガラスも自分が振り払った石コロがあったのが原因ですので自分が弁償する所存です。赤塚にもそう言ってください。後、彼の親御さんにも伝えなくて結構です」

 校長にそう言い放つと修司は校長室を出た。学校が終わり校門を出ようとすると校門前でアッコで修司を待っていた。

 

「修司、あの…右手大丈夫?それと校長先生から何か言われたの?」

 心配そうに話し掛けるアッコに、修司は不愛想に答える。

「あ、ああ。転入初日で問題が起っちまったわけだしな。それに俺は何とも思ってないから赤塚の親御さんには今日の事は内緒にしてくれって頼んでいたんだよ」

 アッコを初め学校の人間はもちろんのこと、まだ街の住人のほとんどは修司が街の新市長であることは知らないのである。

「へぇ~修司って案外優しいのね。意外だなぁ」

「別に、あまり事を大事にしたくないだけだ。お前こそ、なんで待っていたんだ?」

「えっ…それは…やっぱり怪我の事が気になったりいろいろと…」

「ふ、ふ~~ん」

 

 二人は途中まで帰路が同じだったのでそれまで一緒に帰った。

 

「ねぇ修司、今日みたいな事があったとはいえ大将たちを嫌わないでほしいんだけど・・・」

「・・・」

「大将は少し乱暴だけど本当は優しい一面もあるのよ。今日の事だってお互いの事を知らないからこそあんな大事になっちゃっただけなのよ」

「…ああ、俺だって馬鹿じゃない。相手の一面だけでその人間の本性を決めつけ付けたくないしな」

 そんな二人っきりで話し合う修司とアッコ。すると修司は此処でアッコに訊ねる。

「…なぁ、加賀美だったよなお前の名前」

「そうよ、みんなからアッコって呼ばれていることが多いけどね。修司も今日から友達なんだしそう呼んでくれてもいいわよ」

「…そうか…そ、それじゃ、ア、アッコ」

「…何?」

「俺まだこの街に来たばかりで色々と知らない事が多いしな、あの、その…良かったら学校の事やクラスメート、それに街の事とかも出来る範囲で良いから教えてくれないか?」

「…もちろんっ!喜んで色々と教えてあげるわ」

 アッコはやっと修司と打ち解けた安堵感で胸がいっぱいになった。

 

「う~んと…まずは私の幼馴染でクラスメートのモコちゃんね。本名は浪花元子、家族4人で弟が居て……」

 修司は延々と続くアッコの身の回りの状況を聞きながらこう思っていた。

(何だかお節介で人が良すぎる女だな…まぁ、焦る事は無い。少しずつ周りの情報をかき集めていけば良い。頃合いを見計らって聖龍伝説やこの街のヒーロー達の情報も少しずつ集めていけば良い…)

 

 

 この時アッコは夢にも思っていなかったであろう。修司が胸に潜める広大な野心を。そして修司自身もまさか彼女が自分の野望の巨大なピースの1コマに成り得るという事実を…。

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