【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 今回は、修司が市長として[聖チャペル学園]学園祭に呼ばれ、友達のアッコを連れて学園祭にやってくる話です。


アニメタウンの英雄達 新たなる日常 ~見つけ出した武者鎧~ 

[学園祭に呼ばれた市長]

 

 修司はこの日、市長としてアニメタウン郊外近くに健在している[聖チャペル学園]に足を運んだ。

 そこには市長としての側近であるウッズ、擬態能力で体を透明化している変身怪獣が密かに付いて来て、そしてなぜか修司はアッコも同行させていた。

「修司悪いわね、私も一緒に連れて行って貰っちゃって」

「んっ、な~に、今回の市長としての仕事はチャペル学園の簡単な視察で後はそれのついでに学園祭に参加する程度だからな。どうせ参加するならお前も一緒に行かせようかと思ったまでだ」

「ふ~ん、でもホントにありがとう。でも、聖チャペルってかなり格式の高い高校でしょ? 私なんかが一緒に行ってもいいの?」

「なに、格式がいくら高くってもたかが学園祭。他校で小学生のお前が来ても構わないだろうよい……でもよアッコ、今日もそのブローチ付けているんだな」

「ん? だって修司がせっかく、くれたんだもの。せめて二人でいる時ぐらいは身に付けていたいわ」

 修司とアッコが車内で話していると、彼らは聖チャペル学園に辿り着いた。学園前はすでに学園祭の賑いで人出が多く、車が通れない状況であった。

「修司様、これ以上は進めませんよ」

「お、おい急げよ。確かもうすぐ校長達と会う約束の時間になっちまうんだぞ」

「そ、そう言われましても……」

 急かす修司にウッズが困っていると、一行が立ち往生している時に一人の女性が修司達の乗っている車に近づいてきた。

「まぁ、やはり。市長である小田原修司様ですね。ささっ、此方の特別駐車場に案内致しますわ」

「んっ、アンタは?」

 お世辞にも美人とはいえない人物に修司が訊ねると、相手は答えた。

「あっ、申し遅れました。私(わたくし)、此処の教師をしております[ミハル]と言います。理事長から市長が来たら用意してある駐車場に誘導するようにと言われておりますの」

「そ、そうか。それは助かる。よしウッズ、ミハル先生に誘導してもらって駐車場に案内してもらおう」

「はい。本当に感謝します、ミハルさん」

 こうして一行は学園の教師であるミハルの誘導の元無事に駐車場に車を止め、修司達はまず学園の理事長と校長のもとを尋ねた。

「いや~市長殿、よくぞ我が学園まで行らしてくれましたのう。吾輩はこの聖チャペルの校長、団兵衛(だんべえ)と申します」

「私は理事長のアルフォンヌと申しますの。以後宜しく」

「ああ、俺が市長の小田原修司だ。こっちが俺の秘書で側近でもあるウッズ。そして親友として連れて来た加賀美あつこだ」

「加賀美です、どうぞ宜しくお願いします」

「おやおやアッコちゃんって言うのか、こりゃまたカワイイ子じゃわい」

「ホントっ、食べちゃいたいぐらい可愛いわね」

 団兵衛とアルフォンヌ理事長と挨拶を述べ終わった修司はアッコに言う。

「アッコ、俺は校長と理事長と一緒に学園内を視察しているから、お前は学園祭を楽しんでおけよ」

 この修司の提案に団兵衛もアルフォンヌ理事長も賛同する。

「おお、それは良い。学園祭を楽しみながら我が校の生徒と共に楽しんでいきなさい」

「それは良いわね。ミハルっ、ミハル先生っ」

「はっ、はい。アルフォンヌ理事長、何か御用件で」

 理事長はミハル教師を呼びつける。

「はい、この市長さんのお友達で加賀美さんが学園祭を堪能して行くので、貴女は彼女が迷ったりしないよう一緒に同行してあげてください」

それはいい、俺はもちろんアッコも此処に来るのは初めてなんだからな。誰かと一緒の方が何かと良いだろう」

「解りました。それでは加賀美さん、一緒に学園内を行きましょうか」

「あっ、はい。ど、どうぞお願いします」

 ミハルとアッコは二人一緒に会議室を出ていった。

「ははっ、これでアッコちゃんがこの学園を気にいってくれれば後々の我が校の生徒になってくれるかもしれませんなぁ」

「ははっ、それはまず無いでしょう。俺もそうですが、彼女も普通の平民の出身なんですからね。こんな格式の高い学校とは無縁の存在ですよ」

「ほほっ、話に聞いていたけど中々面白い市長さんですわね……ではまずは、この学園内の様子と施設を案内しながら街からの学園への援助資金について話をしましょう」

「そうですね、資金を提供する前に此処の学園の事を知っておかなければいけませんしね……」

 団兵衛と理事長と何気ない会話をする修司は、密かな計画を企てていた。

(ふふ……俺が興味あるのは、あの団兵衛って校長が収集している骨董品の中にある聖龍使いの武者鎧と、この学園内にいる女の英雄の存在だけだ……)

 

 

 一方、アッコはミハル教師の先導のもと学園内を模索、学園祭を心行くまで堪能していた。

「うわぁ……話には聞いていたけど聖チャペルって広いんですね」

「ええ、なんせ此処はアニメタウンでも5本の指に入る程の教育施設なんですからね」

 アッコとミハルが学園内の人ごみを進んでいくと、途中でアッコが女性とぶつかってしまい、転倒してしまった。

「うわっ」「あっ、大丈夫?」

「え、ええ。何とか」「ゴメンなさい、人ごみで気がつかなくて」

 アッコと女性が話していると、ミハル教師が駈けつけて来た。

「コラーッ、また貴女ですか如月さん! 彼女に怪我でもさせたらどうするの!?」

「ご、ゴメンなさいミハル先生」

「ゴメンなさいね加賀美さん、ウチの生徒が」

「いいえ、私の注意不足もありますしそんなに気にしないでください」

「ふぅ、それなら良かったけど……コラッ、如月さん! 彼女はねえ、あの高名なアニメタウンの市長[小田原修司]のお友達なのよ! 彼女の身に万が一の事が有ったらどうするのよ!?」

「ごっ、ゴメンなさい!本当に……」

 ミハル教師に如月ハニーはただ謝るしかなかった。

「ミハル先生っ、そんなに怒鳴りつけたら如月さんが可哀想ですよ。私は本当に大丈夫なのでこれ以上彼女を責めないであげてくださいっ」

 アッコが怒鳴りつけるミハル教師をなだめていたその時、モメテいる三人に一人の女性が駈け寄って来た。

「ハニー、何かあったの」「あっ、夏子。実は……」

 ハニーが親友の秋夏子に事情を説明する。

「なるほど、そんな事があったのね」「ええ、そうなのよ」

 秋夏子に説明するハニーに対して、ミハルは立腹したまま。

「まったく、加賀美さんに怪我なんかさせたら……(怪我なんかさせて市長の御怒りを買う事にでもなったら……)」

 そんなミハルにアッコが宥めかける。

「ミハル先生、本当にもう大丈夫なんですって。私はただ純粋に学園祭を楽しみに来ただけなんですから」

「……それだったら! ねぇ、加賀美…って言うのよね貴女」

「あっ、はい。加賀美あつこと言います」

 秋夏子からの問い掛けに率直に答えるアッコ。

「それなら加賀美ちゃん、私たちのクラスが出し物にしている喫茶店に来ない?お詫びのしるしにケーキとか御馳走するわ」

「それが良いわ! 加賀美ちゃんもいらっしゃいよ」

「そ、そんな……御馳走になるなんて、なんだか悪いわ……」

「良いのよ良いのよ。ミハル先生、彼女を私達の喫茶店に連れて行っても良いですよね?」

 ハニーが訊ねると、ミハルは渋々承諾した。

「え、ええ。まぁ……た、ただし失礼のない様にお願いするわよ」

「解りました。それじゃ加賀美ちゃん、こっちよ」

「あっ、は、はいっ」

 ハニーと夏子にアッコは連れて行かれ、彼女らが学園祭の出している喫茶店に向かった。

 

 

 

 

[聖龍使いの武者鎧]

 そのころ、修司とウッズは校長と理事長に学園内を案内されてた。

「……どうですかな我が学園は」「気にいってくれましたか?」

「ええ、設備も申し分ありませんし、何より此処の生徒達は活気に満ちています。素晴らしい学校ですよ」

「これでしたら、学園の活動資金の援助金も提供できますね」

 4人が学園の援助金のことで話している時、修司はタイミングを計って校長の団兵衛に訊ねた。

「……ところで団兵衛校長殿。あなた、骨董品を収集していると話に聞いたのですが」

「ウムっ。ほう、もう市長の御耳にまで入っておられましたか」

「……宜しければ、その収集したコレクションを拝見させてくれませんかね?」

「まぁ市長ったら、そんな物に興味がお有りなんですか?」

「ええ、少し……」

「ふむふむ、では特別にお見せ致しましょう」

 そう言うと、校長は学園の奥に有る自分専用の骨董品部屋に修司達を連れて来た。

「ほう、此処はいつもカギを閉めているんですか」

「ええ、何せ中には高価な品や珍しい品まで色々ありましてな」

 校長が部屋のカギを開けて、中に修司とウッズが招き入れられ、更には透明能力で付いて来た変身怪獣がこっそりと入り込む。

「いかがですか、吾輩が昔から収集している品々は」

「まぁ、ほとんど偽物が紛れ込んでいる可能性も無くは無いですが」

 校長と理事長が言い合っている間、修司は部屋を見渡した。すると、部屋の中央に頭部に五芒星の飾りを付けた武者鎧がガラスケースに収められ、その前には日本刀、更に前には真っ赤な形相をしたように模られている面が配置されていた。

「……! 校長、この武者鎧と刀と面は……!」

「おやっ、それに目がいくとは中々御目が高いですなあ。それはかの、アニメタウンで伝説になっている聖龍使いが身に付けていた鎧と刀と面でありますよ」

「まぁ、おそらくは紛い物何でしょうけどね」

「そ、そんな事ないっ。かつて聖龍使いはこの鎧を身に付け、腰にはその刀をぶら提げ、更には鬼を封じたと伝えられているその赤い面を被って数々の戦いを切り抜けたと言われております」

「……そうか、これがね(フフッ、遂に見つけたぞ)」

「さあさあ、こんなホコリっぽいところ出て皆さんでお茶でもしません?」

「ホコリっぽいは余計ですぞ姉上。まぁ、此処にこれ以上いてもアレですし、話の続きはVIPルームでゆっくりと…」

「え、ええ。そうですね。解りました、続きは其処で」

 修司達が部屋を出ようとした時、変身怪獣がテレパシーで直接修司の心に話しかける。

(おい修司。どうするんだ、折角聖龍使いの武者鎧を見つけられたのに)

(校長達の前で持ち出す訳にもいかないだろ、此処はあえてこの場を去るのみ)

(そ、それじゃ鎧は……?)

(それだったら隙を見て持ちだすから、お前はこのまま部屋の中に居ろ。この部屋のカギは中からなら開けられる構造だ。俺が来たら中からカギを開けて部屋に入れてくれれば良い)

(うん、解った)

 こうして修司は部屋に変身怪獣を置いたまま部屋を出た。

 無論、部屋のカギは校長の手でしっかりと掛けられた。

 

 

 

 一方、アッコの方はハニー達の計らいで彼女達が出している喫茶店で優遇されてた。

「どう? 私達が作ったケーキは?」

「うん……はい、とっても美味しいです!」

「良かった、そうそうレモンティーもどうぞ」

「すいませんね、私が余所見をしていただけなのに先生に怒られちゃって……しかもそれが発端で此処までしてもらって……何だか申し訳ないわ」

「良いのよ、あのミハル先生はハニーの事目の敵にしているんだから」

「え……とっ、ハニーさんって何かしちゃったんですか?」

「い、いや~……」

「ハニーはね、度々この学園抜けだしてどっかに行っちゃうのよ。ほらっ、此処の学園って規律が厳しいしハニーみたい学園の寮で生活している子には特にね」

「そうなんですか……」

「ま、まぁ……もう慣れたけどねミハル先生の御説教には……」

「ふ、ふ~ん……それにしても、何だか此処、人の視線が多い様な」

「ああっ、それは全部ハニーによ。ハニーはこの学園のアイドル的存在なんだから」

「も、もう夏子ったら。そんな事アッコちゃんに話さなくても良いでしょう!?」

「へえ! ハニーさんってこの学園のマドンナなんですね! スゴイなぁ」

「そ、そんな……ベ、別に良い事もないわよ……」

 3人が楽しく会話している時、突如学園内に爆発音が響き渡った。

 

 

 

 

[豹の爪(パンサークロー)の襲撃]

 

 爆発とともに園内に流れ込んで来た集団。それは犯罪組織・豹の爪(パンサークロー)だった。

「よーし、このまま一気に中に攻め込むぞー」

「目標は、学園内に有るという鎧武者の甲冑だ!」

「見つけ出して一気に出世するぞ!」

 こうした団員達を指揮していた怪人が声を上げる。

「さぁヤロウども! さっさと宝を持ち出しやがれ!!」

 パンサークローの集団は続々と学園内に流れ込み、園内は大混乱に陥った。

「パ、パンサークロー? 何で学園に……」

「きゃああ!」「えっえ? な、何がどうなっているの?」

 慌てる夏子とアッコに、ハニーが言った。

「夏子、貴女はアッコちゃんを安全な所に誘導してあげて!」

「えっ、わ、解った。ハ、ハニーはどうすんの!?」

「私はまだ逃げ遅れた人が居ないか確かめに行ってくる。二人は早くっ!」

「わ、解ったわ。ハニーも気を付けて! ほらっアッコちゃん早く、こっちよ!」

「は、はいっ!」

 夏子はアッコを連れて走り出し、ハニーは学園の建物の陰に身を潜めた。

「よしっ、今ね」

 ハニーはポーズをとり叫んだ。

「ハニー・フラッシュ!」

 彼女の体は光り輝き、金髪のロングヘアーが赤毛のショートヘアになり、さらに赤と黒味の紫のコスチュームに変わりキューティーハニーへと変身した。

「愛の光を持つ乙女!キューティーハニー! あなたの人生、変わるわよ!」

 彼女はそう台詞を言い、颯爽とパンサークローに向かって行った。

 

 

 そのころ、VIPルームで御茶会をしていた面々はパンサークローの襲撃に驚き、即急に避難していた。

「ハァハァ、し、しかしなんで寄りにも寄ってパンサークローが此処を襲ってくるんじゃ?」

「そ、そんな事知らないわよ! それよりも早く避難を!」

「え、ええ。急ぎましょう……」

 団兵衛に理事長に続き、ウッズも避難していくが。

「ハァ、おやっ、市長さんの御姿が見えませんぞ」

「えっ、そ、そんな何処に?」

「……きっと修司様は先に行かれたのでしょう。私達も早く行きましょう」

 ウッズは二人を言いくるめて先に行くように指示した。

(おそらく、修司様は……)

 そのとき修司は団兵衛の骨董品部屋の前まで来ていた。

 修司はドアをノックする。

「おい俺だ。変身怪獣ドアを開けてくれ」

 すると中から変身怪獣がカギを開け、修司を中に引き入れた。

「オイ相棒、何だか外が騒がしいな」

「ああ、なぜだか解らねえがパンサークローが襲撃してきやがったんだ」

「な、何だって! それじゃ早く行かねえと……!」

「まぁ待て、まずはこの武者鎧をどうにかしねえと……」

 

 

 修司が部屋の中に居る時、外ではキューティーハニーとパンサークローが激しい戦いを繰り広げていた。

「うぎゃっ」「うおお!」

 次々と敵をなぎ倒すキューティーハニーに痺れを切らせ、隊長格の怪人がハニーに立ち向かった。

「お前がキューティーハニーか、テメエを倒せば私の地位が上がるわ」

「そうはいかないわよパンサークロー! お前達の好きにはさせない!」

「ほざくなぁ!!」

 怪人はキューティーハニー目掛けて飛びかかった。

 

 

 その一方、修司が部屋で鎧と刀と面を前に、聖龍使いについて記述されている古文書と見比べていた。

「ふむ……間違いない! これは聖龍使いの武者鎧に伝説の聖龍剣、それに遥か昔に当時の聖龍使いが鬼を封じ込めたと伝えられている面だ!! とうとう見つけたぞ……!」

 修司が喜んでいると、手首に巻いていた龍玉の数珠から声がして来た。

「修司よ、修司よ」

「んっ、何だ。聖龍か?」

「そうじゃ、今こそ聖龍使いとして戦う時じゃ」

「な、なんだ? ま、まさか外のパンサークローと戦おうっていうのか?」

「いかにも、奴等には邪悪な気が感じられる。聖龍使いとして奴等を野放しには出来ん」

「解った、どうすればいいんだ」

「うむ、まずは目の前の鎧・刀・面に対して強い念を発するのじゃ」

「つ、強い念を……」

「うむ、さすれば武具である三点は主の気と同調し、主が武具を装備したいと念じれば武具と主が一体になるはずじゃ」

「……よしっ、やってみよう。そもそもこれができなきゃ今までの苦労も無駄になる。ウッ、ウウウッ……!」

 修司は強く念じた。聖龍使いになりたい、なってみんなを、愛してやまない2次元人達を護り抜きたいと。

「ウッ……!」

 修司が念じ初めて数秒も経たないうちに3つの武具が光り出した。

「うむっ、今じゃ修司! 武装せよ!!」

「……武装!!!!」

 次の瞬間、ガラスケースが割れ、修司は鎧に嵌め込まれるように鎧と一体化し、腰には聖龍剣を、顔には真っ赤な面を付けて完全完璧に聖龍使いになったのだ。

「お、おお! こ、これが…!」

 変身怪獣もこれには驚いた。

「我こそは、大自然の守護者……聖龍使いなるぞ!!」

 変身した修司、いや、聖龍使いは変身怪獣にこう告げた。

「おい、変身怪獣。主も早くメタルバードに変身して戦おうぞ。外には悪しき者共で溢れかえっておる」

「あ、ああ。解った(いつもジジ臭い事ばっか言う奴だけど、変身したら余計ジジ臭くなったな)」

 変身怪獣は言われるがまま、メタルバードに変身して聖龍使いと共に外に飛び出したのだった。

 

 

 

 

[聖龍使いの初戦闘]

 

 二人が外に飛び出ると、すでに学園内はパンサークローの団員たちで占拠されつつあった。

「うむ、すでに此処まで荒らされておるとは」

「ああ、早く奴等を片付けねえと…」

すると聖龍使いとメタルバードの目の前に、パンサークローに囚われて逃げ出せずにいた民衆が視界に入った。しかも、その中には夏子とアッコの姿もあった。

「うむっ、あれは紛れもなくアッコではないか!!」

「ああ、どうやら人質として捕らえられちまっている状況だな」

「うむ! ではまず彼等を助け出そう! 人を助けず英雄は務まらん!!」

「はいはい、そうですよね」

 二人はアッコ達人質を取り囲んでいるパンサークローの団員に攻撃を仕掛けた。

「うんっ、誰だお前ら!」

 二人に気がついた団員の一人が叫んだ。すると二人はこう台詞を吐いた。

「我こそは、この大自然を司り、大自然をそしてアニメタウンを守護する者、聖龍使いである!!」

「同じく、このアニメタウンを鉄壁の体で護り抜く聖龍使いのパートナー、鋼鉄のヒーロー、メタルバードである!!」

 二人の名乗りを前に、団員達は困惑する。

「なっ、何! 聖龍使いにメタルバード?聞いた事がねえぞ!?」

「関係ねぇ! とにかくヤッちまえ!!」

 団員達は二人に襲いかかって来た。すると聖龍使いは腰の聖龍剣を手に取り、その刀で団員達を次々と斬り倒していき、メタルバードは自身の鋼鉄の体を武器のように変形させて戦った。

「うぎゃああ!」「ウグッ!」「つ、強い……」

 団員達は一人残らず倒されてしまった。

「あ、ありがとうございます!」「お陰で助かりました……」

「うむ、礼には及ばん。当然の事をしたまでである」

「オレたち二人に係れば、どんな悪党も御終いよ」

 助けられた民間人に話しかけられているその時、アッコが二人に近寄って来た。

「あ、あの……」「うむ? 何かねお嬢さん」

ア「た、助けてくれてありがとうございます! ほ、本当に居たんですね聖龍使いって!」

「うむ、長年深い眠りについておったが、ワシが守護する今の街が危機的な状態であると聞いたのでな。眠りから覚め、今こうして活動し始めたのじゃよ。

「そ、そうですか……あ、あの! ちょっとお願いが……」

「うむ、何か御用かね?」

「わ、私の友達があなたの大ファンなんです! で、できれば写真撮ってもいいですか?」

「う、うむ……ま、まぁ別に構わんが……」

「わぁっ、ありがとうございます!」

 アッコが聖龍使いをカメラに収めようとした時、向こう側で激しい爆音が鳴り響いた。

「うむ! な、何事じゃ!?」「む、向こうで何かが爆発したぞ?」

 聖龍使いとメタルバードが驚いていると、爆発した方向から3人の人物が走って来てアッコ達が彼らに集まる。

「あっ、校長先生に理事長さん! それにウッズさんまで」

「いったい、どうしたんですか?」

 アッコと秋夏子が問い掛けると、団兵衛にアルフォンヌ理事長そしてウッズが答えた。「たっ、大変じゃあ! 向こうでパンサークローの怪人とキューティーハニーが戦っておるぅ!」

「わ、私達が巻き込まれないようにとキューティーハニーが逃がしてくれたのですが……」

「ハァ、な、何とか走って来たのですが……キューティーハニーのあの様子だとかなり苦戦しているみたいです……」

「ええ! あのキューティーハニーがピンチ!?」

「た、確かキューティーハニーってパンサークローと唯一立ち向かっているスーパーヒロインなんですよね……な、なにか遭ったら……!」

 三人の事情に秋夏子とアッコが不安な空気に包みこまれた時、後ろで話を聞いていた聖龍使いとメタルバードが唱え出した。

「皆の集! 落ち着くのじゃ!!」

「そのスーパーヒロイン、キューティーハニーは俺たちが助けに行ってくる!!」

 聖龍使いとメタルバードの勇姿を見て、団兵衛が気付いた。

「お、お主 !その鎧兜は……!」

「おおっ、主であったか。我の鎧を大事に護ってくれた者よ。我が名は聖龍使い。よくぞ、我の大事な武具を護ってくれた。感謝致す」

「は、はぁ……」

「えっ、ええ! あ、あの鎧って…本物の聖龍使いのやつだったの?」

 団兵衛とアルフォンヌ理事長が驚いている間に、聖龍使いとメタルバードはキューティーハニーのところに駆け付ける。

「よし! 無事に修司も聖龍使いになれた事だし、最初のヒーロー活動やってやろうじゃないの!」

「うむ、まずは後々我らが同胞に加えるキューティーハニーを助けるのじゃ!」

「ああ。だけどよ相棒。お前変身したばっかりで上手く戦えるのか?」

「それは行ってみてから考える!!」

「へっ、変身しても中身は余り変わらねえか……」

 二人は話し合いながら、キューティーハニーの所に走っていった。

 

 

 

[スーパーヒロインとの共闘]

「うわっ」「ヒヒッ、ヒヒヒッ」

 逃げ遅れた人たちを逃がす事だけに集中していたキューティーハニーは諸に怪人の攻撃を受けていた。

「はぁ、はぁ……あ、あなた達の目的は何なの?」

「はははっ、冥土の土産に聞かせてやるわ。この学園の何処かに有るという[聖龍伝説]に関わる宝が隠されていると聞いてやって来たのよ! でもまずは、お前を倒してからゆっくりと探してやるわ!」

「そ、そうは……いかないわよ!」

「シャアア、ほざくな!!」

 怪人はハニー目掛けて襲いかかろうとしたその時

 怪人の攻撃を刀で防ぎ、ハニーを護った者が現れた。

「なっ、何者だ!」「えっ、い、一体だれ?」

 怪人とキューティーハニーの目の前に現れたのは、聖龍使いとメタルバードだった。

「人々に害をなす怪人よ。主に引導を渡してくれようぞ」

「オレの近くで美女を傷つけようとするとはフテえ野郎だぜ」

「おっ、お前達は!?」

 怪人が問い詰めると、聖龍使いとメタルバードは意気揚々と名乗りを挙げた。

「我は大自然を司り、大自然をそしてアニメタウンを守護する者、聖龍使いであるぞよ!」

「同じく、アニメタウンを護り、そして可憐な美女たちを助け出すアニメタウンのヒーロー、メタルバードだ!」

「うっ、ウグ……」「せ、聖龍使いにメタルバード……」

 戸惑う怪人に反して、キューティーハニーが初めて見る二人の存在に唖然としていると。

「女子(おなご)よ、確か名はキューティーハニーと申したな」

「えっ、ええ……」

「主は下がっておれ、この怪人は我らが仕留める」

「君はもう無理すんな。しばらく休んでいろ」

「そ、そうはいかないわ! パンサークローは私の父の仇なのよ! このまま黙って見ている訳には……」

「ならば今回だけでも下がっておれ。ワシも久々に戦うのでな。上手く戦えるかこの怪人で試してみるわ」

「フンッ、邪魔者が増えただけだ! 片っ端から消してやるわ!!」

 そう叫んだ怪人は、聖龍使いに攻撃を仕掛けた。

「フンッ」「ふんっ、この程度の攻撃か……」

 聖龍使いは怪人の攻撃に怯むことなく聖龍剣を手に取り構えた。

(この刀は、聖龍剣は様々な自然の力を念として、形として攻撃したり具体化できたりすると言うが……試してみるか)

 聖龍使いは刀を後ろ手に構えて、一気に前方に払い上げたと同時に叫んだ。

「風斬昇!!!」

 そう叫んで刀を振り上げると、風の刃が怪人目掛けて飛んでいった。

「ウ、ウギャア!」

 怪人の体は切り傷だらけに。

(なるほどな、一種のカマイタチ現象だな)

 聖龍使いが納得していると逆上した怪人が再度襲いかかった。

(うむっ、次は炎の技を……!)

 聖龍使いは聖龍剣に炎を纏わせると、灼熱の方で怪人を斬り付けた。

「火炎斬!!!」

 するとどうだろう。聖龍使いが刀を振り下ろした勢いで一本の炎の道ができ、怪人は真っ二つに斬られて倒された。

「ウッ……ウギャアアアアア!!!」

 怪人は爆発、消滅した。

「や、やっつけたのか?」「す、凄い……」

「……うむむ(こ、これほどの威力なのか? これで更に他の自然の力も使えるようになれば……!!)」

 三人が驚いていると人が駆けつけて来た。

「うむ、此処はもう退こう」

「あ、ああ。そうだな、怪人も居なくなった事だし」

 去っていこうとする二人にハニーが言った。

「あっ、あなた達!!」

 すると、ハニーの呼びかけに二人はこう言い残した。

「お嬢さん、人にはいろいろな事情があるけどな、余り無理はすんなよな。せっかくの美貌がダメになるぜ」

「キューティーハニーとやら。主とはまた何処かで会えるぞ。それまで元気で居れよ」

 更に立ち去ろうとする聖龍使いはハニーにこう言い残した。

「……それと、主の行方不明になっておる父親は今総力を挙げて探しておる。結果が解れば報告するので辛抱するのじゃぞ。……如月ハニー」

「!! あ、アナタは一体!?」

「フンッ!」「そりゃ!」

 キューティーハニーの制止を聞かず、二人は掛け声とともにその場から消えた。

「あ、あの人達は一体……い、いけない。私も早く変身を解除しないと…」

 

 

 

 こうして、修司は聖龍使いとして初めての戦いを終えた。

 そして最初に聖龍使いとしてキューティーハニーこと如月ハニーと接点を持った。

 

 

 

 

[去りゆく市長とアッコ]

 

「いや~市長殿、無事で良かったですわ。あの後姿が見えなかったのでどうしてしまったのかと」

「とにかく、無事で何よりですわ」

「今日はパンサークローの襲撃で何かと有りましたが、今後とも我が校を宜しくお願い致しますわ」

「ええ、校長殿、理事長殿、そしてミハル先生、今日は色々とありがとうございました」

「途中から襲撃騒ぎで色々と大変な目に会いましたけど、とても楽しかったですよ」

 別れ際、修司とアッコ達と対話する団兵衛とアルフォンヌ理事長にミハルの三人。 

「アッコちゃんも大きくなったら是非、我が校に入学してきてね」

「その時はみっちりと指導してあげますわ」

「あ、ハイ……その時はどうぞよろしく…」

「さあてと、早く家に帰って休むとするか」

「車の出る準備が整いました。もう出発できます」

 ウッズの返事を聞いた修司は、アッコに帰宅すると告げる。

「よしっ、アッコ帰るぞ」「えっ、うん解った」

 アッコが車に乗り込もうとしたその時、ハニーと夏子がアッコを呼び止めた。

「アッコちゃーん」「ちょっと待って~」

「あっ、ハニーさんに夏子さん。修司、ちょっと待ってて」

 アッコは車から出て、ハニーと夏子のもとに駆け寄った。

「ハァ、今日は色んな事があったけど楽しかったわ」

「記念にこれをあげるわ」

 二人はアッコにヒマワリとフリージアを模った壁飾りを差し出した。

「うわぁキレイ…」

 アッコは目を輝かせて喜んだ。

「ヒマワリとフリージアを模った壁飾りよ。ヒマワリは夏子の[夏]にちなんで。そしてフリージアは私の誕生花なのよ。この壁飾りは私と夏子の友情の証として旅行先で購入した品なのよ」

「えっ、そんな大事な物を私なんかに……い、良いんですか?」

「良いの良いの、私の部屋にもう一つあるし、それにアッコちゃんと友達になった証として持って行って欲しいのよ」

「わ、私のために……そんな。でも、ありがとうございます!」

 二人と楽しく会話しているとき、アッコがハニーに話した。

「ハニーさんの誕生花はフリージアって言う花なんですね。私のは今胸に付けている[金連花]って言う花なんです」

「うわ~、キレイなブローチかと思ったらアッコちゃんの誕生花だったんだ」

「はい、修司が私の誕生日にプレゼントしてくれたんです」

「へぇ~、あの市長さんがね。堅物って聞いているけど、本当はどんな子なの?」

 ハニーの質問に、アッコは考えながら答えた。

「う~んと……一言で言うと人付き合いが余り上手くなくて、自分から周りに壁を作っちゃう男の子なんです…でも本当は凄く優しいんですよ」

「ええ、それは解るわ。なんせアッコちゃんの彼氏なんだからね」

「えっ、そ、そうです……けど……(カアァ)」

 ハニーに指摘されて思わず赤面するアッコに、夏子が提案する。

「ああ、そうそう。アッコちゃんさっき現れた聖龍使いの写真欲しがっていたわよね? 私こっそり撮っていたから後で焼き増しして家に送ろうか?」

「えっ?本当ですか、ありがとうございます! え、え~とウチの住所は……」

 3人が会話しているのを痺れを切らした修司が叫んだ。

「お~~い! アッコ~! もう行くぞー!」

「うん、今行くわよ! それじゃあハニーさん、夏子さん。今日は色々と楽しかったです。また会えたらいいですね」

「またと言わずにいつでも遊びに来てよ」

「そうそう、私達もう友達でしょ♪」

「あっ、はいっ。ではまたどこかで」

 アッコはそう二人に言い残し、車に乗って修司と帰っていった。

「ふぅ~、行っちゃったねアッコちゃん」「そうね……」

 二人がアッコ達を見送っている時、ハニーは思い悩んでた。

 (あの聖龍使いにメタルバード、彼等は一体誰なのかしら……しかも聖龍使いは私の正体を知っていたし)

 ハニーが一人考え事をしながら寮に帰っているそのころ、校長と理事長は………

 

 

 

「な、ない!! や、やっぱり聖龍使いの武者鎧と刀と面が無くなっておる!!!」

「じゃ、じゃあやはり、あの聖龍使いは本物……目撃した者の話では怪人を一刀両断にしたと云う話を聞きましたわ」

「う、うむ……あの鎧、凄く高かったのに……し、仕方がないのかのう……」

 団兵衛とアルフォンヌ理事長が砕かれた聖龍使いの鎧が仕舞われていたガラスケースの前で茫然と立ち尽くしていた。

 

 

 一方その頃の修司は車の中でニヤけてた。

「ふふふ……ふふ……」

「な~に修司? さっきから何をニヤけているの? 何か良い事でも有った?」

「ふっ、な~に。ちょっとしたことさ」

「ふ~ん、変な修司……」

(これで聖龍使いとして戦える事は出来た。後はこの力を全て熟知し、地下の基地施設の設備を完全に整えて英雄達を次々と勧誘していくだけだ)

 

 

 

 修司の目論みは着々と進行していくのであった。

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