【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 今回は前回に続き、キャラクター達との絡み、更にはアニメタウンの地下に広がる巨大な設備の実態を紹介していきます。
 更に後半は、英雄達と度等を組んだバトル展開になります!!


アニメタウンの英雄達 伝説の始まり ~地下施設の実態~

[それぞれの事情]

 

 前回に引き続き、英雄たちは修司の自宅地下のメインコンピューターのフロアでそれぞれの事情、そして何のために活動しているのかを皆にありのまま打ち明けた。

 

「……なるほどね。みんなそれぞれ事情は異なるけど、色んな敵や犯罪と対峙しているってわけか……」

「私、今まで自分が戦って来たパンサークローの事しか頭になかったけど、他にも弱い人たちを困らせている奴等がいたのね」

 考え込む美奈子に続き、ハニーも考え始める。

ケロ「ふ~、今まではクロウ・カードの封印でしか力を使ってはいなかったんやが、これからは皆はんと共にヒーローをやっていこっちゅう考えであるようやな、あの市長は」

「本当はダークジョーカーだけと戦えればそれで良かったんだけど、これからは協力しながら戦って行く訳か……」

 ケルベロスとデューイは今後の自分達の方針を考え込んでしまう。

「……でも、それぞれ戦う相手がまるっきり違うのに一緒に戦闘プレーができるのかしら?」

「そ、それは……でもみんなが力を合わせればなんとかなるんじゃないかしら?」

「まぁ、皆違う敵、違う事情を持っているみたいだけど普通の力ではない力を持っているっていう共通点はあるわ、その力を合わせて協力しながら戦って行くしかないみたいね」

 今後の戦闘に対して如何にするかを話し合うレイとイサミ。

「うはは、でも~何だか余計賑やかになって楽しいけどね~」

「はい、皆さんとっても個性的で一緒にいると楽しくて仕方ありませんわ」

「フッ、僕もこんな美しいお嬢様方と一緒にいられるなんて光栄ですよ」

「……お前さっきから何言ってんだ?」

「ああ、気にすんな。コイツはいつもこんな調子なんだ」

 楽しそうに笑顔でお喋りし合う月野うさぎと知世に見惚れるソウシの言動に戸惑う星夜にトシが言い聞かせる。

 

「ダークキングダムにダークジョーカー、同じような輩がまだ他にもいたなんて……」

「それに犯罪組織と言うパンサークローや黒天狗党と言う輩も同様に街に蔓延っているなんて」

「悪い人たちって、いっぱい居たのね」

「ダークキングダム……加納先輩を操っているブロス以外にもそんな連中がいたなんて……!」

「ほ、ほええ~。よく考えたら、私達の街って悪者ばっかりじゃない~」

「そんな。悪い輩がこんなにも街に蔓延っていたなんて……」

 ルナとアルテミスが話し合っている横で思い悩む亜美に、りりかとさくらと話し合うまこと。

 

「どうだ? 少しは今の街の現状を理解できたか?」

 みんなが話していると、其処に変身怪獣が話の輪に入って来た。

「あっ、貴方は……」

「おおっと、オレの自己紹介がまだだったな。まぁ、オレはあの修司にも本名は告げてはいないんだが[変身怪獣]と呼んでもらっている。お前等も俺の事はそう呼んでくれ」

「へっ、変身怪獣?」「やっぱり怪獣なのか……」

「まぁ、怪獣さんでしたのね」

 レイ達に偽りの自己紹介を述べる変身怪獣に、トシや星夜そして知世が反応すると変身怪獣は更に自己紹介を付け加える。

「まぁ、正確には【超獣族】という種族の端くれだ。怪獣って訳じゃないんだけどな」

「ちょ、超獣族?」

 ハニーが反応すると、変身怪獣は超獣族について語り始めた。

「ああ、かつてこの世に存在した高度な文明を築いていた種族だよ。まぁ……今は滅んでしまったがな」

「ほ、滅んだ……って」

 変身怪獣の説明にまことが神妙な面持ちで戸惑うと、変身怪獣は話題を逸らす。

「ま、まあ。その話は長くなるから置いといて……あっ、そうだ! ついでにオレの能力を教えてあげちゃうぜ」

 そう言うと、変身怪獣は自分の体をスライムの様にグニャリとさせた。

「うわっ」「な、なんだ!?」「な、何するつもりなんだよ?」

 レイや小狼に星夜たちが驚いていると、更に驚く事に変身怪獣はなんと如月ハニーの姿へと変わった。

「えっ?」「は、ハニーさん?」「う、うっそ~!?」「わっ、私!?」

 まことに亜美、うさぎはもちろんハニー本人も驚愕してると。

「ふふふ、そうよ。私は如月ハニーよ」

「えっ、ええ!?」「こ、声もそっくり……」「マ、マジかよ!?」

 声帯までも完全に模写している変身怪獣に驚かされる苺鈴にりりかにトシたち。

 更に変身怪獣は再度体を変化させて、お次は体格差のある木之本桜になって見せた。

「私さくら。友枝小学校に通う4年生です。家族はパパとお兄ちゃんの3人暮らしです」

「ほ、ほええ~!」「ワオッ、これはホンマにさくらそっくりやでぇ」

「うわぁ、さくらちゃんが二人もいますわぁ♡」

「い、いったいどんな体しているのよ……」

 さくらに変身した変身怪獣に驚かされるさくら本人とケルベロス、そして二人のさくらを前に思わず見惚れる知世に変身怪獣の体の構造を疑問視するイサミ。

 そして体をスライムみたいにして、変身怪獣は元の姿へと戻った。

「へへへ……どんなモンだい。オレは一度見た人間や動物の体やその骨格、そしてその声帯つまり声までもそっくりに変身できるのよ。だから変身怪獣って呼んでもらっている訳さ」

「す、凄い……!」「い、一体どういう種族なんだ?」

「何だか気味が悪いな……」

 驚く亜美に不思議がるデューイに対し、そんな変身怪獣を不気味がるソウシの発言に本人は反論する。

「おいおいソウシ君、そんな発言は止めてくれよ。そんなこと言ったら、此処にいるみんなまでが気味が悪い連中になっちまうぞ」

「なっ、何ですって!」

「そ、そうだ! 何で俺たちまで気味悪い存在にされなきゃならねえんだ!」

 変身怪獣の指摘に反応するレイに星夜たちに、変身怪獣は説いた。

「おい、良く考えろよ。カードを召喚したり封印したり、色んなコスチュームに一瞬に変身できるなんて、普通の人間じゃないだろ? 人から見たら普通じゃあり得ない存在。つまり、バケモノに見えちまうかもしれないってことだよ」

「うっ」「い、言われてみれば……」

「……私達、もう普通の人間じゃないのよね」

 事実を指摘され、暗い表情を浮かべるレイにハニー、そしてさくら達。

 

 その場の空気が一気に重くなった時、更に変身怪獣は皆に断言した。

「まぁ、だからこそ。一般の人達にもお前等がホントは優しい連中で、その力で人々を護っている英雄ってある事を、修司は世間に示したいって訳なのさ。これも、お前等を聖龍隊に入れた理由の一つさ」

 そう告げると変身怪獣はみんなにウインクした。

 すると変身怪獣は自分の体験談を語り出した。

「オレは修司に会うまで色んな人間の心を見て来た。ほとんどが欲望や邪心、憎悪に満ちた汚れた心を持っている連中だったけどよ、お前等は全く違う心を持っているのも解るさ。此処にいる連中はみんな、困っている輩を助けてあげたり、悪事を働く者に対して決してその行為を許さないという強い心の持ち主だって事はオレには解っているとも。そして、それを今後、街の、そして世間に対しても訴えながら活動していくってのが聖龍隊の活動の一環だと、修司は言っていた」

 

 変身怪獣の説明に、みんな思った。

 確かに自分達の能力は普通の人とは違う。他人から見たら人ではないつまりバケモノのように思われてしまうかもしれない。今はそう思われてなくても、この先そう言った視線で見られてしまうのではないか。そして、そんな事がないようにするための組織として創られたのが聖龍隊なんだと、みんなが納得した。

 

 と、その時。星夜がある事に気付いた。

「お、おいっ。へ、変身怪獣……」変「うん? なんだい星夜君」

「あ、アンタは……今まで色んな人間の心を見て来たっていうけど、それはどう言う意味なんだ?」

 みんなも気付いた。。人間自身ではなく、人間の心を見て来たという変身怪獣の言い方に疑問が生じた。

「そ、そうだよっ。人ではなく心って……」「ど、どうゆうこと?」

「アンタ、いったい……」「こ、心を見るってどうやるんだ?」

 まことに亜美、小狼やトシ達が戸惑っているその時、思いついたようにデューイが変身怪獣に問い掛けた。

「……まさか! オイっ、変身怪獣! まさかお前、テレパシーを使えるのか!?」

『テ、テレパシー!?』

 デューイの問い掛けに全員が驚く。

「な、なに……そのテレパシーって」「な、何なんだそれ?」

「聞いたことあるわ。確か人の、相手の考えが読める超能力だって」

 まことに星夜が混乱してると、ハニーがテレパシーについて述べた。

「ちょ、超能力ゥ!?」「ええーー!」「そ、そんな力も持ってるの……!?」

 超能力の存在に驚く苺鈴にうさぎと美奈子。そんな皆を前に変身怪獣は詳細を述べる。

「ああ、まあな。ただ相手の精神によっては心を読めなかったり、読み解くには時間が掛かったり限りがあるんだよ」

「あ、相手の……」「精神って……」

 レイやハニーが疑問視すると、変身怪獣は例を説いた。

「ああ、例えば心に暗い影や闇、そして傷があると、それが妨げになって相手の考えや記憶が読めないんだよ。例えば、修司も何だが心に深い闇があって、それが原因でアイツが前には何処の街から来たのかさえも未だ解らねえのよ」

「ひ、人の心が見えるなんて……」「何だか、プライバシーの侵害ね」

「そ、それより、市長さんの闇って……」「こ、心の闇……」

 相手の思考が読めると知って驚く小狼に少し不快に思う美奈子、そして修司の心の闇について考えさせられるりりかとさくら。

 そんな皆に変身怪獣は更に語り明かした。

「……ああ、修司は心に生まれつき闇を持っているんだ。それも正真正銘の、そして純粋な闇をな。その闇が心を覆っている状態でオレでさえ奴の真意を読み解く事が出来ないし、それが原因であいつは周りと孤立しやすく、つい自分から周りに壁を作っちまうんだ。修司は常にそういった孤独による恐怖や不安でいっぱいだった。だからこそ奴は誰かを護ったり、誰かを救う事で、その人間に認められ、自分の心の中の孤独感を薄めようともがき苦しんでいるんだよ」

 この変身怪獣の話を聞いて、まこととハニーが思い出す。

「そ、そう言えば……」

「私……以前あの子の友達から同じような事を聞いたわ」

「えっ、ハ、ハニーさん。その友達って……」

「もしかして、加賀美っていう女の子じゃ」

 ハニーの言葉に、レイと美奈子が訊ねる。

「えっ、あ、あなた達も彼女と知り合い!?」

「え、ええ。ちょっと……」

 亜美がハニーに返事すると、まことが以前聞いた事を話し始めた。

「そう言えばアッコちゃん言ってたっけ。『修司は自ら周りと接触を断とうとしてしまう傾向がある。だけど本当は寂しがり屋で、ただ素直になれないだけで、本当は凄く優しい人で、いつも孤独に囚われている』って……」

 思い出すまことに、うさぎも修司の事を思い返していた。

「……確かに。市長さんっていっつも明るく振る舞っている素振りをテレビとかカメラの前ではしていたけど、実際に会ってみたら何処か寂しそうな雰囲気だし……」

「わ、私も……アッコちゃんから同じような事聞いたわ」

「アッコって、確か修司の通っている学校のクラスメイトだよな。修司の話だと、ずいぶんお節介焼きでそれで迷惑したり助けられたり……って聞いているぞ」

 うさぎとハニーの話を聞いて変身怪獣も修司本人からアッコの事を聞かされていると述べる。

 

 と、その時。皆の話の最中に修司がウッズと共にやって来た。

「よ~しお前等っ、これからこの基地と繋がっているアニメタウン地下設備について説明していく。黙って付いてこ~い!」

『は、はぁ!?』

 突然の修司の言い出しっぺに困惑する一同に、ウッズが優しく述べる。

「皆さんも使用できる設備や施設を教えたいので、一緒に付いて来て貰えませんか」

 

 こうして一行は修司とウッズの案内の元、アニメタウンの地下施設を周るのだった。

 

[アニメタウンの地下]

 

 一行は、地下通路に完備されている専用の移動用車で地下通路を進んでいた。

「ま、まさか驚いたわ……」

「ええ、私達の街の地下にこんな通路があったなんて」

 レイと亜美は、アニメタウンの地下に広がる空間に驚かされる。

「す、凄い……」さくら「ほ、ほええ……」「わぁお♡」

 小狼もさくらも知世も広大な地下空間に圧倒される。

「す、凄い設備ね……」「いや~、この車は快適やな~」

「呑気なケルベロスね、まったく」「ま、まあまあ……」

 まことが地下施設を見渡す中、地下を走る車の快適さを呟くケルベロスにルナが呆れるのを宥めるアルテミス。

「こ、こんな物が街の地下に在ったなんて……」「え、ええ……」

「うっわーーい、スッゴーーい」「こらケイ、あんまり騒がしくすんなっ」

 ハニーやイサミが地下施設に驚く中、設備や車に興奮する弟のケイをトシが押さえる。

「いや~、こんなに御美しい貴女の隣にいられるなんて、光栄ですよ」

「え、ええ……あ、ありがとう……」

「オイお前っ、りりかにチョッカイ出すんじゃねえ!」

「ウルサイよ聖夜、ただでさえトンネル内なんだからタダでさえ音が響くって言うのに……」

「何だか騒がしいわね」「そうね、もう少し落ち着けないのかしら」

「おーーい、後ろうるさいぞーー」

「えーー、それでは皆さま。ここで説明させてもらいますね」

 ソウシがりりかに対しても口説き始めたのを見て星夜が怒り出すも、地下なので音響が響く現状でデューイが五月蠅がる。そんな彼らを見てうさぎと美奈子が呆れる中、修司が注意し、ウッズが説明を始める。

「えー、この地下通路は主に聖龍隊やその関係者のみしか使用できない事になっております。此処では戦闘のスキルを上げる訓練場や射撃場、更には闘技場が完備されていまして、皆さまは自由に使っても大丈夫です。更に、戦闘で受けた傷や怪我を治療するためのメディカル・フロアも既に完備されておりますので、戦闘で重傷を負った場合は直ちに治療ができるようにしておりまーす」

 すると此処で修司がウッズの説明に付け加えた。

「ちなみにこの上のフロアは一般市民が非常事態の時に避難できる[避難フロア]になっている。避難フロアは災害や大規模な事件が起きた際に、市民に一時的に避難してもらうためのフロアだ。無論、このフロアに市民を誘導していくのは俺やお前達聖龍隊の役割だから、それを忘れるんじゃないぞーー」

 

 と、その時ハニーが問いかけた。

「あ、あのーー。ちょっと良いですか?」「はい、何でしょうかハニーさん」

 ハニーの問い掛けにウッズが返答すると。

「な、なにか非常事態が起こった際にはさっきの基地に、メインフロアに駈けつけなければいけないのでしょうか……」

 これに修司が答える。

「そりゃ当然だ。ヒーローとして市民が危険に晒されているのに、遠くで見ているなんて事はダメだろう」

「で、でも…私は学園の寮で生活していますし、勝手に学園を出る訳には……」

 ハニーに続き、まこと達までも頷く。

「は、ハニーさんだけじゃないわ! 私たちだって学校の生活があるんだし、いつも此処に集まれる訳じゃないわよ!」

「……まぁ、そう言うと思っていたよ。だからこそ、その準備もしてあるんだけどな」

『じゅ、準備!?』

 修司の発言に皆が驚愕してると、修司は地下通路の実態を皆に説く。

「ああ、実はこの地下の秘密通路はお前達の街のあちこちに繋がっていて、そこからさっきのメインフロアに行きつく事が出来るんだよ。十番街に友枝町そして大江戸町……宇崎医院の近場に聖チャペルの学園内にも通じている秘密通路が多々の場所にも点在している訳なんだよ」

 これにウッズも説明を省略する。

「まあ、街中がこの通路と通じているって事ですよ」

『ま、街中に!?』

 ウッズの説明に皆が驚いていると、修司がまたも説く。

「ああそうだ。それに如月ハニー、お前の場合は学園の校長や理事長達に上手く色々と説明してやるから、いつでも市長宅に出向いて来て良いぞ」

「は、はぁ……」

 ハニーが話し終えると、うさぎが鉄製の大きな扉を指差した。

「ねえねえ、この先の扉には何があるの?」

「ああ、その先は排水路に繋がっている。行ったら貯水槽に落ちて溺れ死ぬぞ」

「う、うぎゃああ! は、早く言ってよ! うっかり開けようとしちゃったわよっ」

 一驚するうさぎに、修司は自信満々に語った。

「ははは~、それは大丈夫。鉄製の扉を何重にもしてあるから水が漏れてくる心配はないさ。そもそも、その先の水路は街に大雨が降ってきた時、下水道から水が溢れてきて街が水浸しになるのを防ぐために大量の雨水を貯蔵できる仕組みになっているんだ。しかも、水路の先には超巨大な貯水タンク。もしその貯水タンクが満杯になれば自動的にたまった水を海に流し出す構造にしてあるんだよ」

「へ、へぇ……」「そ、そこまで完備されているんですか」

 修司の説明を聞いて思わず内心で称賛するまことと亜美。

「あっハイっ、俺からも一つ質問良いですか?」

「今度はなんだい、月影トシ君♪」

「あ、あの……も、もしも街に大地震が来た時には、このフロアはもちろん、上の避難用のフロアは大丈夫なんですか?」

 このトシの質問に、ケルベロスも頷いた。

「そ、そうやっ。もしも大地震が来たら地下の方が返って危ないんとちゃうか?」

 すると、修司はいきなり笑いだした。

「くくく……くっはっはっは!」

「!!」突然笑い出す修司に全員驚いた。

 そして修司は皆に告げた。

「ふはは……この俺様が、この日本が地震大国である事を忘れていると思ったか! この地下通路はもちろん、先ほどのメインフロア、そして一般市民が使用できる避難用フロアも、全て核シェルター並に強固な造りにしているんだよ!! よって、多少の地震はもちろん、核攻撃にだって耐えられる構造なんだよ!!」

 

 修司の大声による説明は、みんなのド肝を抜いた。

「うっ……しゅ、修司様。そんなに大声を出さなくても良いのでは」

「はっはっは、いや~すまん。遂テンションが上がっちゃって」

「……お、大きな声……」「え、ええ……」

「ほ、ほえええ……」「み、耳がキィ~んとしますわ」「な、何でバカ声だ……」

 修司の大きすぎる地声に、ウッズはもちろんハニーもレイもさくらも知世も小狼達も驚かされる。

 

と、その時。地下施設内にアナウンスが鳴り響いた。

「警報、警報 友枝美術館にて強盗事件が発生しました 繰り返します 友枝美術館にて強盗事件が発生しました……」

 

「うむっ、事件か!?」「おやっ、もう備え付けた警報装置が役に立つとは……」

「よっし! 出撃しようぜ相棒!」

 事件の報せに反応する修司とウッズと変身怪獣。だが変身怪獣に修司が説き伏せる。

「待て待て、まずはウッズ。お前はメインフロアのコンピューターで監視カメラの様子を見ながら指示をくれ。俺たちは先に現場に向かっている!」

「ちょ、ちょっと!」「お、俺達……って……」「ま、まさか……」

 レイにハニーに美奈子たちが戸惑う中、修司は宣言する。

「おうよっ、俺たちゃ聖龍隊の初出動だ! 戦える連中はすぐさま現場に向かうぞ!!」

『え、ええ~~~~!?』

 こうして修司は宣言通り、戦闘員を引き連れて現場へと急行した。

 

 

 

[聖龍隊の初任務]

 

 此処は現場になっている友枝美術館。

「ふははっ、ヤロウども! 金目のモンは根こそぎ奪いやがれ!!」

『うおーーい!!』

 

そして現場には、修司達が地下通路から人目を避けてやって来ていた。

「よ~し、一応は一般市民にも気づかれずに現場には来れた。後はみんなで変身してあの強盗を……」

「で、でも……あいつ等マシンガンを持っているわよ」

「おいおい、戦士がビビっていてどうする。さっさと片付ければ済む話だろうよ」

 敵が装備している銃火器に怯える美奈子を、変身怪獣が指摘する。

「で、でも……妖魔とならともかく一般の人間とは……」

「な~にが一般の人だっ。よく見ろ。奴等は悪事を働くフテエ輩だ。トッチメテやらなきゃ英雄の名折れだぜ」

 まことの発言に修司が断言してると、りりかも修司に言う。

「で、でも……普通の人達に危害を加えるのは…」

「おいっ、りりか。よく見てみろ。すでにあの強盗団、何名か銃撃して深手を負わせている。あんな奴等を野放しにしていたら怪我人どころが死者がでるぞ」

 そのとき、同行していたハニーが気づいた。

「あっ、あの刺青。間違いない、あの連中パンサークローだわ!」

「な、何っ?」「あいつ等、この友枝町にまで踏み込んで来たのか……」

 強盗達が皆パンサークローだと知って一驚する変身怪獣に修司。

「わ、私達の街の美術館が……」「人がいっぱい倒れていますわ」

「あ、あいつら。酷い事を……」「しゃ、小狼、私、怖いよ……」

 恐怖で畏縮するさくらに知世、そして怒りを覚える小狼の横では苺鈴も怯えていた。

 と、此処で修司が皆に指示を飛ばす。

「怖がっている場合じゃない! すぐに変身して戦うぞ! まずはセーラー戦士、キューティーハニー、ナースエンジェルそして変身怪獣。一緒に変身して戦うぞ!」

「えっ、お、俺たちは?」「お、俺たちゃ無視かよ」

 修司の指示に自分達が居ない事に戸惑う小狼と星夜に、修司は考え込んだ後に語る。

「……そうだな。今回キャプター組はひとまず遠方から様子を見ながら待機。星夜は今、ウッズに頼んで用意してもらった装備が来しだい、それを着用して戦え! 確か、イサミが持ってきてくれる筈なんだが……」

 と、修司が話していると其処にイサミが到着する。

「おっ、お待たせ!」

「お! 噂をすれば来てくれたかイサミちゃ……ん?」

 やって来たイサミを見た変身怪獣達は、彼女の服装が変わっているのに気付いた。

 装備を持って来たイサミは既に、聖龍隊隊士専用のスーツを着ていて、まるでアメリカ特殊部隊のSWAT(スワット)のような身なりだった。

「い、イサミちゃん?」「そ、その格好は……」「そ、それが聖龍隊の……?」

「ひぃ~、なんか決まったコスチュームでない限り、隊士の装備服はこれだって……」

 亜美とまこととハニーの問い掛けに、イサミは困惑しながら答えていると。

「ふむ! それが聖龍隊の一般隊士の戦闘装備なのである!」

『えっ!?』

 現場の皆が修司の方を向くと、既に修司は聖龍使いに変身していた。

「えっ、ええ~」「は、早い……」

 美奈子もレイも素早い聖龍使いへの変身に驚いていると、聖龍使いは眼前と答えた。

「ふははは、何事も迅速かつ速急に行動する事が大事なのじゃ。それにその装備のヘルメットは素顔を隠す上には持って来いの装備じゃ。変身して多少容姿の変わるヒーローであればそんな物は必要ないのじゃが、イサミや星夜は素顔がさらけ出してしまっておる。それを被って自身の頭部を守ると同時に顔を隠すのじゃ」

 聖龍使いの説明を聞きながら、変身怪獣以外の、その場の全員が思った。

(や、やっぱり変身すると口調が変わってる……)

「ふははっ、それでは聖龍隊! 美術館内に突撃じゃあ!!」

 聖龍使いの指示に渋々従おうとしていると、りりかが気付く。

「あ、あれっ? イサミちゃん、他の子達はどうしたの? それにデューイの姿も見えないし……」

「ほ、他の子って……ああ、トシにソウシにケイね。彼等は私の様に武器を持っていないから戦えないのよ。そ、それにデューイさんは『ダークジョーカーが相手じゃないと戦う気が起きない』って、トシ達と一緒に地下のメインフロアで待機してるって」

「もうっ、デューイったら……」

 デューイの戦闘不参加に、りりかは呆れてしまう。

 

 こうしてセーラー戦士・キューティーハニー・ナースエンジェル・そしてメタルバードに変身し終わった聖龍隊は荒れ果てた美術館の正面ホールに集っていた。

 ホールには物が散乱し、警備員や巻き込まれた一般市民の多くが負傷していた。

 

「こ、コイツはひでえ……!」「こ、此処まで荒らす必要あるの?」

「これが奴等のやり口よ」「ひ、酷いわ……!」

「こ、こんなの許せない!」「つ、罪のない人たちをこんなにも傷つけて…!」

「噂通りだね、パンサークローって」

「うん、容赦ない非情な集団って聞いていたけど、此処までなんて……」

 辺り一帯の惨状を前に驚くメタルバードにマーズが困惑してると、キューティーハニーがパンサークローのやり口を説明。この惨状を見て、マーキュリーやセーラームーンにナースエンジェルが許せなくなる一方、話通りの非道な輩だなと痛感するジュピターとヴィーナス。

 そして現場には装備の戦闘服を着こなし、駈けつけた星夜とイサミも到着。

「ひ、ひでえっ!」「ひ、人も物もメチャクチャ…」

 そして凄惨な現場を見た聖龍使いが、全員に告げた。

「皆の集! 此処からが踏ん張りどきじゃ!!」『!!』

 聖龍使いは困惑する現場の皆に指示を飛ばした。

「まずはナースエンジェル。主は怪我を負っている美術館の警備員や一般人の傷の手当てを中心に行ってくれ!」

「は、はい!」

「残りの者はワシとメタルバードを先頭にこのまま突っ切るのじゃ! 奥で美術品をアサっているパンサークローを打ち倒すのじゃあ!!」

「おうっ、任せたぜ! お前等も一緒に来い!!」

『は……はい!』

 

 聖龍使いはナースエンジェルをその場に留まらせて、残りの同志とともに美術館奥に向かった。

 

 

 

 

[聖龍隊・初陣]

 

「ぐっへっへっへ……お宝が満載だぜ」

「おうよ、これをマニアに高く売りつければ……」

「ああ、この前の聖チャペルでの損失も補えるぜ」

 そんな物色しているパンサークローの連中の許に、ドアを蹴破って進入する者達にパンサークローも気付いた。

「な、何だ!?」「だ、誰か来たのか?」

「あ、ありえねえ……警備員は全員倒したはずだ!」

「悪事を働く不届きな輩めえ~」

「なっ、何だ……!?」

 突然乱入する聖龍使いに動揺するパンサークローに、聖龍使いは歌舞伎口調で名乗り上げた。

「拙者等がおるこの街で~、人様方を困らせて~、あっそして苦しめようとする輩~……せっ、拙者~、拙者等が、仏に代わってぇ成敗いっ、致~す!!」

「な、ナニモンだっ、てめえは!!」

 パンサークローが問い詰めると、聖龍使いは変わらず歌舞伎口調で答えた。

「拙者、拙者は! あっアニメタウンの守護者っ、聖龍使いった~拙者の事で~ござりますぅ~」

 歌舞伎口調でパンサークローの連中に名乗る聖龍使いを前に、パンサークローは困惑する。

「せ、聖龍使いって!?」「あ、ああ。最近街の治安を護っているって……」

「うっ、うろたえるな!  コイツには以前聖チャペルでヒデエ目に遭っているんだ! テメエ等、やっちまえ~!」

 パンサークローが一斉に聖龍使いに機関銃を乱射。それを立ち塞がる様に聖龍使いの前に現れたメタルバードは鋼鉄のボディで団員達をボッコボコに殴り倒す。

 そこに更に聖龍使いが告げた。

「ふはは~っ、それ~に。今回は~拙者の良き~仲間ぁ達を~ご紹介致そうでは~ない~か~」

「なっ、何?」「せ、聖龍使いって確か相方はメタルバードだけじゃ……」

 仲間達と聞いて、パンサークローは更に戸惑う。

「それっ、そ~れっ! 同胞たちよっ、やって御終いなさ~れ~」

 そして一斉に現れたのは、セーラー戦士達にキューティーハニー、そして龍の剣を持って戦闘服を来たイサミに星夜が団員達と乱闘し始めた。

「うわっ、何なんだコイツ等!」

「キ、キューティーハニー!? こ、コイツも聖龍使いの仲間!?」

 キューティーハニーを見知っているパンサークローは、一気に士気が下がってしまう。

「うわっ、こ、この緑の女、電撃をっ、グフッ」

「ウギャーっ、こっちの赤いのは炎を出して来たー、アーチッチッチ!」

「ウップッ、こ、この女は水を……ウッパ……」

 セーラー戦士達の多種多様な攻撃を前に、パンサークローは追い詰められる。

「ウギャアァ」

「う、うわっ、何なんだこのガキ。見た事ねえ剣みたいなので攻撃してくるぞ!?」

「うっ……うぐぐっ……」

「こ、このガキは何だ? ひ、人を空中に浮かせていやがる!」

 イサミは剣で敵をなぎ倒し、星夜は超能力で団員を浮かび上がらせ、そのまま別の団員にぶつけて行くという戦法で戦い、セーラー戦士達もそれぞれの能力や武器で戦う。

「く、くそ~……!」「ど、どうする? 相手の力の差は歴然だぞ」

「慌てるな!! 上の奴等が連中に弾丸の雨をお見舞いしてやるぜ!」

 団員が指さした上方には、マシンガンを持って聖龍隊に狙いを付けている他の党員の集団が。

「あっ、危ない! 上の方から!」

 キューティーハニーが気付き、みんなも上を見上げると、上の手すりから此方に向かってマシンガンを構える団達の姿が目に入った。

「ひっ、ひえええ!!」「あ、あんなのまともに喰らったら……!」

「くっ、くそ~」「ど、どうしよう……」

 脅えるセーラームーンに険しい面持ちで見上げるヴィーナスと戸惑う星夜にイサミ達。

 みんなが固まっていたその時、団員の一人が発砲の声を掛けました。

「くっく……よしっ、狙え、撃てーー!!」「キャアアア!」

 と、その時だった。

「ふっふ……メタルバード!!」「おうっ、解ってらあ!」

 聖龍使いに言われて、メタルバードは自分の体を薄い膜の様にして、みんなを取り囲む要領で飛んで来た弾を全て弾いてみせた。

「なっ、なに!」「た、弾を全部弾いちまったぜ……」

 銃弾を全てはじき返したメタルバードの鋼鉄の体に驚愕するパンサークロー。

 すると防壁になっているメタルバードを跳び超えるジャンプで聖龍使いが跳躍する。そして、聖龍剣を構えて唱えた。

「風龍・大竜巻!!」

 聖龍使いが剣を突き出す形で技の名を唱えると、巨大な竜巻が発生して団員達は空中に舞い上がる。

「うっ、うわあ!」「うぎゃあああ!!」

 竜巻はその場にいた団員達を全て巻き上げ、現場のパンサークローは全滅した。

「こ、これが……聖龍使いの力……」「あ……あのパンサークローが一瞬で」

「ひ、ひえええ……」「これが、大自然の守護者の実力……」

「凄まじい力ねえ」「わ、私達いなくても良い様な気が……」

 ジュピターにキューティーハニー、セーラームーンにマーキュリー、マーズとヴィーナスも凄まじい聖龍使いの戦闘力に目を丸くして驚く。

 するとヴィーナスの一言に、聖龍使いは告げた。

「ふはははっ、ヴィーナス殿よ、そんなことは無いぞ。主等がいてくれて本当に拙者は嬉しいぞい。そもそも、この世にいらぬ存在などないのじゃ。ふはは…」

 

 高笑いしている聖龍使いに美術館の奥から一人の怪人が現れた。

 

 

 

[ボスとの戦い]

 

「グッシャアァ、お前達……良くもワタシの部下共を倒してくれなぁ」

 奥から出て来たのは、パンサークローが派遣した怪人だった。

「きゃあっ、な、何、あの女」「気を付けて、パンサークローの怪人よ」

「ひいぃ、なんか怖そうだよ~」

「もうっ、うさぎったら……弱気にならないでよ……」

「そ、そうよ……こ、こっちには聖龍使いが付いているんだから……」

「ジュピター、ちょっと声が震えているわよ」

 一驚するヴィーナスにキューティーハニーが説明する中、女怪人に恐怖するセーラームーンをマーズが畏縮しながら注意するが、それはジュピターも同様でマーキュリーに指摘される。

「ひっ、ひええ! お、おっかなそうな怪人……」

「び、びびってないで、男なら立ち向かいなさいよ!」

「そ、そんな無茶な……」

 女怪人に怯える星夜にイサミが喝を入れる。

 

 そんな怯えきっている隊員達に、聖龍使いが告げた。

「主等、何を怯えておるのじゃ? ワシ等には力がある。それ以上に仲間がおる。これ以上に頼もしい事は無いじゃろ?」

 聖龍使いの発言に、皆の士気が高まった。

「そ、そうよ! 私たちはいつだって一人で戦っている訳じゃないわ!」

「そう、いつだって頼もしい仲間がいてくれていたし」

「何より、今はそれ以上に頼もしい仲間が増えたんですもの!」

「こんなに心強い事は無いわ」

「そ、そう! そうよ!私はいつだって一人でパンサークローと戦って来た……だけど今は……心強い味方が、仲間が側にいてくれている!」

「こんなに仲間がいてくれているのに弱気になっていられないわ!」

「わ、私だって……! あ、余り力は無いけど、こんなにも頼もしい人たちと一緒に戦えるなら……!」

「お、俺だっておんなじだ! ま、周りの仲間達が戦っているのに自分だけ怖がってちゃ……い、意味がない!!」

 マーズ・マーキュリー・ヴィーナス・ジュピター・キューティーハニー・セーラームーン・イサミや星夜たちは勇気が湧き上がった。

 

「はははー、それで十分だ同胞よ! それでこそ聖龍隊だぜ!!」

「……? せい…りゅう、たい? はて、それは何じゃ?」

 メタルバードの発言に女怪人は首を傾げると、聖龍使いが毅然と唱えた。

「知らぬのなら教えてしんぜよう! 我らこそ、このアニメタウンを守り抜くため、結成された最強の英雄集団【聖龍隊】でござ~る!!」

 聖龍使いの名乗りに、女怪人は最初は困惑するも。

「せ、聖龍隊? か、構わぬ! 我等の邪魔をするのであれば、なぶり殺してくれようぞ!!」

 ボスが聖龍隊に襲いかかろうとしたその時、星夜が超能力で女怪人の動きを封じ、イサミが剣で斬りつけ痺れさせ、そこにマーキュリーとジュピターの水と電撃が一斉に放たれ女怪人に直撃。そこに追い打ちをかけるかのごとくマーズとメタルバードが炎と風のタッグで豪炎を起こし女怪人を苦しめ、最後にはムーン・ヴィーナスそしてキューティーハニーの必殺技が三位一体の技となり女怪人を倒した。

「ウ、ウギャアアアアア!!!!!!!!!!」

 女怪人は断末魔を上げながら、消滅していった…。

 

「……や、やったの?」「わ、私達……」

「か、勝てたのね」「う、うん」

「し、信じられねえ……!」「私が、私達があの怪人を……」

「そんな……怪人を、あっという間に……」「か、勝っちゃった……」

「い~ヤッホーー! お前たち! オレたち勝てたんだぞ! みんなの力を一つにして勝つ事が出来たんだぞ!!」

「ふ~はっはっは、そ~れっ見たか……ワシ等が力を合わせれば出来ぬ事などありはせんのじゃ! 今日がワシ等聖龍隊の初勝利じゃ~~!!」

 マーズ・ヴィーナス・マーキュリー・ジュピター・星夜にイサミ・キューティーハニーにセーラームーン、そしてメタルバードや聖龍使い達は大いに初任務での勝利を喜ぶのだった。

 

 

 

[戦いが終わり]

 

 戦闘が終わり、美術館のホールでは警備員や一般人の傷を手当てし終わったナースエンジェルが待っていた。

「おう、ナースエンジェル。怪我人達の様子はどうだ?」

「ええ、中には重傷を負った人たちもいたけど、私の力で治した甲斐もあって命には別条はないわ」

 メタルバードからの問い掛けにナースエンジェルは答える。

「そう、それは良かったわ」「死者が出なくて良かったわ」

「みんなの怪我を治せるなんて、ナースエンジェルってスゴイね」

「そ、そんな…み、皆さん程じゃ…」

 ジュピターやマーキュリー、セーラームーンとも話すナースエンジェル。

「あっそうだ。なぁ、りりか。お、俺……俺みんなと協力し合ったからなんだけど、パンサークローの怪人を倒せたんだぜ」

「ふふっ、みんなが力を合わせたからこそ倒せたのよ」

「そうね、力を合わせたからこその勝利だったものね」

「そうよね。だからこそあんなに凄い合体技を放せたんだものね」

「ははは、これこそ仲間の力じゃ!」

 そんなナースエンジェルに星夜が自慢すると、キューティーハニーやマーズそれにヴィーナスが力を合わせた結果だと後押し。これには聖龍使いも深く賛同する。

 

 その時、何処からともなく各メディアの記者やカメラマンたちが押し寄せて来た。

 

「あっ、居たぞ!」「えっ、な、何!?」

 記者達の到着に驚くキューティーハニーに反し、聖龍使いが怪しく不敵に笑む。

「ふふふ……ウッズめ、ちゃんと呼び出してくれたようじゃなぁ」

「えっ」「ど、どう言う事?」

 マーズとヴィーナス達が困惑してると、聖龍使いは高々と唱えた。

「ふふふ、我らが活動をアニメタウン全域の市民達に伝えるべく、ウッズには一定時間過ぎた頃に各メディアの記者達を寄こすように手筈させていたのじゃよ」

「えっ、ええ!?」「そ、そんな……」

「わーーい、テレビだテレビだ! テレビに映されちゃ~う♪」

「そ、そんなに喜んでいいんですか……?」

「うっはっは、そんなに力むな同士よ。ただカメラや記者の眼前に立って堂々としていれば良いだけだ」

 驚くジュピターにマーキュリーに反して喜ぶセーラームーンを前に戸惑うナースエンジェルにメタルバードが告げる。

 

 そして押し寄せた各メディアの記者達に、聖龍使いがインタビューを受けて今後の自分達の活動について話した。

「せ、聖龍使いさんですよね!?」

「ああ、そうじゃ。拙者が聖龍使いでござる」

「う、うわ……ほ、本物だ……!」「お、おい見ろ! 他にも居るぞ!」

「あ、あれはセーラームーンにその仲間達…それにキューティーハニーもいるぞ!」

「あ、あの白衣の少女は……ま、まさか噂に聞くナースエンジェルか!?」

 他の英雄達の存在に気付いて騒然とする記者達に、聖龍使いが申し上げた。

「皆さまっ、此処に居られる者たちは拙者、聖龍使いが認めた真の英雄たちでござる! 彼等と拙者等が共に手を取り合い、共に街を悪しき者共から救うため、これから更に誠心誠意、力をふるって活躍するでござる!! どうか皆様方、これからも我等・聖龍隊を末長く、お頼み申す!!」

「せ、聖龍…たい……」

 聖龍使いの宣言に戸惑う記者達を前に、メタルバードも記者達に主張する。

「その通り! これからは聖龍使いを中心に街で活躍し続ける史上最強の英雄集団・聖龍隊である!! 人々の平穏な生活は俺たちが命をかけて護り抜く事を、此処に宣言する!!」

「う、うおおおお……!」

 唸る記者達のカメラのフラッシュを浴びながら、聖龍隊の隊員達は内心こう想っていた。

(あ~あ、何だかとんでもない所に入っちゃったわね)

(明日から普通の生活に支障がなければいいんだけど……)

(こ、こんなにカメラに撮られるなんて、何だか恥ずかしいわ……)

(あ、明日学園で絶対話題になっちゃうな……)

(わーい♪私って注目されてる~♪)

(な、何だかアイドルになれた気分がするわ)

(お、お婆ちゃんやみんなも事件の写真とかニュース見るわね……)

(くっ、クッソ~、俺、今スグにでもこのヘルメット外して素顔晒したいけど……い、いけない気が……)

(あ、明日の朝、ママのニュースで大々的に取り上げられるんだろうなぁ……ヘルメット被ってて良かった)

 マーズにジュピター、マーキュリーにキューティーハニー、セーラームーンにヴィーナスやナースエンジェルと星夜そしてイサミ達は今後の自分達の行動が制限されないか不安に思っていた。

 

 こうして、約30分も記者達の前で語った聖龍隊は、再び人目を避けるため、密かに地下の秘密通路に入った。

 

 

 

 

[メインフロアでの一時]

 

 聖龍隊は変身を解き、地下通路から修司の自宅下のメインフロアまで戻って来ていた。

 

「ふ~、ただいまーー、ウッズ~」

「あっ、修司様。良かったですよ、大成功です。さっきまでの奮闘っ振り、お見事でした!」

「いや~、俺も初めてアンタ等の戦いっ振りを拝見させてもらったけど、スンゲエな~」

「うはははっ、オレの活躍っ振りも見てくれたか!?」

「はいはい、しっかりと見せてもらいましたよ」

 修司やウッズにウェルズそして変身怪獣の活躍を話し合う四人に付いていけない隊士達が、修司達に話しかけた。

「ね、ねえ……し、市長さん?」

「んっ? ははっ、オイオイ。俺たちゃもう仲間だろう。カタっ苦しく市長なんて呼ばなくていいさ。修司で良いよ、修司でよ」

 亜美が話し掛けると、修司は気さくに答える。

「そ、それじゃ修司くん。な、なんでウッズさん達が私たちの活躍を知っているの?」

「そ、そうよ! さっきは居なかったのになんで……」

「き、記者たちだって、そうすぐにはニュースにして流さないと思うわよ!」

「そ、それに……なんで館内の様子まで解るんですか?」

「た、確かに……記者達が来たのは俺たちが館内から出てきた時だし!」

 まことにハニー、レイやりりかに星夜達が唱えると、その訳を修司が語った。

「ふっはっは、みんなその訳はな……」『う…うん』

「その訳は、このメインフロアのコンピューターと街中の防犯カメラ・監視カメラが連動していてな。何処でいつ何が起きているかすぐに解っちまうんだよ。ウッズたちは、先ほどの戦いを館内のカメラを通して此処で見ていたんだよ」

 この修司の解説を聞いて、美奈子やまことは再び驚かされる。

「そ、そんな事も出来てしまうの……この基地は」

「ま、街中監視カメラにした理由って……」

「ああそうだ。いつでも街を見守れるように、俺が取りつけさせたんだ。それ以外にも、前々からあった防犯カメラとも連動させて、不審者やその類を見つけたら速急に、さっきみたいに警報が鳴るようプログラムしているんだよ」

「す、スッゴ~イ」「ほ、ホントに基地じゃないか!!」

 修司の力説に、うさぎも星夜も驚き感心する。

「はっは、やっと此処の基地の凄さが解ったか。此処は聖龍隊の前線基地みたいな施設なのよ」

 みんなが会話していると、エレベーターからお菓子やジュースを運んで来たさくらや知世、それにトシやソウシがやって来た。

「あっ、トシっ、ソウシっ」「イサミ、さっきの戦い凄かったなぁ」

「ふふっ、イサミちゃんも凄かったけど、他の御姉さま方も御美しい戦いでしたよ」

 イサミの活躍を祝福するトシとソウシ。

 戦闘から帰って来た戦闘員に菓子やジュースを持って来てくれたのだった。

「おおっ、これはっ」

「ウッズさんが、みんなが疲れて帰ってくるだろうって」

「お菓子やジュースを用意してくれたんですのよ」

「うわーーい」「ご、御馳走の次はデザートだなんて……ジュルッ」

「こんなに持て尽くされて、良いのかしら……」「そうね、何だか悪い気がするわ」

 目を見張る変身怪獣に、さくらと知世が答えると喜びが隠せないうさぎと美奈子が涎を垂らす中、ハニーとレイが遠慮してしまう。

 そんな皆に修司が言い放つ。

「気にすんなよ! 此処はもう俺たちの基地なんだ。みんな好き勝手に使ってくれれば幸いさ」

「そ、それじゃ」「遠慮なく!」「聖夜、ガッ付き過ぎだぞ」

 修司の了解を得て、りりかも星夜もデューイもお菓子に手を伸ばす。

「私達も頂いちゃいましょうよ小狼」「……それじゃあ」

 苺鈴も小狼も菓子に手を出した。

 と、みんながお菓子の入った器に手を伸ばした瞬間、菓子の山から一匹のカエルが飛び出て来た。

『う、うわ~~~~!!』

 その場にいた全員が腰を抜かしたが、知世だけは何ともなってなく、一人カエルに手を伸ばした。

「と、知世ちゃん……」「あ、危ないよ~」「と……知世ちゃん?」

 レイにうさぎ、さくらが知世の方を見ると、知世は笑顔で飛び出てきたカエルを皆に見せて言った。

「ふふふ……皆さん平気ですわ。これオモチャですよ。それに、良く見たらウチの会社で作っているオモチャですわ」

「お、おもちゃ……」「う、ウチの会社って……」

「と、知世はオモチャ会社の社長令嬢なんだよ。そ、それよりも何でカエルのオモチャが……」

 知世の解説よりも彼女が発する会社に反応するまことやハニーに、小狼がカエルのオモチャの存在に戸惑う。

 このカエルのオモチャでの悪戯を目撃して、ウッズとウェルズそして変身怪獣に修司が怒り出す。

「こ、こんなことするのは……」「あ、ああ……アイツだけだ」

「あ、あのやろう。今度はみんなを巻き込んで……」

「コラッーー!! ジューーニアーーーーッ!!」

 大声で修司が叫ぶと、柱の陰からひょっこりと笑いながら一人の少年が顔を出す。

「にーーひっひっひ……」

「だ、誰……あの子「あ、あの子の仕業?」

 子供の登場に戸惑うまことと亜美に対し、修司が子供を叱り付ける。

「コラッー、ジュニア! ま~たっ、お前のイタズラかー!!」

「ヒッヒ、ワーイ面白ーい♪」

 笑いながら走り回るジュニアを変身怪獣が追い詰めようとするも、すぐに実父であるウッズに捕まる。

「ま、待ちやがれジュニア!」「ジュニア!皆さんに謝りなさい!」

 柱の陰に逃げたジュニアは、回り込んだウエルズに首根っこを掴まれてみんなの前に引きずり出された。

「このっ、いたずら小僧が」「うわーーん、放してよ~オジサーーン」

 叔父であるウェルズに首根っこを持たれて慌てるジュニア。

「お、おじさん?」

 ジュニアの叔父さん発言にハニーが反応すると、修司が皆にジュニアを紹介する。

「ああ、みんなに紹介するよ。コイツはジュニア。ウッズの子供で俺の弟分だ」

『お、弟分!?』

「そ、それに子供って……」「あ、あんた。子供がいたのかよ……」

 一驚する皆に続いてウッズに問い掛ける星夜やデューイに、ウッズが答えた。

「は、はい……皆さま、息子がご迷惑をおかけ致しました」

「はっは~、面白かったなぁ。特にお団子頭のお姉ちゃんの顔が一番面白かった~」

「な、何ですって~!」「うっわ~い、怒った怒った~」

 ジュニアの言動にうさぎが怒り出すも、ジュニアは陽気に逃げ惑うばかり。

「す、すまないうさぎ。コイツは寂しがり屋でな。構って欲しくて遂イタズラしちまうんだ。母親も昔亡くなっててな。寂しさ紛らわすため時折イタズラを……まぁ、俺とウッズが後でちゃんと叱って置くからよ。みんな、気を落ち着かせてくれ」

「ふ~、オレにもあのジュニアに以前酷い目にあったんだぜ。コーヒーの中に醤油入れやがって…それに比べたらお菓子の中にカエルのオモチャ入れられているなんてカワイイもんだ」

 皆に平謝りする修司に、自分も悪戯に遭ったと愚痴る変身怪獣。

 

 一行は、その後落ち着いてからお茶会をした。

「いや~、最初の初任務は最高だったなぁ」

「ああ、みんな最初とは思えない程息が合っていたしな」

「ふふっ、私が手配した記者達も十分に聖龍隊を取り扱っていますしね」

「これで、これからは堂々とみんなで活動できる訳だな」

 修司に変身怪獣そしてウッズとウェルズの兄弟に続き、皆も口を開く。

「ふ~、ええ。みんなで力を合わせたからこそ、あんなに素早く怪人を倒せたんですものね」

「ええ、これからもお互い、協力し合っていけそうね」

「はいはい~、私もそう思いま~すっ」

「何だか調子いいわねこの人」「ふふふっ、楽しそうな女性ですわね」

 ハニーに続きレイに賛同する調子のいいうさぎを見て呆れる苺鈴の横で知世が微笑む。

「りりかちゃん、これからも現場で頑張ってね」

「うん。ありがとう、さくらちゃん」

 同い年の女子と言う事で打ち解けるさくらとりりか。

 すると此処でトシがさくら達を指摘する。

「そう言えば、なんで木之本たちって修司に呼ばれたんだ?」

「そうね、何か特別な力でも?」

「まぁ、可憐な美しさだったら備わっていると思うけどね」

「僕ね~、トリネコさんから聞いたよ~。何とかカードってのを集めているんだって」

 トシに続いてイサミやソウシが喋ると、ケイがケルベロスから何かと聞いている様子。

「と、鳥って……羽が生えているだけで鳥呼ばわりは止めてほしいな~」

 此処で修司が菓子を頬張りながら皆に言う。

「まぁ、それについては食べながら話すよ。みんな、どんどん食ってくれ。まだまだあるからよ」

『は~いっ』

 

 それから一同は夕方の6時を過ぎるまで、お茶会を楽しんだ。

 

 

 

 

[chapter:帰りゆく仲間達]

 

 お茶会が終わると、みんなそれぞれの家に帰ることになった。

「よ~し、今日は楽しかったなぁ。ウッズ、後は任せたぞ。みんなを家まで送っていってくれ」

「畏まりました」

 修司に命じられ、ウッズは自身が運転するバスで聖龍隊の仲間達を自宅に送らせる。

「うっわ~い、こんな大きなバスまで持っているんだね修司って」

「な、何でも所持しているんだな。市長って……」

「わおっ、これならすぐにでも帰れるわね!」

 バスの所有に驚くうさぎに小狼、そして喜ぶ苺鈴。

「うっわ~、もうこんな時間。母ちゃん怒らないかなぁ~」

「大丈夫よ。市長さんところに呼ばれていて遅くなったって説明すれば解ってくれるわよ」

 トシが慌てるのを宥めるイサミ。すると其処にウッズが述べた。

「それでしたら、私が各家々でご説明致しますよ。市長のパーティーが予定よりも長引いたと説明しますよ」

「うわぁ、ありがとうウッズさん」「それなら大丈夫ね」

 安心する美奈子にりりかの横では、お腹を膨らませた星夜とそれに呆れるデューイが。

「ウっプ、いや~お菓子とか食い過ぎちまったぜ」

「星夜、少しは控えろよ」

 そんな星夜以上にお菓子を食べたケルベロスもお腹を膨らませていた。

「いや~星夜君。ワテも同じや。余りにもウッズさんの作ってくれたケーキが美味くて……ゲフッ」

「ケロちゃん、今日は食べてばっかりだったねぇ」

『ウハハハハ…』

 さくらの発言に、その場の皆が思わず微笑んだ。

 

 そして帰り際に、修司はハニーとイサミにある事を伝えた。

「なにっ、修司?」「私達に伝えたいことって」

「うむ……まずは如月ハニー。お前の父親の[如月猛](きさらぎたけし)に付いて何だが、お前とも知り合いである[早見青児]と協力してな。お前の父親の消息を探っているんだよ」

「えっ、青児さんと! 修司は青児さんと知り合いだったの!?」

「ああ、市長としてパンサークローの詳細を追っている時に偶然に知り合ってな。お前さんの父親の事も聞かされて俺も市長としての権限を使って行方を追っていたんだが、ついこの前、青児から連絡があってな。お前さんの親父が見つかったって連絡が来たんだよ」「えっ、お、お父様は……ぶ、無事なんですか?」

「ああ、ただし今はとある病院に入院しているんだ。……実を言うと記憶喪失でな。自分が誰なのかも解っちゃいないんだよ」

「ええ! ……そ、そんな……」

「そっ、そう気を落とすな! 記憶を忘れているだけで、ちゃんと戻る保証はあるから!た、ただ…やはりパンサークローに狙われているという事で何処の病院に居るかは教えられないんだそうだ。もちろん記憶が戻ったらお前にすぐに会わせるように取り計らってやるからよ! お前は心配し過ぎるな……」

「は、はい……」

 悲嘆するハニーにイサミが励ました。

「そ、そうですよハニーさん! 元気を出して……父親の安否が解っただけでも良かったじゃないですか……」

「そういうイサミも、父親の花丘魁博士から『娘を宜しく頼む』って言付けされてるぜ」

「えっ、しゅ、修司はパパと会ったことあるの!?」

「ああ、ただし俺が聖龍使いに変身している時だったからな。相手は俺が小田原修司だなんて夢にも思っていないだろうがな。魁博士は言ってたぜ『自分は黒天狗党に追われていて、今家族と会うと迷惑が掛かる……だから今は帰れないが、いつか必ず帰るから心配するな』ってよ」

「そ、そう……ぱ、パパは……パパは無事なんだね」

 父親の無事を知って、イサミは心の底から安堵する。

 

 こうして修司はハニーとイサミに自分達の父親に対して心配するなと助言をし、彼女等も含めて全員をバスで送ってあげるようにした。

 

「じゃあなみんなーー、これからも宜しく頼むぜーー」

『は~い!』

 修司との別れ際、さくらやりりか達が述べる。

「修司さ~ん、またね~」「今日はありがとうございました~」

 お腹を膨らませた星夜とケルベロスも修司に感謝していた。

「さようなら~」「御馳走にケーキ、美味かったでぇ~」

「また食べに来ますね~」「ちょっとうさぎっ、失礼よ」

 お菓子を満喫したうさぎの発言にレイが忠告する。

「修司さ~ん、今日は御馳走様でしたー」

「これから色々と宜しくお願いしまーーす」

 苺鈴と小狼も修司に今後も宜しくと伝えた。

「修司く~ん、これからも宜しくね~」「一緒に戦えるなんてサイコーーよ~」

「これからもセーラーヴィーナスを宜しくね」「修司兄ちゃ~ん、サヨナラー」

 亜美にまこと、美奈子とケイも手を振っていた。

「本当に楽しい集まりに参加させてくれてありがとうございますぅ~」

「修司さん、俺もっと強くなるよ。強くなってみんなと戦える程立派な男になってみせるよ!」

「ふふっ、僕も御美しいお姉さま方を守れる程、強くなってみるか……」

 知世もトシもソウシも手を振って修司達と別れる。

「修司く~ん、父の事教えてくれて、本当にありがとう~!」

「もしまたパパに会ったら、私は元気にしてるって伝えて~!」

 ハニーとイサミは、父親の情報を伝えてくれた修司に感謝を伝えた。

 

「じゃあな~、同胞たちよ~。また会おうぜ~」

「兄貴~、事故らずちゃんと送ってやれよ~」

「じゃあね~、お姉ちゃん達~、また遊ぼう~」

 変身怪獣もウェルズもジュニアも手を振って聖龍隊の仲間たちを見送った。

 

 こうして、英雄達の最初の集いの一日は過ぎ去った。

 

 

 

[話題になりつつある聖龍隊]

 

 その翌日、修司やウッズの策略もあって、アニメタウン中に聖龍隊の名前が飛び交った。

 

「おい聞いたか?」「ああ、あの聖龍使いが英雄たちを集めたんだって」

「これからこの街を守っていく英雄集団かぁ……」

「でも、ほとんど子供だなぁ」

「子供でも凄い力があるってよ」

「実際に今まで戦って来たのも女の子ばかりだったしなぁ」

 

 

 

 聖チャペル学園内

「ねえ聞いた、聖龍隊のこと」「聞いた聞いた」

「あの聖龍使いと一緒に戦うんですってね」「これからどんな活躍するのかな」

 女生徒達が騒然と噂する中、団兵衛校長とアルフォンヌ理事長も新聞を読みながら話し合う。

「う~む、こりゃまた……物凄いのが出て来たのう~」

「ええ、彼等が街の平和を守ってくれるなら、少しは安心して外出できるわねぇ」

 一方のハニーはというと。

「コラッ、如月さん!」

「はっ、はい、ミハル先生……」

「ゴッホン、昨日市長の御自宅で何を話されましたか?」

「えっ、……は、はい……ちょっと、い、色々と学園の事で……」

「何か変なこと、言ってはいないでしょうね?」

「はっ、はい! それは、もちろん……」

「……なら宜しい」

 ミハルはそうハニーに告げて去っていった。

「ふぅ……相変わらず苦手だわ、ミハル先生」

「あっ、いたいた。ハニー!」

「あら夏子。あなた達どうしたの一体?」

「な、何ってハニー、新聞見てないの? ホラッこれ」

「あっ、そ、それは……!」

 夏子がハニー見せたのは、聖龍隊の活躍を撮った新聞だった。

「『聖龍隊参上! 友枝美術館でパンサークローの怪人を瞬殺!!』ですって~」

「へ、へえ……」

「凄いよね~、あのパンサークローの怪人をあっという間に倒しちゃうんだから」

「あのキューティーハニーも隊士に選ばれるなんてさすがね」

「彼女だけじゃないわ!他のスーパーヒロインもスッゴク美系でさぁ~」

 この話題に、夏子と一緒に行動してたハニーの親衛隊である、さえことみゆきとあゆみも共感していた。

「は、はぁ……(やっぱり学園の話題になっちゃっているわ)」

 この学園内の状況にハニーは少し困惑してしまう。

 

 

 十番街 月野家

「ママ、ママ! 凄いよ、あのセーラームーンが聖龍隊に抜擢されたって」

「な~に進悟、聖龍隊って?」

「ママ、今ニュースでも取り上げられているよ。聖龍隊は市長公認の英雄集団で、昨日も美術館襲撃事件を速攻で解決しちゃったんだってさ」

「まぁ、凄いわねえ」

 月野一家が聖龍隊の記事で盛り上がっていると、其処に起床したばかりのうさぎが欠伸しながらやって来た。

「ふわ~、おはようみんな…」

「あっ、おいうさぎっ。聖龍隊にセーラームーンが抜擢されたんだってさ。それも他のセーラー戦士やスーパーヒロインも抜擢されたんだってさ!」

「う、うわっ、もうそこまで報道されちゃっているんだ……」

「んっ、何か言ったかうさぎ?」

「えっ、ええ……な、何でもない」

 思わず喋りそうになるうさぎが戸惑う中、そんなうさぎを見てルナが呆れていた。

(やれやれ……この先が思いやられるわ)

 

 

 

 友枝町・木之本家

「……ふ~ん、この街でパンサークローが美術館を襲撃、聖龍隊が解決したのか…」

「ふはぁ~、おはようお兄ちゃん」

「おっさくら。昨日はずいぶん市長さんの家で御馳走になったらしいな」

「えっ……う、うん。呼ばれてた人たちはみんな良い人たちだったよ」

「そうか、それは良かったな」

「う、うん!(ふふふ……何だか秘密を共有してくれる友達が増えるのって嬉しいなぁ。りりかちゃんって言う友達もできた事だし……)

 さくらは聖龍隊に加入した事よりも、友達が増えた事に喜びを感じていた。

 

 

 森谷家の前の道路では。

「ふは~、良く寝た……昨日は遅かったからなぁ」

「おいっりりか! やっと起きたか!!」

「な~に星夜。朝っぱらからウルサイなぁ……」

「そ、それよりも新聞見ろよ!昨日の俺たちの活躍が一面トップで新聞に載っているよ!」

「えっ、ええ~~!」

(あの小田原修司って、何処か僕等と違う存在のような気がするなぁ……)

 りりかと星夜が聖龍隊の記事で盛り上がっている最中、デューイだけは修司の異端さに気付き始めていた。

 

 

 大江戸町・花丘家

『みなさん、おはようございます。花丘玲子のおはよう7の時間です。今日お送りする最初の話題は、昨日友枝町美術館で起きた強盗事件を英雄集団と名乗る通称・聖龍隊が解決いたしました。この聖龍隊は前々から街で活躍して来たヒーロー達が、最近現れるようになったヒーロー・聖龍使いに認められたうえで一緒に戦う事を承諾し結成された組織だそうです。このヒーロー達は新市長・小田原修司公認の英雄集団であるという事ですが……』

 テレビのニュースでイサミの実母である玲子が報道する聖龍隊の情報を聞いて、イサミの祖父である観柳斎が愚痴を零す。

「ふぅ~、最近街が騒がしくなって来たと思ったら、今度は英雄の集団か。まったく、この街はどうなっているんじゃ……」

「お爺ちゃん、そんなこと言わないの。あの人たちは真剣に街を護ろうとしてくれているだけなんだから……」

 アニメタウンの治安の悪さを嘆く祖父に、イサミが意見すると。

「なんじゃイサミ。お前やけに聖龍隊の肩を持つな」

イ「そ、そんな事ないわよっ(ふぅ~、昨日はホントに大変だったなぁ。まさか怪人相手にあそこまで戦えるなんて……でもみんなが居てくれた事の勝利だったんだし、これからも一緒に頑張ろう。パパの無事も知れたし……)

 祖父との朝食を済ませたイサミは、そのまま登校するのだった。

 

 

 こうして、英雄達のアニメタウンを舞台にした物語が、正真正銘始まったのであった。

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