【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 今回は初めっから出動の様です。森谷りりかがカノンにエンジェルキャップを奪われ変身できなくなっているところに聖龍隊が来て応戦。
 しかし、何故か森谷りりかが目の前にいるにも関わらずナースエンジェルが登場してしまい聖龍隊はもちろん、カノンも混乱してしまいます
※今作でアッコちゃんが能力使う場面がありますが、気にしないで下され。



アニメタウンの英雄達 まさかっ!?二人のナースエンジェル!!

[chapter:緊急事態]

 

 この日、聖龍隊は最近目立った事件が無く、ヒマを持て余していた状態だった。

 だがしかし、そんな時。いきなり修司の家に宇崎星夜から電話が来た。だが星夜がかなり慌てていた様子で、内容はほとんど聞けずスグに来てほしいと云う事だけは伝わったので聖龍隊はすぐさま現場に向かっていった。

 

「おっ、おい修司! いったい星夜とデューイは電話で何言って来たんだよっ」

「い、いや……電話かけてきたのは星夜だったんだが慌ててたらしくスグに切っちまいやがったんだよ!」

 変身怪獣の問い掛けに修司が先頭を走りながら先陣を切る。

「で、でも慌てていたって事は……!」

「え、ええ! 何か合ったのは間違いないわっ」

「だ、大丈夫かしら。もしかして、りりかちゃんに何かあったんじゃ!」

 修司の後ろを追走するレイとまこととハニー。

「まぁ、アイツが慌てて俺たちに連絡寄越すって事は、りりか以外の理由しか考えられないがな」

 修司がそういうと、美奈子とうさぎが思わず微笑む。

「ふふっ。恋する男の子の青春って良いわね~。何だかりりかちゃんが羨ましいわ♡」

「でも、りりかちゃんは全然星夜君の気持ちには気付いていないけどね」

「……うさぎちゃん。それは星夜君の前ではあまり口にしない方が良いわよ」

 うさぎの発言に亜美が忠告する。

「り、りりかちゃん。大丈夫かな……」

「何かある前に俺たちが助けに行けば良いだけだろっ」

 不安がるさくらに、小狼が呼び掛ける。

「はっ、はぁ……も、もしかして以前俺等が聞いた事がある加納って男かもしれないぞっ。星夜たちが来てほしい訳は」

「そ、そうかもしれないね」

「悪い奴に操られている人とまともに戦える訳ないのに。りりかちゃん、無事で居て!」

 星夜やりりか達の無事を祈って駆け抜けるトシにソウシにイサミ達。

 

 その頃、加賀美あつこの方はヒマを持て余して、困っている人が居ないかコンパクトでアニメタウンの様子を覗いていた。

「あ~あ。最近余りにもヒマねぇ。まぁ、町が平和なのは良い事かも知れないけど少し刺激が無くて退屈しちゃうわね。こう言うときはコンパクトで誰か困っている人が居ないか探してみるとしますか。鏡さん、鏡さん、アニメタウンの様子を映してくれないかしら」

 アッコはコンパクトでアニメタウンの各所をスライドしていった。すると鏡に一人の青年が二人の少年と青年それに女の子を攻撃している様子が映し出された。

「えっ。あ、あれは……な、何だか襲われているみたいに見れるけど。何だか凄い能力(ちから)を使っているわね……って、アレっ? あ、あの二人は確か。以前友枝町の大道寺って子の家で顔を合わせた星夜君にデューイさん、それに二人が庇っているのは森谷りりかちゃん?」

 アッコは驚いた。青年はとてつもない能力を使い、デューイと星夜はそれに対して必死に応戦しているのが目に見えた。そしてりりかが二人に守られているのも理解できた。

「ど、どうしよう……え~っと、え~と……あっ、そ、そう。まずは鳥に変身して此処に行ってみましょう!」

 アッコは早速呪文を唱えた。

「テクマクマヤコン テクマクマヤコン 鳥さんにな~れ」

 こうして鳥に変身した加賀美あつこも、デューイ・聖夜・りりかの元に向かっていった。

 そして先に現場に着いたのは聖龍隊だったが、しかし現場には傷ついた星夜とデューイの痛ましい姿が目撃された。

「むっ! 星夜、デューイ。無事であるか!」

「い、いや……とても無事には見えないんだけど」

 聖龍使いやトシの問い掛けに、デューイが弱々しく答える。

「いや……ぼ、僕達は大丈夫だ……」

「何言っているのよっ。こんなに傷だらけで……」

 満身創痍のデューイにマーズが気に掛ける中。さくらが星夜に問い掛ける。

「せ、星夜君。りりかちゃんはどうしたの? りりかちゃんに何かあったの!?」

「あ、ああ……り、りりかが加納の奴の策略に嵌められて……!」

「なっ、なに!?」「せっ、星夜! それって、いったい…?」

 小狼とトシが問い詰めると、デューイが代わりに返答する。

「そ、それが……加納の奴、ナースエンジェルの持っているエンジェルキャップを、隙を見て奪ったんだ……!」

「なっ、何と!」「そ、そんなっ!」

「ええっ! そ、それじゃ今のりりかちゃんはナースエンジェルには変身できないんじゃ……!」

 驚愕する聖龍使いにジュピターに続き、マーキュリーも動揺してしまう。

「たっ、大変だ!」「お、おい! 急いでりりかを探さねえと!」

「うむ。星夜、デューイ。りりかは一体何処に行ったのじゃ!」

 慌てるソウシにメタルバードに、聖龍使いが二人に問い掛けると。

「そ、それが……」

「お、俺たちが負ける寸前。りりかに早く逃げろって言ったから……い、今でも加納に追われてしまっている筈だっ」

 二人の返答を聞いてトシと聖龍使いが動揺する。

「たっ、大変だ! それじゃ森谷の奴が危ない!」

「うむっ。急がねば……キューティーハニー!」

 トシが叫ぶ中、聖龍使いがキューティーハニーに指示を投げる。

「は、はいっ」

「済まぬがナースハニーに変身して二人を治療しておくれ。ワシ等は一足先にりりかと加納を探索するでござる」

「わ、解ったわ」

 メタルバードも上空から飛行して、りりかと加納を探し出そうと飛び上がろうとすると。

「よしっ。オレは空からこの辺りを探索していく!」

「あっ、メタルバード。私も空飛べるし、一緒に行きます!」

「おぅ! サンキューー、さくら♪」

 そんなさくらと飛び立つメタルバードに、小狼が警告する。

「メタルバード。解っていると思うが、さくらに変な事するんじゃないぞ」

「失敬だな! オレがそんな男に見えるかよ……」

 この小狼からの警告にメタルバードが立腹するも、セーラームーンとヴィーナスが口にする。

「実際に見えちゃうから小狼は気にしちゃうんでしょ」

「全くもって、その通りね」

「ガガッ~ン……」

 信頼がない事にショックを受けるメタルバードを見上げながら、聖龍使いが皆に指示を飛ばした。

「よしっ。残った者共はワシと共に陸から探索するぞっ。ハニーは星夜とデューイの治療が終わったらスグに合流しておくれ!」

「はっ、はい」

 聖龍使いからの指示にキューティーハニーは答えると、デューイと星夜が悔しがる。

「み、みんな……すまない」「お、俺たちにもっと力があれば……!」

 申し訳ない気持ちでいっぱいの二人に、聖龍使いが答える。

「うむ、別に構わぬぞ。前にも申したが自分が出来ない事を他の者が代わりに行い、他人が出来ない事を己がする。それが正しい世の仕組みではないか」

「せ、聖龍使い……」「は、は……っ! 確かにその通りだ」

 聖龍使いからの受け答えに、星夜もデューイも感激する。

「うむっ。では者共! 森谷りりかと加納の探索に執りかかるぞぅ!!」

『オウっ!』

 聖龍使いからの号令に皆が勢いよく返答する中、その光景を鳥に変身していたアッコが木の上から見ていた。

「ど、どうしよう……良く解らないけど、りりかちゃんが大変な事になっているみたいね……。よ~しっ、私だって!」

 アッコは元の姿に一旦戻り、コンパクトを開いてりりかと加納の姿を探した。すると、人気の無い廃工場にりりかが入っていくのが確認でき、更に後を追うように加納もその工場に入っていったのを目撃。

「あっ、見つけた。りりかちゃんと、りりかちゃん達を襲っていた人だ。こ、この工場は確か此処に来る途中で通り過ぎた廃工場だわ。スグに向かわな……あっ、でもまずは聖龍隊に言った方が良いのかしら……」

 アッコは悩んだ。コンパクトの秘密を伏せながら、どうやって聖龍隊にりりか達の居場所を伝えるのか。それ以前に彼等に何故それを知っているのか聞かれたとき。どう上手く誤魔化すか。それが悩み処だった。

(ど、どうしよう……わ、私だけ行ってもりりかちゃんを守れる自信ないし……。でも聖龍隊に伝えるには、どう上手くコンパクトの事を伏せて説明できるかだkど。ど、どうしよう……)

 

 アッコは熟考して悩みに悩んだ。

 

 

 

[アッコのとった行動]

 

 考えた末、答えが見つからなかったアッコは、取りあえず加納とりりかの居る場所まで鳥に変身して向かってみた。

「はぁ……。結局私だけで工場に行く羽目になっちゃったわ。私には彼女を守れる力なんて無いしなぁ。あ~あ、こんな時こそスーパーヒロインに変身して、あんな悪そうな男ヤッツケられれば良いのになぁ」

 アッコは思いつめながら、りりかと加納が入って行った廃工場に辿り着く。

「ラミパス ラミパス ルルルルル……」

 アッコは到着するとスグに元の姿へと戻る。

「よいしょっと。え、え~と。りりかちゃんは何処に居るのかしら……あの悪そうな人に何かされていなければ良いんだけど……」

 アッコが探索していると、向こうの方で轟音が鳴り響いた。

「えっ? い、今の音は……!」

 アッコはすぐさま音のした方に向かった。

「きゃああ!」

 其処ではりりかが、加納に容赦なく攻撃されていた。

「……りりか君。もういい加減に諦めて降伏したまえ。所詮ナースエンジェルに変身できない君など取るに足らない存在なんだ」

 加納に追い詰められたりりかだが、彼女は決して諦めてはいなかった。

「ぐっ……い、いいえ。私は諦めません……わ、私には護ってあげなければならない大切な友達や家族。そ、それに苦楽を共にしてきた仲間が居るんです……それに私は必ず彼方を、加納先輩を正気に戻して見せます!」

 しかしりりかの必死の説得を、加納は嘲笑う。

「ふっ、ふふふ。フッーハッハッハッ! 全く。その諦めの悪さと頑固さは相変わらずだね。しかし、所詮ナースエンジェルに変身しなければ所詮はタダの女! 所詮はガキだっ! 何にも出来ないのに偉そうな事を抜かすんじゃない!!」

「か、加納先輩……お、お願いです。も、元に戻って! あの優しい加納望に戻ってください!」

「まだ言うかっ!」

 加納は非情にも、心も体も傷付いているりりかに拍車を駆けるかのごとく追撃をかける。

「きゃああ!」

 りりかは何とか攻撃を避ける事が出来たが、ボロボロの体を引きずるように、その場から再度逃げだした。

 この時、りりかは頭に付けていたリボンを片方落としたのだが、りりかがそれに気付く事は無かった。

 そして、その一部始終をアッコは鳥の姿で目撃していた。

「た、大変……! ま、まさかあのりりかちゃんがナースエンジェルだったのには驚いたけど……何よりあの悪そうな男の人、加納って人は本当は良い人なの? し、正気に戻ってって……。そ、それよりも早く聖龍隊にこの事を伝えないとりりかちゃんが! で、でもどうやって聖龍隊に伝えれば良いのかしら……」

 一人思い悩むアッコの目に、りりかのリボンが目に入った。

「あっ。あのリボン。確かりりかちゃんが頭に身に着けていたリボン! ……そ、そうだわ! あのリボンを持って……」

 アッコはすかさずリボンを嘴(くちばし)で銜えると、猛スピードで空に飛んで行った。

 

 その頃、辺りを飛びながらりりかを捜索していた木之本桜とケルベロスは。

「……う~ん。りりかちゃん、一体何処に行っちゃったんだろう」

「あぁ。話に聞くと、りりかを追っていた加納って男は悪い奴に洗脳されているって聞いているでぇ。あのりりかはんの事や。操られているから下手に手出し何かできへんで」

「う、うん。それにりりかちゃん、ナースエンジェルに変身するためのアイテムを奪われちゃったんだよね。へ、変身できないのに大丈夫かなぁ。無事なら良いんだけど……」

 さくらとケルベロスが会話しているその時、遠くの方から1羽の小鳥が飛んでくるのをさくらが目視する。

「ピィッ~、ピィッ~」「あ、あれ? 何だろう、この小鳥……」

「な、なんか口に銜えてるで」

 小鳥に変身しているアッコからの訴えに、さくらとケルベロスが反応する一方、アッコの方は見た事もないケルベロスに驚愕していた。

「ピッ、ピイッ~!(う、うわっ。な、何なのこの子猫。せ、背中に羽が生えてる。……って今はそんな事気にしている場合じゃないっ。お、お願い。このリボンに気付いて……!)」

 小鳥に変身しているアッコは必死にさくらにリボンを見せ付けていると。

「あ、あれっ……こ、このリボン。何処かで……あ、アッーー!」

「う、うわっ。ど、どうしたんやさくら」

「ケ、ケロちゃん。このリボン、りりかちゃんが付けていた物だよっ」

「な、なんやてっ?」

「間違いない。この前も知世ちゃんの家でお茶会開いた時、このリボン頭に付けて来てくれてたっ」

「そ、それじゃ。り、りりかはんは……」

 リボンに気付いたさくらとケルベロスに小鳥に変身しているアッコは更に訴え掛ける。

「ピィ~、ピィ~(そ、そうよっ。このリボンはりりかちゃんのなのよ。お、お願いだから私の伝えたい事解って……!)」

「えっ。と、鳥さん。……何か私に伝えたいのかな」

「こ、この鳥がりりかはんのリボン持って来てくれているって事は……!」

「ピィ~ピィ~(そ、そう! お願いだから気付いて!)」

「……ケロちゃん。もしかしたらこの鳥さん。りりかちゃんの所に私たちを連れて行きたいんじゃ……」

「えっ。で、でもさくら。たかが鳥にそんな事は……」

「……私、この鳥さんに付いて行く! 鳥さんお願い、私をりりかちゃんの所に連れて行って!」

「ピッ、ピィピィ~(あ、ありがとう、気付いてくれて……! さ、さぁこっちよ。早く行かないとりりかちゃんが……)」

 小鳥に変身しているアッコが見詰める方角に、さくらは躊躇わず向かった。

「あ、あっちね。あっちの方角にりりかちゃんが居るのね……!」

「ま、まぁ。ワテはこの事他のみんなに伝えてくるさかい。さ、さくらは先に行ってくれなはれっ」

 

 かくして、さくらは鳥に変身したアッコに導かれ、りりかと加納の元に向かって行った。

 

 

 

 

[廃工場での攻防]

 

「きゃああ!」

「りりか君。もういい加減諦めて死んでくれよ。でないと僕の方がヘバッて倒れちゃうから……ふ、ふはははっ」

 工場では、りりかは変わらず加納の攻撃から逃げ回っていた。

「か、加納先輩……」

 しかし既に、りりかには逃げ回る余力も残ってなかった。

「ふふ。りりか君、もう此処までだ。もう鬼ごっこは飽きて来てしまったよ。……もうゲームは終わりだ。それじゃあ……さようなら」

 加納は動けなくなったりりかに、容赦ない追撃をし止めを刺そうとした。

「い、いやああぁ!!」

 りりかが諦めかけた、その時。

「《シールド(THE SHIELD)「盾」》!」

 りりかに加納の攻撃が当たる直前、りりかを護る様に彼女の周りを光の壁が覆った。

「な、なに! ま、まさか……ブロス様から頂いた強大なパワーでも破る事が出来ないのか……!? だ、誰だ! 僕の邪魔をするのは!!」

 戸惑う加納の前に、さくらが降り立って言い放つ。

「りりかちゃんには、指一本触れさせません!」「さ、さくらちゃん!」

 駆け付けてくれたさくらを前に、りりかは歓喜する。

「ほほう。確か、君は聖龍隊の……」

 加納がさくらを凝視すると、さくらは加納に訴える。

「あ、彼方は……りりかちゃんから聞きました。加納望さんですよね。お、お願いですから、もうりりかちゃんと戦うのは止めてください! 彼方は悪人に操られているだけなんでしょ!?」

 このさくらの問いに、加納は嘲笑で返す。

「ふふふ。……いや、僕は自分の意思で彼女を、ナースエンジェルを消そうとしているんだよ」

「えっ、えぇ!?」

「嘘っ、嘘です! 加納先輩が……先輩が自分でブロスに従っているなんて嘘よぅ!」

 加納の告白にさくらが動揺する中、りりかは涙を目に浮かべながら叫んだ。

「り、りりかちゃん……」

 りりかの悲痛な想いを察して胸が苦しくなるさくらだが、そんな彼女にも加納は容赦しない様子だった。

「ふふっ。まぁ、どう思うと勝手だけど。オイッ、そこの女! お前も僕の邪魔をするのであれば容赦はしないぞ!!」

「うっ……!」

 加納の威圧にさくらが怯んでいると、りりかがさくらに呼び掛ける。

「さ、さくらちゃん逃げて! 今の先輩はもう、誰の言葉も届かないわ!」

「遅いわっ!」

 だが加納は咄嗟に、さくらに対して攻撃した。

「さ、さくらちゃん!」

 りりかが愕然としてる中、さくらは咄嗟にカードを使用した。

「あっ。……ジャ、《ジャンプ(THE JUMP)「跳」》!」

 さくらは咄嗟に《ジャンプ(THE JUMP)「跳」》のカードを起動させ、自身の靴に翼を生えさせ、高々と跳躍して加納の攻撃をかわした。

「……くっ」「くっ。な、なんてジャンプ力なんだ……!」

「さ、さくらちゃん……!」

 表情を歪ませるさくらを見上げて加納が一驚する中、りりかはさくらの無事に安堵する。

 

 と、その頃。現場に聖龍使いや他の聖龍隊が駆けつけていた。

「あっ、あそこやっ。あそこからさくらの魔力が感じられるでぇ!」

「か、加納の気配も感じられる!」

 ケルベロスとデューイが指差す廃工場を目前に、聖龍使いも唱えた。

「うむ! さっきからあの廃工場で異様なまでの邪悪な気配や闘気を感じられる。やはり此処に居るのは間違いないようじゃ」

「い、急がないとりりかちゃんやさくらちゃんが!」

「ええっ。加納って人に遣られちゃうわ!」

 セーラームーンもマーキュリーも急ぐ中、道中でマーズが思わず呟く。

「そ、それにしても信じられないわね」ヴィーナス「えっ。何が?」

 マーズにヴィーナスが答えていると、イサミとソウシが発する。

「か、加納って人がりりかちゃんを襲っている事ですか?」

「全く。悪人に操られてカワイイ女の子を襲うなんて理解できないね」

 イサミにソウシの発言を聞いて、星夜も訴える。

「全くだぜ! い、生き返る前まではあんなにも、りりかのこと気遣っていたって言うのによ!! ……りりかが可哀そうだ」

「せ、星夜くん……」

 星夜の発言にマーキュリーが悲痛な顔を浮かべる中、マーズが否定する。

「い、いや。私が信じられないって言ったのはその事じゃなく……」

「うん? なんだ?」

 メタルバードが不思議そうに訊ねると、マーズは実情を述べた。

「さ、さくらちゃんとケロちゃんの前に現れた鳥って言うのが信じられないのよ」

「えっ、と、鳥?」

 トシが反応する中、マーズは不思議そうに言う。

「そうよ。さくらちゃんに、りりかちゃんのリボンを運んで来たって言う小鳥よ」

「確かに。何で鳥が森谷のリボンなんか持ってきてくれたんだろう……」

 小狼も何ゆえ小鳥がりりかのリボンを運んできたのか疑問視してると、ケルベロスが答える。

「い、いやぁ。で、でもホンマなんやでぇ。小鳥がリボン銜えてワイとさくらの前に現れたのは……さくらはそのまま鳥に導かれる様に鳥に付いて行ってしもうて、その後どうなったか」

「ま、まぁ。取りあえず今はさくらとりりかの応援に行かねえと。早くしねえとりりかだけでなく、さくらまでもヤバいぜ」

 メタルバードの危機感に小狼も星夜も急ぎ二人の許へと急いだ。

「あ、ああ」「そ、そうだ。今はりりかを助けに行かねえと……!」

 

 こうして聖龍隊も現場である廃工場に突入して行った。

 その様子を、少し離れた場所で人間に戻った加賀美あつこが見守っていた。

「こ、これでりりかちゃん達は大丈夫ね。……で、でも聖龍隊だけで大丈夫かな。……私もやっぱり行こう!」

 アッコも聖龍隊に気づかれないよう、後ろからこっそり付いて行った。

 一方、さくらと加納はと言うと。

「う、うわぁ!」

「はは。何だい、ほとんど戦えないじゃないか……」

「さ、さくらちゃん!」

 さくらは相手が、りりかの大切な人で、操られているだけの人と言う事も有り、迂闊に自分から攻撃する事がで出来ずにいた。何よりさくらは余り自分から攻撃するような性格でも無かった。

「う、うぅ……」「さ、さくらちゃん。大丈夫……!?」

 疲弊するさくらに駆け寄り、彼女を気に掛けるりりかにさくらは謝る。

「ご、ゴメンね。りりかちゃん……」「えっ?」

「わ、私に……もっと力があれば……り、りりかちゃんを、あの加納って人を、助けられるのに……ご、ゴメンね、何にもできなくて」

「さ、さくらちゃん……!」

 さくらの優しさに、りりかは思わず涙を流した。

 しかしそんな情景を前に加納は容赦しない。

「ふふっ。それじゃ御遊びも此処までだ。……りりかくん、親しい友と一緒に死にたまえ!」

「きゃ、きゃあ!」「や、止めて! せめてさくらちゃんだけでも!」

「もう遅い!」

 加納は傷付き、倒れているさくらとりりかに向けて、止めの攻撃を仕掛けようとした。

 と、その時。加納の手首に何処からともなくブーメラン状の道具が飛んできた。

「ぐっ。……だ、誰だ!」

 加納が睨み付けると、其処には凛々しく立つキューティーハニーの姿があった。

「か弱き乙女の純心を打ち砕く、心操られし哀れな者! 愛の戦士・キューティーハニーがその行い、正して上げるわ!!」

「な、何っ? き、キューティーハニーだと!?」

「は、ハニーさん!」「あぁ……」

 駆け付けたキューティーハニーを見て戸惑う加納に、安堵するりりかとさくらの許に小狼と星夜が駆け付ける。

「さくら、大丈夫か!」「りりかっ、助けに来たぜ!」

「しゃ、小狼くん……」「せ、星夜! ぶ、無事だったのね……」

 さくらとりりかが安堵する中、他の聖龍隊も続々と加納に名乗りをあげる。

「美少女戦士セーラームーン、只今参上!」

「これ以上、私たちの親友を傷付けるのは許さないわよ!」

「女の子をイジメるなんて最低ね!」

「いっくらイケメンでも女子を泣かすなんて許されないわよ!」

「いくら操られているからって、此処まで彼女たちを傷付けるなんて……!」

 セーラームーンにマーズ、ジュピターにヴィーナスとマーキュリーが加納に対して立腹してるとデューイもお睨み付けながら怒声を放つ。

「……加納。君はもう心までブロスに操られてしまっているというのか!」

 デューイに続いてイサミにトシも立腹していた。

「り、りりかちゃん! さくらちゃん! ……ゆ、許さないわよ加納!」

「加納望! 尋常に縛に付けぇ!」

「……っておいトシ。その台詞、以前修司が言っていたまんまじゃないか」

 メタルバードが呆れる中、ソウシも愛想笑いしながらも二人を傷付けてきた加納を睨み付ける。

「ははっ、確かに……それにしても洗脳されて女の子を苦しめるなんて、ブロスもそれに操られる加納も男としてはダメダメだな」

 このソウシの発言に、加納は怒声を放つ。

「オイっ、クソガキ! ブロス様を侮辱することは許さんぞ!」

「ひっ、ひぃ!」「こ、こいつ……」「ああ、完全に自我を失っているな」

 加納の威圧に萎縮するソウシに反して、メタルバードと小狼は加納の自我が失われている現状を察する。

「か、加納先輩……ウッ、ウゥ……」

 りりかは完全に自我を失っていた加納を見て泣き出してしまった。

「りっ、りりかちゃん!」「り、りりか……く、くそっ。加納め!」

 泣き出すりりかを見て悲しくなるさくらに対して。加納への怒りが募る星夜。

 だが此処で聖龍使いが動揺していた。

「うむむ……。い、今は加納への怒りよりも、あ奴が持っているエンジェルキャップを取り返さなければ……!」

 この聖龍使いの発言にデューイも訴えかける。

「そっ、そうだ! 唯一カノンの自我を戻せる可能性があるのはナースエンジェルのパワー以外ないんだ! な、何とか加納からキャップを取り戻さないと……!」

 しかしこの状況を前に、加納は高笑いする。

フ~ハッハッハッハァ。愚か者め! そう簡単に取り戻させられて堪るか。こうなったら聖龍隊、まとめて消し去ってやる!」

「くっ、くそ!」

「むむ。何とか加納が手にしているエンジェルキャップを取り返す事はできんかのう……」

 加納の猛攻を前に、メタルバードと聖龍使いはどうにかして加納に奪われたエンジェルキャップを取り返せないかと模索していた。

 

 そして、その現場を陰で見ていたアッコは。

(た、大変! これじゃ聖龍隊が大ピンチじゃないの! 相手が単なる悪人じゃなく、本当の悪者に操られている人なら彼等だって本気では戦えないだろうし。……ど、どうしよう。私にできる事と言えば……はっ。そ、そうだわ! 一か八か、この手で……)

 

 アッコはコンパクトを徐に取り出して呪文を唱える。

「テクマクマヤコン テクマクマヤコン…!」

 

 

 

 

[あっ、現れたナースエンジェル!?]

 

「はああぁぁ!」

 加納に反撃しようと、マーズは炎を繰り出し加納を攻撃するも。

「ふっ、甘い!」

 加納は片手でマーズの炎を振り払った。

「! そ、そんな……」「うりゃああ!」

 マーズが愕然とするのを尻目に、続いて星夜が加納に向かって攻めたが、これも同じように加納に避けられ反撃されてしまう。

「ぐっ、ぐわっ…」「せ、星夜!」「う、うう……と、トリャーッ!」

 悶絶する星夜を見て動揺してるトシを横目に、イサミが龍の剣で加納に攻撃しようと跳びかかったのだが、加納は咄嗟に避けてイサミの腹に渾身の一打を当てた。

「ぐっっ…!!」

 聖龍隊の防護服の御蔭でイサミは大事には至らなかったのだが、かなりキツイ一撃には変わらなかった。

「い、イサミ!」マ「だ、大丈夫イサミちゃん」

「うっ……だ、大丈夫です」

 トシとマーキュリーが駆け付け声を掛けると、イサミは無理強いしながら返事する。

「あ、あのヤローー。イサミちゃんにまで本気で攻撃しやがって……!」

「あらっ。ソウシ君がそんな言葉遣いになるなんて珍しいわね」

「そ、そりゃ女の子が痛めつけられるなんて男として許せませんからね」

 ヴィーナスからの指摘に、ソウシは照れながら答える。

「ふふっ。頼もしいわねソウシ君って」

「何だか、聖龍隊に入ってから少しは逞しい少年に成長したわね」

 キューティーハニーもジュピターも、ソウシの変化に頼もしく感じていたが。

「で、でもこのままじゃ私たち負けちゃうよ……」

「あ、ああ。俺たちの攻撃を意図も簡単にかわしたり、すぐさま攻撃に転じたりと。簡単には倒せないな……」

 しかり加納の猛攻を前に苦戦を強いられるセーラームーンと小狼は冷や汗をかいていた。

「み、みんな……!」「り、りりかちゃん。休んでいた方が良いんじゃ……」

 聖龍隊の皆が苦戦してるのを黙視できずにいるりりかが立ち上がろうとするのを、さくらが制止するも彼女は主張した。

「い、いいえ。み、みんなが私の為に戦ってくれているのに自分だけ何もできないなんて……ほ、本当なら加納先輩も私一人で救わなければいけないのに……」

 そんな無理強いするりりかにデューイが叫ぶ。

「な、ナースエンジェル。今はみんなを……な、仲間を信じて耐えるんだ! 悔しいがカノンからエンジェルキャップを取り返せない限り、カノンと渡り合う事などできやしないんだ……!」

「う、ううっ。みんな……ゴメン」

 りりかは何もできない自分が悔しくてポロポロと涙をこぼした。

「むむっ。メタルバード。主の透明能力で加納に気づかれず近づく事は出来んか…」

 聖龍使いは小声でメタルバードの問いかけると、メタルバードは焦りながら返答する。

「む、無茶言うな。今の加納は近づいただけでも感付くほど殺気立っているんだぜ。迂闊には近寄れねえよ……!」

 聖龍隊は加納に対して何も手立てが無く、迷走していた。その時であった。

 

「ま、待ちなさーーい!」「え?」「な、何?」「あ、アレは!」

 突然その場に響き渡る声に、デューイもマーズも小狼も振り返る。

「ええっ?」「そ、そんなバカな!?」「う、ウッソ~!!」

 そして己の目に飛び込んできた光景に、イサミもヴィーナスもセーラームーンも驚愕する。

「え、えええ~!?」「なっ、何で~!?」

 星夜もさくらも受け入れがたい光景が目に飛び込む。

「ええ! こ、これって……」「ええ!?」「ど、どういう事なんだ?」「ど、どうなってるの?」

 激しく戸惑うマーキュリーにトシにソウシにキューティーハニー。

「ね、ねぇ! こ、これって一体どういう事!?」

「お、オレだって解んねえよっ!」

「こ、これは……い、いったい」

 ジュピタの問い掛けに上手く返答できないメタルバードを横目に、聖龍使いも激しく動揺する。

 そして誰よりも目の前の光景に驚いているのが、他でもないりりか本人だった。

「ど、どうして……わ、わわ……私が目の前に!?」

 聖龍隊と加納の目の前に、何とナースエンジェルに変身した加賀美あつこが現れたのだ。

「加納望! それ以上、聖龍隊や森谷りりかちゃんに手を出すのであれば、私が許しません! 天よりの誓いにかけても、彼方の自我を覚まさせます!」

「こ、これは一体どういう事だ!? な、何故ナースエンジェルがふ、二人も!」

 加納も流石に、この状況には驚いて戸惑っていた。

「な、何か加納がテンパッちゃってるわね」「う、うん……」

 加納の混乱ぶりを前に、マーズもヴィーナスも唖然とする。

「こ、これって一体……」「あ、ああ。どうなっちゃってるんだ?」

 小狼もトシも戸惑うばかり。

「ね、ねぇ星夜。こ、これもナースエンジェルの能力(ちから)なのかい?」

「い、いや…。こんなの、初めてだ……!」

 戸惑いながら訊ねるソウシの疑問に、星夜は困惑していた。

「でゅ、デューイ! こ、これって一体どういう事なの!?」

「ぼ、僕だって訳が解らないよっ」

 ジュピターの問い掛けに、デューイですらも混乱してた。

「り、りりかちゃんが、もう一人? これって……」「ん、ンなアホな!?」

 さくらもケルベロスも目の前に現れたナースエンジェルに驚きを隠せない。

「あ、あのナースエンジェルは……い、いったい」

 りりかですらも、目の前のナースエンジェルの存在に驚いていた。

「えっ~えっ~! な、何で!!?」

 セーラームーンはこの状況に混乱して泣きわめく。

「あ……そ、そうじゃっ。め、メタルバード。今の内に……」

「えっ? ……あっ、そ、そうか!」

 呆然としながらもメタルバードに指示を出す聖龍使いに、メタルバードも察して行動に移した。

 一方のナースエンジェルに変身しているアッコは内心動揺していた。

(あっ、あっ…ど、どうしよう。思わずナースエンジェルに変身してみたけど、私は実際には何にもできないし。ま、まぁ。あの加納って人が混乱しているし、この隙に聖龍隊が何かしてくれれば結果オーライ

ね)

 そうアッコは思っていたのだが、加納は突如目の前に現れたナースエンジェルに対してこう問い掛ける。

「お、お前は一体何者だ! な、ナースエンジェルはこの世に一人しかいない筈だぞ!」

「あっ……だ、だから……わ、私も正真正銘のナースエンジェルなのよ! 加納望、これ以上罪も無い少女を傷付けるのは止めなさい!」

「……ふふ、フ~ハッハ。まさか、ナースエンジェルはこの世でただ一人。そこで傷付き、何もできないでただ手を拱(こまね)いている森谷りりかだけだ。ニセモノめ!」

「うっ……(に、偽者って。ま、まぁホントの事だけど……)」

「ふふ、偽者め。目障りだっ、消え失せろ!」

 そう言い放つと、加納は咄嗟に専用の剣を出現させ、それでナースエンジェルに変身しているアッコを攻撃した。

「キャアア!」

 ナースエンジェルに変身しているアッコは咄嗟にエンジェルバトン(もちろん変身時に出現した物で本物ではない)で加納の剣を受け止める。

「ああっ!」「た、大変。このままじゃ、あのナースエンジェルが!」

 一方的に攻撃されているナースエンジェルに変身しているアッコを見て、マーズとキューティーハニーが焦り出す中、デューイは偽ナースエンジェルを放っておいても良いかと言い出す。

「放っとけよ。どうせ加納の言う通りニセモノなんだから」

「で、でも。このまま黙って見ているなんて……!」

 しかし、そんなデューイにトシが戸惑い出すと、マーキュリーとジュピターも唱え出す。

「そ、そうよ。放って置くなんて、できないわ」

「そうだね。相手が誰であれ助けてあげないと……」

 その間、ナースエンジェル(アッコ)は何とか加納の攻撃を受け流し、加納は再度攻撃をする態勢に入った。

「ふふ、偽者め。スグに片付けてやる……!」

(ど、どうしよう。このままじゃ……)

 焦燥するアッコを前に、加納は両腕を振り上げて頭上にエネルギーの塊を発生させる。

「消え失せろ!」

 加納は超能力で巨大なエネルギーの球体を頭上に作り上げた。

「あぁ!」「た、大変! あんなの受けたら一溜りも無いわ!」

 セーラームーンもヴィーナスも焦る中、加納は容赦なくナースエンジェルに変身しているアッコに攻撃しようと身構える。

「ふふっ。これで跡形も無く消えろ! ニセ者め!!」

 加納は巨大な球体を、ナースエンジェルに変身しているアッコへと投げ付けた。。

「うわあっ(ひっ、ひぃ~。あんなの受けたら黒焦げじゃ済まないよ~。こ、此処は一か八か……って私、さっきもそう思ったわよね……)」

 

 ナースエンジェルに変身しているアッコは一か八か、咄嗟にある行動に出た。

 

 

 

 

[何故か使えた能力(ちから)]

 

(た、確か。ナースエンジェルの必殺技は…あっ、アレで行こう!)

 ナースエンジェルに変身しているアッコは本物が使っている技を思い出して、無我夢中で必殺技の名前を唱えた。

「え、エンジェルエイドボムビーム!」

 すると、ナースエンジェルに変身しているアッコが持つエンジェルバトンから本当にエンジェルエイドボムビームが発動した。

「な、何っ!?」「ええっ?」「う、ウソっ?」

 偽物である筈のナースエンジェルが技を使うのを目撃して、加納もマーズもイサミも一興する。

デューイ「そ、そんなっ」聖夜「ま、マジかよっ?」りりか「えっ、えぇ!?」

 デューイ、星夜、りりかも同様に愕然としていた。

 そしてナースエンジェルに変身しているアッコから放たれたエンジェルエイドボムビームは加納の作りだした球体に直撃し、球体は弾けるように消滅。

「う、うわぁ!!」

 球体が弾けた衝撃で、加納は後方へと転倒してしまう。

「あっ、あっ……(う、うっそぅ。が、我武者羅に攻撃してみたけど、ま、まさか本当に技が使えちゃうなんて……!)」

 一方、実際にナースエンジェルの技を使えた事に驚きを隠せないアッコ。

「あ、あのナースエンジェル。技をちゃんと使えた……」

「え、ええ。まさか必殺技も使えちゃうなんて……!」

「あ、あの子。いったい……」「だ、誰なんでしょう……」

「じょ、状況が呑込めないな……」

「り、りりかちゃん。あのナースエンジェルはいったい……」

「わ、私にも何が何だか……」

 マーキュリー、ジュピター、キューティーハニーにイサミ、小狼にさくらもりりかも困惑している中、加納は立ち上がろとしていた。

「く、くそ……ま、まさかナースエンジェルの必殺技までも使えるというのか……」

 と、加納が立ち上がろうとしていた時。加納が所持していたエンジェルキャップが一人でに空中に舞い上がった。

「えっ。な、何だと!?」「ええっ!」

「え、エンジェルキャップが勝手に……!」「く、空中に舞った……」

 エンジェルキャップが空中に舞ったの見て、加納もマーキュリーもマーズもキューティーハニーも愕然とする。「う、うわぁ~! お、オバケ~っ!!」

 セーラームーンがこの光景を前に脅えて泣き出す中、空中に舞ったエンジェルキャップはそのまま、りりかの目の前まで飛来する。

「オイ、りりか。持って来てやったぜ」「えっ。だ、誰なの……」

 りりかが動揺してると、目の前に突如メタルバードが姿を現した。

「め、メタルバード!」「へっへ。加納の奴が怯んでいる隙にパクって来たぜ」

 安堵するりりかにメタルバードが笑みを浮かべて答えていると、星夜もデューイも気付いた。

「め、メタルバード……!」「そ、そうか。透明化する能力で」

 メタルバードの透明化できる能力で加納からエンジェルキャップを奪い返したメタルバード。

「く、クッソ! 折角スキを見て森谷りりかから奪い取ったのに……!!」

 悔しがる加納に、聖龍使いが言い放つ。

「ふふふ、加納よ。これで主の企みも失敗に終わってしまったのう……。オウゥリャアァ!!!」

 聖龍使いはエンジェルキャップを奪われて動揺している加納に、渾身の拳で顔面に殴りつける。

「ブッ、ブッホォォー!」

 加納はそのまま殴り飛ばされて、壁に叩きつけられた。

『え、えええぇーーーー!?』

 殴り飛ばされた加納を前に、誰もが驚愕する。

「ちょ、ちょっと! いくらなんでも、いきなり殴りつける~?」

「し、しかも顔面に~!」

「きゃあああ! いっくら何でも遣り過ぎじゃない~!?」

 マーズもソウシもヴィーナスも阿鼻叫喚で訴える。

「か、顔に思いっきり……!」「はっ、はは……」

「な、何だか顔が凹むほど強いパンチじゃなかった……?」

 聖龍使いの攻撃に小狼もキューティーハニーもイサミも唖然とする。

「ちょ、ちょっと可哀そう……加納って人」

「せ、折角のイケメンフェイスが……」

 セーラームーンもヴィーナスも顔面を思いっきり殴られた加納を前に呆然。

「か、加納ーー!?」「ちょっと~! 聖龍使い、それは遣り過ぎだよ~!!」

「せっ、せんぱーーい!」

「しゅっ、修……じゃなくって聖龍使い、それはちょっと……」

 星夜もデューイもりりかも愕然と叫び、さくらは動揺していた。

「えっ、ええ~!?(ウッソ~。聖龍使いが本気で人を殴っちゃったわよ……)」

 ナースエンジェルに変身しているアッコも、聖龍使いの行動に思わず驚いてしまう。

「オォ、オイっ相棒。いっくら何でも顔面パンチはキッツいんじゃないか~?」

「いやぁ。斬り付けるよりも殴った方がまだマシかなぁっと思ってね。つい手が出ちゃった」

 メタルバードに答える聖龍使いに、りりかは半泣きで訴える。

「ば、バッカーー! せ、先輩は操られているだけなのよっ。な、殴り付けること無いじゃな~い!」

 一方、殴り付けられて壁に叩きつけられた加納は、りりかを追い回したり、さくらの相手をしたり、いつも以上に力を消費していたところに顔面への殴打を喰らったからか、最早戦う余力が無くなっていた。

「くっ…、クソォッ。お、お前等! 今日はこの辺で引き下がってやる。だ、だが聖龍隊、森谷りりか。そ、そして其処のナースエンジェル! い、いつか必ず後悔させてやるからな、覚えておけ!!」

 そう言い残して、加納はその場から消え去ろうとした。

「あっ、待ちやがれ加納!」

「女泣かせて逃げるとはフテェ野郎だっ、コラッ待て!」

 星夜とメタルバードが、加納を取り押さえようと二人掛かりで飛び掛かろうとした瞬間。加納は瞬間移動でその場から瞬時に消え去った。

「ぐわっ!」「ぎいっ!」

 メタルバードと星夜は壁に正面衝突して、思いっきり顔面を痛めつけてしまう。

「い、いたたた……」「ひ、ひぃ。お、思いっきりぶつけちまった…」

 メタルバードも星夜も顔を押さえて痛がっていると、そんな二人を心配してマーキュリーが声を掛ける。

「だ、大丈夫、二人とも」

 そんな中、続けてジュピターとマーズとソウシがメタルバードと星夜に話し掛ける。

「何はともあれ、りりかちゃんを助けられたんだし、良かったじゃない」

「そうそう。まっ、加納って男は取り逃がしたけど、りりかちゃんが無事だったんだし、結果オーライよ」

「そうですよ。りりかちゃんやさくらちゃんが無事なだけでもホントに良かったです」

「ま、まぁそうだな。また加納が現れたら、そん時こそフン捕まえれば良いんだしな」

「た、確かに。りりかが無事なだけでも良かったぜ」

「それにしても、あの加納って男。かなり殺気立っていたって言うか、怖い青年だったわよね。イケメンなのに勿体ないわ」

「そうね。ブロスに洗脳されているのも有るけど、あの加納って人。かなり自我を失っていたわね」

 ヴィーナスとキューティーハニーは洗脳されている加納に同情してた。

「ははっ……あっ、そうじゃ。りりかとさくらは……」

「あっ、そう言えば。さくらっ」

 すると此処で聖龍使いと小狼が、さくらとりりかを気に掛けている頃、二人は。

「あ、あなたは……一体」

「だ、誰なんですか。な、ナースエンジェルの姿をしているけど……」

「あっ。……そ、そんな事よりも。あなた達こそボロボロじゃない。スグに治してあげるからね」

「えっ」「な、治すって……」

 戸惑うりりかとさくらに、ナースエンジェルに変身しているアッコはエンジェルバトンを前へと構えてみせる。

(さ、さっきの技も上手くいったし、多分大丈夫でしょ)

 するとナースエンジェルに変身しているアッコは傷だらけの二人に、エンジェルバトンから治癒効果のある光線を放ってさくらとりりか二人の怪我を治した。

「ああっ……」「け、怪我が治っていく……」

 自分達の怪我が消えていくのを前に、ナースエンジェルに変身しているアッコは内心驚きながらも平然を装う。

「よしっ。これでもう大丈夫よね(うわ~。わ、私完璧にナースエンジェルのパワー使えちゃってる……♪)」

 と、上機嫌になっているナースエンジェルに変身しているアッコに、聖龍使いが叫んだ。

「えっ。ええ~~! う、ウソっ。あ、あの女、ヒーローの能力まで使いこなせちゃってるぞーー!!」

「あ、相棒。声と口調が素に戻っちまっているぞっ」

(えっ? い、今の声に喋り口調。どっかで……)

 聖龍使いの口調が戻っているのをメタルバードが指摘する中、ナースエンジェルに変身しているアッコは聖龍使いの素の口調に聞き覚えがあった。

 そのまま口調が素に戻っている聖龍使いは、ナースエンジェルに変身しているアッコに問い掛ける。

「お、おいっ女! お、お前は一体誰なんだっ ?し、正直に言ってみやがれ!!」

「えっ! え、え~と……わ、私はもうこれで御暇しますね。み、皆さんサヨウナラ~」

 聖龍使いに問い掛けられたナースエンジェルに変身しているアッコはそう言うと、一目散に聖龍隊の前から走り去った。

「ああっ、待ちやがれ!」

「せ、聖龍隊! あ、あのナースエンジェルもどきを捕まえろ~!!」

 逃げ去るナースエンジェルに変身しているアッコをメタルバードと聖龍使いが追いながら他の隊士にも命じる。

「ま、待てっ」「おお、オイっ。お前は一体誰なんだよ!?」

「ま、待ちたまえ!」

 小狼も星夜もデューイも慌ててナースエンジェルに変身しているアッコを追った。

「あ、あのナースエンジェルも能力使えてたわよね……」

「う、うん……(あ、あのもう一人のナースエンジェルは……いったい)」

 さくらとりりかは、自分達を治療してくれたナースエンジェルに変身しているアッコを目視して唖然としていた。

 

 

 

 

 

[目撃されたアッコ]

 

「おーい、そっちに居たかーー」「い、いやっ。こっちには居ない」

「ちょ、ちょっとーー。も、もう一人のナースエンジェル」

 必死に走り去ってしまったナースエンジェルに変身しているアッコを探すトシに小狼にマーズ達。

「出て来てよ~!」「あ、あなたは一体誰なの~!」

「す、姿を見せて。話だけでもさせて~」

「お願いだから、出て来て~!」

 ヴィーナス、マーキュリー、ジュピター、キューティーハニーも必死に呼び掛けるも応答なし。

「うわわ~んっ、お願いだから出て来てよ~!」

 なかなか見つからず、泣き出すセーラームーンを前にイサミがメタルバードに訊ねる。

「はっ、はぁはぁ……。め、メタルバード。そっちにはナースエンジェルは居た?」

「い、いや……。何処にも見当たらねえよ」

 皆が探し回ってるこの時、加賀美あつこは変身を解除するために見付からない様、物陰に隠れていた。

「た、大変……見付かる前に早く元に戻らないと…。ら、ラミパス ラミパス ルルルルル……」

 こうしてアッコは元の姿に戻り、聖龍隊に見付からない様こっそりと工場を出ようとした。

「くっ、くっそっ。何処に行きやがったんだ、あのナースエンジェルは!」

「せ、聖龍使い。いつもの口調に戻ってるワなぁ」「う、うん……そうだね」

「はぁ。あのナースエンジェル何処に行っちゃったんだろう……」

 聖龍使いの口調が素に戻っている現状に、ケルベロスもソウシも唖然とする中、さくらも必死に探し続ける。

 するとその時、りりかが大声で叫んだ。

「はっ……も、もう一人のナースエンジェルーー!」

「えっ。り、りりか?」「な、ナースエンジェル……!」

 星夜とデューイが反応する中、りりかは素直に感謝を告げる。

「たっ、助けてくれて、ホントにありがとうーー!」

「り、りりか……」「………………」

 りりかの噓偽りのない感謝の言葉に、メタルバードも聖龍使いも立ち尽くす。

 この時の、りりかの声はしっかりとアッコにも聞こえた。

「……り、りりかちゃん……」

 アッコは自然と微笑みを浮かべながら、その場を去った。

 

 その頃、戦闘の現場になっていた廃工場付近を修司の執事であるウッズがバスを運転して探索していた。「

「あ~あ。今日は皆さん、此処まで来ちゃっていますし、大変です。この近辺には地下通路への隠し口がありませんから、こうして態々バスで迎えに行く事になるとは……」

 ウッズが現場である廃工場の入り口付近に到着すると、廃工場から加賀美あつこが出てくるのをウッズは目撃してしまう。

「あっ。あれは加賀美アッコさんじゃないですか。……なんでこんな工場から出て来たんでしょう」

 と、その時。バスに気付いた聖龍使いがウッズの方に駆け寄る。

「おい。ウッズ。ウッズ」

「あっ、修司……じゃなくて聖龍使い。今迎えに来たところですよ。さぁ早く一般人に気付かれない内に車内に……」

「よしっ、助かるぜ。お~い、みんなっ。ウッズがバスで迎えに来てくれた。バスの中で変身を解け~」

 こうして聖龍使いに呼ばれた聖龍隊は、バスの中で変身を解いたのであった。

「しかし。今日は大変でしたね~。特にりりかさんは」「え、ええ……」

 ウッズがりりかを始めとした聖龍隊の皆に労いの言葉をかけると、デューイがりりかに忠告する。

「全く。今度から加納にエンジェルキャップを奪われない様気を付けてくれよ」

「う、うん……」

 デューイからの忠告、落ち込みながら答えるりりか。すると二人のやり取りに、星夜やレイ、美奈子が指摘する。

「おいデューイ。りりかだって今回の事はちゃんと反省しているんだし、それ位にしてやれよ」

「そうよ。りりかちゃんだって今回の一件で辛い目に遭ったんだし、それ以上は責めちゃダメよ」

「そうそう。それに私たちが加納の奴も追い返したんだし、もう良いじゃない」

「ふ、ふんっ」亜美「デューイ。そんなに気を立てなくても……」

 不機嫌そうにするデューイを亜美が宥めていると、まことも笑顔で言う。

「そっ。もう済んだ事は気にしないっ」

 すると話題は自然ともう一人のナースエンジェルに移った。

「しっかし。あのナースエンジェルは一体何だったんだ?」

「そうや、それやっ。それが今回一番気になる事なんやっ」

 小狼もケルベロスも不思議そうにしてると、変身怪獣と修司も考え込む。

「確かに。あの女は一体何だったんだ?」

「そうだよな~。まさか能力まで使いこなせるとは思わなかったぜ」

 そんな皆の疑問に、さくらとりりかが切実な顔で述べる。

「で、でも。彼女が居なかったら私たち、あの加納って人に遣られてたかもしれないよね」

「え、ええ。それに、あのナースエンジェル。とても悪い人には感じられなかったわ」

 すると二人の発言に、デューイと修司が忠告する。

「おっ、おいおい。何を言っているんだ、本物のナースエンジェル」

「その通り。相手が誰なのかも解らないのに、勝手に心を許すとは何事だ!」

「で、でも……」

 りりかが黙り込んでしまう中、ウッズが皆に問い掛ける。

「あ、あの~。そ、それで、もう一人のナースエンジェルは見付かったんですか?」

「いんやっ。探したんだけど完全に姿を消されて……」

「タクッ。正体も解らねえのに勝手に英雄に変身するとは……」

 ウッズの質問に変身怪獣と修司が答えると、ウッズが恐る恐る修司に打ち明けた。

「……あ、あの~」「うぅん? 何だウッズ」

「い、いえ。実は……」「?」

「……実は工場から皆さんが出てくる前、先に工場からアッコさんが出て来たんですよ。彼女も何かしら事件に巻き込まれていたんですか?」

「なっ、何! あ、アッコが居た~!?」「な、何だとっ!?」

『ええ!?』

 ウッズの報告に、修司も変身怪獣も他の一同も驚愕する。

「あ、アッコちゃんって……」

「う、うん。以前にも何度か顔を合わせているあの子だよね」

 レイとまことが思い出しながら話し合う。

「た、確か修司君と同じクラスの……」「う、うん! 修司君の彼女だったよねっ」

 と、ここで亜美に続いて発言したうさぎの言葉に、修司は顔を真っ赤にして怒鳴り散らす。

「だーーかーーらーー! 彼女じゃないって言ってるだろーーがーー!! うさぎっ、それ以上言いやがったらテメエの御団子ヘアー血で真っ赤にしてやっぞ!!」

「ひっ、ひぃ~!(涙目)」

「ちょ、ちょっと修司君。そんなに興奮すること無いでしょう!」

 修司の怒りに怯えるうさぎを前に、ハニーが修司を宥めていると。

「にぃ~ひっひっひ。ホ~ントに修司君って照れ屋なんだから」

「ちょ、ちょっと美奈子さん」「こ、これ以上修司さんをイラつかせるのは……」

「き、危険すぎますよっ~」「ア、アワワワワ……」

 美奈子の微笑を前に、これ以上修司を刺激させるべきではないと唱えるトシにイサミに小狼とケルベロス。

「そ、それよりも何で加賀美さんがあそこから出てきたのかが問題でしょ!」

「た、確かに。何で加賀美さんが……」「た、確か知世の屋敷で会った事のある……」

 さくらとりりかに星夜が考え込んでいると、デューイがアッコを思い出して立腹する。

「……僕を女と勘違いした、あの加賀美あつこか」

 

「あ、あの女。何で此処に居たんだ?「あ、アッコがなぜ此処に……?」

 変身怪獣も修司も何ゆえアッコが廃工場にいたのか疑問に思う中、ケルベロスが唱えた。

「……そう言えば、以前にも話した事があるけどあの加賀美っちゅう女から、微弱ながらも魔力が感じられたで」

「あっ、そう言えば……!」

「あっ、確か……以前からアルテミスもそう言っていたわね」

 ケルベロスに続いて発言する小狼に美奈子の二人に、修司が呆れた様子で述べる。

「お前等、まだそんな事言っているのかよ。……アッコは極々普通の女で、お前等とは違う種なんだよ」

「ち、違う種って……」「もう~、まるで人外みたいに言わないでよ」

 修司の台詞に呆然とする亜美にまことに続き、レイも修司に問い掛ける。

「でも確かに。アッコちゃんって何処か普通とは違うような気が……」

「れ、レイまでそんな事言うのかよ…」

 修司が呆然とする中、変身怪獣が修司に述べる。

「で、でもよ修司。実際にあのアッコって女の近くでは色んな事が起こっているみたいだぜ。今回も現場に居るなんて、偶然にも出来過ぎだろうよ」

「う、うむ……」「あの女の子に何か有るのは、もう明白だよ」

 考え込む修司に、デューイが問い質す。

「それに、あの加賀美って少女は確かに普通の人間とは違う雰囲気が感じますよ。実際、何の手掛かりも無く知世の家に自力で来れたんですし……」

 小狼が述べると、イサミが修司と変身怪獣に説明する。

「あっ。そ、それに加賀美って子が知世ちゃんの家に来た翌日にも、今日と同じような事が大江戸町で有りましたよっ」

「えっ?」「そ、それって。一体どういう事件なんだ?」

「ほ、ほらっ。変身怪獣さんがその加賀美って女の子が、私たちの事嗅ぎまわっているって言って、大江戸町に来た日ですよ。その日も今日のように、居ない筈の英雄セーラームーンが私たちの目の前に現れたんですよ!」

「ああっ。そ、そう言やあ……!」「あっ。た、確かそう言っていたわね」

 イサミの説明に、トシもうさぎも思い出す。

「確かに。でもその日、うさぎさんは確かに十番街に居たって言いますし、今日もりりかちゃんの居る目の前でナースエンジェルが現れたし……」

 ソウシがアッコを気にする一方、困惑する修司に変身怪獣は唱えた。

「だ、だからって……それだけでアッコが怪しいと思うのは……」

「う~ん。重要なワードは『加賀美アッコ』に『もう一人の英雄』……こりゃ少しアッコを調べた方が良くねえか?」

「う、うん。ま、まぁ、一応は調べてみますか……」

 

 修司が戸惑う中、聖龍隊一行はそのまま去って行った。

 

 

 その日の夜。アッコは自宅の自室で、今日起こった事を思い返していた。

「ふぅ~。今日はりりかちゃん助けるためとは言え、まさかナースエンジェルに変身する事になるとは。しかも、スーパーパワーまで使えちゃったし、このコンパクトにもまだまだ使い道があるようね。いやぁ、それにしても。今日は久々にスリル満点の日だったわぁ。……それにしても、あの聖龍使いの声と喋り口調。どっかで聞いたような気が……ふ、ふわあぁぁ。もう今日は疲れたし、もう寝るか」

 

 

 そして加賀美アッコは床に就いた。

 しかし、ただ相手や物に変身するだけのコンパクトの能力が他のキャラクターの力を使えるようになった、この日を境に加賀美アッコは険しい運命を辿る事になってしまうのであった。

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