【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

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 前話から数日後、ツバメ小学校にニューフェイスな転校生が来ます。そして修司はアッコちゃんを自宅に招き、英雄たちに会わせます。
※転校生の方はアッコちゃん第2期のキャラクターを引用しております。
※版権ショタキャラ達が少しハレンチな思想をしますが健全な青少年の発想と思って許して下さい。


アニメタウンの英雄達 新たなる絆

[謎の転校生]

 

 ミラーガール登場から数日後、二人は日常的に登校して来た。

 

「おはよう、修司」「あっ、あ……お、おはよう」

 いつもの様にアッコの方から、修司に挨拶を掛けて来た。

「………………」

 戸惑いを隠せない修司はアッコを見つめていると。

「……ん? 修司、どうしたの?」

 そんな修司にアッコが訊ねると。

「ん、いや……その……」

 修司は以前の出来事について話そうとするも。

「おっはよ~、アッコ、修司」「あ、モコ、おはよう」

 修司がアッコと話そうとした矢先、モコが二人に挨拶を掛けてきた。

「……(タイミング逃したわぁ……)」

 モコの割り込みに修司は憮然とする。。

「おっ、アッコ、モコ、ついでに修司もおはよう」

「大将」「おはよう」「……(また来たよ……)」

 さらに大将まで来て、修司は思わず冷めた表情をしてしまう。

「お、修司、何で朝からそんな冷めた面していやがるんだ? 何か有ったのかい?♪」

 お茶らけた感じで大将が訊ねると、修司はそっぽを向けた状態で返事する。

「……ナンデモナイ」

 修司はカタコトで返答した。

「……修司どうしたの? 前までは無愛想に静まり返って、今は冷めた顔しちゃってさ?」

「モコ、修司にも色々とあるのよ。ねっ、修司」

「う、うん……」

 モコの疑問にアッコが答える中、そんなアッコの問い掛けに修司は不機嫌そうに返答する。

 その時、教室に担任教師が入って来た。

「おい、お前等朝礼だぞ。席に付け」

「あっ、いけねえ」「早く席に座ろうっ」

 慌てて自分の席へと移動する大将とモコ。だが、担任教師のすぐ後ろから見た事のない少年が続けて教室へと入室する。

「アレっ、あの子いったい……」「見た事もねえ奴だな」

 教室がざわめく中、モコとアッコも小声で会話した。

「わっ、アッコ、彼誰なんだろうね、すっごいイケメン♡」

「え? ま、まぁ、確かに顔はカッコイイかも……」

「……ふぅ(まぁ、アッコは興味無いだろうなぁ。無口な男が好きみたいだし)」

 モコは完全にアッコの趣味が修司の様な男だと認識しては呆れていた。

「え~、本日は最初に、みんなに紹介したい子が居る。さぁ、名乗ってみなさい」

 教壇の上から教師に言われ、一緒に部屋に入室して来た少年が自己紹介を始めた。

「姿桐男(すがたきりお)です。宜しく」

 笑顔で自己紹介したその少年は頭にバンダナを巻き、モコの言うとおり、やや美形な顔立ちでは有った。

「良し桐男、お前の席はあそこだ」「はい」

 教師に言われ、桐男が向かった席は修司とアッコの席から少し離れた斜め後ろの席であった。

 少年桐男は無言のまま席に着席した。

「……何だかギザったらしい奴だな」修司が呟くと

「あら、転校初日の修司よりは愛想良いじゃない」

「……」

 アッコの返事に修司は何も言い返せなかった。

 

 休み時間、クラスの生徒は全て転校生の姿桐男の周りに集まり、彼に色々と訊ねていた。その中にはモコの姿も有った。

「あ、あの桐男くんって、何処から来たの?」

「フッ、そんな他人行儀な呼び方は止めてくれ。気軽にキーオって呼んでくれ」

「しゅ、趣味は、何なの?」

「ん? ゲートボールだけど…」

 そんなモコや女子達から評判のいいキーオを見て、大将が羨ましそうに睨み付けていた。

「……あの野郎、一人だけ女子の視線集めやがって……!」

「た、大将……」「か、顔がヤバいですよ……」

 そんな大将を見て、ギョロとゴマが畏縮していた。

 だが、そんな注目されているキーオに嫉妬する大将を後目に、修司はアッコと密談していた。

「……おいアッコ。話があるから、昼休み屋上に来てくれねえか」

「う、うん。分かったわ」

 だがしかし、二人は気付いていなかった。姿桐男が人知れず、修司とアッコに視線をやっているのを。

 

 

 

 

 

[屋上での会話]

 

 そして昼休み、学校の屋上にて修司はアッコと話していた。

「……アッコ、お前……」

「ん?」

「お前……ミラーガールって、知っているか……」

 呟く様に修司が訊ねると、アッコは平然と答える。

「知っているも何も、私じゃないの。修司だってちゃんと見たでしょ」

 平然と返答するアッコの反応に思わずズッコける修司。

「お、お前な……普通は否定するのが妥当な答えじゃないのか?」

「ん、でもさ、私は自分から素顔明かしたし修司だってちゃんと素顔明かしてくれたじゃない。今更隠す方が可笑しいわよ」

「ウッ……」

 アッコの正当な答えに修司は口を紡ぐも、すぐに再びアッコに話し掛ける。

「な、なぁアッコ……お、お前な」

「うん?」

「……へ、変身していたけど、アレは何だったんだ? 何で、あんなに……」

「あぁ、一応変身は前から有ったんだけど、あんな風にスーパーヒロインになるのは初めてだったわ」

「そ、そうか……な、なんでお前変身なんか……」

「それは修司だって同じじゃないの? それに他の人達も……」

「そ、そうだよな……」

 ほとんど話が進展せず、修司は少し困り果てていた。正直アッコに何から話し、どの疑問から聞いていけば良いか修司は迷っていた。

 そんな中、今度はアッコが修司に訊き返す。

「ねぇ修司。聖龍隊の多くの人達って、もしかして何人かは私も知っている人?」

「!」

 突然のアッコの質問に驚く修司。

「ねぇ、どうなのよ!」

 半ば強引に聞いてくるアッコに修司は観念して答える。

「……あ、あぁ。中には知人も居る筈だぞ」「……やっぱりね」

 そして再び沈黙する二人。だが再度アッコが訊ねる。

「……あ、そう言えば。聖羅さんは大丈夫だった?」

「あ、あぁ、聖羅なら……うん、あの後精密検査もしたけど大丈夫だったよ」

「ホッ、良かったわ……お父さんだけでなく聖羅さんまで犠牲になっていたらハニーさん可哀そうだものね」

 アッコのこの発言に、修司は驚いた。

「え? な、何でお前……は、ハニーさんって」

「え? ハニーさんってキューティーハニーの事でしょ。あの聖チャペルの如月ハニーさんで何とか装置の種子から生まれたとか何とかで……」

「お、お前、知っていたのか……?」

「……て、何言っているのよ。あの時ちゃんと私も聞いていたのよ。イサミちゃん達やハニーさん、それに修司だって自分から説明していたから知っている筈でしょ?」

 当り前の様に喋るアッコに対し、修司は目を丸くしながら訊ねた。

「……お、お前さ……」

「?」

「お、驚いたりとかしないのか。は、ハニーが……聖羅も人じゃ無かったって事に……」

 修司の質問に、アッコは微笑んで答える。

「なに言っているのよ。例えハニーさんたち姉妹が人じゃ無かったとしてもハニーさんはハニーさん、聖羅さんは聖羅さん、姉妹は姉妹……そして愛の戦士には変わりないでしょ」

 笑顔でそう答えるアッコに修司は思わず心臓が高鳴った。

「そ、そうか……そうだよな……」

 そして再び、無言のまま十数秒が経つも、其処に再度アッコから修司に話しかける。

「……ところで修司」

「! な、なんだ……」

「……また、会っても良いのかな、その……聖龍隊の人達に……」

 アッコの質問に修司は戸惑った。正直このままアッコを聖龍隊の面々に会わせる事は同時に彼女を聖龍隊に加えてしまう結果に繋がると思ったからだ。

 修司は恐る恐るアッコに訊ねる。

「……あ、アッコ」

「なに?」

「……お前は、聖龍隊のみんなに会って、どうするつもりなんだ?」

 するとアッコは、こう返答した。

「それは……うん、みんなに、聖龍隊のみんなに一言言いたくて」

「な、何を言いたいんだ……?」

 次の瞬間、修司はアッコの発言に驚いた。

「みんなに言いたいの。いつも街を、私達を護ってくれて、ありがとうって」

「!」

 一驚する修司だが、更に修司は次のアッコの発言にも驚かされる。

「あっ、も、もちろん修司にも感謝しているよ。いつも私たちの街を体を張って護ってくれていたんだものね」

「………………」

 驚きの余り、呆然としてしまう修司。

 ハニーが人で無かった事に加え、強大な力を持ち考え方一つで周りから敵視されてしまうかもしれない英雄たちに対してアッコが放った偽りの無い感謝の言葉。

 更には以前、河原で自分が仕出かしてしまった行為を目の当りにしながら変わる事のない感謝の台詞に、修司は心なしか感極まった。

「……あ、あのさ、アッコ……」

「うん」

「……よ、良ければ、その……だ、大丈夫だって言うなら……今日の内にでも、みんなに会わせてやれるけど」

 口下手になりながらも、修司は必死でアッコに伝える。

「えっ、ほ、本当?」

「あ、あぁ。実を言うとな、みんなもお前に会って色々と言いたい事が有るみたいなんだよ」

「よ、良かった~……って、アレからあんまり日も経っていないのに、良くみんなと連絡取れているわね」

「あっ、あぁ……み、みんなには小型の通信機を常備させているからな。と、特にセーラー戦士やキューティーハニー、それにナースエンジェルの場合はアイテムに直接通信機を組み込ませてているから、スグに連絡取れるし……」

「そ、そうなんだ……全部修司が付けさせたの?」

「い、いや、セーラー戦士達だけは、既にアイテムが通信機になっていたからな。その通信機とも直接繋げられる様に俺がウッズに言っておいたんだ」

「え……う、ウッズさんが?」

「あ、あぁ。ウッズはああ見えても意外と頭が良くてな……他にも色々としてもらっているんだよ」

「そうなんだ、ウッズさんも聖龍隊に協力していたのね」

「あ、あぁ……そ、それで、お前は今日は家に来れるのか。みんなにお前が自分からみんなに会いたいって伝えて置くからよ」

「あ、う、うん。お願いね、修司」

 こうして、昼休み、屋上での修司とアッコの二人だけの会話は終わった。

 

 だが。

「……フッ、やってくれるな。あの三次元人」

 修司とアッコの会話をキーオは盗み聞きしながら、怪しく微笑んでいた。

 

 

 

 

[再会する英雄達と奇跡の聖女]

 

 その日の午後。修司は帰宅前から皆に連絡をし、聖龍隊の面々を自宅に招いた。

「ただいま~」「お邪魔しま~す」

「あっ、修司様お帰りなさい。それにアッコさんもいらっしゃい」

 修司と共に来たアッコに、ウッズはいつも通りの挨拶を交わした。

「おいウッズ。他の連中は来ているのか?」

「あ、はいはい。既に皆さん、地下のメインフロアでお待ちしておりますよ。皆さん凄くアッコさんに会いたがっていましたし」

 ウッズに他の隊士の到着の確認を取った修司。と、それにアッコが驚きながら訊ねた。

「えっ? し、修司の家の地下って、そんなのも有る訳? 前にキッチンは有るって聞いた事は有るけど」

 驚くアッコに修司は打ち明けた。

「あ、ああ。実は地下3階も常備されていてな、其処に聖龍隊のメイン基地であるフロアが有るんだよ」

 この修司の発言に、アッコは目を輝かせて驚いた。

「……す、スッゴ~い! 修司の家って本当に正義の味方の秘密基地みたい!」

「……ま、まあな」

 修司はアッコの言動にちょっと引きながら返事した。

「ささっ、皆さまお待ちです。アッコさん、エレベーターにどうぞ」

 そう言ってウッズは、家の中心に設置されているエレベーターにアッコを誘導した。

「あ、あれ……こ、このエレベーター、地下2階までしか表示されてしませんけど」

 アッコが訊ねるとウッズは返答する。

「あぁ、それはあくまで地下2階までが日常で使用しているフロアでして、それより下の階は聖龍隊の関係者以外は使用できない様にしているからですよ。ほら、このIDカードを差し込めば……」

 ウッズがカードを各階ボタンの下にある隙間に差し込むと、エレベーターは下に降りていった。

 

 そしてエレベーターが止まり、扉が開いた。

「う、うわぁ……」

 アッコは目の前に広がる風景に驚愕する。

 其処は鍾乳洞をそのまま改築したかのような広いフロアで中央には巨大なコンピューターが聳え立つように設置されていた。

 

 そして其処にはアッコとも既に顔見知りであるうさぎ達にさくら・りりか達、そして如月ハニーが早見青児と共に妹の聖羅を連れてきており、更には初めて素顔を明かし合うイサミ達に地場衛が居た。

「み、皆さん……!」「……さぁ、アッコさん」

 驚くアッコを、ウッズはみんなの所に向かわせた。

「あっ、アッコちゃん!」「久しぶり」

「う、うさぎさん、レイさん…」

 久々に顔を合わせるアッコに笑顔を向けるうさぎと火野レイ。

「この前は、本当にありがとう」

「お陰で私たち、無事に勝てる事ができたわ」

「ま、まぁ、多少はカッコ悪い所も見せちゃったけど……アッコちゃんの御蔭で命だけは助かったわ」

「あ、亜美さん……まことさんに美奈子さんも」

 亜美もまことも美奈子も、アッコに感謝を述べる。

「ホントだぜ、あん時木之本やアッコさんが来てくれなかったら、どうなっていた事か」

「ああ、まったくだ。もしかして、冗談抜きで僕等本当に死んでたかもしれないしね」

「は、ははは……た、確かに……」

「あ、あなた達は確か、知世ちゃん家で会ったりりかちゃん……」

 素顔を明かしてアッコと会話する星夜にデューイそしてりりか達にアッコは驚く。

「アッコさん、あの時はありがとう。私、初めてみんなの為にカードを役立てて、ホントに嬉しかったです」

「さくらちゃん……」

 さくらの率直な喜びを前に、アッコも感激する。

「アッコさん、お久しぶりです」「あっ、あなた達は……」

 みんながアッコに挨拶をし、本人が驚いている最中、そんなアッコに知世達が声を掛けた。

「アッコさん、さくらちゃんから話は聞きました。まさか貴女がミラーガールだったなんて♡」

「ああ、まさか修司さんの知り合いがミラーガールだったとは」

「信じられないけど、スッゴイ活躍したみたいね貴女」

「と、知世ちゃん、小狼くん、苺鈴ちゃん……」

 三人からの感謝にも、アッコは驚きと共に嬉しく感じていた。

「いんやぁしかし、まさかあんさんの魔力がこんなにもスゴイとは、驚きやでぇ」

「! え、ね、猫? しかも羽つき……」

 ケルベロスの普段の姿を前に、アッコは目を丸くして驚いた。

「……って、既にワテラ月峰神社で会っているやろ。てか、あんさんも他の連中と同じ驚き方するんやな…」

「え? あ、あの時あなた居たっけ?」

 ケルベロスの話にアッコが困惑してると、さくらが説明する。

「あ、あの時ケロちゃん、獅子の形態していましたから……」

「し、獅子……あ、あぁ! あの時のライオンさんね」

(ら、ライオン……ま、まぁ猫よりはマシやな)

 アッコのライオン発言にケルベロスは半ば呆れていた。

 そして皆に続き、イサミ達がアッコに駆け寄り挨拶をする。

「アッコさん、初めまして!」

「あ、あなた達は、確かあの時ハニーさんと一緒に戦っていた…」

 イサミに続き、ソウシとトシもアッコに話し掛ける。

「そうです、僕たちあの時一緒に戦っていた、しんせん組です」

「アッコさん、アンタ本当にスゲエよ! ホンっとにスゲエ!!」

「……」

 トシのハイテンションに圧倒されている時、ハニーが妹の聖羅と共にアッコに近づいてきた。

「……アッコちゃん」

「あ!ハニーさん、それに妹の聖羅さんも。二人とも大丈夫でした? あの後、車で別れたっきりでしたし」

 姉妹はごく普通に自分たちと接してくれるアッコを見て、やはり修司の言った通りアッコは自分達に対して軽蔑の眼差しなど持っていない事を理解する。

 そんな中、聖羅がアッコに声を掛けてきた。

「あ、アッコちゃん!」「せ、聖羅さ……って、ワ! せ、聖羅さん!?」

 突然聖羅がアッコの体に抱き着き、アッコは一驚する。

「せ、聖羅さん……?」

 突然の事で驚くアッコに聖羅が胸の内を明かす。

「あ、アッコちゃん、ありがとう……あの後いろいろ姉さんから聞いたわ。こ、公園で暴走した私を抱き締めてくれたのも、ダークパンサーとの戦いで死んでしまう筈だった私を助けてくれたのも……それにゼラと戦う時も姉さんに力を貸してくれて……ホントにありがとう」

「せ、聖羅さん……」

「ありがとう、アッコちゃん」

 聖羅は涙を流しながらアッコに礼を言い続けた。

「聖羅さん……」

 聖羅の感謝の言葉に、アッコも自然に目頭が熱くなっていった。

 

 そんな中、男共は。

(……良いな、アッコさん)(す、少し羨ましい……)

(せ、聖羅さんのオッパイに抱き付かれるなんて……)

(ど、どれくらの大きさなんだろうな……)

 聖羅の巨乳に顔を埋めるアッコを、星夜にソウシ、トシだけでなく小狼も羨ましそうに見詰めていた。

 

 すると聖羅に抱きつかれるアッコの許に早見青児・地場衛・そして加納望が歩み寄ってきた。

「……加賀美あつこ、だったかな」「え? あ、貴方はあの時いた…」

 最初に声を掛けてきた早見青児にアッコは顔を向ける。

「ああ、早見青児と言う。あの時は本当に驚かされたよ、まさかミスティーハニーに変身したり、ダークパンサーを鏡を使って浄化させちまったり、他にも色々とできるみたいだな」

「あ……い、いいえ、そんな……」

 謙遜するアッコに、今度は衛が話し掛ける。

「そんな謙遜する事無いよ、君の実力は確かなものなんだし」

「え、えぇっと。あ、貴方は……」

「あっ、ゴメンゴメン、紹介が遅れたね。俺の名は地場衛、あの時ベリルやブロスに囚われていたタキシード仮面さ」

「た、タキシード……あっ、そう言えばいた。あの時十字架に縛り付けられていた変な黒服の人!」

「へ、変な格好って……」

 アッコの発言に思わずズッコケそうになる護。

 そして最後にアッコに声を掛けたのは、あの加納望だった。

「加賀美あつこ」

「あ、貴方は加納望……さんでしたよね?」

「ああ、僕からはまず君に一言謝りたい」

「へ?」

「僕はブロスに操られていた時だったとは言え、君を追いかけ回し君に怖い思いをさせてしまった。それなのにりりか君、いやナースエンジェル達にセーラー戦士を助けてくれただけでなく、僕自身も救ってくれた……感謝してもしきれないぐらいだよ」

「か、加納……さん」

「加賀美あつこ、本当に済まなかった!」

 加納望の頭を下げてまでの、心からの謝罪にアッコは笑顔で返答した。

「ううん、もう大丈夫です。それに、あの時は加納さんも悪い人に操られていただけで本心であんな事をしていた訳じゃないのは、ちゃんと分かっていますから……だからそんなに頭を下げないでください、加納さん」

「あ、ありがとう、加賀美あつこ……」

 加納は安堵の表情を浮かべた。

 

 と、皆がアッコに各々感謝や謝罪を述べ終わった所にウッズなど他の聖龍隊士がやって来た。

「よし、これでみんな言いたい事は言えたな」

「え……えっ、えっ? う、ウッズさんが二人?」

 突然やって来たウェルズに、アッコが驚いているとウッズが説明する。

「あっ、アッコさんは初対面ですよね、此方は私の弟のウェルズです。双子なんですよ、私たち」

「え? ふ、双子…」

「よおっ、初めまして、加賀美ちゃん」

 ウッズの説明で理解したアッコ。と其処に今度は小さな子供がウッズの後ろから顔を覗かせる。

「お姉ちゃん……」「えっ、ち、小さいウッズさん?」

 ウッズの後ろから、ウッズそっくりの容姿で有るジュニアを見てアッコは再度驚く。

「あぁ、そう言えばジュニアとも初対面でしたね。この子は私の息子でジュニアと言うんです。ほらジュニア、アッコさんにご挨拶は?」

「は、初めまして……アッコお姉ちゃん……」

 若干照れながら挨拶するジュニアを見て、アッコは笑顔で返事した。

「ふふ、此方こそ初めまして、ジュニアくん」

 

 そして、そんなアッコの様子を物陰から体を縦半分だけ隠して見つめる修司がいた。

「………………」

「……修司様、そんな所で見ていないでコッチに来たらどうですか?」

「……う、うぅ」

「な、なんでそんな面白い隠れ方してる訳? 修司くん」

「……」

 ウッズやうさぎの問いに修司が何も答えないでいると、ウェルズが顔をニヤケさせて言った。

「そりゃあ照れちまうだろうよ。加賀美あつこの前だとコイツ無愛想になっちまうって兄貴から聞いているよ」

 このウェルズの発言に、修司が騒ぎ出す。

「!! な、何を言うんだウェルズ! べ、別にそんな積りは……」

 顔を赤くして否定する修司に、ウェルズに続いてレイがおちょくる。

「うふ♡修司くんったら照れ屋なんだから♡」

 レイがおちょくっていると、衛や青児もそんな修司を意外がる。

「へぇ~、堅物で有名な小田原修司に、こんな一面があるとは」「ほんとだな」

「………………」

 衛や青児にも言われ、修司は不機嫌になっては黙り込んでしまう。

「み、皆さん、もうそれくらいで……こ、これ以上修司様の神経を逆なでしたら、どうなる事か……」

 ウッズは蒼褪めた顔で皆に注意する。

 

 と、その時。修司がある事に気付いた。

「……ん? そう言えば、おいウッズ、変身怪獣の姿が見えねえけど、何処に行っちまったんだ?」

「あっ、そう言えば、さっきまでは居たんですけどねぇ」

 ウッズに訊ねる修司の発言に、アッコが訊き返す。

「え? 修司、変身怪獣って、誰なの?」

「あ、ああ、メタルバードの事だよ。実を言うと一緒に暮らしているんだ」

「え、そうだったの……で、そのメタルバードは何処行っちゃったの?」

「い、いや。俺にも……」

 

 修司が返答に困惑してるそんな時、エレベーターの扉が開く機械音が鳴った。

 

 

 

[変身怪獣の真実]

 

「いやいや、遅れてしまって済まない同士よ」

「どうしたんだ変身怪獣……ってオイ、その格好は?」

「え!?」「!?」

 エレベーターから登場した変身怪獣を見て、修司もウッズもウェルズも目を丸くする。彼は何と、全身黒の紳士服に身を包み、手には薔薇の花束を抱えていたからだ。

「へ、変身怪獣……その格好は……?」

 驚く修司達に対し、変身怪獣は答えた。

「フッ、いやね、あんな素晴らしい功績を遣って退けた少女に少しばかりの敬意を見せようと思ってな。つい身形に力を入れちまったわけだ」

 いきなり黒の紳士服姿で現れた変身怪獣に、一同は驚きを隠せなかった。

「あ、あの……」

 驚くアッコに変身怪獣は声を掛けた。

「おっと失礼お嬢さん。オレの名は一応は秘密何だが、みんなからは変身怪獣と呼んでもらっている。だから君も遠慮なく呼んでくれたまえ」

 変身怪獣はそう言うと、アッコにバラの花束を手渡した。

「は、はい…」

 唖然とするアッコに反し、修司が変身怪獣に問い掛ける。

「おい変身怪獣、アッコが退いちまっているぞ。そもそもそんな恰好するなんて珍しいな」

「へへ、オレ様だってたまには身形に気を使うのさ」

 そんな変身怪獣を見て、レイは訊ねた。

「と、ところで変身怪獣。両腕の翼はどうしたの? 翼が消えちゃっているけど……」

「あっ、そう言えば……」

「確かに。メタルバードの時には両腕から両足に掛けて翼が有りましたよね」

 レイの指摘に亜美やアッコ達の疑問に、変身怪獣は答えた。

「へっへ。オレの翼は本来、飛行してないときは常時、体内に収納できるようになっているんだよ。だから翼を引っ込めて、人間の服も御覧の通り着こなせるって訳さ」

「す、凄いわね……」

 変身怪獣の説明に驚くハニー達。そんな皆に修司が述べようと話し出した。

「それだけじゃないぞ。良い機会だから言っておくが、実はコイツにはとんでもない身体能力があるんだよ」

「へ? 身体能力?」

 不思議に思うアッコにイサミやトシ、星夜達が変身怪獣の身体能力の凄みを述べる。

「あ、アッコさん。それは透明化能力の事ですよ、変身怪獣さんは体を自在に透明にする事が出来るんですよ」

「ああ、最初見た時は驚いたよな」

「ああ、まさかこんな凄い能力を持っているとはよ」

 皆々が説明する中、修司が再度話し出す。

「いやいや、俺が今言おうとした身体能力ってのは、その透明化能力の事じゃ無い。今まで話した事が無かったが、コイツにはそれ以上の身体能力があるんだよ」

「な、何が……どんな能力を変身怪獣は持っているって言うんだい?」

「ふふ、それはな……」

 デューイが訊ねると、修司は何処からともなく聖龍剣を取りだした。

「! し、修司君……そ、それは……」

 美奈子が聖龍剣を抜刀する修司を見て一驚する。

「し、修司、確かそれって聖龍使いの武器で……」

「あぁ、聖龍剣だ。これで変身怪獣の身体能力を皆に見せてやるよ」

 アッコ達が凝視する中、修司は変身怪獣の方へと向き直り、彼に歩み寄って行った。

「し、修司……ま、まさか」

 怯える変身怪獣に、修司は答える。

「……ああ、そのまさかだ」

 修司は怪しく微笑み、聖龍剣を頭上へと身構えた。

「え、ウソ! まさか!?」

 変身怪獣は驚愕の表情を浮かべる。

「し、修司!?」「う、ウソでしょまさか……!?」

 アッコや亜美達が凝視する中、修司は変身怪獣に刀を振り下ろし、彼を縦に一刀両断にしてしまった。

 真っ二つに斬られた変身怪獣の肉体が床に倒れ落ちた。

「……い、いやああぁぁ!!」「し、修司ーー!?」

 うさぎもアッコも真っ二つになった変身怪獣を目前に涙目で驚愕する。

「い、いや~!!」「な、なんて事を!」

 涙目のりりかも驚愕する星夜も絶叫する。

「き、きゃああ! な、何で変身怪獣を!?」「う、ウソでしょ~!?」

 ハニーも聖羅の姉妹も変身怪獣の成れの果てに目を疑う。

「ぎゃああああああ!!」「み、見事に真っ二つじゃねえかよぉぉぉ!!」

 早見青児も衛も涙目で脅え切るばかり。

 

 驚愕する一同だったが、そんな皆々の耳に変身怪獣の声が聞こえてきた。

「おいおい修司。いっつも言っているけどよ、いきなり斬り付けるのだけは止めてくれよ。ビビるじゃねえかよ」

『!?』

 突然床に倒れている変身怪獣の両断された体が口を利いた事態に皆は驚愕する。

「おいおい、俺はちゃんとお前に断ってから斬り捨てただろ?」

「で、でもよ……オレにはちゃんと痛みってモンが有るんだからよ。少しは手加減して斬ってくれよ」

「ほざけ。お前はどんなに斬っても斬っても死なねえんだし、別に良いだろう」

「まっ、そりゃそうだがな……ヨイショ」

 すると変身怪獣の切断された体が液状化しては繋がっていった。そして彼は何事もなかったのように、その場に立ち上がる。

「ね、ねぇ……修司くん?」「ん? なんだ」

 

 それを見て驚愕したレイ達は、恐る恐る修司に訊ねてみた。

「い、今、変身怪獣さん、き、斬られた……よね?」

「うん、斬られたね。て言うか俺が斬ったけどね」

 さくらの質問に修司は真顔で言い切る。

「で、でも、変身怪獣……い、生きていますよね?」

「うん生きてるね。ゴキブリ並に生命力強いからね」

 真顔で小狼に答える修司の返答を聞いて、変身怪獣は内心傷付いた。

「く、くっ付いた……い、今彼の斬られた断面からスゥってくっ付いたよね?」

「あぁ、くっ付いちゃったね。アメーバみたいに気持ち悪く、くっ付いちゃったね」

 更に加納望への返答にも、変身怪獣は激しく傷心した。

 

 無表情のまま平然と真顔で断言する修司の台詞に、流石の変身怪獣も怒り心頭の様子。

「……お前な、斬って置いてそんな事言うのかよ」「はは、まぁまぁ」

 変身怪獣と修司のやり取りに、みんなは訳が分からなかった。

「し、修司……何で変身怪獣は……」

 戸惑いながらアッコが訊くと、修司は素直に答えた。

「あぁ、今まで聖龍隊のみんなにも言っていなかったんだが、実はコイツ《軟体生命体》何だよ」

『な、軟体生命体!?』

 修司の告発に皆が驚く中、修司は説き続けた。

「あぁ、体の細胞一つ一つが全てコイツの意思と繋がっているから、どんなに斬られ様と、どんなにハチの巣に撃たれて穴だらけになっても、すぐさま再生できるんだよ。まぁ、簡単に言えばほぼ不死身って事だ」

 そう言うと、修司は更に今度は変身怪獣を水平にスライスした。斬られた肉の塊が床に転げ落ちる。

「ひっ、ひぃぃぃ!」「い、嫌ですぅぅぅ!」

 完全にバラバラ死体同然になる変身怪獣に、苺鈴も知世も涙目で怯えるのだが。

 すると今度は生首だけの状態で変身怪獣が喋った。

「ヒデエなホント。いくら死なないからってこんな斬り方ある?」

 そう呟くと変身怪獣は肉体をサラサラな液状に変化させてから一つにまとまり、元の形状に戻る。

「……す、スゴイ」「う、うん……」

「こ、此処までされて死なないなんて……」

 デューイやまことにレイたち皆が驚く中、修司は更に行動する。

「ああ、他にも……」

 修司は徐に懐から拳銃を取り出し、変身怪獣に弾を4発撃ち込んだ。

「うおおおおおい!!」「あ、頭にも貫通している~!!」

 星夜にトシ達が絶叫する中、変身怪獣は再度銃痕を消し肉体を再生させる。

「……お前、ホントに前々から思っていたんだけど、正しく《鬼畜》の言葉が似合う男だな」

「いや~、そんなに褒められても……」

「いや褒めて無えから! 誉めてるつもりは全っ然無いからね!!」

『………………』

 変身怪獣と修司のやり取りを前に、呆然とする一同。

 

 変身怪獣の衝撃の事実。そして修司とのやり取りに思わず唖然としてしまう聖龍隊だった。

 

 

 

[加賀美あつこの経緯]

 

 そして少し場が落ち付き、全員でテーブルを囲んで着席し、アッコと本人へと質問をぶつけていく事に。何故アッコに変身能力が有るのか、どのような経緯でその力を手に入れたのかを訊ねていった。

 

「……アッコ。多少抵抗はあるかもしれないが、この際包み隠さず話してくれないか。お前のその能力について」

 修司に続き、ケルベロスとデューイもアッコに問い掛ける。

「そうやな、此処に居るみんなも包み隠さず自分の能力の事を明かしてるんや。アッコはんもちゃんと言わなぁあかんて」

「と、言うか……今気付いたけど加賀美あつこ、君のコンパクト僕等が最初河原で見たのとは色とかデザインとか違っているけど……」

「あ、あの……それについてもちゃんと話します……」

 そしてアッコは話し始めた。自分がコンパクトを、魔法のコンパクトを入手した経緯を。

 

「アレはまだ私が3歳の頃、両親から誕生日プレゼントに手鏡を貰ったことから、全てが始まったわ。私はその手鏡を肌身離さず、常に持って生活していた。海に、山に、川に、そしてスキー場にまで持ち歩いて行ってた。小学校に入ってからは家の自室に置いておきながら大事にしていたの……でもそんなある日、そうあれは修司がこの街に来る少し前、ちょっとした事でその手鏡が割れてしまったの。私は凄く落ち込んだわ、小さい頃から大事にしていた鏡が割れて悲しくて悲しくて、私は思わずお墓まで作って家の庭に埋めてあげたの……でもその夜だった、お墓が突然光輝いていたのよ。私は何かと思ってお墓の前まで行ってみたら、お墓から出て来た光の中から一人の女性が現れたの。その人は鏡の国の女王様と名乗って……あ、鏡の国って言うのは、鏡の中のもう一つの世界みたいな存在で、この世のすべての鏡と繋がっているみたいなの。その女王様から、私が今まで鏡を大事にし、そして鏡を愛していた事をとても誉めてくれたわ。そして、その証として私の壊れた手鏡を魔法のコンパクトにしてくれて、それを私に譲ってくれたの。そして、その魔法のコンパクトで困っている人を助けてあげなさいって言われたわ」

 

 アッコが語る彼女の経緯に修司たち一同は耳を傾ける。

「……これが私の前のコンパクトに関わるお話」

「……それでアッコ、お前は今までそのコンパクトで何していたんだ? 俺の勘では恐らくバニーガールやらお下げ髪のピンクのワニ。そしてつい最近にはセーラーマーキュリーにナースエンジェル! そしてキューティーハニーと、俺等の見てないところでも色々なヒーローに勝手に変身していたんじゃないのか!?」

「あ、あ……そ、そうです。いろんなところで調子に乗って色んなものに変身しちゃってました……」

 修司からの怒声での詰め寄りに、アッコは冷や汗を流しながら申し訳なさそうに述べる。これに聖龍隊の面々は『やっぱり』と内心思っていた。

「……ふぅ~、それで決戦の時に使っていたコンパクトは一体何だったんだ?」

「あ、アレはね……実はその日、私河原で起きた事に付いて思い出していたの」

「ウッ!」

 アッコに再度質問した修司は思わず言葉を飲み込んだ。自分が暴走した時だったからだ。

「あの日の夜、私はみんなが……聖龍隊の英雄達がどうなっているのか気になってコンパクトを覗いてみたの。私のコンパクトは街中の鏡から景色を見られる様になっていて、それで聖龍隊のみんなが危険な状況だって知る事ができたの。私は悩んだ、今までの私のコンパクトでは人や物にしか変身する事しかできなくて、そんな私がみんなの為に何ができるんだろうって。変身するしか能のない私が、傷付いているみんなの為に何をしてあげられるんだろうって。そう思ったの……」

 全員がアッコの優しい想いに心を打たれる中、アッコは語り続けた。

「……その時だった。自室の鏡台から鏡の国の女王様が話しかけてきたの。私は精一杯頑張っている英雄のみんなの為に何かしたいって話したの。そしたら女王様は私の想いを理解してくれて、私に新しいセイント・コンパクトを譲ってくださったの」

「……そのコンパクトがお前をミラーガールに変身させるアイテムって訳か」

 修司が訊ねると、アッコは答えながら語り続けた。

「ええ。女王様の話だと、このコンパクトは鏡の国に古くから伝えられている物で今まで誰も扱える事ができなかったから封印されて来たコンパクトらしいのよ」

「封印されて来た……」

「女王様の話だと、このコンパクトは本当に平和を願い、本当に愛する人を護りたいと心から思えば変身する事ができると言われて、それで私はミラーガールに変身したって訳なの……」

「………………」

 修司は敢えて何も言わなかった。と言うよりも、何も知らない様に振る舞ってはいたが既にアッコのコンパクトの入手経緯は三次元界で知っている為余り驚かなかった。

 それよりも修司が驚いたのが、本来人や物に変身するしかできない設定で有った筈のアッコに、何でスーパーヒロインに変身する力までも加わったのか不思議でならなかった。

 

 

 そして皆が沈黙する中、うさぎが発声した。

「……ま、まぁ。これでアッコちゃんも私たちに協力してくれるなら、この先も大丈夫だろうしね」

「あっ、そうそう。アッコちゃんもこれで私たち聖龍隊の一員決定ね」

「!!」

 このうさぎと美奈子の発言に修司は大層驚いた。

 アッコに英雄活動をさせるのも不安であったのも有るが、同時にこれ以上ストーリー設定を変えてしまったら二次元界にどんな影響が出るのか。

 修司がこの世界に来て、多くの非業の運命を辿る二次元人を救うのも己が自らに与えた使命であったが、同時に必要以上の運命も変えてはいけない事も周知していたのだ。

 

「だ、ダメだダメだ! い、いくら何でも一般人を聖龍隊に加えるなんて事、俺は認めねえぞ」

 全力でアッコが聖龍隊に加わる事を反対する修司。だが変身怪獣とレイが。

「修司、別に良いじゃないかよ」

「そうよ、アッコちゃんの功績は確かなものなんだし」

「い、いや、だ、だがな……」

 言い返す二人に続き、他の面々も次々に修司に意見する。

「修司さんは私達やアッコさんの様な特殊能力者の保護をするために、聖龍隊を結成させたんですよね?」

「ウッ……ま、まぁ……」

 りりかの発言に修司は思わず口を紡いだ。

「だったらアッコさんも私たちと同じじゃないですか、それなのにアッコさんだけ入れてあげないのは可笑しくないですか?」

「そうよ、彼女にも聖龍隊に入る権限ぐらいはあるわ」

「修司くん、アッコちゃんは私や聖羅を救ってくれたのよ。彼女もちゃんと保護の対象として見てあげないと」

「い、いや、だから、それとこれとは違って……」

 さくら、まこと、ハニー達と修司が話している時、アッコが修司に訊ねる。

「ね、ねえ修司。保護とか何とかって、いったい……」

「あ、い、いやな、それは……」

 動揺する修司に代わり、ウッズがアッコに説明した。

「あぁ、アッコさん。実は聖龍隊はタダの英雄集団としての機能だけでなく、此処に居る皆さんの様に不思議な力を使える人達を見つけては勧誘、更には保護していく組織なんですよ。言っては何ですが特殊能力者と言うのは人の考え方一つで無意味に危険視されてしまう事もありますからね。修司様はそんな能力者達を保護するためにも聖龍隊を設立されたんですよ」

「! そ、そうだったんですか……」

「コラッ、ウッズ! 部外者に余計な事は言わんでもええ!!」

 アッコに聖龍隊設立の真意を伝えたウッズを叱る修司。

 しかしアッコは、ウッズが話した修司の考えに深く共感していた。

(そ、そうか……修司が前に学校で、英雄や能力者を悪く言われて怒ったのには、こんな理由が有ったんだ……)

 彼女は以前、修司が学校で聖龍隊のみんなが悪く言われた際、物凄い剣幕で怒鳴り散らした本当の理由が分かった。

 修司が心の底から本当に、英雄を始め、特殊能力者を護りたいと言う強い意志を持っている事に気付いたのだ。

 

「……どちらにしろ、アッコを聖龍隊に入れる事と保護する事は別だ。聖龍隊加盟は保護の対象だけでなく英雄として戦う事にも繋がる。本人が戦いたくないと言ってしまえば、無理やり戦わせるのは癪だからな」

 修司のこの発言に、うさぎは申した。

「あっ、それじゃあ修司くん。私が戦いたくな~いって言ったら戦わなくて良いの? ねえねえ」

 このうさぎの発言に、修司も変身怪獣も呆れ顔で告げた。

「……うさぎ、お前一応は美少女戦士なんだよな」

「お前戦士なのにそんな事言っていいのか。一応は美少女せ・ん・し! 何だぞ!!」

 怒鳴り散らす修司を見てうさぎは。

「へへへ☆やっぱダメ?」

 あざとい顔付きで台詞を吐いた。

「テメエ! カワイイ顔したら何でも許されると思ったら大間違いだぞ!!」

 怒り散らす修司を見て、思わず聖龍隊の面々が動揺し始める。

「し、修司くん……」

「うさぎには言っておくからさ、お願いだから怒らないで……」

「お願いだからうさぎさん、修司さんを怒らせないでくれよ~」

「も、もう僕達トラウマもんなんですからねぇ」

 うさぎの発言に怒る修司を宥める涙目の美奈子にレイ、そして星夜にソウシたち聖龍隊の面々。

 それを見て泣いてまで修司に説得する聖龍隊の面々を見てアッコは驚いていた。

 

「……で、でも一つだけ。じ、実は……」

 

 だが此処でアッコは重い口調で語り始めた。

 

 

 

 

[姿現す女王様]

 

「じ、実は私、もしかしたら、もう変身する事ができないかもしれないの」

『え……え、えええええぇぇぇ!!!』

 アッコの発言に、その場の皆が揃って驚愕する。

 そんなアッコに修司が訊ねた。

「あ、アッコ、それはいったいどういう事だ?」

「そ、それが……実は最初にコンパクトを女王様に渡された時、女王様にある約束を交わされたのよ」

「あ、ある約束って……」

 レイが訊ねると、アッコは暗い表情で口を開いた。

「……もし、この魔法のコンパクトの存在を、私の秘密が他の誰かに知られてしまったら、魔法のコンパクトは使えなくなってしまうって」

『!』

 事実を聞かされ驚く面々。其処に修司がアッコに訊ねる。

「……そ、それじゃあ、もうお前には変身能力は無いのか?」

 それに対しアッコは唇を震わせながら、更に衝撃の事実を告げた。

「そ、それだけじゃないの。わ、私が……私自身が鏡に映らなくなっちゃうかもしれないの……」

『な、なに!?』

 それを聞いた一同は驚き、思わず席から立ち上がってしまう。

「あ、アッコ。鏡に映らなくなるって……」

 修司が不安そうに訊ねるとアッコは思いつめた表情で語った。

「……うん。に、二度と鏡に映らなくなるって、そういう約束だったの……わ、私の大好きな鏡に、私自身が映らなくなるって……」

 震えた声で語りながら、アッコは次第に恐怖で泣きだしてしまう。

『………………』「……そ、そんな。な、何とかできないのか?」

 修司が訊き返すと、アッコは泣きながら訴えた。

「わ、私にもどうなるか分からないのよ! あ、あの日から女王様から話は何もないし私自身がこの先どうなっちゃうのか分からないのよ!!」

 アッコは泣きながら、悲痛に満ちた表情で思わず叫んでしまう。

『………………』「……あ、アッコ……」

 皆や修司がアッコを心配する中、テーブルの上に置かれてたアッコのセイント・コンパクトが突然光り出した。

「うわっ、な、なに?」「と、突然光が……」

 突然の光にハニーや亜美たちが一驚する中、輝くコンパクトの中央の青い石から光の筋が放出され、その光に一人の女性が投影された。

「ん? だ、誰だ、この人?」

 護達みんなが不思議がる中、アッコが発した。

「あっ、じょ、女王様……!」

「な、なに?」

「そ、それじゃアッコ、お前の言った鏡の国の女王様ってのは……」

 変身怪獣や修司やアッコたちの目の前に姿を現したのは、アッコにコンパクトを授けた張本人、鏡の国の女王だった。

「アッコちゃん、待たせてしまってゴメンなさい。そして初めまして、聖龍隊の皆様」

『ど、どうも、初めまして……』

 礼儀正しく挨拶をし、更に神秘的な神々しさを醸し出している女王に対し、その場の皆は一同に礼を交わした。

 

 突然目の前に現れた女王に、修司が話しかける。

「な、なぁ、女王様……」

「なぁに、修司くん」

「あ、アッコのコンパクトの秘密が誰かに知られてしまったら、コンパクトが使えなくなるだけでなく、アッコの姿が一生鏡に映らなくなるって、ほ、本当か?」

 修司の問いかけに、女王は答えた。

「……はい、本当です。彼女に、アッコちゃんに最初コンパクトを渡した時から彼女と交わした約束なのです。なので本当なら彼女はもう変身もできなくなりますし、鏡にも自分の姿は映らなくなるのが当然なのです」

「!」「! そ、そんな……」『!!』

 女王の返事に修司もアッコも、その場の全員が驚愕した。

 皆が驚く中、修司が女王に申した。

「な、なぁ女王様。コンパクトが使えなくなるのは仕方が無い事とは言え、アッコ本人が鏡に映らなくなるのはちょっとやり過ぎじゃないか」

 すると女王は答える。

「しかし約束は約束です。彼女が最初のコンパクトを受け取った時にも、ちゃんと約束は守りますと自分から名乗り出ました。そして2つ目のコンパクトであるセイント・コンパクトを受け取る際にも、自分が調子に乗って変身をしすぎてしまったから、あなた達聖龍隊に迷惑を掛けてしまった事も自覚していました。そんな中、彼女はあなた達を救い出せた後はどんな罰でも受けると自分から言っているのです。ですから其れなりの罰を受けてもらうのは当然です」

 平然と語る女王の話にただ黙って聞くしかできない一同。其処に拍車を掛けるかの如く女王は告げた。

「……彼女は内心、自分が多くの悪者に追われてしまったのも、そして悪者達に対して聖龍使いが暴走してしまったのも、全ては自分が惹き起こしてしまった結果だと認識しています。これ以上彼女にコンパクトを使わせるのは、それこそ危険です」

 この発言に、修司が興奮した。

「な、何言っていやがる! あ、あの河原での暴走は俺が勝手に起こしたモンなんだぞ!! アッコに……アッコには全く関係無えんだよ!!」

「し、修司様」「お、落ち付けよ修司」

 興奮する修司をウッズと変身怪獣は何とか抑え込む。

「……し、修司」

 自分の為に感情的になってしまう修司を見て、アッコは内心怯むと同時に少し嬉しさがこみ上げて来た。

 修司は続けて発言する。

「あ、アッコは多少お節介が過ぎるだけで他人が困っているところを無視できない女なんだよ! だから時折無意味にヒーローに変身しちまったり、変なものに変身して余計その場を困惑させちまう事があるけど誰よりも思いやりのある女でもあるんだよ!! そして誰よりも鏡を愛し、同時に周りの人間すべてを愛する事のできる女でもあるんだよ!! そ、そんなアッコから大好きな鏡を奪うんじゃねえよ!!」

 大声で叫ぶ修司の目には少しばかり涙が浮かびあがっていた。

「し、修司……」『………………』

 そんな修司を見てアッコもその場の皆も感極まる。

「……ふふ、修司くん。それが貴方の素直な気持ちなのですね」

「……え?」

 突然笑顔で語り始める女王に修司は唖然とした。

 

 

 

 

[鏡の国の真実]

 

 突然笑顔で語り始める鏡の国の女王に、修司もアッコも、そして他の面々も耳を傾けた。

「修司君、そしてアッコちゃん。ごめんなさい、少し意地悪な発言を口にしてしまって。ただ私は修司君の素直な気持ちを確かめたくて河原での惨状までも言ってしまったのです。あの時苦しんでいたのは修司君も同じだったのに、ゴメンなさいね」

 笑顔で話す女王に対し修司は告げた。

「そ、それじゃあ女王、様……アッコは、アッコの姿はちゃんと鏡に映るのか、いや、映るんですか」

 すると女王は笑顔で訊き返す。

「……修司君、もしアッコちゃんの姿が鏡に映らなくなったら、貴方はどう思いますか? 正直な気持ちで申してください」

 そして修司はこう答える。

「お、俺は……俺はそんなのはゴメンだ! 確かにアッコは調子に乗り過ぎて色んな英雄に変身してしまった事で多くの敵に狙われてしまったのは事実だ。だが、アッコの力が、存在が有ったからこそ俺たちは救われたし葉月聖羅だって無事だったんだ! もし、もしアッコがこの先鏡に映らなくなるって言うなら……」

「映らなくなるなら?」

 女王の問い掛けに対し、修司は突然床に胡坐(あぐら)を掻いて座り込み、腹を出すと同時に聖龍剣を構えて言い放つ。

「もしアッコが鏡に映らなくなるって言うなら、俺はアッコに詫びを入れる為にも切腹を致す!」

「な、何やっているんだ!」「ば、バカな真似は止めろ!」

 出した腹に聖龍剣を向ける修司を衛と青児が制止する。

「と、と言うよりも切腹って……」「お、お前は何時代の人間だ!?」

「放せ、放したまえ! 武士の名折れだぁ!」

 制止する衛と青児に修司は反抗しながら更に続けて言った。

「あ、アッコは仲間を、俺達を助けてくれたんだぞ! そ、それなのに罰を受けるなんて俺は……俺は認めたくは無えんだよ!!」

 三人で揉み合っている最中、女性陣が鏡の国の女王様に言い寄った。

「ね、ねえ女王様。ホントにアッコちゃんの姿が鏡に映らなくなっちゃうんですか?」

「わ、私たちアッコちゃんに助けられたんです。何とかできないんですか?」

「じょ、女王様! 私は本当なら死んでいる存在です。それをアッコちゃんが必死で救ってくれたんです。お願いです、彼女が鏡に映らなくなるなんて事しないで下さい」

「私たちからもお願いします」「お願い女王様」

 

 レイや亜美そして聖羅やりりかやさくら達が必死で女王様にアッコへの罰を無くして欲しいと嘆願する。

「み、みんな……」

 必死で女王様に嘆願する皆を見て、アッコは感極まり涙を目に浮かべる。

 と、その時。うさぎと美奈子が突拍子な発言をし口にする。

「あっ、そうだ! 私たち聖龍隊では、秘密を共有し合うのが決まり何です。女王様、私たちの秘密も教えますからアッコちゃんへの罰を無くしてください」

「うさぎ、ナイスアイデア! そうよ女王様、私達にだって秘密はあるんです。何なら私たちの秘密も女王様に教えますから、アッコちゃんへの罰も無しにしてくださいよ!」

 しかしこの二人の発言に、女王は誰もが予想もしていなかった言葉を発した。

「……別に、あなた方の秘密なら教えてもらわなくても大丈夫ですよ。……と、云うより、あなた達の秘密というか真実も、私は既に知っていますからね」

『!!』

 女王の発言に、その場の全員が驚愕した。

「ちょ、ちょっと女王様、それって……」「ひ、秘密を知っているって……」

 驚くイサミやまこと達に対し、女王は微笑んで答える。

「ふふっ、私が居る鏡の国はあなた達の世界の鏡と直接繋がっているんですよ。なので此方からあなた達の行動は全て丸見えなのです」

「な、何だって!?」「ま、マジかよ?」

 一驚する星夜やトシ達に、女王は続けて話す。

「例えば……加納望さん。貴方はこの星の人間ではなくクイーン・アースという、もう一つの地球から来た人間でしたよね。確かクイーン・アースには森谷りりかちゃんそっくりのヘレナ王女という婚約者(フィアンセ)がいらっしゃるんですよね」

「! そ、そうです……だ、だけど何故それを貴女が……」

 驚く加納に女王は告げた。

「知っているも何も、私たちの世界からもクイーン・アースの様子は鏡を通して見られるのです」

「な、何だって!」

 一驚する加納望に、女王は更に話し続ける。

「そしてセーラー戦士の皆さんも……うさぎさん、レイさん、亜美さん、そしてまことさんはルナちゃんという猫からセーラー戦士になる力を与えられ、あなた達よりも先にアルテミスという猫ちゃんから変身能力を授かったのが美奈子さんでしたよね」

「! そ、そうです!」「ま、まさか、それも鏡を通して……」

 女王の告発に驚く美奈子にまこと達セーラー戦士たち。

 そんな驚く聖龍隊を前に、女王は淡々と話し続ける。

「そして如月ハニーさん、葉月聖羅さん。最初は事実を知って辛い思いをした事でしょうが、あなた達姉妹の事も私は知っていました」

「「!」」

 一驚するハニーに聖羅たちに驚愕の事実を次々と語る女王に対し、修司も驚き、さっきまで抜き出していた聖龍剣を鞘に納め女王の話に耳を傾けた。

 更に女王は不思議そうに変身怪獣へと問い掛ける。

「それから変身怪獣君。私は貴方の名前って素晴らしいと思うのですが、何故隠したがるんですか?」

「へ? じょ、女王様? ま、まさか……」

「ええ。私は貴方の本名もすでに知っていますよ。確かバ……」

「ワーワーワワー! それ以上はストップ!」

 思わず騒ぎ立て女王の発言を制止する変身怪獣。

「あれ? そんなに嫌なのですか? 結構素敵な名前なのに」

 騒ぐ変身怪獣に目をやる面々に対し、更に女王は修司にも話し掛ける。

「そうそう。私は修司君、貴方の事もちゃんと知っていますよ」

「え? お、俺の事って……(ま、まさか……!)」

「……ええ。貴方がアニメタウンに来る前は何処の町、いえ、何処の世界から来たのか……」

「ワアアアアアアアァァァ!!」

 慌てた修司は思わずコンパクトから投影された女王を両手で挟み潰すのだが。

「イッテー……」

 女王はホログラムだったので、逆に修司の手のひらが赤く痛くなった。

「バカかお前」「あ~あ……」

 変身怪獣にウッズ達その場の全員が呆れかる。

「……修司君、今あなた本気で私を潰す積りで思いっきり手のひらで叩き込もうとしましたね」

 女王は少し不満そうながらも呆れた様子で告げた。

 其処に修司が真赤な手に息を掛けながらも、アッコをどうするのか聞き直した。

「フー、フー……そ、それで女王。アッコは、加賀美あつこへの罰はどうなるんだ?」

 修司の質問に、その場の皆が女王に視線を向ける。

 すると女王は皆に告げた。

「……そうですね。本来なら最初の約束通りコンパクトの使用を不可させ、更にアッコちゃんに鏡に映らなくなる刑罰を与えるのが妥当なのですが……」

「……ゴクッ」『……』「……」

 修司や聖龍隊そしてアッコ達が沈黙する中、女王が告げた台詞は。

「……アッコちゃん、貴女がこの先、そのセイント・コンパクトをどう使い運命を切り開いていくのか、それですべてが決まります」

「え……わ、私が……」

 女王からの台詞に、アッコは戸惑いを隠せない。

 

 

 

 

[これからの使命]

 

 突然の女王の発言に、アッコは驚くばかり。

「じょ、女王様……コンパクトをどう使うかで全てが決まるって、い、いったい……」

 アッコの疑問に女王は答える。

「……アッコちゃん、貴女にそのセイント・コンパクトを渡した時に申した筈です。今までの平凡な日常を送れることなく、今まで以上に危険な想いをするのを運命づけていると告げた筈です。貴女がこの先、そのコンパクトをどう使い、そして周りの人たちに対して何をしてあげられるのか。貴女はそれを自分で見つけ出し、それを実行していくのが貴女への罰です。その為にも、これから先も聖龍隊の皆さまの力になってあげなさい」

「じょ、女王様……!」

 笑顔で話す女王に対し、アッコの表情も自然と笑顔を浮かべる。

「そ、それじゃあ……」「あ、アッコちゃんはこれからも」

「か、鏡にちゃんと姿が映るんだ!」「やったぞ!」

 レイにハニー、そして小狼やトシ達が女王の話に安堵の顔色を浮かべる。

「よ、良かった。アッコさん本当に良かったね!」

「あ、ありがとうさくらちゃん……」

 さくらからの祝福に、アッコも嬉しく思う。

「ヤッタぜ! これで結果オーーライだな修司♪」

「あ、ああ……」

 上機嫌になる変身怪獣やみんなに対し、修司は少し険しい面持ちで女王に囁く様にして密談する。

「な、なぁ女王様。それじゃアッコを聖龍隊に入れなきゃ罰は無効にならない訳なの?」

「あら、物分かりが良いですね。さすがウォール・トゥーサムに認められただけは有る様ですね」

 笑顔で返答した女王の発言に、修司は驚愕した。

「!! そ、それじゃ、やっぱり女王……アンタは俺が三次元から来た事を…!」

 驚きながら発言する修司に対して女王はこう宣言した。

「……修司君、貴方も薄々気付いていると思うけど、簡単に二次元人の、人の運命を変える事は難しいのです。でも私も貴方を、そしてアッコちゃんの心を信じています。これからは互いに協力し合って、可能な限りの二次元人を救えるだけ救って行って下さいね」

「じょ、女王様……」

 唖然とする修司に、女王は笑顔でこう囁いた。

「そして修司君、貴方もアッコちゃん同様、鏡を、そして自分を愛せる人に成長してくれる事を祈っていますわよ」

 そう修司に伝えると、女王の姿は消えていった。

「……鏡の国の女王……」

 

 

 

 そして一方の鏡の国の王宮では。

「……ふぅ~、これで私からできる事は終わりましたね。しかし彼らがこの先、どのような行動を取るのか、随時目を光らせなければ……」

 女王が思い更けているその時、背後にいる人物が女王に話し掛ける。

「……しかし、あの男が正真正銘、二次元界を創造した二人に認められ、この世界に来た事は事実ですからね」

「ええ。彼の想いは私も凄く共感できるのですが、運命を変える事で更にその先の未来にも少なからず影響が出てしまいますし……正直不安で胸がいっぱいです」

「まぁ、向こう側の世界では俺が可能な限り監視しているから……それに、あの三次元人、中々の使い手みたいですし」

「コラッ、貴方はそうやってスグ武力で物事を解決しようとするんだから……母は悲しいです」

「はは、これはどうもすいませんね母上。しかし本当にあの小田原修司が二次元界を変えれる実力が有るのか確かめる必要も有りますし、機会を見計らって……」

「ま、まぁそれは貴方に任せますわ……」

「はい、お任せ下さい」

 

 果たして女王と会話している謎の人物は誰なのだろうか。

 そして聖龍隊に加わる事になった加賀美あつこは。そして修司はこの先どう進展するのだろうか。

 

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