【聖龍伝説】始まる伝説   作:セイントドラゴン・レジェンド

6 / 42
今回は前回の続きで、修司がアッコ・モコと3人で火川神社に行くところから話は始まります。



アニメタウンの英雄達 ~火川神社に眠りし伝説~

[火川神社で合格祈願と龍玉探し?!]

 

学校が終わり、先日のアッコとの約束通りモコと3人で火川神社に期末テストの合格祈願をしにいくのであった。

修司はテストの事なんてどうでもいいと思っていたが火川神社には聖龍伝説につての情報が有ると聞いていたので昨晩から落ち着けず、余り寝ていなかった。

 

「フ、フアアァァァ……」

「もう、な~にデッカイあくびなんか。授業中もそんな感じだったし」

「そうよ、いくら昨日は森で迷って疲れているからって少しはシャキッとしなさいよ」

「無理言うなよ…昨晩から筋肉痛であまり眠れてねえんだよ…」

「何それ、オッサンじゃあるまいし」

 修司・アッコ・モコの三人がおしゃべりしながら火川神社に足を運んでいるとき、アッコが気が付いた。

「ところで修司、あなたいつからそんなブレスレット見に付けている訳?」

「ブ、ブレスレット?」

 アッコが指さしたのは修司の右手首に身に着いている樹木龍の龍玉が付いた数珠だった。

「これはな数珠って言うんだよ」

「あっ、数珠か……何だか見た事ない石が付いているわね」

「こっ、これはその…そ、そう! パワーストーンなんだよ!」

「パ、パワーストーン!? あの身に付けているだけで幸運になれる石の事? 修司ってそうゆうの信じているの?」

「い…いやな。市長になった時支援してくれている著名な人から貰った物でな。家に置きっぱなしでホコリ被らせる訳にもいかないだろ」

「ふ~ん、それにしてもキレイな緑色ね、正しく神秘的って感じがするわ」

「正確にはエメラルドグリーンっていうんだよ」

「ねぇ、それって身に付けている人だけでなく周りに居る人にも幸運がやってくるのかな?」

「多分そうじゃね? 市長である俺が不幸だと街だって活気が無くなるだろうしなぁ」

「もう、自分で言っちゃうわけ~」

 修司とアッコが仲良さそうに話しているのを、横でモコが寂しそうに見つめているのに二人は気付かなかった。

(あ~あ、修司が来る前は私がアッコと楽しく喋っていたのに……アッコは最近は修司とばかり……)

 モコは幼馴染のアッコを修司に取られたみたいな複雑な心境であった。

 

 

 

[苦悩する火星美少女戦士]

一方、三人が向かっている火川神社の境内では

 

(ああ、あの市長さん大丈夫なのかしら。あの出血だけでも致命傷なのに、あの高さの崖から落ちたら生身の人間なんてひとたまりも……む、無理にでもあの場から連れ出していれば助けられたかもしれないのに…)

 セーラーマ―ズこと火野レイが、以前乱戦の末に崖下に落下した修司の事を思って落ち込みながら境内を掃き掃除していた。

「コラッーー!! レイ、さっきから何度同じ場所ばかり掃いておる!」

「ご、ゴメンなさいお爺ちゃん。少し、考え事してて……」

 そんなレイを叱りつけたのはレイの祖父で、この火川神社の宮司。

「レイ、何か迷い事…いや悩み事か? 今の主からはまるで後悔と懺悔の気でいっぱいじゃぞ」

「……!」

 レイの家系は代々、宮司や巫女の血筋でレイ自身も霊感が備わっているため、祖父にもそういった第六感みたいなものがあるのかもしれない指摘を差した。

「雑念や迷い事ばかりでは全ての物事において良い結果など出せんぞい。何よりお前がそんな状態ではうさぎちゃんや亜美ちゃんに余計な気遣いをさせてしまうぞい…」

「………………」

「ワシで良ければ少しは耳を貸してやるぞ……」

 この祖父の実直な想いを前に、レイは修司やセーラー戦士の事実を伏せながら祖父に涙目で己の苦悩を打ち明けた。

「お、お爺ちゃん! 私、目の前で助けられた人がいたのに自分が不甲斐ないばっかりに……その人を助けられなかったの……」

「……なるほどなぁ。助けられた可能性が有ったのにその者を救えなかったという訳かぁ……」

「……はい」

 素直に己の苦悩を打ち明けるレイに、祖父は答える。

「しかしレイよ、今それを考えてどうする? 今深く悩んでいれば過去に救えなかった者は今助かるのか?」

「……!」

「レイよ。人はな、どんなに高名であろうと、どんなに優れた才を持っていようと所詮は人なのじゃ……その力には限りが有る。ゆえにその人生の眼前に避けられぬ運命もあるじゃろう。しかし、だからと言って人は悩んだり後悔したりして立ち止まってはいけないのじゃ。逆にその後悔と自責の念を己の生きる力に変え、がむしゃらでも良い。ただただ前に向かって歩き続けなければ生きては行けぬのじゃ。悩む事もまた人生、しかし歩き続けなければいけないのもまた人生なのじゃ。レイ、後悔してはならんとは言わん。しかし下ばかり向いていてはいけない、前をしっかり見て歩き続けるのじゃ。お前は芯の強い女子じゃ、簡単には参る訳なかろう。そうじゃろう」

「……は、はい! お爺ちゃん、余計な心配かけてすいません!」

「ホッホッホッ。解ってくれればそれでよい。それよりも早く掃除を済ませるのじゃ、ワシは茶菓子の用意をして待っておるぞ」

「ハイッ!」

 

 レイは祖父である宮司の激励に少しばかり元気が出た。

 

 

 

 

 

[再会]

 宮司がレイに助言を話し終えた直後、火川神社に修司たち三人が着いた。

「へえ~ここが火川神社か……(火っていうからにゃ火炎の龍玉が有りそうな感じだな……)」

「そうよ、ここは色んな祈願だけでなく厄払いや除霊も手広くやってくれることで有名なんだから」

「そんなことより、さっさと祈願済ませて帰りましょう」

 修司達が境内を進むと、ちょうど掃除を終えた火野レイと遭遇した。

「しっ……市長さん!?」

「ほほぉ、俺の顔もここまで知れ渡っているとは……俺様もかなり出世できたもんだぜ」

「もうっ、自画自賛してないの! それより巫女のお姉さん、私たちテストの合格祈願をしに来たんだけど……」

「あっ……はいはい、では此方へ」

 レイは動揺を完全に隠し切れていなかった。あの大量の出血で、しかも崖から落ちたのに修司の体はピンピンしている現状が俄かには信じられなかったからだ。

「………………」

「し、市長さん。私の顔に何か付いています……?」

「いやな、アンタの顔どっかで見たこと有るんだよ」

「ギ、ギクッ……い、いやですねえ。私と市長さんが会ったのは今日が初めてですよ~……」

 レイは上手く話をたぶらかした。修司とレイが初めて顔を会わしたのが、レイがセーラーマーズに変身しているときだったからだ。

 

 

 三人は巫女のレイの案内通りに合格祈願を済ませてそのまま帰ろうとした。

(フフッ、もうこの神社の見取り図は頭に入れた。後は人気の無くなった夜遅くにまだ出向いてゆっくり捜索するとしますか…)

 しかしこの時、修司は深夜に火川神社の境内に忍び込む計画を密かに建てていた。

「さ~てとっ、家に帰ってテストの予習でもするかなぁ」

 修司は適当な事を言って二人と別れようとしたら、アッコが思いもよらない提案をする。

「それじゃあ、修司の家で3人で一緒に予習しない? 3人でやれば勉強の効率だって上がる訳だし」

「ハ、ハァ!?(オイオイ、帰って火川神社を捜索するための装備の準備しようと思っていたんだぞ……)」

 修司が内心、動揺してるとモコまでもアッコの提案に賛同する。

「さんせ~いっ。修司の家って無駄に広いし、ウッズさんの料理もご馳走してもらえるし」

「無駄に広いは余計だ。それにモコ、何だかウッズの手料理が目当てじゃないか」

「は、腹が減っては戦は出来ぬ。お腹が空いたら予習だって進まないじゃないっ」

「ハイハイ、それでは修司の家で合同予習会を決行いたしま~す」

「勝手に話を勧めるな~~!!」

 

 アッコの提案に、その提案に便乗するモコの二人の勢いに押され、修司は渋々受け入れるのだった

 

 

 

[:火炎の龍玉]

 

 その日、夜の10時を過ぎた頃。修司は両手に軍手をはめて頭にはライト付きヘルメット。更にはシャベルに火川神社の今までの処遇と過去の記述が詳細に書き記された書類、更には聖龍伝説についての古文書も所持して1人で火川神社にやって来ていた。

「やれやれ、結局アッコ達とは6時過ぎまで予習やっていたから準備するのにも遅れちまったわけだが……まぁ、ちょうど人気の無くなった時間帯で良かったわい」

 

 修司はまず、この火川神社についての処遇と過去の記述がまとめられた書類に目を通した。これは修司が学校に行っている間、ウッズを初め修司が信頼している者たちに調べさせ上げた書類だ。

「ふむふむ、なるほどなぁ。火川神社は昔より火を使った儀式、主に九字をきり護摩を焚く神仏別離を免れた社なんだなぁ」

 記述には、その火川神社の裏手の雑木林の奥に今では使われてはいない古い社があるそうであった。

「今は使われず、整備も滅多にされていない社……臭う!」

 修司は神社の裏側から雑木林の中を進んでいくと、ポツーンと小さな古い社があった。

「……コレか!」

 

 修司は社の中に入ってみると、社の中にはご神体も無ければ何も無くクモの巣だらけであった。

 広さは1,5畳ぐらいで屋根までの高さは大人がやっと入れるほどの高さであった。

 

「さて……龍玉の手掛かりは……、っ! 最初の樹木龍の龍玉は古びた祠の真下にあった訳だから……!」

 修司は何の迷いも無く、社の床をシャベルで叩き壊した。そして、そのまま床下の地面を掘り始めた。

「俺のカンが正しければ…! このまま掘っていけば…!」

 修司が掘り続けていくといきなりカチンッとシャベルに何かが当たった反応が。

 修司は急いで素手で掘り返すと真っ赤な光沢を放つ玉が出てきた。

「こ、これが2個目の…」

 その時、修司の右手首に身に付けられていた樹木龍の龍玉と赤い玉がまるで共鳴しているかのごとく同時に光り輝いた。

「ウ、ウワッ!」

 驚く修司の脳内に、声が響いた。

「我の眠りを覚ます者、我ら聖龍の一族に認められし者……」

「ア、アンタは灼熱の、紅蓮の炎の如く赤く光っているから……炎を司る火炎龍なんだな!?」

「いかにも、我は灼熱の炎、この星の大地を循環する炎の守護龍・火炎龍であるぞよ」

「か、火炎龍! オ、俺の話を…」

「云わずとも良い」

「………………?!」

「我ら司る力は違えぞ、同じこの星の自然の守護者・自然の力そのものだ。すでに主の目的・真意は樹木龍の意思から伝えられておる」

「な、なら話が早いっ。頼む火炎龍、俺に自然を、みんなを、そして愛してやまない二次元人達を護る力を貸してくれ!!!」

「承知した、我もそなたの行く末に少なからず興味がある…」

「……」

「炎は全てを焼きつくし全てを無にする力。しかし、例え森が焼け焦げても残った灰や炭が大地の肥やしとなりまた新たなる生命《いのち》とならん。しかし、古来より使い方を間違えばその文明や使う人間そのものを滅ぼしてしまう危険極まりない力でもある。主はその事を肝に命じてしかと行動して見せよ…」

 火炎龍はそう言い残すと樹木龍の龍玉と同じ大きさの玉になって修司の右手の数珠玉の1つとなった。

「ありがとうよ火炎龍、そしてこれから宜しくな」

 

 修司は笑顔で火炎龍の龍玉に声をかけた。

 

 

 

[謎の声]

 

「ふぅ~、これで2体目。あと5体の聖龍の龍玉があれば、俺はこの街を2次元人を護れる可能性がある聖龍使いになれるわけだな…」

 そうして修司が社を出て行こうとした時、林の上方から声が聞こえた…。

「クックック…人間にしちゃ途方も無い野心を秘めていやがるな…」

「! だ、誰だっ! 何処に居る?!」

「お前は口ではキレイ事ぬかしてはいるが、俺にはお前の本心が多少は解るぜ…」

「!?」

「お前は誰かを救ったり誰かを護ったりしたいんじゃない。ただ単に己の自己満足を満たすためだ、違うか?」

「!!!!!!!!」

 

 

 

 

果たして声の主の正体は

 

そして声の主が言う修司の自己満足とは

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。