エンデヴァー逆行物   作:デッテユー

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三話

「お父さん!今日も個性の訓練付き合ってよ!」

 

俺が外に出ようとするのに気が付いた燈矢がそう言いながらこちらに走りこんでくる。

その姿は俺の過去の記憶の通りの姿で、俺と同じ赤髪に、その一部分が白く染まっている。

 

「ねー!はやくー!!」

 

俺を見つめて手足をバタバタと動かしながらそうせがむ燈矢。

それを見て俺は。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日は母さんとガーデニングをすると約束しているから無理だ」

 

 

 

 

「ちくしょうまたかよ!!」

 

 

俺の言葉を聞いて床に両手と両膝を突きながらそう叫ぶ燈矢。

昨日からそう言っているだろうに。

 

「なんだよガーデニングって!お父さんはNo.2ヒーローでしょ!?なのにガーデニングって!?」

 

「No.2ヒーローの前に俺は冷の夫だ。彼女との時間は大事にせねばならん。それにガーデニングをバカにするな、これでもその道でもプロだと言われているんだ」

 

「知ってるよ!お母さんと二人して日曜の八時半から趣味の園芸のテレビに出てるじゃん!!」

 

俺の言葉に燈矢が叫びながらそう返す。

そう、冷と共に庭造りをしていることを聞きつけたテレビメディアから取材があり、やがてそう言った番組に招待されるようになった。

 

以前までの俺なら一蹴していただろうが、俺のイメージの低下はそのまま家族へと影響される。

テレビ番組に出ることでイメージが上がるなら喜んで出るさ。

 

「もう燈矢、わがまま言わないの。さ、燈矢も一緒にやりましょ」

 

膝をつく燈矢の横に軍手に帽子、ガーデンエプロンを身に着けた冷が現れる。

ちなみに俺も同じ装備をしている。

 

それを見て燈矢は諦めたようにため息を吐く。

 

「やるって雑草抜くだけでしょ?じゃあ俺もやるから終わったら訓練してよ!!」

 

「ああ、約束する」

 

「よし!お母さん軍手!!」

 

俺が頷いたのを見た燈矢は冷から軍手をひったくって外へと飛び出る。

それを見た冷が苦笑いを浮かべて口を開く。

 

「もう、帽子もつけずにあの子は」

 

「まぁ俺と同じ個性だ、暑さには強いし大丈夫だろう。夏雄はどうだ?」

 

「気持ちよさそうに寝ているわ、冬美が見てくれているから大丈夫よ」

 

「そうか」

 

それを聞いて外に飛び出た燈矢に俺達も続く。

その時にふと冷の表情が目に入る。

 

飛び出た燈矢に呆れながらもその表情は嬉しそうに見えた。

 

それを見て内心で胸をなでおろす。

変わらずこの身に宿る罪悪感。

 

彼女の笑顔を見る度に思う、俺は彼女を幸せにできているかと。

ちゃんと償いができているのかと。

 

燈矢、それに冬美、夏雄も無事生まれてくれた。

 

冷が俺の子を身に宿したと知った時、嬉しさと同時にどうしようもない程の不安があった。

 

今まで未来の知識を使って様々な事件を解決してきた。

未来の知識通りの事件が起こったこともあれば、そうでないこともあった。

 

そう、未来とは本来そういうものだ。

些細なことで未来は分岐する、過去の俺と今の俺で行動が違うのだから当然俺の知る出来事とは少しずつ乖離していっている。

 

そしてそれは、事件だけではない。

 

・・・・冷のお腹に宿っている命は、本当に燈矢なのか?

 

もし、違っていたなら。

そう考えるだけでどうしようもない程不安になった。

 

もし違っていたとしても、新たに生まれた命に罪はない。

 

だが、それでは・・・・燈矢と二度と会えなくなってしまう。

そう考えるだけで心臓が潰されそうな罪悪感に襲われる。

 

彼女のお腹が大きくなるにつれて、その不安は大きくなっていった。

 

エコーで性別が男だとわかった時は思わず安堵で長い息を吐いた。

だが、すぐに不安も復活し、日々その不安に苛まれ続けた。

 

そして出産当日。

 

電話を受けた瞬間、部下に仕事を任せて病院に駆け込んだ。

妊娠の痛みに苦しむ彼女を励まし、ずっと寄り添い続けた。

 

そして生まれた赤ちゃんを見て。

 

『――――あ、あぁ、とう、や、うぅ、うあぁぁっ』

 

元気に泣く赤ちゃんを見て膝から崩れ落ちる。

口からは嗚咽が漏れ、目から大粒の涙が漏れた。

 

 

燈矢だ、間違いない、見間違えるわけがない。

 

冷に抱かれる息子の姿を見た瞬間にわかった。

よかった、本当によかった。もう二度と会えないんじゃないかと毎日不安だった。

 

それでも、こうして会えた。

それがどうしようなく嬉しい。

 

『ありがとうっ!、ありがとう冷。燈矢を生んでくれて、本当に!』

 

『あなた、抱いてあげてください。それに礼を言うのは私もです。この子を産ませてもらいありがとう。私達の元に生まれてきてくれてありがとう、燈矢』

 

『ああ、ああっ!そうだ、その通りだ!燈矢っ!生まれてきてくれてありがとうっ!もう一度俺に会ってくれて、本当にありがとうっ』

 

渡された燈矢を抱きながら涙と共に礼を言い続ける。

 

誓う、もう二度とお前を見放したりしない。

絶対にお前を荼毘にはしない。

 

俺を許さなくていい、ただ罪を償わさせてくれ。

 

「よし雑草抜いた!早速訓練を」

 

「根っこまでちゃんと抜くんだ、それではまた生えてくるぞ」

 

「ぐぐっ!早くしたいのにぃ!」

 

抜いた雑草を放り投げてバタバタと暴れる燈矢を窘める。

そもそも訓練とはどんな状況でもすることは出来るんだ。

 

「植物は熱に弱い、抜きにくい雑草は指に熱を乗せて引くといい。火力の調整になるし、これも訓練だ」

 

「調整よりもっと火力の上げ方教えてよ。俺はお父さんより火力があるんでしょ!?」

 

「そうだがただ火力が高いだけでは誰も救えん。ヒーローになるなら色々な知識を身に着けるんだ」

 

俺は燈矢の身体に取り付けられたサポートアイテムに目を向ける。

オールマイトの紹介であったメカニックに頼んで作ってもらったアイテム。

 

付けた者の熱耐性を上昇させるサポートアイテムだ。

 

これによって燈矢はもう自身の個性で身を焼くことはなくなった。

 

・・・・こうして過去に戻る前も、そんな装備を作れないか頼んではいたんだ。

 

・・・・しかし未来では作ることが出来なかった。

 

まず、俺たちの熱に耐えられるサポートアイテム自体が限られる。

 

アイテムその物の熱耐性をつくり、そこからさらに能力のサポートをする。

そうなると望む能力の再現は困難だった。

 

特に燈矢ほどの火力に耐え、サポートできるアイテムとなるとだ。

 

だが、俺の未来の知識による技術の先取りと、オールマイトが絶賛するほどの優秀な技術者の協力によってそれは作られた。

 

むろん時間がかかった、だが間に合った、間に合ってくれた。

燈矢の火力に耐え、その身に熱耐性の強化を与えるアイテムを。

 

息子が荼毘になった原因、それは俺が燈矢を見なかったことだ。

 

だがその理由は燈矢の個性の強さに自身の身体が耐えられなかったこと。

 

その火力の強さゆえに燈矢の身体は耐えられず日々火傷を増やしていった。

 

それはもう起こさせない。ずっとこのために備えてきた。

もう二度と燈矢を見放さないために。

 

 

・・・・しかし、結局、燈矢に訓練を行うことになったか。

 

確かに燈矢が望むなら今度こそ訓練をつけるつもりだった。

そのために熱耐性をあげるサポートアイテムも作ったんだ。

 

だが、そうならないとも思っていた。

 

以前の俺は燈矢に自身の野望を託そうとした。

オールマイトを超え、No.1になるという野望を。

 

だが、過去に戻った俺にNo.1になりたいという野望はもはやない。

だから燈矢に野望を託すこともないし、そうなれば燈矢も訓練してくれと言い出すことはないと思っていた。

 

だが、あの日突然、燈矢は俺に向かって言った。

 

『お父さん!俺、お父さんの代わりにオールマイトを超えてNo.1になるよ!!そうなったらお父さん嬉しいでしょ?』

 

そう笑顔で言う燈矢に俺はとっさに何も言えなかった。

 

・・・・なぜそんな言葉が出る。

 

俺は過去に戻ってから一度もオールマイトを超えたいなどと言ってはいない。

聞けば、どこからか過去の俺の話を聞き、俺の野望を知ったらしい。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、これも自分の過去の行いかと燈矢の望み通り訓練を始めた。

 

そして訓練をする度に俺は燈矢の才能を認識する。

荼毘の時にわかってはいたが、才能は焦凍にも負けず劣らずだな。

 

火力の上げ方はもちろん、熱の圧縮などの俺の技術をどんどん吸収していっている。

 

何より無理やり訓練させてしまっていた焦凍と違い、燈矢は本当に楽しそうに訓練をする。

モチベーションの大きさは訓練に対する質を上げる。

 

その差により燈矢の成長速度は焦凍を超えていた。

 

過去の俺がこの才能を見て、燈矢に訓練を続けさせていたらどうなっていたのだろうか。

 

・・・・いやよせ、無意味な妄想だ。

 

思考を切って雑草抜きに集中する。

 

「・・・・あっ」

 

「・・・・」

 

火力の調整に失敗した燈矢の持つ雑草が燃え上がった。

 

 

 

 

 

 

僕の家にはルールがある。

お父さんの決めたたった一つのルール。

 

 

「わぁぁぁぁん!やだぁぁぁぁ!!」

 

「また英雄ごっこで人に迷惑をかけたな」

 

お父さんが僕の服をひっぱって引きずる。

僕は必死に抵抗するけど、お父さんの力が強くてどんどん家の中から外へと引っ張られていく。

 

「弧太郎さんやめて!乱暴はやめて!」

 

「嫌ならいい加減聞き入れなさい」

 

僕が引っ張られながらお母さんに助けを求めて手を伸ばす。

それでお母さんはこちらに手を伸ばしてお父さんに抗議してくれるけど、お父さんは止まってくれない。

 

「やだぁぁ!お父さんやだあああ!!」

 

そのルールは『ヒーローの話をしてはいけない』。

 

「うぅ、ううぅ!」

 

父から外に追い出され、ペットの犬のモンちゃんに抱き着く。

モンちゃんは泣く僕を優しく舐めてくれた。

 

「僕、悪くないもん。仲間外れだったみっくんと、ともちゃんを仲間に入れてあげて、一緒にヒーローごっこをしただけだもん」

 

そうしたら、みっくんが僕のことをオールマイトだねって言ってくれたんだ。

仲間外れなのに遊んでくれて優しいからって。

 

なのに、お父さんは怒る。

ヒーローの話をするなって。

 

みんな外でヒーローの話をしてるのに、してるのが普通なのに。

お父さんはこれが俺の家の普通だっていう。

 

わからないよ、どうしてダメなのか、わからないよ!

 

「少年、転弧少年!」

 

「え?」

 

「こっちこっち!」

 

家の外から声が聞こえる。

ここからじゃ庭の壁で見えなくて、外に出て声の人を探す。

すると。

 

「――――っ!!オールマイトだぁぁぁぁぁ!!!」

 

「ハッハッハハッハッハ!!私が 志村家にお土産をもって 来た!!」

 

テレビで何度も見たヒーローが目の前にいた。

手に何か袋をもって。

 

 

 

突然のお別れになっちゃって本当にごめんね。

お母さんはこれからすごく悪いやつと戦わないといけないんだ。

 

悪い奴が弧太郎にいたずらするかもしれないからお母さんは弧太郎から離れなくちゃいけないの。

 

弧太郎はお母さんのこと嫌いになっちゃうかもしれないけど、お母さんはずっと弧太郎のことが大好きだよ。

 

弧太郎 大好き。

 

これからどうか笑って暮らせるように、お母さんはずっとお空から弧太郎のこと見守っているね。

 

「・・・・」

 

あの人から残された手紙を机の引き出しに戻す。

手紙の横には小さい頃の僕とあの人、母の映る写真がある。

 

あの人は俺を捨ててどこかへ行った。

離れたくないと泣いて止める俺を置いて、二度と姿を現さなかった。

 

・・・・ヒーローはダメだ。それ以外なら何でもいい、ヒーローだけはダメなんだ。

 

「――――誰か来たか」

 

家のインターホンの音が耳に入る。

玄関で待つ人は誰かと想像し、一人の該当者が思い浮かび眉間に皺が寄る。

 

 

なぜかうちに定期的にくる人物、俺の忌むべきヒーローの代表。

 

「・・・・」

 

玄関に向かえばすでに妻が扉を開けて対応していた。

そして扉の先に見える、明らかにデカいシルエットを見て心が曇る。

 

この人、実は暇なのか?いつまでここに来るつもりだ。

 

「・・・・またあなたですか。オールマイト」

 

「ハッハッハッハッハ!良い天気だったからついね!お、これお土産の八つ橋。さっきまで京都でヴィラン退治していてね」

 

「あ、すいません・・・・え?ついさっきまで京都に?ここ静岡ですよ?」

 

「私にかかればすぐさ!それで今日も話を「帰ってください」あちょ」

 

対応していた妻の横に移動し、彼の返事を待たず扉を閉める。

オールマイトの姿が視界から消え、そしてため息が漏れる。

 

しつこい、家に訪れるようになってもう何年目だ。

本当に定期的にくる、仮にもNo.1ヒーローなんだから一般市民の家に気軽に来ないでほしい。

 

「・・・・直、彼が来ても対応しなくていいといつも言っているだろう」

 

「オールマイトに居留守するなんて失礼で出来ないわよ。ねぇいい加減、彼の話を真面目に聞いてあげて」

 

「・・・・ヴィランが僕たちを狙っているか、一般人の俺たちだけを狙う理由などないだろうに」

 

最初に彼が現れた時にそう聞いた。

だから安全な場所に引っ越し、僕たちを守らせてほしいとのことだった。

 

僕たちを狙う理由がわからなかったし、何よりヒーローに関わりたくなかったから断った。

そしたら、こうして定期的にやってくるようになってしまった。

 

「・・・・転弧を連れて帰ってきてくれ、僕は仕事をする」

 

今までは子供たちに会わせないようにしていたが、今回転弧は外にいた、きっと彼と会ってしまっているだろう。

今後は会っても話さないよう言わないといけない。

 

直が転弧を迎えにいくために扉を開ける。

そして出ていく寸前に僕に向かって口を開いた。

 

「・・・・あの子はヒーローに憧れているわ。それを否定するなんて親として最低だと思う」

 

「・・・・ヒーローに憧れなんかしたら、家族が不幸になるだけだ」

 

 

 

「追い出されちゃったなぁ」

 

「・・・・僕も一緒」

 

家の外壁に僕とオールマイトは膝を抱えながら座り込む。

大きいオールマイトが僕と同じ体勢をしていて、なんかすごい違和感があるなと思った。

 

「どうしてオールマイトが僕の家にやってきたの?」

 

「君のご両親と話がしたくてね。君のおばあちゃんは私のヒーローのお師匠なのさ」

 

「そうなの!?え、じゃあおばあちゃんってヒーロー!?」

 

僕が聞いた疑問にオールマイトは頷いてくれる。

そっか、そうなんだ。僕の家族にヒーローがいたんだ!しかもオールマイトの師匠だったなんて、すごい!

 

「僕もヒーローになりたい!友達がね、僕をオールマイトみたいって笑って言ってくれたの!だから僕ね、ヒーローになりたい!」

 

「・・・・そうか、なら!これからいっぱい頑張らないとな転弧少年!」

 

「――――っうん!!」

 

オールマイトの言葉に思わず笑顔になる。

でも、すぐにまた気分が曇る。

なりたいけど、でも。

 

「・・・・でも、お父さんはダメっていうの。家でヒーローの話をするとお外に出されて謝るまで中に入れてくれないんだ」

 

「・・・・」

 

「・・・・お父さんは、僕のこと嫌いなのかな」

 

そう言った後、悲しくて目が熱くなる。

そんな僕の頭をオールマイトが優しく撫でた。

 

「そんなことはないさ。ただ君のお父さんはヒーローに嫌な思い出があって、自分と同じ思いを君たちにしてほしくないだけなんだ」

 

「・・・・うん」

 

オールマイトの言葉を聞きながら涙をぬぐう。

そんな僕を見たオールマイトが笑顔と共に立ち上がった。

 

「さて!今回も門前払いされてしまったが諦めず会いに行くとしよう。ではな転弧少年!また会おう!!」

 

そう言った後、オールマイトは勢いよく地面を蹴って空へ舞い上がる。

そしてあっという間に見えなくなってしまった。

 

「・・・・転弧」

 

「お母さん」

 

オールマイトが見えなくなった直後にお母さんがやってくる。

そして優しい笑みと共に僕の手を握ってくれた。

 

「・・・・転弧は、ヒーローになりたい?」

 

「・・・・うん」

 

お母さんの言葉に僕は頷く。

僕の返事にお母さんはそっか、と小さく呟く。

そうしていると、家の方からドタドタと走る音が聞こえてきた。

 

「オールマイトがいるってホント!?」

 

「あ、もう行っちゃった」

 

「えーーーー!!私も会いたかったのにぃぃぃ!!!」

 

お姉ちゃんの華ちゃんが悔しそうにそう叫ぶ。

それを見たお母さんが苦笑いを浮かべながら華ちゃんの手も握る。

 

「家に戻りましょ。今日の夕食は二人の好きな物よ」

 

その言葉に僕たちは笑顔を浮かべ、家に戻る。

そして家に入った後に外へ振り返る。

 

オールマイト、また来てくれるかな?

 

 

 

「また志村の家族のところに行って来たのか?」

 

「ええ、まぁ追い返されましたが」

 

転弧少年と別れた後、私はグラントリノと合流して今日のことを話す。

 

お師匠と古い仲である彼には未来の情報のことを共有している。

 

お師匠のお孫さん、転弧少年がオールフォーワンに狙われていることを。

 

エンデヴァーの話によると、彼は『崩壊』という個性を身に宿し、名を死柄木弔に変えてヴィランになった。

 

そんなことにはさせないと意気込み、やっと今日会うことが出来た。

素直で優しい少年だった。そんな彼がオールフォーワンによってヴィランにさせられてしまう、そんなことは断じて許さん!

 

 

確認した限り、まだ『崩壊』の個性には目覚めていない。

それとなく調べたが転弧少年は『無個性』、彼の年齢になればほとんどの子供達がそれぞれの個性に目覚めている。だが今も個性に目覚めていないのだからほぼ確定に近い。

 

だが、エンデヴァーの話によれば未来の彼は『崩壊』の個性に目覚めている・・・・。

 

「おそらくだが、オールフォーワンがその子にその『崩壊』の個性を与えたんじゃないか?」

 

「・・・・っ、そうして彼をヴィランにしたてあげたのか」

 

グラントリノの推測を聞いて、彼の身に起こったことを推測する。

 

させん、絶対に転弧少年を死柄木弔にはさせん。お師匠の家族は私が守る!

 

「・・・・でも今日も追い返されてしまったんだよなぁ」

 

結果にがっくりと項垂れる。

こうして私が彼らの元に訪れることでオールフォーワンへの牽制になっているはずだ。

グラントリノも陰から見守ってくれている。

 

だが確実な安全を得るために守りやすいところに引っ越してほしいのだが、うまくはいっていない。

 

「次は俺も一緒に行こう。お前だけで背負うなよ、その責務は俺にだってあるんだ」

 

「・・・・はい、お願いします」

 

やつは今この時も水面下で動いているだろう、私達を陥れる何かに向けて。

だが、好きなようにさせん。

 

貴様が何をしようと、私が全て止める。

 

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