ハリー・ポッターと闇堕ちルートのレガ主 作:今井亜美(ハーメルンのすがた)
うーん、プライバシー保護のために名前が出てないから誰だかサッパリ分からないけど……1位おめでとう!
多くの人々と同じ様に、メアリーとハリーはキスの虜になった。
二人はクリスマス休暇の間、夜な夜な抜け出しては逢瀬を楽しんだ。
この蜜月の時は、何もキスだけで終わりではなかった。
ハリーは自分が何故ニコラス・フラメルを追っていたのかをメアリーに説明する事にしたのだ。
ニコラス・フラメルに関わる何かがホグワーツにあって、スネイプがそれを盗み出そうとしている事を。
「多分、あの部屋にあるのは、賢者の石なんだ! 不老不死になれるんだもの、誰だって欲しがるさ」
「うーん、そうかな? ハリーも賢者の石が欲しいの?」
「それはそうだよ。手に入るなら欲しいさ。でも誰かから盗む程じゃない」
「そっか。私にはよく分からないや。でも、どうしてセブルスが犯人だと思ったの?」
「ハロウィンのあの日、トロールを退治した後、やってきたスネイプは足を怪我してたんだ。部屋に入ろうとしてフラッフィーにやられたに違いない。それにアイツは僕を殺そうと箒に呪いをかけてたんだ! クィレル先生が助けてくれなかったら死ぬ所だった」
「セブルスが呪いをかけて、クィリナスがそれを防いだ……?」
メアリーは首を傾げた。
彼女の知るトムくんの情報が正しければ、ハリー・ポッターを殺そうとはしても守ろうとはしない筈だった。
それにあの日、ハリーを助けたのは自分である。クィリナスではない。
もしかして……と、メアリーはある可能性に気が付く。
「ハリー、ひょっとしたら、敵は二人なのかも」
「え? どういう事?」
「あのクィディッチの日、ハリーが箒から落ちない様にしたのは私だよ。私が守護魔法を使ったの。だからクィリナスはひょっとしたらキミを守ったんじゃなく、セブルスと一緒に殺そうとしてたのかも」
「そんな!? どうして……でも、クィレル先生には僕を殺す理由が無い」
「それがあるんだよ。クィリナスのターバンの中身を知ってる? 物凄い邪悪な霊がそこに憑りついてて、酷い悪臭を放ってるの。だから普段、ニンニクの香りで誤魔化してるんだ」
「悪霊だって!? まさか……ヴォルデモート?」
ハリーは一気に前提が覆された様な気がした。
もし、メアリーの言う様にスネイプとクィレルが二人で賢者の石を狙っているのだとしたら、状況は最悪に思えた。
「メアリーどうしよう……何とかして賢者の石を、二人から守らないと!」
「うーんそうだね……でも今ハリーが覚えてる呪文だけだと、難しいんじゃないかな。ちょっと練習しよっか」
練習場所、としてメアリーが連れてきたのは、百年前に自分が、セバスチャンやオミニス達と呪文の練習に使っていたあの地下聖堂だった。
初めて入るホグワーツの秘密の部屋に、ハリーは驚いていた。
メアリーは魔法で幾つか人形を作り出して、それを的にする様にハリーに言った。
「とりあえず最も大事な基礎呪文から」
「基礎呪文?」
「最近のホグワーツは平和志向なのか、何故か授業でも教えてないけど……基礎呪文は全ての魔法の基礎になってる魔法、つまり純粋な魔力の事だよ」
メアリーは実践として、杖先から赤い魔力を生んで、それを人形に飛ばす。
鉄製の人形は、まるで硬いハンマーで強く殴りつけられたかの様に吹き飛んだ。
「こうやって、魔力を杖先から生んで敵に飛ばす。手首のスナップが重要だよ。さあやってみて」
ハリーはメアリーと同じ様に赤い閃光を人形に飛ばす。
カン、と軽い音がして、人形が軽く揺れた。
「良い感じ! 基礎呪文の良い所は、消耗が少なくて連射が効く事だね。後、力の入れようによっても威力が変わるよ。ボクシングみたいに、最初はジャブで揺さぶって、最後に強くストレートを撃つ!」
メアリーは次々と赤い光線で人形を殴り、最後に大きな光を飛ばした。
光が人形にぶつかると、それは強い音を立てて、粉々に弾け飛んだ。
メアリーがサッと杖を振るい、壊れた人形を治す。
ハリーも同じ様に、力を籠めてからやってみると、人形は先程よりも大きく揺れた。
「上手い、上手い! それじゃあ次は盾の呪文をやってみよう」
メアリーは前にルーモスを教えた時と同じ様に、背後からハリーに密着した。
彼女からは、月の様な不思議な香りがする、とハリーは思った。
「杖の振りはこう……呪文は、プロテゴ」
「プロテゴ!」
ハリーが唱えると、金色に光る透明な壁がハリー達を包み込んだ。
「やった! じゃあ私が基礎呪文を唱えるから、ハリーはプロテゴでそれを防いでみて」
「え?」
ハリーは戦慄した。さっき見たメアリーの基礎呪文の威力を思い出したからだ。
「いくよー! えい」
「プロテゴッ!!」
何としても防がなければいけない、とハリーは必死にプロテゴを唱えた。
そうやって暫く練習する内に、どんどんハリーのプロテゴの技術が上達してきた。とはいえ、まだまだ子供の領域を脱してはいなかったが。
「うん、うん! ハリーは才能があるよ! 一日でこんなに上手くなるなら、きっとすぐに強くなれる!」
「そ、そうかな」
ハリーは素直に照れていた。
というのも、単純な接触効果の結果、ハリーは目の前の女の子が段々好きになってきていたからだ。
好きな女の子に褒められて、嬉しくない男の子はいない。
「じゃあ最後に、一番効果的な魔法を教えるよ」
「一番効果的な魔法?」
「そうだよ。この魔法は最も簡単で、誰にでも出来て、それでいてとっても強い」
「そんな凄い魔法があるの?」
「うん、ハリーももう名前は知ってるかも……その魔法の名前は、レヴィオーソ」
「レヴィオーソって……浮遊呪文? 杖を相手に当てないと使えないから、普通はウィンガーディアム・レビオーサを使うって、先生が言ってたけど」
「……レヴィオーソ!」
「うわぁ!?」
突然浮遊呪文をかけられたハリーの身体は宙に浮かび上がった。
ハリーは足をバタバタとバタつかせたが、全く何の意味も無かった。
「アクシオ!」
「わあああ!」
引き寄せ呪文で宙に浮いたハリーの身体は一気にメアリーの下まで飛んだ。
メアリーは目の前にやってきたハリーの唇にキスをして微笑んだ。
「どうかな? レヴィオーソの強さが分かった?」
「う、うん……でも、杖を相手に当ててないのにどうやって?」
「レヴィオーソは呪文だけ唱えると、杖先にだけ魔法が出るんだよ。だから杖をぶつけても使える。でも正しく杖を振れば他の魔法と同じ様に使えるの。ウィンガーディアム・レビオーサと違って、呪文が短く振りがコンパクトだから、実戦向きなんだ」
なるほど、とハリーは思った。
プロテゴと同じ様に振りを教えて貰って、人形に向かって放つ。
「レヴィオーソ!」
人形はふわふわと浮……いたりはしなかった。
「あれ、浮かない……」
「ふふふ! ハリー、直接人形を狙ったね? 浮遊呪文は人間には効かないんだよー?」
そういえば、授業でそんな事を習った様な気がした。
「ならどうやって飛ばすの?」
「服にかけるんだよ」
服に浮遊呪文をかけて宙に浮かせる、という発想は、ハリーにとって非常に画期的な様に思えた。
実際に人形の着ている服にレヴィオーソをかけると、人形はふわふわと宙に浮き、無防備な状態になった。
宙に浮いた人形に対して基礎呪文を放つと、それは激しく回転して地面に落ちた。
「空中にいる相手への攻撃は、地上にいる相手よりも有効。これらの魔法を憶えておけば、決闘においてキミに敵はいない。少なくとも、同年代ならね」
「ううん、まだ敵わない相手はいるよ。少なくとも、キミには勝てそうにない」
「あっははは! そのジョーク、最高だよっ!」
ハリーの言葉に、メアリーは大きな声を上げて笑った。
彼女がここまで笑うのを、ハリーは初めて見た気がした。
●基礎呪文
ホグワーツレガシーでいうところの通常攻撃。4連続コンボ出来て、最後の一発が前の3発より威力が高い。
他の呪文と違ってクールダウンの概念が無く連射可能だが威力に欠ける。
レガシーでは空中にいる敵に対してはダメージが上がるので、レヴィオーソなどで相手を浮かしてから基礎呪文を連発するのが戦いの基本になる。
●ハリー強化
ルーモス、基礎呪文、プロテゴ、レヴィオーソを一年生時点で習得。
まだハリーの基礎呪文は弱く、戦いで使える程じゃないが、レヴィオーソをかけた後なら中々有効的だろう。
●多くの人々と同じ様に
ダンブルドアの台詞、その一部。
本来ハリーはこの時期、両親の姿を映す「みぞの鏡」の虜だった。
この作品では主人公が強烈な体験を与えてしまったので……。
哀れ、ハリー少年の脳はエッチなお姉さんによって壊されてしまったのでした。
これが愛だよ、アルバス。愛だ。
アルバス「アバダケダブラァッッッ!」
●レヴィオーソ
ホグワーツレガシーにて、闇の魔術に対する防衛術の先生を務めるへキャット先生が、ウェールズ東部最大の密猟者集団を単独で壊滅した時、最も助けられたという魔法。
へキャット式決闘術を学んだ多くのレガ主達は、相手を宙に浮かして一方的に殴る最強戦術で大人の密漁者やゴブリン達を殺しまくった。
そしてその系譜はハリーへと受け継がれる事になる……。
公式によれば、杖を対象に当てないといけないらしいが、ゲームでは普通に魔法を飛ばせる。
正しく振れば前に飛ぶというのはこの作品オリジナルの設定。
●月の香り
あの部屋の雰囲気を月明かりの部屋に設定してるせい。
別に主人公がナメクジになったりしないし、突然コズミックホラーが始まったりはしない。
早かったなー……クィレルの株落ちるの。