ハリー・ポッターと闇堕ちルートのレガ主 作:今井亜美(ハーメルンのすがた)
ダフネとの間の冷戦は、メアリーが白旗を上げて彼女に謝る事で、ようやく終戦の時を迎えた。
メアリーはダフネに事情をしっかりと説明したのだ。
「ごめん、ダフネ。私、そんなに傷つくと思ってなくて……。友達に、キスは本来恋人同士でするものだって、教えて貰ったんだ。だからあの時はごめん、許して欲しいな……」
「いや、私が怒ってたのはキスされた事じゃなくて、ベッドを勝手に汚された事なんだけど」
「……あれ?」
「ていうか、キスの意味も知らずにしたんだ……じゃあ……アンタがハリー・ポッターと付き合ってるって噂聞いたけど、あれも違う訳……?」
「私がハリーと? あはは、ないないっ!」
「ふーん……でも、キスはしたんでしょ……?」
「そうだよ。キスって気持ちいいから、時々一緒にしてるんだよ! だから、ダフネとも一緒に出来たら嬉しかったんだけど……」
「……それでOKする女の子、貴方以外にいると思う?」
「うーん? いるよ、多分ね」
ダフネは何だか、自分が怒っていたのが急に馬鹿らしくなってきた。この馬鹿にマナーや常識を求める方がバカだと気付いたのだ。
そうして、二人は再び良き友人に戻った。
感激したメアリーはすぐに抱きついてキスをした。
ダフネは顔を真っ赤にしながらやんわりとメアリーを押し戻してため息をついた。
「……貴方って、頼まれたら誰とでもキスしそうね」
「ヒドイな。私だって誰かれ構わずにしてる訳じゃないよ? トロールやゴブリンとキスするのはイヤだし」
「お願いだから、来年会っても妹にはしないでね……」
それからというもの、ホグワーツでの時間はあっという間に過ぎていった。
メアリーは禁じられた森に毎夜訪れたが、黒ローブの人物は遂に現れなかった。
夜更かしの時間が増えたので、メアリーはダフネでさえ中々起こしきれなくなった。
そうして、メアリーの出席回数がどんどん減っていく中、遂に六月。
ホグワーツに学年末試験の時がやってきた。
一年の終わり。その集大成を試す時である。
多くの生徒が魔法史や魔法薬の教科書とにらめっこして、最後の追い込みをする中、ダフネは唾を飛ばしてメアリーに言い聞かせていた。
「いい!? 最近夜に何してるのか知らないけど、明日ばっかりは遅刻は許されないんだからね!?」
「う、うん……分かったよ……」
「これで試験に不参加なんて事になったら、いくら貴方が天才だからって、最悪退学になるんだから!」
「ちょっと大げさじゃない? 一年の試験に落ちたくらいで退学になんてならないよ」
「退学じゃなくても、進級出来ないかもしれないでしょ!?」
「それは……そうかも?」
ぶっちゃけメアリーとしては七年間この学校に居続けられればいいので、退学にさえならなければ留年してもいいのだが……。
それはそれとして、一年間一緒に過ごした目の前の同室の友人を気に入ってもきていたので、留年を避けられるなら避けるべきだとも思っていた。
「最近の貴方は、私でも中々起きないんだから……」
「うーん……そうだ! いい方法があるよ、ダフネ!」
「いい方法? いやな予感がするのは気のせいかしら?」
「一緒に寝よう!」
グーパンされた。
結局、メアリーの提案に折れたダフネは、同じベッドで寝る事になった。
ただ自分のベッドをこれ以上汚されたくなかったので、メアリーの方のベッドで寝た。
メアリーのベッドは、普段上でお菓子やジュースを飲み食いしているので、普通に汚かった。
綺麗にしろ、と伝えると、面倒くさそうにスコージファイを使ってくれた。
そうやって一緒に寝た二人だったが、メアリーがぎゅっと抱きしめてくるので、ダフネは暑苦しくて敵わなかった。ただでさえ、ベッドの中はメアリーの月の様な香りで充満しているのに、あんまり抱きしめられたせいで、自分も翌朝には同じ匂いになっているかもしれないと思った。
次の日、ダフネが起きると、目の前にいる筈の少女がいなかった。
「やあ、ダフネ。おはよう。今日はキミ、ぐっすりだったね」
メアリーはなんとダフネより先に起きていて、既に着替えまで済ませていた。
ダフネが起き上がると、彼女は紅茶を手渡してきた。
紅茶は美味しく、上品な味がした。砂糖を入れる前から、ダフネの好みの味だった。
ダフネは何だか異常に悔しかった。そんな事ないのに、この目の前の友人に馬鹿にされている様な気がした。
「はい、どうぞ」
目の前に差し出された皿の上には、綺麗にウサギの形に切り揃えられたリンゴが乗っていた。
やっぱり馬鹿にされている、と彼女は感じた。
リンゴが瑞々しく美味しかったので、更に腹が立った。
試験が終わった。
ホグワーツの試験には、筆記、実技の両方があった。
魔法史などは主に筆記だったが、呪文学や変身術は実技だった。
呪文学では一人ずつ教室に入って、机の端から端までパイナップルにタップダンスを踊らせるというものだった。
勿論メアリーにとっては楽勝の事だった。
用意されていた複数個のパイナップルを同時に操作して、激しいカーニバルを躍らせた結果、百点満点中三百点をその場で言い渡された。
変身術ではネズミを嗅ぎ煙草入れに変身させる物だった。
美しい嗅ぎ煙草入れ程良い得点になるというので、スリザリンの意匠が凝らされた見事な嗅ぎ煙草入れを作成した。当然、マクゴナガルは感激し、満点を言い渡した。
魔法薬学の試験では、忘れ薬を作成させられた。
生徒の大半が作り方を思い出そうと必死になっている中、メアリーは包丁やお玉に魔法をかけて、全て自動で作成した。
当然、試験中は暇だったので、暇つぶしに空いてる鍋で別の材料を用いてフェリックス・フェリシスを手動で作成。
作った幸運薬は後ろから見張っていたスネイプに素材の無駄を理由に没収された。
スネイプはジロジロと薬を見つめた後、彼にしては珍しく出来栄えを褒め、特別に百二十点を与えた。
とまあ、こんな具合で、一年生の試験なんて、既に人生百年生以上のメアリーには実に簡単なものだった。
試験が終わり、やる事もなく廊下をぶらついていた彼女を止めたのは、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人だった。
「メアリー! 大変だ! メアリー!」
「やあ、ハリー。ロンにハーマイオニーも。そんなに慌ててどうしたの? 試験が難しかった?」
「違うんだ、メアリー聞いてくれ! ダンブルドアがいないんだ、魔法省から呼び出しの手紙を受けて」
「アルバスが? まあ、そういう日もあるんじゃないかな?」
「校長先生がいないんじゃ、石の守りは無いも同然よ!」
「スネイプはフラッフィーの宥め方を知ってるんだ。ハグリッドが話しちゃったんだよ、音楽を聞かせれば眠るって!」
「うーん、なるほどね……それで、どうしたいの?」
「スネイプを止めないと! 今夜だ……今夜、石を探しに行く! メアリーもついてきてくれない? キミが来てくれたらとっても心強いよ」
「……ボクは反対だけど、ハリーがどうしてもって言うから。もう死の呪文は無しにしてよ? あの時のキミ、トロールよりも怖かった」
「私も正直反対したわ……あなたは、その、い、いきなりキスしてくる変態……だし。許されざる呪文も平気で使うし……ただ、あなたの強さもよーく知ってますもの。相手は先生だし、あなたが来てくれたら、頼りになるとも思うから……」
そういうハーマイオニーは、メアリーの事を随分警戒している様だった。
頬を僅かに赤らめ、物理的に距離を取っていた。
「分かった。いいよ、私も一緒に────」
「────ストップ! そ、その位置から……こっちに近づかないで」
「あー…………一緒に行くよ、うん」
そうして、メアリーも賢者の石探しについていく事になった。
メアリーは今日の早朝にアルバスとした話について思い出していた。
『先輩、どうか手を出し過ぎない様にお願いしますぞ。これはあの子達への、本当の意味での、学年末試験なのです』
●警戒してるハーマイオニー
あの日から大体こんな感じ。
これ仲直りする日来るんかな……?
●スコージファイ
掃除のための魔法。
人間に使うと口から泡が山程出てくる。かなり苦しいらしい。
レガ主「つまり敵に使えば……!?」
スネイプ「……スリザリンは10点減点っ!」
●スネイプくん
今回の被害者。
試験そっちのけでバカが何かやり始めたから、何やってんだコイツ……って思って後ろから見てた。
三十分後、どう見てもフェリックス・フェリシスにしか見えない薬が出来てて目が点になった。
●忠告にきたアルバスくん
だって言わないと……どうせ先輩が全部やってさあ……。
レガ主「悪魔の罠? ルーモス! 開錠防止? 知らん! アロホモラ!」
ロン「これ、チェスになって────」
レガ主「懐かしの石像バトルだ〜! えいっ☆えいっ☆」
ロン「」
レガ主「トロールはアバダして、炎はグレイシアスで〜、クィリナスはニワトリに変えちゃえ! 鏡はパパパっとやって終わりっ!」
クィレル「クックドゥードゥルドゥー」
トム・リドルの墓「」チーン
ハリーロンハーマイオニー「もう全部アイツ一人でいいんじゃないかな」
アルバス「ああああもおおおおお!!!」