ハリー・ポッターと闇堕ちルートのレガ主   作:今井亜美(ハーメルンのすがた)

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私のGW……終わっちゃった……


十四章 賢者の石

 

 ハリーが一人、炎を潜り抜けてその先に進むと、古びた石階段が、下に下にと続いていた。

 

 石階段を慎重に下りていく。

 その先には開けた部屋があった。

 

 部屋には何か、大きな物が置いてあって、その前ではターバンを巻いた男が、何やら苛ついた様子で忙しなく動いていた。

 

「まさかそんな! 本当に……貴方が!?」

 

 ハリーの声にゆっくりと振り返ったのは、闇の魔術の防衛術の教授、クィリナス・クィレルその人だった。

 

「そう……私だ、ポッター! 全て私がやった!」

「でも、じゃあスネイプは!? メアリーが言う様に二人でやったのか!?」

 

「スネイプぅ? ハハハ! 確かにあのコウモリ男は怪しく見えただろう! 奴の側にいたら、誰がこんなど、ど、どもりの、ク、ク、クィレル先生を怪しく思うかね? スネイプは寧ろ、ずっと私の邪魔をしていたのだよ」

 

 それにしても、とクィレルは顔を歪める。

 

「メアリー・オールド! あのイカれ女めっ! 私に向かってなんの躊躇いもなくクルーシオを撃つとは! あの様子じゃあ、スネイプの言う様に、本当にトロールに死の呪文を撃ったのかもしれんな!」

 

「メアリーはイカれてなんかいない! 正しい事をした。人を救ったんだ!」

「フン! 人を救うのが正しい事なら、私も正しい事をしている! 賢者の石を手に入れ、ご主人様をお救いする栄誉ある事をなっ!」

 

 クィレルは再び、部屋にある大きな物に振り返った。ハリーもそれに視線を移す。それは、少し古ぼけた鏡だった。

 

 鏡の上部には不思議な文字が刻まれているが、意味のある文章になっておらず、何と読むのかハリーには全く判別出来なかった。

 

「見える……見えるぞ! 私が賢者の石を手にしているッ! なのに……どうやって手に入れるんだ!?」

 

『その小僧を使え……!』

 

 突然、辺りに亡者のうめき声の様な、恐ろしい声が響き渡った。

 ハリーはかつてメアリーが、クィレルのターバンの中には恐ろしい悪霊が取り憑いてる、と言っていた事を思い出した。

 

「来い、ポッターッ!」

 

 クィレルが一喝する。

 ハリーが近付くと、クィレルから鼻が曲がりそうな悪臭が漂っている事に気付いた。ニンニクの臭いで誤魔化している、とメアリーが言っていたのはコレだったのかと合点がいった。

 

「何が見える! 言えっ!」

 

 ハリーが鏡を見るとそこには不思議な事に、鏡の中の自分ともう一人、何故かメアリーの姿があった。

 メアリーはハリーにキスをすると、ハリーのポケットから、赤く光る綺麗な石を取り出した。

 

 ハリーは、その石こそが賢者の石であると、直感的に理解した。

 メアリーは暫く石を弄んでいたが、やがてハリーにウィンクすると、その姿を消した。

 

「じ、自分の姿しか見えないよ」

『嘘だッ!』

 

 ハリーは咄嗟に嘘をついた。

 正直にメアリーがどこかに持っていってしまったと答えると、彼女の命が危ないと思ったからだ。

 

「本当だ、自分の姿しか見えない! だってこれは鏡じゃないか! そうだろう!?」

 

『もういい、ワシが直接話すっ!』

「ですがご主人様は、まだ弱っていて────」

『構わんと言っている!』

 

 クィレルがターバンをほどくと、臭いが一気に強くなった。

 

 ハリーは思わず息を呑んだ。

 クィレルの後頭部に、ヴォルデモートの醜悪な顔がハッキリと浮かんでいたからである。

 

『ポッター……お前は石の在処を知っているな?』

「し、知らない!」

 

『ふふ、隠しても分かる……どうだ? 今からでも遅くない。ワシと手を組もうじゃないか。ワシとお前、二人なら何でも出来る。例えば、お前の両親を生き返らせる事だって』

 

「パパとママを?」

『賢者の石なら、それが出来るとも! 蘇らせたくはないか? ん?』

 

「パパとママはお前が殺した……殺したんだ! 僕は絶対に、お前に石は渡さないぞッ!」

『もういい! 殺せッ!』 

 

 ヴォルデモートの指示を受けて、クィレルが杖を取り出す。それよりも、ハリーが杖を出す方が早かった。

 

「レヴィオーソ!」

 

 ハリーの浮遊呪文にクィレルの身体が宙に浮くが、

 

「フィニート!」

 

 クィレルは即座にそれを解除して、何事もなく着地した。

 ハリーが驚いていると、クィレルが笑った。

 

「ハハハ! 子供の浅知恵だなっ! 二度も通用すると思ったか?」

 

 迫るクィレルにハリーが基礎呪文を連射して抵抗するが、焼け石に水だった。

 クィレルはプロテゴであっさりとハリーの攻撃を防ぎ切ってしまった。

 

 こうなると、ただ魔力を消費したハリーが疲れるだけだった。

 

「ステューピファイ!」

「うわああっ!!」

 

 ハリーの息切れを狙って、クィレルが失神呪文を唱えると、あまりの魔法の威力にハリーの身体が吹き飛んだ。

 

 ハリーは杖を手放し、気絶した。

 クィレルがゆっくりと、気絶したハリーに近付く。

 

『そいつに死の呪文は効かん! 首を絞めるのだ!』

 

 ヴォルデモートの指示に従い、クィレルがハリーに馬乗りになって首を絞めようとした瞬間。

 

「クルーシオ!」

 

 部屋の隅に隠れていたメアリーが姿を現し、クィレルに磔の呪いをかけた。

 

「やめてくれぇ!」

 

 泣き叫ぶクィレルに対し、メアリーは笑みを浮かべて、更に魔法の威力を上げた。

 

「ふふ、もう逃がさないよ♡」

 

 全身をのたうち回る激痛が襲い、クィレルは泣く事しか出来ない。やがて声さえ出さなくなった。気絶してしまったのだ。

 

『お前は……一体何だ!?』

 

 メアリーはヴォルデモートの問いかけを完全に無視して、クィレルの身体に杖を押し付けると、これまでの人生でクィレルが感じていた全ての感情を、古代魔術を用いて取り出した。

 

「じゃあ、いただきます」

 

 メアリーは、杖先に赤黒く光る感情の源をゆらゆら揺らしながら顔を近付け、ワインの香りを楽しむ様にそれを吸った。

 

 彼女は、何度試してもそうであったように、他人の感情がもたらす甘美な味わいに酔いしれた。

 

 まるで貴族の様だとヴォルデモートは思った。こんな魔法は、彼ほどの魔法使いでも見た事が無かったし、自分を前にしてこんな不遜な態度を取るやつもまた初めてだった。

 

「ふう……ってあれ? まだいたの、トム」

『貴様……その名で俺様を呼ぶなっ! それにその力……一体何者だ?』

 

「初めまして、トム・マールヴォロ・リドル。私は、メアリー・オールド。今はホグワーツの一年生をやってるよ」

『一年生だと? 俺様の目は誤魔化せんぞ。その力、一年生のものじゃないな……強力な闇の魔術で姿を変えてると見た』

 

「まあ当たらずも遠からずってとこ? それよりも、トム。私はちょっとキミに怒ってるんだ」

『俺様にだと?』

 

「キミは何の罪もないユニコーンを傷つけたね? 私はね、いたいけな動物を傷つける人を、絶対に許さないよ」

 

 ハッ! とヴォルデモートは鼻で笑った。

 何かと思えば動物? 下らない!

 

 物言いがまるであの哀れなルビウス・ハグリッド。

 彼の瞳には、メアリーの怒りが酷く滑稽なものに映っていた。

 

『それで? 許さないのならどうするのだ?』

 

「キミを復活させる」

『……なに?』

 

「だってそうじゃないと痛めつけてから殺せないでしょ?」

『俺様を殺す? ハハハ! 威勢のいい奴だ! 残念だが俺様は死なん! 絶対にな!』

 

 ヴォルデモートの高笑いにメアリーも微笑みで返した。いつもの様な、何も飾らない天衣無縫の笑みで。

 

「死なない人間なんていないよトム。死なないならそれはもう、人間じゃない」

『ならば俺様は、既に人の領域を超えたという事だ』

 

「うーん……もしかして分霊箱なんておもちゃを作ったから、自分が無敵だと勘違いしてるのかな?」

『なんだと……?』

 

 メアリーは一度自分の杖を仕舞うと、次はまた別の杖を取り出した。その杖は、何か金色の金属が、螺旋のように彫り込まれており、その金属を伝って、青く不思議な光が迸っている。

 

 メアリーがその杖をヴォルデモートに向けると、霊体である彼の魂が、締め付けられる様に軋んだ。

 

『グッ……アガッ……!?』

 

 ヴォルデモートは本能で、このまま続けられれば、自分のちっぽけな魂が跡形もなく消滅してしまう事を理解してしまった。

 

 メアリーが杖を振るうと、あっさりとヴォルデモートはクィレルの身体から引き剥がされた。

 

「トムくん……ちょっとだけおねーさんと遊ぼっか♡」

 

 そのままメアリーが飽きるまで、ヴォルデモートは弄ばれた。地面に何度も叩きつけられたり、ぐにゃぐにゃと形を変えられたりした。

 

 ヴォルデモートはこの苦痛を味わう位なら、磔の呪いにかかった方がまだマシだと思えた。

 

 やがて、メアリーは杖をしまって、にこにこ笑いながらヴォルデモートに言った。

 

「今日は久しぶりにハリーとキスして気分が良いんだ……見逃してあげるからどっかにお行き。それともまだ私と遊びたい?」

 

 ヴォルデモートは、大きな屈辱を味わいながら逃げるしか無かった。そうして彼の霊魂は、何処かに飛び去って行った。

 

 

 

 

 

●もう一つの杖

 古代魔術の守護者達が遺した遺物から作った特別な杖。

 ゲーム本編ではラスダン最後の扉を開く鍵で、それ以外に使用出来ない。

 この作品では、この杖の芯は古代魔術の源を使っており、他の杖よりもずっと古代魔術が強力になるという設定。

 

 なんか段々古代魔術がゲシュタルト崩壊してきたな……古代魔術ってなんだっけ……?

 

 もう一つといったが、レガ主はゲーム終了時点で杖を3〜4本所持している。

 まず最初に使っている恐らくフィグ先生お下がりの杖。次に購入した自分の杖(細かく設定可能)。そして前述の守護者の遺物の杖。最後にラスボス戦後に拾うフィグ先生の妻、ミリアムさんの杖。

 お下がりの杖を返していれば3本、返してなければ4本持っている事になる。

 この作品のレガ主は、自分の杖は普段使い用。守護者の遺物の杖は本気出す時用。残りは感傷用で大事に保管している。

 

●ワシ口調のヴォルデモート

 映画見返したら、何故か俺様じゃなくワシだった。

 まだ口調が固まってなかったのかな……。

 ま、まあ、ハリーを懐柔しようとして優しい口調を作ってたって事にしときます。

 

●分霊箱無効!?

 できらぁっ!

 古代魔術なら分霊箱だって無効に出来るって言ったんだよっ!

 

 レガ主的にはちょっと力を込めたらトムが死んじゃうので、殺さずにどれだけイジメられるか遊びをしてたそうな。

 

 魂にダイレクトアタックしているのを見たダンブルドアは、頑張って策を張り巡らせようとしてるのが、ちょっと馬鹿らしくなったとかなってないとか。

 

●その後

 レガ主「さて、今のうちに賢者の石をっと」

 アルバス「先輩?」

 レガ主「あー!?」

 

 アルバスにいしをうばわれた!

 ひとの ものを とったら どろぼう!

 

 

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