ハリー・ポッターと闇堕ちルートのレガ主 作:今井亜美(ハーメルンのすがた)
メアリー・オールドは百年前に数々の偉業を為し、ホグワーツの英雄となったが、彼女について広く知られているのは、やはりそのホグズミード愛だろう。
『全ての道はホグズミードに通ず』
という名言を残す程、彼女のホグズミードへの愛は大きかった。
そんな彼女が再びホグワーツ生となって、ホグズミード行きを三年生になるまで待つ事が出来るかと言えば、答えは否!
「今行くよホグズミード……!」
ホグワーツ最初の休日。
彼女は頭に不死鳥を乗せて城を抜け出し、ホグズミードに向かった。
ふんふん、と鼻歌を歌うほど浮かれていた。
今日はどうしようか? グラドラグスで服でもみようか。ドッグウィード・アンド・デスキャップの品揃えを見てみようか。
ゾンコでイタズラグッズを買ってアルバスと遊ぶか、ハニーデュークスでお菓子を買ってアルバスに持っていくか、あるいは三本の箒でバタービールをアルバスと飲むか。
どれが一番楽しいだろうか……いや、全部やればいいだろう!
「嬉しいお誘いですが遠慮しますぞ、先輩」
「あれ? アルバス? いつの間に後ろに?」
「ついさっきですじゃ。全く……貴方なら絶対に初日からホグズミードに向かうと思いましたぞ。こんなに早く見つかるとは思っていませんでしたが」
メアリー痛恨のミス!
余りに浮かれすぎて、注意力散漫となった彼女の心の声は周囲に駄々洩れであり、当然開心術の使い手であるアルバス・ダンブルドアには筒抜けとなっていたのだった。
「ならむしろ説明する手間が省けて丁度いいよ。一緒に行こうアルバス! いつかキミとバタービールを飲みたかったんだ!」
「…………いやだから。ダメです先輩」
「え?」
「先輩は一年生でしょう? ホグズミード行きは許可出来ませ────」
「誰が一年生だって?」
やれやれと目頭を押さえていたダンブルドアが目を開くと、先程まで一緒に話していた少女は何処にもいなかった。目の前にいたのは、少女の面影だけを残した二十代程度の女性だった。
「やあ、アルバス。旧友に会いに来たメアリー・オールドだよ。キミの教え子に私と同じ名前の子がいるんだって? 凄い偶然だね!」
「はあ……いやはや全く。凄い偶然もあったものです」
全てを諦め苦笑いを浮かべたダンブルドアに対し、メアリーは親し気に腕を絡ませホグズミードへの道を引っ張っていく。
今だけはダンブルドアにも、メアリーの気持ちが完全に理解出来ていた。
(百年経っても先輩は、先輩のままだなぁ)
何だか懐かしくなり、抵抗する気も失せたダンブルドアは、開き直ってこのおかしな密会を楽しむ事にした。
そうして二人、今ばかりは、年齢も、使命も、何もかも忘れて、子供の様にホグズミードの魅力に夢中になった。
「あー楽しかった! また来週も来ようねアルバス! その次も、そのまた次も、毎週来よっか!」
「毎週は勘弁して下され先輩……お忘れかもしれませんが、これでもホグワーツの校長なのですぞ」
仕事がありますので、とダンブルドアはそそくさと帰っていった。
日が落ちてからの彼は普通に冷たく、メアリーはブーブーと文句を言った。
●♡アルバス・ダンブルドア、熱愛発覚か!? お相手は80歳下の女性!?♡
数々の栄誉を受賞した今世紀最大の魔術師、ホグワーツ魔法魔術学校現校長のアルバス・ダンブルドア氏になんと熱愛が発覚した。お相手は二十代程の年若い女性で、もし見た目通りの年齢ならば、二人の年の差は約80歳は離れている事になる。相手の女性の詳しい情報や二人の出会いがいつだったか等は謎に包まれているが、二人が付き合っている事は間違いないだろうと目撃者達は口を揃えて語る。
「腕を組んで笑いながらホグズミードを歩いていたのをみたよ。あんなに軽口を言うダンブルドア先生は初めて見た」
「ハニーデュークスのお菓子をお互いに食べさせあっていたね。まるで恋人の様に、あーん、って」
「校長先生がゾンコに入ってきた時はビックリしたけど、女性連れだった時はもっとビックリした! しかもとんでもなく美人!」
「うちでバタービールを飲む大人は多いけど、わざわざ二人で個室に入って隣同士の席に座るのは、カップルくらいだね」
「てっきり兄はホモなのかと思っていたが。あんなに仲が良い女がいるとは思わなかった。色々あって懲りたのか?」
これらはいずれもホグズミードでの二人のデートの目撃証言(証言者の情報はプライバシー保護のため未記載)であるが、その全てが二人の仲睦まじさを裏付けている。一体、百歳近いダンブルドア氏がどの様に年若い女性を口説き落としたのか。その見事な手練手管を知りたい所だが、それが愛の妙薬や服従の呪文によるものでない事を祈るばかりである。【日間予言者新聞 記:リータ・スキーター】
●翌日のダンブルドア
新聞片手に飲んでた牛乳を噴き出した。
●翌日のレガ主
寝てた。