東方浸人主 ~ Invasive Alien Species.   作:妖怪兎

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雪解 ゆきげ

雪が解けること 季語は春


春雪異変は5月ではあるが 桜が咲いたのは6月の下旬であり
解決してすぐ春になったりはしないのだが、基本的に次の日には春になっている




雪解

 

 

 寒さが厳しいピークは過ぎたのだろう、最近は温かくなってきた気がします、と言いますが未だに震えるほどには寒いですけどもね。厳しい寒さも過ぎ、最近ではそれなりに外にも人の姿が戻りつつあります。

 

かまくらが人里のあちこちや、霧の湖周辺にも多く見つかっているそうです、恐らくは霧の湖の氷の上で釣りをしている人たちが休憩とかのために作ったりしているのでしょう。氷上の釣りが最近では流行だと、お客さんが持っていた新聞に書いてありましたね。

 

 

普段通り、食事処へとお手伝いに向かいます。釣りへ行く人が増えたので、釣った魚を持ち込みで調理することも増えたので私も最近はやることが多いです。うちでは材料を店へと持ち込むことで安く食事をすることが出来るので、最近のお客さんは釣りが好きな人ばかりですね。

 

 

兎耳を付け続けるのにも慣れました、作業の邪魔にはならないので日頃から付けるようになり、外すのは体を清める時くらいですかね。仕事場へとたどりつくと、ご主人へと挨拶をして着替えます。人手が足りないので急いでお客さんの所へと行き、注文を受けたり、運んだりで何度も往復します。

 

 

持ち込みのお魚を預かったりで、最近はとても忙しい、氷上釣りのせいか、わかさぎを占める割合が多いようです、食べない分は気前良く店へ収めてくれる人も多いので、お得でもあります。

 

 

 

しばらく時間が経ち、お昼の少し前、段々とお客さんが増えていく時間帯になると、見慣れない容姿のお客さんが来店しました。それは美しい薄い金色の髪、それと同じくらいに綺麗な金色の瞳、白いローブに体を包んでいる人でした。見る限り肩までくらいあるかという髪を煌びやかに靡かせている。思わず少しの間、見とれてしまいました。

その方から注文があったので、少し緊張して彼の所へと向かうと、

 

 

「えっと、魚の定食みたいなやつ一つとお茶一杯、それと君」

 

 

 

「えと、あの、その」

 

 

 

最初は普通に注文をしていましたが、不意の一言で心臓が音を立てて跳ねてしまいました、それなりに取り乱して慌てましたが、何とか注文を受け取ることが出来ました、一度では運びきれないので、兎耳を大きく揺らしながら往復。冗談だとはわかっていますが、先ほどよりも更に緊張と鼓動が大きくなりながら配膳していきます。

 

 

他のお客さんも居るので対応していきますが、意識してしまい、ちらちらと先ほどの彼を何度も見てしまいます、食べ方も綺麗で、魚などは器用に身を箸で摘んで食べていきます。皮をも綺麗に平らげ、残ったのは骨だけ、思わず感心してしまいます。

 

 

飲み物が足りなかったのか、お茶などを再度注文をされました、おまけに綺麗になった御椀を預かり、二杯目のご飯を所望されたので、再び兎耳を揺らします。

 

 

お昼それなりに過ぎ、そろそろ私のお手伝いの時間も終わりに近づいていきますが、彼は何度も飲み物をおかわりしていき、その度に私は鼓動が早くなっていきました。

 

 

彼の方へと向くたびに目が合い、慌てて目を逸らします。

私、変です、こういうことは可笑しいはずなのですが・・・・・・。

 

 

時間になり、私の役目が終わりました、なので私は奥の方へと入り着替えようとすると、彼はお勘定を済ませて、お店の外へ綺麗な髪を靡かせてと向かっていきました。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

仕事も終わったので、心を落ち着かせて何時もどおり散歩をするとします、見かけない人なのだから外来人なのでしょう、恐らくはもう会うことはありませんし、流石に彼の冗談の事は忘れましょう。

 

 

のんびりと人里を歩いていき、少し経つと心も落ち着いてきたので風景を見る余裕も出来ました。雪も次第に解けていき、以前よりも積雪の高さも減りました、桜の木も蕾が出来てきているのがわかり、長かった冬もそろそろ終わりを迎えるでしょう。

 

 

気づけば、歩き始めて数十分になり、少し外れの方まで歩いてきてました。ふと辺りを見てみれば、紅霧の時の場所でした。そういえばこの辺は久しぶりでしたね、この辺の建物は少し年季が入ってるので私の住んでいる長屋といい勝負です。

 

 

 

何時ものように考え事をしながら歩いていくと、私の襟へと力が加わり、歩いていた私は驚きの声をあげながら後ろへと引っ張られます。一体、何事かと思い振り返ろうとした時、私の体は大きく揺れました。いえ、辺り一面を地鳴りが包み、激しく揺れていました。揺れはすぐに収まり、一息を着いたのも束の間。

 

 

私の前方へと雪の塊が落ち、轟音の後、瓦礫が降り注ぎました。

呆然と瓦礫を見つめます、あのまま歩いていれば、私は

 

 

 

「・・・・・・って、これ俺の家じゃん」

 

 

 

もしもの話から我に返ったのは、私の後ろからの声によってでした

 

 

「貴方は、先ほどの、お客さん

 

 私を助けてくださったのですね」

 

 

私の襟を掴んでいたのは、金髪の美しい、白いローブの人でした

恐怖で高鳴っていた心臓が、先ほどの事を思い出し、更に鼓動を早くします。

 

 

彼がいなければ私は、どうなっていたことか

先ほどの発言からして、この倒壊した家だったものが、彼の家だったのでしょう。

この寒空の中、野宿などは厳しいでしょう

 

 

・・・・・・彼が嫌でなければ。

 

 

 

 

「あの、私の家に来ませんか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼の手を握り、先導しながら私の家へと案内することになりました。

 

 

生憎、住みやすい家ではありませんが、幾ばくかはマシなはずです

私は彼と共に長屋へとのんびりと向かうのでした。

 

長屋へと戻ってきて、無事を確認すると一緒に入りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、晩御飯の後に、布団が一枚しかないという問題があり、彼に譲ろうとしたのですが、私を気遣ってか一緒に入ることを勧めてくださいました。少し恥ずかしいのですが、好意に甘えることにして私も一緒に入ります。

 

 

普段の布団よりも断然と温かく

パパとママと一緒に寝てた頃を思い出しながら、私はすぐに寝入り

夢の中へと向かっていくのでした。

 

 

 

 

 





今回は書くのに3時間くらいかかりました(普段は40分くらい

東方キャラが出にくいので、必然的に東方キャラとカップリングは不可能ですね。
まあ仮にそうでも、ぼこぼこにしたら、惚れるとかはしません
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