東方浸人主 ~ Invasive Alien Species. 作:妖怪兎
春は春、春といったら春
春ですよーしか喋らないリリー、(というかリリーが出ない
言うのならば外よりも頭の中の方が春ですよってこと
私は少しだけ浮かれている、久しぶりに私の家に人が泊まったからです。
手料理も振舞うのも何時振りだろうか、賑やかな食事処と打って変わって、自宅は静かで寂しいので、誰かと一緒にご飯を食べれるのは嬉しいです。そう考えるとついつい顔が綻んでしまいます。
彼は美しい外見ばかりか、紳士的な発言からして、きっといい人なんでしょうね。そういえば、彼は昨日にお昼も魚を食べてましたね、2食連続で食べさしてしまうなんて、私基準で考えていました、これは猛省しなくてはなりません。誰かと寝たのなんてもう覚えてないくらいに前の事ですかね、しばらくは一人で寂しい夜を過ごさなくて済みそうです。
「えらい上機嫌だね、妖華ちゃん」
「へ? あ、そう見えますか?」
「見える見える、今日はずっと笑顔じゃないか」
お客さんに言われてしまいました、どうやら、随分と分かりやすい顔で長時間いたのでしょうか。言われてもやっぱり嬉しいことには嬉しいので、怒られるようなことではないのでこのままでもいいかな。
何時も楽しいのですが、今日は接客も料理のお手伝いも更に楽しく感じることができました。
・・・
仕事も終わり、日課の散歩をしていると昨日の地震によって倒れてしまったのであろう建物の瓦礫を撤去していました。昨日のうちにほとんど済ませてしまったのか、ほとんど瓦礫はない、それどころか建設作業に移っているのがわかります。
妖怪と人が手を取り合い、皆のために頑張っている、とても美しい光景に少しばかり感動してしまいます。力のない私にはどうすることもできませんが、彼らに心ばかりの声援だけを送り、散歩を続けます。
人里に積もっていた雪はもう殆どありません。まだ寒いところといえば霧がかかり日光が入りにくい霧の湖くらいです、しかしもうそろそろ氷上釣りも出来なくなりそうですし、流行も終りそうかなって思います。
「春ですよー、春ですよー」
ふと、声が聞こえてきたので、その声の主を探すと見当たりません。
何処か、と探していると上空から声が聞こえてるのだとわかりました。遠巻きでやや見づらいのですが妖精、の類でしょうか、そういえば聞いたことがあります。
春を告げる妖精がいると、そのまま春告精と呼ばれていると、その妖精は春になると生まれ、幻想郷中に春が来たことを知らせてくれるみたいですね。
彼女が来たということは、幻想郷は長かった冬が開けたのですね。彼女の到着を祝ってか、何となく見た桜が咲いていることに気がつきます。まだほんのりと寒いので少しだけですが、春の息吹を感じることが出来ました。
今日は何を作ろうかな、彼が喜んでくれそうな物、でも私じゃ、この間の安いお魚の時で精一杯です・・・・・・せめて彼だけは美味しいものを食べて欲しいな。
今日も値段を比べてお得なほうを買いましょう、散歩は実用も兼ねてます。一通りお店の値段を確認して後で何処に買いに行くかも決めています。
お野菜も増やして、おなか一杯になってもらおう、よし! 今日は何時もより頑張っちゃいましょう。
・・・
「うー、やっぱり高いなあ
あっちとこっち、どっちで買おうかな」
ついつい、ぽろっと言葉で出てしまう、適正の値段なのだ、私のお金がない事を理由に高いなどというのは失礼だ。悩みに悩み、移動を重ねながら自分の中では理想の買い物が出来たのではないかな、と思います。
そろそろ帰ってご飯も作り始めないとですね。
「ただいま戻りました。」
一応声をかけてから、長屋の中へと入ります。
中は狭いので、中に居る彼の姿はすぐに目に入りました。
畳のあるほうの壁にもたれかかり、片膝を立て、もう片方は胡坐のように曲げて座っているのに気がつきます、所謂片膝立ちという座り方ですね
なにやら手の方を見つめているのか動きません、しかし邪魔になってはいけないので
私は夕飯の準備でもしましょう。
・・・
それなりの時間がたったころ、ようやく料理が完成しました。
今日はお野菜の煮付けを作り、二人なのでやや多めに、私はご飯と煮つけで充分なので、買ってきたお魚は一匹だけです。喜んでくれると嬉しいのですが、飽きてしまいますよね。
「あ、すいません、食事の用意が出来ましたので運びますね」
「・・・・・・さっきの見た?」
「何をですか?」
「・・・・・・いや、何でもない」
料理を運んでいる途中、彼に声を掛けられましたが、私にはよくわからなかったので
話は途絶えてしまいました、なにやら様子が可笑しいので少し心配です。
二人分の料理を運び終わり、いざ食べようと思った時にやはりというか魚の事を聞かれてしまった
「あ、私はお魚が少し苦手なんですよ
昨日は少し安かったので私も一応食べましたけどね」
安かったのは事実、なので久しぶりに食べたのですが流石に毎日は食べれるほどの余裕はありませんし、こういっておくのが良いですね。
「あ、そういえば自己紹介をしてませんでしたね
私は、卯月 妖華といいます。
貴方は何とお呼びすればいいですか?」
すると、彼は黙ってしまい
少し時間が経つと、彼は口を開き、天使とだけ答えました。
彼なりの冗談なのでしょうか、しかし美しい外見は天使といっても過言ではないので
「わかりました、では天使さん、とお呼びしますね。」
夕飯も済むと、辺りは暗くなってきています。
灯りにもお金が掛かるので私はお布団を引きます、天使さんを呼び
今日も一緒にお布団に入ります。
昨日は背中合わせで少し寂しかったので今日は天使さんの方を向いて
眠るとしましょうか、何だかパパを思い出します、外見は全く似ていませんが、パパと同じくらいに背が高いので包み込まれるような温かさを感じました。
私は今日も幸せな夜を過ごすことが出来たのでした。
最近は、幻想郷無視して
妖華ちゃん可愛いを書きたいだけになってきたという
本末転倒、そろそろ話を進めないとですね。