東方浸人主 ~ Invasive Alien Species.   作:妖怪兎

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プロローグ、幻想入り共に駆け足で済ませましたが
一応過去の話です、必要最低限な事だけ詰め込みました
あとはやりたい事を好き放題します

ちなみに、幻想入りの話で出た動物は、幻想入り最多ではないかというくらい出演する
狼系の妖怪さんを採用しました
都合よく逃げてくれた理由は考えてありますが、それが描写されることは恐らくありません

初期の強さアピールのために
一番殺される率が高い、狼、狼系の妖怪さんには頭が下がりますね。


外来人

 「妖華さん、次はこっちの方を手伝ってもらえないかい?」

 

 ふと、私が幻想郷に訪れた時の事を思い出していると、私が雇ってもらえている食事処の主人に声を掛けられて、ハッと我に返る。すぐに返事を返し、雑用を引き受ける。私はまだ修行中の身で料理などをお出しできるほどの立場も腕もないですが、料理を運んだり店内の清掃をしたりしてお給金を頂きながら、料理を教わっています。

 

 

 森近さんには人里へ訪れた時にお世話になりました、まるでお話の中にでも入り込んでしまったかのような感じであり、着物などを着用していた彼らにとって私の服装はかなり可笑しいものに見られました。

 

 

 私の事を話しても、当時私は上手く伝える術をもって居なかったので困っていたのですが

私の所持品、服装から『外来人』ではないか、と森近さんが発言すると、里の人々は何度かそういう人が来たという話を耳にしているらしく、何とか受け入れてくれることとなりました。そのことから森近さんには頭が上がらないほど感謝しています。

 

 

 用が済むと、森近さんは前にお世話になったというお店へと戻っていきました。人里の中で出会うたびに頭を下げてしまう癖が出来てしまいました。

 

 

 前には慣れなかった着物も、今では着付けも自分で出来るようになりました、主人の娘さんの物のお下がりを貰って居たので今でも同じような着物を好むようになりました、しばらくするとご主人のお下がりを勧められるようになりましたが、地味で可愛らしくなかったので我侭ながら丁重にお断りをした、割と何度も勧められたが今ではあきらめたのか、そういうのはなくなりました。

 

 

 執拗に帰りたがっていた昔の私は、とうに存在しなくなりました

パパとママに会いたいとごねていた私だったのですが、時が流れると共に納得せざるを得ませんでした、帰ったとしてもパパとママには二度と会えないことに、お世話になった人への恩を返す為に少しでも頑張ろうと思います。

 

 

 小学生だった私も、今では外でならば中学生くらいでしょうか。

ある程度の時間が経ち、手伝いが終わると私は何時も里の中を散歩します。寺子屋の前で遊んでいる子供たちや甘味所でお団子を食べている人々などを眺めて平和なことに幸せを感じて、顔がつい綻んでしまう

 

 

 しばらく里の中を歩いていると、何だか騒がしいことに気がつき、近くの人に尋ねてみると、何でも浮いた格好の人が先程、里の方に現れた、とのことです。

もしかして、と思い私はその人が居るという方向へと早足で向かいました。

 

 

 

 

 

 

 里の入り口の近くへとたどり着くと、懐かしい光景が私の視界へ飛び込んできていた。シャツにズボンを身に着けている、外の知識を手に入れる期間が短かったせいでシャツやズボンという大雑把な事しかわからないけども、同郷であることだけはわかった。

 

 その人をよくみると、服装は薄汚れていて、辺りを見回していていて、あまり動けないでいるのがわかる、そして周りの人も不審な外見をしているその人へ近寄らなかった、外来人が来るのは珍しく、私が来たのも何年も前の事なので覚えてなかったり知らなかったりする人も多い

 

 

「あの、すいません

 もしかして、外の世界から来た人ですか?」

 

 

 私は思い切って声を掛けてみることにした、すると辺りを見回していたのでこちらをみていなかったのか、少しだけ体を跳ねさせるとこちらへと向きました。

 

 

「え、あ、外?

 良くわからないけど、此処が何処だか教えてもらえませんか?」

 

 

「此処は、幻想郷でその中の人里と呼ばれる場所ですね」

 

 

「・・・・・・げんそーきょう、だって?

 あの、一応僕も真剣なんだ、真面目に答えてくれないかい?」

 

 

 やはり、信じては貰えない、私もそれなりの歳であったなら、信じなかったかもしれない、信じるとか信じないとかいえる状況でなければ、すぐに受け入れるのは無理だったと思います。

 

 

「信じて貰えないのも無理ありませんね、証拠があるわけでもありませんし

 しかし、此処が幻想郷、つまり異世界だと言う事は真実です

 

 私も最初はそうでしたから、貴方の気持ちは充分わかりますよ

 ここで、立ち話もなんですし、お疲れでしょう 私の住居へ案内しますよ」

 

 

 この後もすこし、問答などがありましたが何とか連れて行くことに成功し

私の住んでいる長屋へと向かうことが出来ました。

 

 

 

 

「こんな狭い部屋ですいません、私のお給料では此処の長屋が精一杯なので

 どうぞ、おくつろぎくださいませ」

 

 自分の住んでいる長屋、人里の大通りから、やや離れており、お世辞にも綺麗とはいえないほどの外見であり年季も入っている。6畳のスペースと台所と厠があるくらいであり、お風呂などはない、水を汲んできて布で洗う程度で臭わないようにするのに時間が掛かる。

 

 

「あ、ああ

 それで、此処が幻想郷だと仮定して、どうすれば日本へ帰れるんだ」

 

「ええ、それはですね

 博麗神社、という神社が人里からやや離れた場所にあるそうです

 そこから、外の世界へと戻してくれるようですよ、私は行ったことがないので

 確証はありませんが・・・・・・。」

 

 

 私はこのことを知ってから帰ろうと考えたことは何度もありました。しかし、いざ人里の入り口から里の外を見ると妖怪に襲われたことを思い出し、足が竦みあがってしまうようで、何度も中断をしました、それに整備も何もされていない獣道を歩いていけるほどの勇気は私にはありませんでした。

 

 

「そ、そうか、帰れるんだな

 なら早速、博麗神社の場所を教えてくれっ!」

 

「急かされなくても教えて差し上げますが、もう日も暮れます

 外の世界のように道もありませんし、街燈もありません

 

 お疲れでしょうし、本日はここで一晩過ごされてはどうでしょうか?」

 

 

 私の提案に、納得してくれたようなので、一先ず帰るのをあきらめて貰えた

取り合えず、彼の薄汚れた服を綺麗にする為に一応預かっておいた、職場のご主人のお下がりを渡して着替えてもらいます

 

 

「さ、どうぞ着替えてくださいませ。」

 

「着替えてって、流石に着替える間だけ出てくれないか?」

 

 

 何だか良くわかりませんが、私が居ると着替えれないようで

不思議に思いながらも私は一旦外へと出ます、ついでに買い物を済ませてしまおうと

声を掛けてから買い物へ向かいます。

 

 

 

 

 

八百屋さんや魚屋など、様々なところへ顔を出し、値段を確認しながら

同じものをより質がいいところで買い物をしていたら、それなりに時間が経ってしまっていた。

 

すこし急いで家へと帰ると、よほど疲れたのであろう、着物を着たあとそのまま畳の上で寝てしまっていた。

 

 

「風邪引きますよ? 仕方ないですね」

 

 

 私の使っている安物の掛け布団を彼に掛け、食事の準備をしましょう。

ママから教えて貰うだけで簡単にご飯が炊けたり、物を焼いたり出来た外の世界とは違いご飯を作るのはとても大変だということを学びました。

 

竈でお米を炊いたり、七輪でお魚を焼いたりとしていて、外の世界でさえ忙しそうにしていた家事が更に難しいので、私は最初目を回していました。

 

 

しばらく時間が経つと、ご飯の香りで起きたのか、料理による音により起きたかはわかりませんが、背後で動く音が聞こえたので一応声を掛けておきます。

 

 

「あ、起こしてしまいましたか?

 もうすぐ夕飯を作り終えますのでしばし、お待ちくださいね」

 

 

「あ、あー申し訳ない、見ず知らずの僕のために」

 

 

 そして、出来上がると、邪魔にならないように置いておいたちゃぶ台を中央へともって行き、料理を運びます。今日は安かった魚を焼いてみたり お吸い物やおひたし、ご飯に漬物を並べます。

 

 

「大したものではありませんが、

 同郷の方に会えた記念に、いつもより張り切っちゃいました」

 

 

「おー、こういうの久しぶりだよ

 はしたなくて悪いけど、もう頂いてもいいかな?」

 

 どうやら、反応も悪くないようで安心

箸を動かすのを辞めない彼を見て、私もついつい嬉しくなってしまう

 

 

その後、寝ることとなったのですが

布団が一つしかないので、彼に譲ろうとしたら、譲り合いが発生してしまったので

結局は私が布団を使うことになってしまった。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 朝を迎えると、彼の起きる前に食事を用意し

食べた後、もう彼は博麗神社へと向かうことになった

 

私もいけるのならば、ついて行きたい所ではあるが、やはり外へ出ることを考えると悪感が私を襲う

 

整備されてないとはいえ1本の獣道を通るだけなので、迷いはしないであろう

参拝客もある程度は居るので、彼の体力も回復しているだろうし平気、かな

 

 

私は、まだ乾ききっていないが 洗濯しておいた服を彼に渡すと

一緒に入り口の方まで歩いていった。

 

 

 

 

 

 

「短い間だが、本当にお世話になった」

 

「いえ、私も少し楽しかったですよ

 あとは道なりに進んで階段を上りきれば巫女さんがいるそうなので・・・

 お願いしてください」

 

 

 流石に生乾きの服を着せるわけには行かないので、そのまま着物で帰ってもらうことにして、彼が頭を下げた後、私も頭を下げ、彼を見送る

参拝客によると、道は安全らしいので、妖怪の心配はないそうだ

しかし、私はそれでもいける勇気がわかない、というのが私の弱いところだ

 

 

 

 

彼の姿がなくなるまで見送ると、私も仕事の準備をしなくてはならない

また、私の一日が始まる 今日はどんないいことがあるのだろうか

 

私は軽い足取りで、長屋へと帰っていった

 

 

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