東方浸人主 ~ Invasive Alien Species. 作:妖怪兎
外の世界での常識は通用しない、しかし、人としての常識を失ってはそれは人間とは呼べないのではないだろうか
さて、知ったつもりで居る人間と自分は思っていませんか。
外来人の方が来てある程度が経ちました、しかし私の生活はほとんど変わりません
強いて言うのならば、困っている外来人には力になってあげたいな、と思うところです。
今日もお手伝いが終わり、日課というか趣味というか、何時もしている人里内の散歩をしています、八百屋で特売を見て計算をしたり、鮮やかな着物を飾る仕立て屋の新作を物欲しそうに眺める私、しかし無駄遣いできるお金もないので見て楽しむだけです。
寺子屋の前を通ると、女の子達が走り回りながら何かしているのが見えた、何時もは男の子が鬼ごっこや自警団ごっこをして遊んでいるので、珍しいなあ、と思って、良く見てみると二人の女の子が何かをぶつけ合っているのだ。
喧嘩でもしているのだとすれば、止めなくては、と思い近づいてみると
二人とも、いや、それを見ている子も楽しそうであり、一体何をしているのだろうと思っていると寺子屋の中から大人の女性が出てきたのがわかる
「おーい、皆、休憩時間はおしまいだぞ、弾幕ごっこはその辺にな」
どうやら寺子屋の先生みたいだ、子供達は一目散に教室へと入っていった、その際、頭突きは嫌、とか何とか言ってたような気がする。しかし、女の子達が遊んでいたであろう物が床に転がっている。先生と思わしき人は困ったように片づけを始めたので、暇な私も手伝うことにします。
「あ、これは申し訳ない 手伝い、感謝する」
「いえ、私も暇ですので
これは、何をして遊ぶものなんですか?」
落ちてたものを拾い上げると、紙を丸めて色を塗ったものだとわかった、これを何故なげあっていたのだろうか、雪合戦の紙球バージョンのようなものなのでしょうか。
「ああ、そういえば外来人が少し前に来たという話があったな
君がそうか、これは弾幕ごっこという遊びのために作った球だな」
話を聞いていくと、弾幕ごっこというのは、一見ぶつけあいのようなものだと思われがちだが、使う物を用いて美しさを表現する遊びだそうで、ぶつけるのが目的ではないのだと、ただし、当たってもいけないのでそれなりに運動量が大きい遊びのようだ、つまりは危険ではないことが前提なもので危ないものを使用する場合は事故が起きる場合もあるそうだ。
「なるほど、それは楽しそうな遊びですね
それにしても、勉強するのが懐かしいです、私は数年しか勉強できませんでしたから、少し子供達が羨ましいです。」
「そうか、当時は随分小さい子供だったと聞いたな
ふむ、もしよければだがうちで学んでいくか?」
「あ、いえ、子供達のお邪魔は出来ませんし」
流石にご迷惑になると断るが、何故か随分と嬉しそうに勉強を進めてきたのでお言葉に甘えることにする。
・・・
「と、言うわけで幻想郷は絶妙なバランスでだな」
つまりは、こういうことだ
幻想郷とは妖怪と人間の共存を図るために作られた、外とは隔たれた世界のこと
妖怪は人間を襲い、畏れてもらい、生きる
人間は妖怪を退治し、守り生きながらえる
一見妖怪だけ得をしているように見えなくもない、しかし、バランスが保たれている限りはお互いが全滅することがないように見える。
温厚な妖怪も少なくないので、人と良い意味でも共存を果たしている妖怪も勿論います
散歩していたりすると、それなりの頻度で確認も出来ますが、苦手意識が少しあります
「力を持ちすぎた物が1強となってしまわないように、前にルールが出来た
まだ、何度か行われただけで、用いられた異変は起きていないがな」
それが、弾幕ごっこでの、スペルカードルールを用いた決闘、だそうです。
武力による戦争は妖怪、人間共に大きな被害が出る。なのでお互いが死なないことを前提とするルールで揉め事を解決しようということだ。スペルカード、というのは技名を書き込んだ紙の事で見やすいように掲げて宣言し、その技を見事に避けきれば挑戦者の勝ち、また挑戦者側も妨害することで速く終わらせることが出来る。
もちろん、掲げて宣言するためのものであって、スペルカード自体はただの紙切れ、何の力も持たない。ちなみに弾幕とされるものは何でもいいとの事、スペルカードルールでは挑戦者は何か触れるとその次点で被弾したという判定になりペナルティを負ってすぐに再スタートすることになるらしい たとえ弾幕が刃物でも怪我はしないとのこと
不慮の事故が起きた場合は仕方がない、これは当てて殺してしまう、というのではなくペナルティが重なって負けた後に勢い余ったりしてぶつかる、など思いがけない場合の事らしい。
「気をつけて欲しいことがある、ルールなどはあるが
人里を離れて、妖獣などに襲われた場合は問答無用で殺されてしまうかもしれないということだ」
妖怪は畏れで生きるのだが、野生動物が妖怪化し、妖獣となったものはある程度の知識、そして動物の本能に従い、縄張りを守り、餌を捕らえるのだと、人を襲う妖怪も居なくはないが人が外に出た場合での死因は大体、妖獣の縄張りに入って排除された場合と餌として襲われた場合が多いらしい。勿論妖獣の中にも特に力を持つものは人間の言葉を解したり、人型をしていたりする場合もあり例外も在る
人里を襲ってはならない、というルールが度々破られるのは妖獣が餌を求めて降りてくる場合が最も多い、元々は動物なので自警団で対処が出来る範囲だそうだ。妖怪と妖獣は一括りに出来るが厳密には違うらしい。
「気を悪くしないで欲しいのだが、外来人には色々種類がある。」
幻想入りする条件は、忘れ去られること、もしくは力を持った者が意図的に入る、入れる、結界が不安定な時期に稀に紛れ込む場合がある。
人が忘れ去られることはほぼ、あり得ないので、結界が不安定な場合に無縁塚と呼ばれる場所から入り込んでしまう場合と、誰かが引きずり込んだ、ということになる。
私が幻想入りした場所は無縁塚ではない、つまりは誰かが私を幻想郷へと連れ込んだのだ、そうした場合に外来人に待っているのは殆どが妖獣の餌という結末、つまり私はご飯として幻想郷へと来たのだ。
選ばれる基準は、存在価値のないもの、居なくても困らない人、想像するに、凶悪な犯罪者や自殺者、行方不明者などであろうか・・・・・・。
他にも色々説明されたが、今は置いておこう
知らないことを知る、という欲求を満たされた私は大変満足していた。
歴史については、皆聞いてくれないので、先生は落胆してたのだと
先生も満足な表情をしているのがわかり、また何かあれば来てもいいといってもらえた。
上白沢慧音先生、特徴的な名前ですが覚えやすく
いい人なので私は、顔を合わせるたびに頭を下げる人が増えた。
今日も良い日になったので、買い物などを済ませ、私は上機嫌で家へと帰っていった。
原作をやってなくても、これくらいは知ってるとは思いますが
慧音先生を出したかったので、書いてしまいました。