東方浸人主 ~ Invasive Alien Species.   作:妖怪兎

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妖怪?そんなんワンパンワンパンとあしらわれる
妖怪よりも強い人間の方が、それはそれは怖いものです。

強すぎるものは排除される、それは人間であっても妖怪であっても。
排除できない程の力を持つものは 人でも妖怪でもなく 理不尽の具現化でしょうか。


妖怪

 妖怪、それは圧倒的な力を持つもの。平凡な人間では抵抗もする間もなく、彼らの餌になってしまうでしょう。そう、言ってもいいくらいには絶大な力の差が在る。

 

この間、自警団の人が退治してくれた、妖獣でも力のない方の類である、鍛えられた肉体と経験があったからこそ大した被害もなく済みましたが、力のない、といっても妖怪、対抗するすべがなければ全滅しても可笑しくないほどに強い。

 

 

 私も妖怪に苦手意識を持っています、が嫌いな訳ではありません。お手伝いしている食事処にも妖怪のお客さんも来ますし、お世話になった人もいますので、それに幻想郷のバランスの事などを聞いたからには無為に嫌うということは視野を狭めることにもなりますから。

 

 

 妖怪も見ただけでは人と変わらない見た目をしている者も居るそうで、もしかしたら知り合いの中にも妖怪が居るかもしれませんね、先生曰く、人の外見は知の象徴であり、一目で判断がつかない者は圧倒的な力を持つということでもあるので、刺激をしないことが大切らしい。

 

 

 と、授業が楽しいからか、ついつい考え事が長くなってしまう、最近ではお仕事の力も認めてもらえてきたので、より多くの事が手伝えるようになりそうですね。もともとママのお手伝いをするのが好きだったので色々任されるのが、私はとても好きです。

 

 

 「おーい、妖華ちゃん! お酌してくれないー?」

 

 

 「あ、はーい ただいま!」

 

 

 妖怪の人は、お酒をかなり好む性質にあるようです、食事などは娯楽にすぎないタイプの人もいるので昼間でもお酒はよく注文をされています。しかし、気さくな妖怪の人を見てると、意識の改善をする努力をしたいな、と思います。

 

 

人の形を取る以上、特徴も生活も人と同じになりやすい、畏れで生きる妖怪もご飯を食べるし趣味も持つ、生きるのに必要無いことをできるのはほとんど人間と言ってもいいのではないだろうか、人にも善悪あるように、妖怪と人間の差は力くらいなのかもしれない。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 

 長いこと散歩をしていると、人里の事はそれなりに把握出来てきました、大体の店の位置やどんな人が居るのか、人里の外の事は話を聞いてるので大まかには把握していますが、私の目では見た事が無く想像を膨らませるばかりです。

 

 

 危険な目には遭わない、と言われている博麗神社までならば行っておくのもいいかもしれない、安全に暮らしていけるのは博麗の巫女と呼ばれる人物のおかげなのだから、挨拶くらいは済ませて置いたほうがいいかもしれない。

 

 

 博麗の巫女の役割は、この幻想郷を包む、結界である、博麗大結界の管理と、妖怪の退治、退治といっても、普段から妖怪を退治している訳ではない、人里への被害を与える妖怪や、幻想郷を巻き込む事件を起こす者が大体で、あとは本人の気分次第だが妖怪を倒すことではなく、あくまで共存のためのバランスを維持する重要な役目だ。

 

私情に流されず、特定の勢力に肩入れせず、必要ならば人間、妖怪に関わらず退治する。完全にドライで仕事人にしか勤まらない、本人ならまだしも、『博麗の巫女』は絶対に役割を遂行する。それが揺らげば幻想郷は御終いでしょう。

 

私はかなりの小心者ということを再確認したので、やはり博麗神社には、忙しくない日に行くことにしましょう。

 

 

 

 当ても無く、散歩をしていると、ついつい手伝いをしている食事処へ戻ってきてしまいました。もう遅い時間なのでお酒とつまみを目当てに来る、人が多くなってきています。せっかくなので様子だけでも見に行くとしましょう。

 

 

「うーぃ、あれ妖華ちゃん、大分前に上がったんじゃなかったか。」

 

 

「なんとなく足が向いてしまったので、様子を見に来ました。」

 

 

「おお、そうかそうか、せっかくだしまた、お酌してくれ」

 

 

 昼間に来ていた妖怪のお客さんの姿を見かける、ずっと呑んでいたのか夜にまた来たのかはわからないですが、少し、というかかなり酔っているのがわかります、売り上げに貢献してくれているのだから、私も快く了承してお酌します。

 

 

「うへへ、良い尻してるのう」

 

 

「もう、からかわないでくださいよ、酔いすぎですよ?」

 

 

 何故か堂々と触りますが、酔いすぎて判断がつかなくなっているのでしょうか、私なんか触ったところで面白くも無いとはおもいますし。ある程度時間が経つとその妖怪の方がゆっくりと傾き机の上へと突っ伏してしまいました。

 

 

「あー、もう、だから言ったのに、店長さん! 私が送っていきますね」

 

 

 彼を起こし、腕を借ります、私の肩に回して寄りかからせて、ゆっくりと歩いていきます。大柄な男性なのでふらつきながらも頑張って送らなければ、彼の知り合いと思わしき人に家の場所を聞いたので、大体どこにあるかは理解できました。

 

 

 

 

・・・

 

 

 

 

 私が小柄なので、それなりに時間はかかりましたが

何とか、彼の家までたどり着くことが出来ました、半分以上寝ている彼の懐などを探り、鍵を拝借します。問題なく扉を開けることが出来たら忘れず返却して中へと入ります。

 

私の居る長屋よりも数段は広いので、少し羨ましい、しかしそんなことはおいておきまして、彼を一旦床へ寝かしておきます。失礼ながら押入れを開けて布団を引っ張り出します。綺麗にしいた後、再び彼の元へ

 

 

 

「ほら、お布団まで行きましょう? 捕まって、よい、しょ」

 

 

何とか彼を布団のそばまで連れて行く、うーん、動かすのも大変なので、一旦一緒に寝転んでしまいましょうか。掛け声と共に、彼と布団の上に倒れこみます、あっ、この布団私の安い奴よりも全然いいもので気持ち良い・・・・・・、じゃなくて! 用も済んだし速く起き上が・・・・・・あれ?

 

 

「ちょっと、すいません、離して貰えれば有難いのですが」

 

 

「うーん、むにゃむにゃ」

 

 

回していた手がぎゅっと、強くなり引き寄せられる、完全に寝ぼけていますね

流石にこのままで居てはいけませんので、頑張って隙間を作り抜け出そうと力を入れるも、私が非力なのもそうですが、彼の力も強いのでなかなか抜け出せません

 

 

結局抜け出せたのは、少しした後に緩んだ一瞬の隙を突けた時でした。いい人なんですけどね、お酒の力には人間も妖怪もかなわないと言うわけですね、今日は良い布団が欲しいな、と思いながら帰宅し、安物の布団へ入ると落胆してしまう私でした。

 

 

 

翌日、お店に彼が謝罪に来ましたが、別段怒ることでもないのではないので、気にしていません。ただ、一緒に来ていた彼の友人が、襲われてないか?と聞いてきましたが、彼は人間を食べるタイプでもないので襲われるわけ無いので、軽く流しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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