ネタ魔法に魅入られた者 作:みみみ
1話
今年はあのハリー・ポッターが入学する年だ。なんて考えてみたものの、ネビル・ロングボトムはヒキガエルを見失ったため探しに出かけ、ハーマイオニー・グレンジャーも彼を手伝うと言ってコンパートメントには僕一人が残ってしまった。
手持無沙汰に夏季休暇中に読み込んだ教科書をパラパラと捲ってみても、そこに書かれている文言を暗記した以上読む気にはならなかった。
ようやくホグワーツに入れるのだ。列車に乗ってからホグズミード駅に着くまでのことはどうだって良かった。この11年間魔力を制御しながらひたすらに待ち続け、そしてやっと届いたあの手紙。
今年からハリー・ポッターは過酷な運命に身を投じることになるだろうし、今は霞のような状態な例のお辞儀様もあと数年もすれば復活するだろう。
だが、そんなことはどうだっていいのだ。彼らと、彼らに巻き込まれる人々を見捨てることになるかもしれないが、僕にはどうしても叶えたい夢がある。
―――爆裂魔法をぶっ放したい―――
転生する前の僕はどうにもならない現状というモノに疲れ果てていて、その癖行動を起こさない怠惰な人間だった。とうに過ぎ去ったはずの中二病がぶり返して全部ぶっ壊したいと思う日が時々訪れるような、アニメやゲームを嗜みながら過ごしていた社会の歯車の一員だったのである。そんな日々を過ごしていたせいか、注意力が散漫になっていた僕は車に轢かれ道路のシミになってしまった。
前世の記憶を思い出しここが『ハリー・ポッター』の世界だと気付いたときはそりゃもう驚いた。ダドリー・ダーズリーは幼いながらもガキ大将の片鱗を見せていて近所で有名だったし、プライマリースクールの同級生にハリー・ポッターという名前を持つ少年がいたのだ。
痩せぎすで、おさがりに見える服を着て、クシャクシャの黒髪で...何よりも彼の周囲では僕と同じように度々おかしなことが起きていた。
そこで僕は考えた。未熟な心身で二十数年分の記憶を受け入れ、数日の間魔力暴走を起こすほどまともに働かなくなった頭で考えてしまった。
ホグワーツ城での最終決戦時、ヴォルデモート率いる死喰い人達は、教師等が掛けた守りの魔法により校内に侵入できず、守りが破られるまでは大きく動いてはいなかった。考えてしまったのだ。
その集団に、分霊箱であるナギニと共にヴォルデモートが佇んでいるその集団に、イギリス魔法界の各方面から恨みを集めているその集団に、神も精霊も魔物も関係なく範囲内の全てを消し飛ばす魔法をぶち込めたらどれほどスッキリするだろうか、と。
まるで生きる屍のように過ごしていた僕は、そうして爆裂魔法の習得を目的に生きるようになった。色々な事を覚えすぎてしまう優秀な脳も、アニメ映画や小説で目指すべき形を知ってしまっていることも、転生直後のおかしなテンションのまま生きる指針を定めてしまったことも、運が僕に味方してるとしか思えない。
過剰すぎる火力に加えあまりの燃費の悪さから''ネタ魔法''だなんて呼ばれてたけど、決してそんなことは無いはずだ。だってロマンの塊だもん。カッコいいし。この世界で爆裂魔法を開発した暁には、あまりの派手さに魅了される魔法使いが続々と現れるに違いない。ククク...まだ見ぬ同志達よ、僕と共に爆裂道を歩もうではないか...!
なんて考えてる内に、どうやら僕は眠っていたらしい。揺れが心地いいから仕方ないよね。もうすぐホグズミードに着くらしく、いつの間にか戻っていたネビルとハーマイオニーは既に荷物をまとめていて、ヒキガエルを見つけられず半泣きのネビルをハーマイオニーが宥めようとしているみたいだった。
そんなこんなで列車を降りて、続いて乗った小舟から見たホグワーツ城は壮大で、この場所で僕の爆裂道が始まり、そして初めて爆裂魔法を放つ地になるのだと思うと胸がいっぱいになった。
小舟を降りて大広間の前に集まった僕達は、これから組み分けの儀式を行い入る寮を決めるのだという旨の話をマクゴナガル先生から聞いた。
僕はレイブンクローに入ることになった。ネビルもハーマイオニーもグリフィンドールに入れたみたいだし良かった良かった。ハリーの事もクィレル先生の事も気になるけど、それよりもまず目の前の料理の方が気になるんだよね。だって本場のスターゲイジーパイだ!本物だ!
そういえば、組み分け帽子がかなり悩んでたけど何だったのかな?
ネビル...不憫。トレバー探しは手伝ってもらえなかった。
ハーマイオニー...教科書を暗記した優秀(に見える)系生徒な主人公に対抗心を燃やしてる
主人公...二人と仲良くなれた!
組み分け帽子...「爆発魔がこの学校に!?」
主人公の性別は好きな方をお選びください
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ハーメルンだしTS爆裂ネキやろがい!
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頭のおかしい爆裂ニキじゃワレぇ!