下北沢には天使が住んでいる   作:通りすがりの邪教徒

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自分の中の御茶ノ水は、歩いたらすぐ秋葉原じゃんのイメージ


買っちった

 

 小さい箱でのロックバンドのライブ。

 広いステージとかでライブをよく観ることは多いけど、何だか新鮮な気分になる。

 

「お〜……良い曲だ」

「私、この曲結構好き。前向きな歌詞良いよね〜」

「うん、あのバンドの特徴が出てて良いね」

「すみません、ハイボールください」

「はい! お酒類は1000円になります!」

「ペイペー払いで」

「では、こちらのQRコードをスキャンしてください」

 

 ガールズバンドの人たちを夢中で見ていたら、お客さんが来たので即座に対応。

 次のライブまでには受付を覚えられるようにしたいな〜と思います。

 

 にしても良い演奏だな。バンドメンバーの人達がギターやベースなどを奏でる音は、聴いてて実に心地良い。

 そこそこ有名なバンドの中にも、それぞれの良さがあるのだと今回のライブで知ることが出来て良かった。

 

 それに……楽しそうにやっている姿を見ると、こっちも楽しくなって来る。

 やっぱりライブって、アーティストと会場にいる人も含めて一体になれるのが良いんだよな。

 

 これって大きい箱のライブだろうが小さい箱のライブだろうが、関係ないんだろうな……多分。

 

 数時間後。ガールズバンドさん達のライブが終わって、大きな歓声と拍手がライブハウス内に響き渡った。

 

 ライブ終了後は、お客さんが次々とライブハウスから退出して行き、その後にガールズバンドの人達がお礼を言って帰って行った。

 

「雄馬くん、さっきのライブはどうだった?」

 

 ステージやフロアの後片付けをしながら、虹夏ちゃんに先程のライブの感想を聞かれた。

 う〜ん……そうだなぁ。上手く言葉には出来ないけど、楽しかったってのは分かる。

 

「なんていうか、俺の中の何がトキメキを感じた気がしたかな。ロックバンドってなんか良いね」

「それは良かった。その様子だと、雄馬くんもバンドにハマっちゃった感じかな?」

「他にも凄いバンドがたくさんあるんだろうなぁ〜。それに楽器を弾いてる姿も凄くカッコ良かったし!」

「ねぇ雄馬」

「何ですか? リョウさん」

「優馬って何か楽器やってみたいとか、興味あったりする?」

 

 楽器かぁ〜。そういやまだアニメに今よりもどハマりしてなかった小学校時代にピアノをやってた時期があったけど、ある程度弾いてからなんか違うなと思って、中学に上がる頃に辞めちゃったんだよな。

 でも、ピアノとは違った何かカッコ良い楽器で好きな曲を演奏とかしてみたいって気持ちとか、ピアノを辞めた後でもアーティストのライブ観たりして思ったりする。

 

「ありますね。でも俺、今は何も楽器とか持ってないですし、新しく始めるにしてもどうすれば?」

「それなら、私が良い楽器店知ってるから連れてってあげる。明日って時間ある?」

「時間か。星歌姉さん、明日ってライブの予定は?」

「無いぞ。だからのんびり見て来な」

「だそうです!」

「じゃあ、明日朝9時半頃に下北沢駅前に集合で」

 

 おぉ〜! 明日は凄腕ベーシストことリョウさんがお勧めする楽器店に行けるのか。

 駅前ってことは、ちょっとだけ離れた所に行くんだろう。めちゃくちゃ楽しみだ。

 

「ちょーとまったー! その楽器店に行くの、私も行くよ!」

「良いけど、虹夏は何しに?」

「私は新しいドラムスティックを見に行こうかなってね。最近先端がボロボロになってきて買い替えかな〜って思って」

 

 成る程な。確かあれって木で出来てるから、劣化すると当然ボロボロになるよな。

 そのくらい練習したって証拠が、ドラムスティック自体に出てるのだろう。

 

「そうだ。せっかくだから私とロイン交換する?」

「是非、お願いします!」

 

 こうして明日は楽器を見に行く予定が組まれ、バイト時間が終わったリョウさんはライブハウスを出て、お家に帰宅した。

 

 俺と虹夏ちゃんも家に戻って、夕飯やお風呂などの一通りのやる事を終わらせて、明日のための準備はバッチリだ。

 いざこの楽器を買うぞってなった時のために、取り敢えず貯金から崩して現金10万円くらいは持ち歩こうかな。

 

 今こそ、親から貰って貯めていたお小遣いやお年玉の力を使う時だ。

 

 今更だけど楽器っていくらぐらいするんだろう? 一応調べておこう。

 ノートパソコンを開いて、ギターやベースなどの値段を検索してみたら、どえりゃー額の物ばかりで目がチカチカして来た。

 

「うん10万はエグいべ」

「雄馬くーん!」

「うわっ!? 虹夏ちゃん、ノックしてよ!」

「ごめんごめん! あっ楽器見てたんだ?」

「そうやよ。いや〜どれも高いわ、10万で足りるかな?」

「初心者セット買うならそれくらいあれば大丈夫だと思うよ? それに、楽器のことならリョウからいっぱい聞いてみれば? あの娘、音楽バカだから!」

  

 音楽バカて……。虹夏ちゃんってリョウさんに対しては毒舌になるというか、当たりが少々強いんだよな。それくらいの言葉のプロレスがしあえる程の仲なんだろう。

 

 そういう関係ってなんか良いなぁ〜。

 

「で、何かようかい?」

「まだ寝るまで時間あるし、雄馬くんのお勧めアニメ一緒に観たいなと思って」

 

 おっと、虹夏ちゃん直々にアニメ鑑賞会をしたいと……ふふん、よかろう。

 

「虹夏ちゃん的にはどんな感じのが観たい? 日常にバトル、異世界系などなど……あげたらキリがないよ」

「じゃあ最初は日常系が良いかな。ゆるふわ系で且つ笑えるのをよろしく!」

「それなら、あのアニメかな〜」

 

 この日、ごちうさを久しぶりに見返しました。

 

 

 

 

 

 

 γ

 

 

 

 

 

 

「う〜ん……遅いなぁ〜!」

「リョウってば、自分で時間設定しておいて全然来てないじゃん!」

 

 翌日の朝9時半。約10分前に下北沢駅前にてリョウさんの到着を待っていたが、時間を過ぎても本人が一向に来ないのだ。

 虹夏ちゃんと俺がロインで連絡してみたが、返信帰ってこないし何なら既読も付かないので、ガチで心配になって来た。

 

 隣にいる天使様は、リョウさんの遅刻にほっぺをプクッと膨らませてご立腹の様子だ。

 

 う〜ん……かわ余。

 

「あっ来たよ」

 

 予定時間から待つこと約10分後。リョウさんが全力ダッシュでやって来た。

 

「はぁはぁ……お、お待たせ……」

「もう遅い! いったい何してたの!?」

「えっと……その……起きた時に愛猫のメタ子がお腹にダイブして来て、その衝撃で気絶してしまい……つい」

「リョウさんって猫飼ってるんですか?」

「うん。偶に「時は来た」って鳴くんだ」

「猫なのに人語喋るの!?」

「嘘つけい! てか、リョウの家猫飼ってないでしょ!」

 

 リョウさんのノリに乗ってあげたけど、今のは流石に分かりやすい嘘だったな。目がめちゃくちゃ泳いでたし、それに猫の名前がメタ子って、何かどっかで聞いたことあるわ。

 あと連絡返って来ない時は心配したけど、無事に来れて良かったよ。

 

「まぁまぁ、リョウさんも悪気があったわけじゃないんだしさ? 俺は全然大丈夫だから」

「雄馬は優しいね。ありがとう」

「しょうがない、今回は雄馬くんに免じて許してあげるよ」

「あっ新宿行きの電車そろそろ来るよ。急ごうぜ?」

 

 こうして小田急線に乗って新宿へ、新宿から中央快速に乗り換えて降りた駅は御茶ノ水駅。

 そういえば、ここからちょっと歩けば、そこには俺らオタクの聖地と言っても過言ではない秋葉原があるじゃないか! めっちゃくちゃ行きたいです。

 

 でも今回は楽器を見に来たわけだし、序でには行けないんだろうな。

 

 御茶ノ水駅から出て歩道を歩いていると、楽器屋さんがあっちこっちにあって、ワクワクして来た。

 

「にしても、何で御茶ノ水には楽器屋が多いんだろう?」

「そ・れ・は! 戦後に進駐軍が大量の楽器を売り払ったことがきっかけで、楽器を専門に取り扱うようになったためで、うんぬんかんぬんうんぬんかんぬん……」

 

 うわっ!? 何か知らんけど、リョウさんが急に饒舌に喋り始めたぞ。

 さっきまでのクールで無表情な性格は何処へ行ってしまったんだ。

 

 そんなこんなで、リョウさんの長いうんちくを聞いていたら、リョウさんお勧めの楽器店に到着した。

 

「ここだよ。ギターとベースをメインに取り扱ってて、他にもアクセサリーとかアンプとか、その他機材が豊富にあるんだ」

「あれ? ドラムは無いんですね。虹夏ちゃんの買い物が出来ないのでは?」

「それなら大丈夫。秋葉にドラム専門店があるから、雄馬くんの用が済んだらそっちに行くし!」

 

 な、なにぃ!? 秋葉に行けるだと!

 

「そうだね、ならお昼ご飯は秋葉原で食べよっか。雄馬もそれで良い?」

「もちろん! 秋葉原なら何時でも行きます!」

「雄馬くんのテンションがいつもより高い!?」

「取り敢えず、店内入ろ?」

 

 リョウさんがそう言って、俺たちも後に続いて楽器店に入店した。

 

「はへ〜! ピカピカのギターとベースがいっぱいだ!」

「私、ちょっとだけベース見たいけど良い?」

「良いけど、お金大丈夫なの? 最近また機材とかに注ぎ込んで金欠気味って言ってたじゃん」

「見るだけだよ。雄馬もベース見てみる?」

「はい!」

 

 ベースコーナーに行って、鑑賞を始める。あれ? このベース何か他のと違うけど、ベースなんだよな?

 

「リョウさん、このベース他のと比べて弦多くないですか?」

「それは多弦ベース。ギターと見た目はほぼ一緒だけど、ちゃんとしたベースだよ」

「初心者の人が買う時は間違わないように注意だね。まぁベースコーナーに置いてあるわけだし、早々間違えないでしょ!」

「でも今回はリョウさんいるし、絶対安心だね!」

「へへっ……私のこと、もっと褒めてくれても良いんだよ?」

「そこーあまり調子に乗んない」

 

 虹夏ちゃんが声のトーンを落として突っ込みが入る。ベースにも色々あるんだなぁと勉強になった。

 

「どう? ベースは?」

「う〜ん……でもやっぱり明るめな音も出したいですね。やっぱギターかな」

「ギターならこっちだよ。着いて来て」

 

 リョウさんに案内されて、やって来たギターコーナー。そこで女性店員さんが話しかけて来た。

 

「お客さん、何かお探しですか?」

「はい。この子がギターをやってみたいとの事だったので」

「そうですか。どう言ったのがご希望で?」

「今は10万円しか持ってないんですけど、ギター以外に機材もとなると流石に無理かなぁ〜って。初心者にピッタリなのとかありますか?」

「でしたら、5万円位で始められるエレキギター初心者セットがこちらにありますよ! 本体の他にもケースやアンプなどの計14点がついてきて、非常にお買い得です!」

 

 店員さんに紹介されたギターは白いボディと金のパーツが特徴的な物で、付属品に関しても一通り揃っている感じみたいだ。

 

「これはレスポールカスタムだね。アンプはYAMAHA産か」

「雄馬くん、このギターどうかな?」

「見た目もカッコ良いな。このギターの特徴は?」

「フレットの端が丸く処理されているので、ネック上で手を滑らせても引っかからないですし、初心者にお勧めの物となってます!」

 

 ふれっと? ねっく? いきなりのギター専門用語に困惑する。詳しいことは調べたり誰かに教わりながら覚えようかな。

 

「よし、これに決めた!」

 

 こうして、俺は店員さんの勧めとギターの良さに触れて、レスポールカスタムを購入。

 

 ギター買っちった。

 





鈴代雄馬は、ギター(初心者セット)を手に入れた。

最初に言っておくと、主人公がギターを手に入れたからといって後藤ちゃんや郁代さんのポジションが無くなる事はありません、安心してください。

こちらで何とかうまい具合で調整はさせていただきます。

因みにギターの色を白にしたのはぼっちが持ってるのと対照的な色で良いかなって思ったからかな。
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