下北沢には天使が住んでいる   作:通りすがりの邪教徒

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ゼロから始まるギタリスト生活


経験者に教えてもらうは心強い

 

「いや〜! 遂に雄馬くんもギターを手に入れたか〜!」

 

 ギターを購入して、ケースにしまわれたギターを背負い、付属品を入れた紙袋を持ちながら御茶ノ水の町を歩く俺たち一向は、次の目的地である秋葉原まで徒歩で向かっていた。

 

「良かったね虹夏、バンドの魅力にハマった人が増えて」

「うんうん! この調子で、バンドメンバーとして雄馬くんを入れようかな〜なんて?」

「いやいや、そこまでの自信まだ無いから。今回の誘いは見送るよ」

 

 それに今はバンドを組みたいなとか思ってないし。まだ趣味の範囲って事にしたいし。

 

「でもいつか、雄馬くんとセッションしたいな〜!」

 

 虹夏ちゃんとセッションか……。今の俺じゃ実力不足どころか何も無い荒野からのスタートだから、基礎の基礎から学んでいかないといけないとだね。

 でもギターやるとして誰から教わるのが良いのだろうか? 取り敢えず出来るとこまで独学でやってみるか、それとも星歌姉さんに教えてもらうかな。

 

「だな。おっと、秋葉原が見えて来たよ」

 

 そんなこんなで秋葉原に到着した。時間もちょうどお昼時と言うこともあり、飲食店は行列の出来た店舗が多かった。

 

「昼飯どうする?」

「私は何でも良いよ」

「何でも良いが1番困るんだけど。私は雄馬くんの行きたい所で構わないよ」

 

 そうだな。群馬に居た時に東京遊び行った時は、せっかくの東京なんだから、地元にもあるようなチェーン店行くのもったいないよねって事で、東京にしか無いような店とかに行ってたけど、今はそんなの気にしなくて良いでしょ。

 

「じゃあなるべく安く済ませたいから、ソイゼで良い?」

「良いね。ちょうどピザ食べたかったから」

「おい! さっきまで何でも良いって言ったの何処いった!」

 

 今日は虹夏ちゃんの突っ込みが良い味してんね。こうして一向は価格破壊レストランことソイゼリアに来ました。

 3人以上が座れるくらいの広さのテーブル席に通されて、早速注文開始。

 

「俺のスマホで2人の分も入れるから、番号言ってって」

「そう言えば、今時はそんなシステムだったね。私は2203と2321で」

「リョウさんはマルゲリータとクリームパスタね。虹夏ちゃん決まってる?」

「じゃあ2403に3101付けて」

「チーズハンバーグとライスね。じゃあ俺は、定番のドリアと辛味チキン……きのこピザも頼んじゃお〜っと。ドリンクバーいる?」

「いるいる!」

「虹夏と同じく」

 

 全員注文が完了したので、注文データを送信。ふぅ……お腹空いた。

 

「リョウ、雄馬くん、ドリンクバー行こ?」

「荷物あるし、先ずは2人で行って来な」

「じゃあ雄馬くんの飲みたいやつ持ってくるよ!」

「じゃあメロンソーダでお願い」

「私の財布、ちゃんと死守してね?」

 

 こうして2人がドリンクバーで、俺の分も含めて飲み物を持って来てくれた所で、ソイゼ名物の激ムズ間違い探しでもしながら、料理の到着を待ちますかね。

 

「これ何処が違うんや?」

「やっぱり難しいよね。リョウは分かった?」

「このズッキーニのキャラ、大きさが微妙に違うかも」

「えっマジすか!? あっホントだ。よく見つけましたね」

「ただの勘だよ。あとはサッパリ」

 

 まぁ裏ワザで店員さんに言えば、間違い探しの答えもらえるらしいから、最悪それを使っても良いのだが……やっぱり自力で見つけたい。

 

「お待たせしましたー!」

「私のが先に来た。2人とも、先にいただきます」

 

 リョウさんのご飯が先に来たので、ここからは虹夏ちゃんと一緒に間違い探しチャレンジだ。

 

「だぁ〜難しい〜! 本当に他にも間違いあるの?」

「見つけた!」

「えっどこどこ!?」

「ふぁ!?」

「ねぇ〜! どこ〜?」

 

 隣に座っている虹夏ちゃんが間違い探しのイラストをよく見るために近くに寄って来た所までは良かったんだけど、近づきすぎて発展途上の膨らみが俺の腕にダイレクトアタックしていて思考が銀河の彼方に飛びそうになった。

 

「あっああ……!」

「ねぇ〜雄馬くん、どれ〜?」

「なっ、鍋の取っ手が……微妙に違うよ」

「本当だー! 雄馬くん凄いね!」

「ははっ、偶々だよ」

「あと残り8個か〜。間違え探しなのに多すぎー!」

「お待たせしましたー!」

「だは〜時間切れだ〜!」

「ほっ……」

 

 残りの間違いを見つけようとしたが、店員さんが俺らの分の料理を持って来たので、間違い探し対決はソイゼの勝ちで良いです。

 ここで店員さんに答えを貰うという名のチートをお願いして、飯食いながら答え合わせしたわ。

 

 数十分後。昼食を済ませた俺たちは、会計へと向かった。支払いはそれぞれ自分が食べた物分払うということになったのだが。

 

「あっお金が……」

「リョウさん、どうしました?」

「お金、電車代の分しかなくて払えない。虹夏〜! 奢って〜!」

「良いけど。その代わり、バイト代がでたらそこから引くからね!」

「そんな殺生な! 雄馬〜!」

「コラ! 雄馬くんからたからないの!」

「良いですよ。今回は俺がリョウさんの分の昼代奢ります」

「雄馬くん!?」

 

 リョウさんは今回、俺のために楽器屋連れてってくれたし、ピアノ以外の楽器のことをより知ることが出来てすごく嬉しかった。

 この感謝の気持ちを奢ることで恩返し出来るなら喜んでするよ。

 

「リョウさんのお陰で、色んな楽器に触れることが出来たんです。だから今回は俺に奢らせてください」

「雄馬〜! ありがと〜!」

「雄馬くんは優しいな。リョウ、雄馬くんから奢られるのは今回だけにしてよね?」

「分かった。虹夏と神に誓って雄馬からはもうたからないよ……」

 

 リョウさん、泣いて縋り付くほど嬉しかったんだな。まっソイゼだし、財布へのダメージは軽症だったけど、他の店だったらどうなってた事か。

 

 これを表で言わないのが男ってもんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 Ζ

 

 

 

 

 

 

 昼食を食べ終えた俺たち。次は虹夏ちゃんが目的としているドラム専門店に行くために、秋葉原駅の昭和通り方面の方を目指して歩く。

 

「やっぱり秋葉原は居るだけでもワクワクするな〜」

「雄馬、秋葉好きなの?」

「好きなんてもんじゃないですよ。俺みたいなオタクくんにとってはテーマパークみたいなもんですから!」

「雄馬くん、アニメ好きだからね。昨日一緒に観たごちうさも面白かったし、個人的にシャロちゃん推しかな〜」

 

 虹夏ちゃん、推しが出来てしまうほどハマってしまったのね。因みに俺の推しは千夜ちゃんです。

 

「雄馬、アニメ好きなんだ。私もアニメはよく観てるよ」

「そうなんですか?」

「色々な曲を知っていくうちに、アニソンにも辿り着いたんだ。その序でにアニメも観たら面白くてついハマったんだよね」

 

 曲から入ってハマる人ってそんな珍しくはないけど、アニメを知るきっかけにアニソンがあるのってなんか素敵だよね。

 

「私は特にきらら系が好き。疲れた心に染み渡るのが何とも良い」

「分かる〜! 確かに女の子たちの日常系は癒しだよね〜!」

 

 うんうん。別に百合が癖ってわけじゃないんだけど、2次元の可愛い女の子達を観てると幸せになれるって全国共通だと、俺自信勝手に思ってるよ。

 

「じゃあさ! せっかく秋葉に来たんだし、アニメショップとかにも行こうよ!」

「ええなそれ。先ずはドラム専門店で用を済ませようや」

 

 歩く事数分後、ドラム専門店に到着したので早々に入店。初心者が見たら太鼓がいっぱいだ! って反応になるだろう。

 

「流石は専門店だな」

「すぐ済むからね〜。えっと……あった!」

「虹夏、前のと同じの買うの?」

「使い慣れの方が良いじゃん。早速買ってくるね!」

 

 虹夏ちゃんがドラムスティックを持ってレジに向かう姿を見てた俺は、会計が終わるまでリョウさんと外で待つ事にした。

 

「そのギターいつ弾いてみる?」

「受験生の身だし、引く時間は削るしか無いので、時間がある時とか息抜きとかにでもやりますよ」

「積み重ねが大事だから頑張って。分からない事あったら、私が時間ある時に教えてあげる」

「アザス、リョウさん!」

「お待たせ〜! それじゃあアニメショップだけど、良い所ある?」

「なら、色んな店が密集してる所があるから、最初はそこに行こうぜ」

 

 こうして、秋葉原駅の電気街南口を出て直ぐそこにあるラジオ会館にやって来た。

 アニメグッズだけじゃ無くて、トレカなども取り扱っているので、秋葉に最初に訪れる場所といったら先ずはここだろう。

 

「このフィギュア、完成度高いね〜!」

「細部にまできめ細やかな服装の皺まで再現されてて、良い出来だよな」

「ん? あっちのコーナーなんだろう?」

「リョウさん、そっちは18禁コーナーだ! 行くんじゃねぇー!」

 

 リョウさんを何とか禁断の園への侵入を阻止して、ラジオ会館を全巡りした一向は、秋葉原を十分に満喫して、下北沢へと帰還した。

 カドショやアニメート、ゲマズなどにも寄れて、新商品や漫画の新刊を幾つか購入出来て大満足だ。

 

「リョウさん、今日はありがとうございました!」

「私も楽しかったよ。またね、雄馬」

「じゃーね! リョウ!」

「うん、また明日」

 

 リョウさんと別れての帰り道。俺は今日買ったギターに早く触れたくてウズウズしている。

 星歌姉さんに言ったら、スタジオとか貸してくれるかな? 帰ったら頼んでみようかな。

 

 マンション着いて、俺は星歌姉さんが居るであろうライブハウスの方へと足を運び、虹夏ちゃんは夕飯の支度をするので、先に家へと戻った。

 

「星歌姉さん、ただいま」

「おかえり、雄馬。その背負ってるのギターか?」

「そうだよ。ジャジャーン!」

「レスポールカスタムか、初心者向けの良い奴じゃん。早速スタジオで弾いてみるか?」

「良いの?」

「せっかく買ったんだし。それに、早く弾きたいって顔してるぞ」

 

 嘘っ!? 俺、そんなに分かりやすく顔に出てた?

 

「私がセッティングしてあげるから、スタジオの機材とか使って良いぞ」

 

 そう言って星歌姉さんがスタジオの方に連れてってくれて、本格的な良い機材を使わせてもらった。

 このYAMAHA産のスピーカーとか、良い音が出るので有名ってどっかのオーチューバーが紹介してた奴だ。

 

「先ずギターの持ち方からだな。弦を押さえる左手の部分は、真横じゃ無くて少し前に出して持って」

「こ、こうかな?」

「そうそう。それでもって……」

 

 機材を使わせてくれるだけじゃなくて、姿勢とかも教えてくれるとか星歌姉さん優しすぎじゃね?

 

「構えはこんな感じだ。次は音を出してみるか?」

「うん」

「じゃあネックの部分を押さえて、その片手に持ってるピックで弦を弾いてみろ」

「あっ! 音が出た!」

「安いギターにしては良い音だな。最初はいきなり曲に入らず、ある程度学習してからの方が絶対に良い。基礎練やコードを知らずに曲弾けなくて挫折する奴が多いからな」

 

 確かに。ゲームで例えると、レベル1から一気にレベル50に挑むような物だもんね。

 頑張って、俺の好きなアニソンとかいっぱい演奏出来たら良いなぁ。

 

「ん? 虹夏が夕飯出来たってさ。ギターはまた今度な」

「星歌姉さん、色々ありがとね」

 

 取り敢えず目標は、でっかくアニソンコピーとかしたいな。

 





雄馬くん、リョウさんに早速(楽器を教えてくれた感謝で)奢る。

雄馬くん観癖は年上のお姉さん。因みに誕生日設定は3月10日、サトノクラウンと同じ誕生日。

リョウさんの「もうたからないよ」はフラグです。

主はギターに関する知識はそこまで詳しく無い所謂ミリしらので、割愛するとこはします。そこら辺は生暖かい目で見守ってください。

次回、修学旅行編!
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