尚、この作品での先生は特にキャラを決めてるわけではないので好きな先生を思い浮かべて進めていただければ。
俺たちがやってきた場所はキヴォトスと呼ばれる学園都市であり、規模の大小こそあれど、さまざまな学校がある場所らしい。
だがここの学生は例外なく銃火器を所持しており、銃撃戦が常日頃絶えない。
頭の上にある輪っか…ヘイローと呼ばれるものがある生徒は物凄く力強く,頑丈であるとのことだった。
「以上が、このキヴォトスにおける一般常識の類ですね」
いつぞやお世話になった王国監査官のセナに似た雰囲気を持つ、「七神リン」と名乗った黒髪ロングの眼鏡をかけた長身の美人がそう締めくくる。
「そ,そうですか……じゃ,じゃあ次は俺たちの事とあのカエルについて話せばいいんだよな?」
「ええ,お願いします」
オフィスでの真面目な会話はどうにも馴染めない……というか、イロモノ枠じゃない美人が相手だ。
流石に長年の引きこもりには色々ときついものがあり……さっさと終わらせたい。
そんな訳で,今度は俺達の事情を話すことになった。
数分後
「なるほど……つまり,あなた達は先生とは別の、外の世界から来た旅人であり。
あのカエルはその世界で生息している生き物,という事ですね?」
「あ,はい。そういう事です……」
かつてこんなにすんなりと話がまとまったことがあっただろうか。
俺の話を完結にまとめたリンに思わず感動を覚えつつ,俺は差し出された紅茶を啜る。
「……外の世界の原生物が街中で現れたとは俄には信じられませんが、軽自動車並みの大きさのカエルなどこのキヴォトスには存在しない。
あなたのその話を信じるほかありません」
「わ,分かっていただけたようで何よりです」
リンは頭痛を堪える仕草をしているが、何であの碌でもない世界のアホみたいな生態を大真面目に説明しなければならない俺の苦悩も汲んで貰えると……。
「それじゃあ,俺はこれで……」
早く帰って寝ようと腰を上げた時、リンが慌てて腕を掴んで…
「いたたたたッ⁉︎う、腕が折れる……!」
何だこいつ、めちゃくちゃ力が強い…!
これでも冒険者としてレベルもそれなりに上がっているはず。
つまり、本当にこの世界の人は軒並み力が強いと言う事だ。
「そ,そんなに強く握ってはいないのですが………。
あと、それに関してあなた達に頼みが……って!耳を塞いで聞こえないふりをしてもムダですよ⁉︎」
「ええいはなせ!またロクでもないことに巻き込まれてたまるか!さっさと屋敷に帰って………」
そこまでして抵抗していた俺はあることに気づいてしまった。
異世界に俺たちの屋敷があるわけない事を……。
俺は,ソファーに座り直して深く息をつく。
「………話を聞こうじゃないか」
「はっ倒しますよ?」
話というのは、キヴォトス内におけるいろんな問題の解決とジャイアントトードを含めた異世界からの生物に関する調査と討伐だった。
せっかく大金が転がり込んできての、セレブ生活が待っていたというのに,急転直下もいいところである。
「でもまあ、衣食住と前金貰っちまったしな……」
だが……この福利厚生を前にした俺たちに拒否権はない。
それがなければ俺たちはただの根無草だし、ヘイローなんかない為銃弾なんか食らおうものなら即死である。
あの3人に話してくると抜け出した俺は、無駄とは言えど何もやらかしてない事を祈りつつ、別の応接間に向かうと。
「な,何なんだよお前は⁉︎」
「さあ,観念なさいな!
このアクア様の目が青いウチは、悪魔なんて全部祓ってやるんだから!」
褐色の肌に銀色の髪を持ち……悪魔のような尻尾を持つ女子生徒に襲い掛かるアクアの姿があった。
「このクソバカ!早速何やらかしてんだお前は⁉︎」
慌ててアクアの後頭部を引っ叩いて止める。
「ちょ,何すんのよヒキニート!こっちは害虫駆除で忙しいんだからあっちいって!ほら、はやくあっちいって!」
こいつ!
「うるせー!行く先々でトラブル起こしやがって!アクセルに帰ったら本当にエリス教のプリーストと入れ替えてやる!」
「わあああああ!カズマに捨てられたああ!あんなに色々してあげたのにー!」
誤解を招くような事を騒がれそうだったので慌てて口を塞ぐが、もう遅い。
「い、いや……その,助けてくれてありがとな……」
銀髪の生徒は感謝こそ口にするが、明らかに引いた目線を俺に向けていた。
「ちくしょー!何で初対面の女子にこんな反応されなきゃならねえんだ!」
「いひゃいいひゃい!ほっへをひっはららひへ!」
掴みかかってきたアクアの頬を引っ張って対抗していると。
「他所様で一体何をしてるんですか?」
「おい、2人揃って何の騒ぎだ?」
呆れたような顔をしためぐみんとダクネスが、こちらにやってきていた。
めぐみん達にアクアのお守りを再び任せて、また数分後。
「つまり、あの青髪のやつは私含めた悪魔に対して強い嫌悪感を持ってるって話か?」
「本当すんませんでした!」
「ちょ、慣れてるからそこまでしなくていいって!」
銀髪の子こと「銀鏡イオリ」とアクアにことの端末を聞いた俺は、DOGEZAを敢行していた。
アクア曰く「退屈してたら悪魔の匂いがしたから祓ってやろうと思った」らしいが……そっちはダクネスに説教を喰らってるだろう。
それより……
「慣れてるって?」
引っかかるところがあった俺が、足を組んでソファーに座るイオリの前で顔を上げると迷惑そうに。
「私達の学校……ゲヘナ学園はトリニティ総合学園の連中と結構ギスギスしてるんだよ」
アクシズ教団とエリス教団みたいな関係……じゃないな。アレはアクシズ教団が勝手に突っかかってるだけだ。
「なんか苦労してるんだな…」
どうやら結構苦労してるみたいで、シンパシーを感じていた時。
「あ、ちょっといいかな?」
スーツを着た男が、こちらに声をかけてきた。
ユウカを伴って現れたのは「シャーレの先生」と呼ばれる男だった。
「ユウカとノアを助けてくれたことに、私からもお礼を言いたくてね。本当にありがとう」
「まあ、いいよ……で、アンタが先生でよかったんだよな?俺達こそお世話になるしお互い様だ」
どうやらユウカたちとカエルを倒したことについて、お礼を言いにきたらしいが、どっちかと言うとお礼を言うのは俺たちの方だ。
ちなみにリンにアクセルの事を知らないか聞いてみたが、知らないと反応が来た。
つまり、このキヴォトスと俺たちのいた世界は違うものの可能性があり……そうなると、ここに連れてきてもらわなかったらホームレスになるしかなかったわけだ。
「兎も角、短い間かもしれないけど……わからないことがあったら何でも聞いてね」
人の良さそうな笑みを浮かべた先生の隣でユウカが改まった様子で。
「ミレニアム・サイエンススクール関連の事なら、セミナー……生徒会として私とノアも協力します。一緒に頑張りましょう……って、何でそんな感極まった顔してるんです⁉︎」
「いや、まともすぎて涙が……!」
元いた禄でもない世界のキワモノと比べて,出来過ぎなレベルの会話に感動すら覚えながら、俺は「先生」と「ユウカ」の2人と連邦生徒会から支給されたスマホで「モモトーク」の連絡先を交換した。
俺,今度こそ頑張って働くよ……!
いかがでしたか?
次回からは1話完結型にしていこうかなと。
お題などのリクエストがあれば是非感想でお願いします。