ポケモン LEGENDS KYUREM 〜英雄、二人〜   作:影山ザウルス

12 / 22
閑話〜モンスターボール史〜

モンスターボール。

今でこそポケモンを捕獲するための道具として定着している。

このモンスターボールの作成に欠かせないのが、"ぼんぐり"である。

ぼんぐりは成長が早く、各地に多く自生している植物だが、ぼんぐり自体には可食部が少なく、硬すぎてポケモンですら食べないという特徴があった。

モンスターボールが無い時代にはその数の多さと硬さから、人々はポケモンに遭遇した際に、ぼんぐりを投げつけて身を守っていた。

しかし、ポケモンの中にはぼんぐりを投げつけられたことで興奮し、暴れ出すポケモンもおり、必ずしも有効的という訳では無かったのが実情だった。

食用としては使えず、自衛用としても中途半端なぼんぐりをどうにか有効活用出来ないかと考える青年がいた。

 

グランドマスター・インテツ。

 

インテツは毎日ぼんぐりを集めてはその活用方法を模索する"変わり者"とされていた。

ある日、インテツは上下に二つに割れたぼんぐりを見つけた。

こうしたぼんぐりは過去にも見つかっていたが、何故こんな割れ方をしているのかがわかっていなかった。

しかし、その日見つけた直径四寸(約12cm)足らずのぼんぐりの中に三十尺(約9m)はあろうイワークが入っているのを発見する。

以来、インテツは上下に割れたぼんぐりを探し回り、何故イワークがぼんぐりに入っていたのか、どういったイワークがぼんぐりに入るのかを調査した。

その結果、イワークに限らず致命的な怪我を負ったポケモンは体を三寸(約10cm)ほどの大きさに縮め、ぼんぐりの中で療養することがわかった。

これはぼんぐりに薬効がある訳ではなく、ポケモンという生物の生命力に由来する。

致命傷を負ったポケモンは体を小さくし、傷が癒えるのを待つ。

その無防備な期間に身を守る術として、硬く、食べるものもいなく、あちこちに自生しているぼんぐりを使っているということがわかったのだ。

インテツは、このポケモンだけが持つ特性とぼんぐりの特性を有効活用出来ないかと考え、志しを同じくする仲間と共にポケモン捕獲機モンスターボールの製作に着手する。

幾度も試作と失敗を重ね、二十年という歳月をかけて今日のモンスターボールの"原型"を作ることに成功した。

モンスターボールが体力的に弱っているポケモンを捕獲しやすいというのは、ポケモンをよりぼんぐりに入る状態に近づけさせ、モンスターボールに入る抵抗を無くすためである。

 

 

晩年のインテツには多くの門下生がおり、二つの願いを門下生達に託して、この世を旅立つ。

 

壱・モンスターボールを万人に広げよ。

 

モンスターボールの作り方を広めるも良し。

モンスターボールを作り、商売するも良し。

その言葉通り、門下生達の多くは各地を行脚し、モンスターボールの作り方を教える者もいれば、モンスターボールを作り、商店に卸す、商いに走る門下生もいた。

 

弐・あらゆるポケモンを必ず捕まえるモンスターボールを作り出せ。

 

モンスターボールは使用する鉱石やその配合する割合によって、捕獲率の上昇が確認されている。

しかし、捕獲率を上げるために大量のぼんぐりと大量の鉱石をしても"必ず捕獲する"モンスターボールを製作することは遂に叶わなかった。

その原因はインテツのモンスターボール製作の技術が理由なのか、材料であるぼんぐりや鉱石に由来するのか、はたまたそれら以外の全く別の理由なのかわからないままだったため、この二つ目の願いに取り組もうという門下生は少なかった。

ある門下生はただひたすらにモンスターボール作りの技術を磨き、ある門下生はより高品質な材料でもってモンスターボール作りに挑んだ。

そして、ある門下生はモンスターボール作りに必要な鉱石の種類を変えることがポケモンを"必ず捕まえる"ボール作りに関わると考え、海を渡り、遠い異国の地、ハルモニア王国へと踏み入れた。

 

彼の名はマスター・コウテツ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。