ポケモン LEGENDS KYUREM 〜英雄、二人〜   作:影山ザウルス

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閑話〜ある団員の日課〜

初任務を終えて、2日ぶり王城へ帰還したシーカーの4人を待ち受けていたのは、ボルツと副団長、及び分隊長達の面々だ。

どの人も険しい表情をしており、特にボルツの表情は恐い。

ボルツがニールに初任務の報告を求め、それに対してニールは少し休みたいと懇願する。

しかしニールは屈強な分隊長に引きずられ、謁見室に連行されてしまった。

その後、謁見室では前代未聞の任務の報告会が行われる訳だが、それは別の話。

連行されるニールに続いて、ボルツや他の分隊長が王城に入っていく中、副団長だけが残り、シーカーの3人と向き合った。

褐色の肌と海のように青い瞳、青い筋の入った黒髪が特徴的な史上初の女性の副団長だ。

セイガイハ村というサザナミ湾沖にある漁村の出身で、幼い頃から水ポケモンと触れ合っていたそうだ。

そのため、水ポケモンの扱いにおいて彼女の右に出る者はいない。

 

「任務完了を確認した……お疲れ様」

 

副団長が敬礼をすると、3人も副団長に敬礼を返した。

副団長は3人に優しく微笑みかけた。

 

「今回のフキヨセ村での任務や、類似の依頼は訓練課程を修了した新兵の通過儀礼みたいなもので、よくあることなの。大変だったでしょ?」

 

「いえ、自分達……いえ、自分の力不足を痛感し、多くの学びがあった任務でありました」

 

ソリダゴは素直に自分の不甲斐なさを受け入れていた。

 

「最初はそんなものよ」

 

副団長は3人の複雑な心境を読み取っている。

任務中にどんな失敗があり、どう挽回してのかは知らない。

しかし、今回の任務は3人の糧になることだけは知っている。

かつての自分がそうだったように。

 

「何か私に出来ることがあれば、相談に乗るわ。それから……あなたも、彼らに手を貸してくれたそうね。礼を言うわ」

 

副団長の視線が厩舎番に向けられた。

 

「いやぁ、おら、何もやっでね。全部こん子らの成果だ。んだば、おら厩舎に戻っから」

 

厩舎番は帽子を脱いで、一礼すると厩舎へと歩いていった。

 

「それでは、解散!!」

 

副団長は号令を響かせ、早足で団長達を追いかけた。

残ったソリダゴとハナナが兵舎へと戻ろうとするが、そこにテフラの姿が無かった。

 

 

 

 

テフラとゼニガメには、ある"日課"がある。

しかし、今回の任務で日課を2日も空けることになってしまっていた。

2人が向かったのは王城の庭園。

その庭園を取り囲むように植えられている木の根元に用があった。

それは数日前に初めて庭園の仕事を手伝った際に見つけた植物の芽の観察と世話。

2人はミネズミのように周囲を警戒しながら目的地へと急いだ。

理由は単純にスギジに遭遇したくないというのもあったが、万が一にあの芽が見つかっていたら、景観にそぐわないという理由で引き抜かれてしまうことを恐れていた。

2人が木の根元にたどり着くと、植物の芽を探した。

しかし、植物の芽は見つからず、隣の木の根元も探した。

 

「ゼニ!!ゼニゼニィ!!」

 

どうやらゼニガメが見つけたようだ。

テフラがゼニガメに駆け寄ると、2日前と変わらない様子の芽が青々と煌めいている。

 

「ゼニガメ、水鉄砲」

 

「ゼニィ」

 

テフラの指示を受けて、ゼニガメは他の植物に影響を与えないように気を付けて、水鉄砲を噴いた。

以前、王城の図書室の植物図鑑で、何の植物か調べたが、残念ながらわからなかった。

しかし、わからないからこそどんな花が咲くのかどんな成長を遂げるのか、それを観察していくのが楽しみなテフラとゼニガメ。

2人はまた明日来ることを伝えて、その場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

その後ろ姿を何者かに見つめられているとも知らずに。

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