チュートリアルが終わらない   作:サバンナ気候

3 / 3
チュートリアルは終わらない

 

あれから何とか半分ぐらいの剣を犠牲にして、その場から離れる事に成功した。

 

《"主人公"の生存が確認。始まりの"チュートリアル"が終了します》

 

森をジグザグに走りながら、追ってくる足音が消えた事で少し安心して木に背中を預ける。

 

『ふぅ』

 

息を少し吐いて、身体を休めた後。先程聞こえた幻聴を呼び起こす。やっぱりこの世界は、ゲームの世界らしい。が、幻聴の言う事を信じればチュートリアル(俺の役目)は終わったらしいし。これからはゲームの事など気にせず、生きれば良いんだから。

 

 

 

 

 

 

そ う 思 っ て い た俺 が い ま し た 。

 

 

 

 

 

 

村に戻るのは危険だと判断し、近くの街で新生活を始めるのも良いなと思い。その街の冒険者ギルドで、冒険者登録をする事にした。

 

やっぱり異世界転生といえば、冒険者だろとノリで登録したのだが。そんな俺を裏切るかの様に《"チュートリアル"を開始します》とか後出しで言うの辞めて欲しい。

 

思わず開始すんなよって言ったらさ。

 

《現在開始中の"チュートリアル"は一件あります。この"チュートリアル"が終わるまでは、"チュートリアル"の"担当者"は"行動"が'制限"されます》

 

行動が制限されます、だってさ。ざけんなよ!クソッ。

 

その後、このクソ幻聴に色々聞いた結果。今やってるチュートリアルが"パーティーを組もう"らしい。

 

ああ、そうですね。受付さんが、『ソロだと何かと大変なので、パーティー加入をお勧めします!』って言ってたけどさ。なんか、目が合う見覚えのある主人公(しょうねん)いるよね?まさか、アレと組めって?

 

「おっさん、生きてたのか!」

 

『ああ、君こそ』

 

「おっさんのお陰でな」

 

周りを見渡しても、他のパーティーメンバーは見つからない。おかしいな原作では、いやと言うか原作(ゲーム)ではチュート君()は最初がピークで後は出番が無い。当然、こんなシーンは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

──待てよ?確かに、チュート君では無かったが。プレイヤーの初陣の時にはいつも、見知らぬ奴がそばにいてさり気なく主人公を助けてた様な。もしかして、それがチュート君だったのか?

 

何か事情があって姿を隠していて、陰ながら主人公を助けていたと言う事?だとしたらカッコいいな。

 

でも、それ俺がやるの?何で?見て聞くとカッコいいとは思うけど実際にやるとなぁ。

 

そう思っていると、キラキラとした目で俺を見る主人公(プレイヤー)君と目が合う。はぁ……やるしか無いか。

 

『……ところで他のパーティーメンバーはどうした?』

 

それを聞くと言う事は、事情を知ると言う事だ。もう後戻りは出来ない。俺はチュートリアルに足を一歩踏み入れた。

 

「二人とも、強くなろうと頑張ってる。それでその結果が出てる。だけど、俺は……」

 

『思った結果が出ないのか?』

 

「そ、そうだ」

 

成程、その流れでか。

 

『実は、俺は冒険者をやった事なくてな。初めてのクエストをこなせるか心配だったんだ。良かったらパーティーを組んでくれないか?』

 

「俺で良いのか?俺はおっさんより弱いし、他のベテランの奴の方が」

 

『お前が良いんだ、頼む』

 

「こっちこそ」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。