最近のマイブームは1日1回狸眼ちゃんと世界ちゃんに死亡ルートで看取ってもらうことです。
神椿市には5人の「魔女」と「少年」がいる。
「狸眼ー。それ何書いてんの?」
「歌詞。邪魔だからあっち行ってな」
「ひど!僕は君の
「相棒ってのは「彼」と化歩ちゃんみたいな関係なの。114回死んで出直しなさい」
「何をそんな怒ってるのさ…?……あっそっか!「あいつ」への感情を歌詞にしてるんでしょ!結局新しく生まれたあいつの世話をするのは化歩だったし、化歩に取られちゃったから想いを歌にぶつけようとしてるんだ?」
「晩飯抜きにするよ」「悪かったって」
仲が悪いようにも良いようにも会話する2人は、「魔女」とその娘を守る
未だ再建中の神椿市を「2度目のブラックアウト」から守り抜いた魔女と少年達の1組である。
狸眼と呼ばれた少女は煽ってきた少年に向かって淡々と話す。
「記憶は無いけれど、彼は生きてる。それだけであたしは満足なの。別に取る取られるの話でもないでしょ。…まったく…集中途切れちゃったじゃん。気分転換に買い物行くから手伝いなさい。はすたー」
「はすたー」と呼ばれた少年は愉快そうに笑いながら答えた。
「はいはい。仰せのままにご主人様」
「気持ち悪い」「ほんとに酷くない?」
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マンションから出ると休日の所為かデパートは混んでいた。
「今日もパパは帰ってこないから2人分か。はすたー、あんた食べてく内に嫌いな食べ物とかできた?」
「絶対入れる気じゃん。人の気持ちを勉強中の少年にする行動じゃないよね」
「ならさっさとママを殺した事を反省してパパとあたしに謝りな」
「…真の意味で僕が人の気持ちを得て、その気持ちが本物になるまではできないな」
「だろうね。だから…」
そう言いながら買い物用のカゴを投げて渡す狸眼。
「それまでは、他の少年と一緒に学んできな。あたしが協力してあげるから」
「…りょーかい…。…ありがと、狸眼」
「…」
狸眼は何も答えない。
それでもはすたーは狸眼に感謝し、彼女を守る家族としてついていく。
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「…ん?おぉ!狸眼にはすたーじゃねぇか!早めに見つけられてラッキーだぜ」
買い物を続けていると、赤髪で腕に刺青を入れた男が2人に話しかけてきた。
「げっ。なんでお前が
「その派流からの使いなんだよ。あいつと組手で負けた方がパシリって条件で勝負してな」
「それで負けたのか。仮にも元特殊個体のくせに情けないな」
「本来の姿だったら負けるわけねぇが、人間の体での闘争も熱くなれるしな。俺の闘争欲も人間の勝負方法で意外と解消できている。この生活も悪くねぇもんだな」
「はっ、随分と絆されたねあぐにも」
「言ってろ。お前もは傍から見たら同じ穴の狢だぞ。狸眼もそう思うだろ?」
「知らない。て言うかあんたは何のパシリなの?」
「おっと忘れてた。
「伝言?派流から?」
「おうよ、『来週の休日、皆集まって
「別に甘くないし…。分かった、来週の休日ね」
「んじゃ、確かに伝えたからなー」
そう言ってあぐには去っていく。
「ほんとに派流のお使いだけなんだ…何するか分かんないからちょっと警戒してたんだけど…」
「盟約してる以上は派流が「そういうの」は禁止してるだろうに。狸眼は心配症だねぇ。色々と疲れてるみたいだし、僕が着いてきて正解だったかもね?」
「は?なんでそうなるのよ」
「気付いてない?周りの視線」
そう言われて周りを見てみると、周囲の視線が集まっているのが分かった。しかしその視線には悪意は無く、興味・敬意のようなものを感じる。
「…何これ?何で皆こっちを見てるのよ」
「そりゃ、ブラックアウトの時に亜留の魔法で全市民に戦っている所を見られたからね。魔女の姿ではフードを被っていても薄々気付く人間はいるでしょ」
「そういうこと?何だか小っ恥ずかしいんだけど…」
そう言って頬を赤く染める狸眼。それを笑うはすたー。
「何?狸眼ったら赤くなってんの?可愛いーねー笑」
「うるさい!さっさと買うもの買って帰るよ!!」
「はいはい」
そう言って足早に買い物を済ませる狸眼とはすたー。
傍から見ると仲良しな姉弟に見える微笑ましい光景にほっこりとする周囲の市民。
とても暖かい空間が其処にはあった。
感想、ご指定なんでもお待ちしております。
何せまだまだ広まってない界隈なもんで…