彼が起きたのは1915年、西部戦線の最前線でー?
日本
《東京都某区 マンションの一室にて》
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137:名無し一般兵
結局のとこ一次と二次ってどっちがやばかったんや?
138:名無し一般兵
残虐さで言えば一大やろ
ハンマーとか斧で相手〇すとか終末世界かよwww
139:名無し一般兵
まあ戦争の方向性とか違うしね
俺、山田孝尾はスレを眺めながらBFの戦場を思い出していた。
今年20歳になる俺は、なんjに入り浸って5年が経とうとしていた。
ただ、恥ずかしさもあってかは基本は読む専なのだが。
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146:名無し一般兵
もしぽまえらが一次に転生したら何したい?
147:名無し一般兵
全力でキール軍港反乱止める
148:名無し一般兵
>>147 まじめで草
149:名無し一般兵
これには皇帝陛下もニッコリ
…俺が一次大戦に行くとしたら、か。
あんまり想像付かないな。そもそも銃を持ったことすら無い俺が戦場行ったら即K.O.されるわ。
ふと、脇にある時計を見る。
やべっ、もう深夜2時やんけ。そろそろ頭も痛くなってきたし寝るとするか。
PCの電源を落として、ベッドにダイブする。
明日は大学に行かなくては… そんな事が頭に浮かんだまま、俺は眠りに落ちた。
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「フューッッッッッッッ!!!!」
うーん…近くで人がうごめく気配を感じる。
誰か…居るのか?
「何してる!ボンド1等兵!」
強烈な酸と火薬のにおいに顔をしかめながら目を開ける。
「さっさと行け!突撃しろ!」
目の前にはイギリス軍の軍服を着た人が立っている。
慌てて周りを見渡すと同じように軍服を着た兵士たちが次々と塹壕から出ていくのが見えた。
「はっ、はいッ!」
つい癖で答えてしまう。まだ何も知らないのに。
「急げッ急げ!機関銃陣地の展開前に制圧しろ!」
指示を出している奴に話を聞こうと近づく俺を誰かが羽交い締めにした。
「ボンドっ!何してる!とにかく走れ!」
文字通り尻を蹴飛ばされた俺は塹壕からゆっくりと体を外に出した。
俺が見たのは
ー暗闇の中で砲弾が飛び交う戦場、そう第一次世界大戦の舞台がそこに広がっていた。
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「急げ!撃たれるぞぉぉぉ!」
大声で指示ーいや罵声を浴びせる奴を横目に俺は一目散に敵に向かって走っている。
「ボンドッ!!前の木の影まっ」
知らない奴が声を掛けてくるが対して問題にはならない。
その数秒後にはそいつの頭が吹き飛ばされているからだ。
「クソックソックソッ…!」
今更塹壕へ後戻りはできない。戻っても待っているのは敵前逃亡で銃殺のみだろう。
「あと少しだっ!」
思わず声が出る。
「ボンドッ!」
その瞬間俺のコートが横に引っ張られ、爆発で空いた穴に倒れこんでしまった。
「くそッ、なんだ!?」
俺を引っ張った奴を見る。
「…悪いな。だが危なかったもんでね」
そいつが指さした方を見ると死体の山が出来上がっていた。
機関銃の掃射だ。
「た、助かった。ありがとう」
そいつはニヤリと笑ったが直ぐに表情を引き締めて俺に指示を出した。
「いいか、あの機関銃陣地は厄介だ。だから俺とお前で破壊するぞ」
「破壊といっても…」
呆れたような顔をしてそいつは俺をのぞき込む。
「訓練で習わなかったか?爆薬をセットして起爆すりゃ解決する」
確かにアレを破壊しない限りは損害は増え続けるだろう。
コクッと頷いた俺を見てそいつは満足そうに言った。
「…まあ、何もせずに死ぬよりかはマシだろ?」
だが、俺はそいつの顔を見ながらも、視界がぼやけていた。
俺は遠くで何かが燃えているのが見えてた。火炎放射器か、それとも迫撃砲でできたものか…
自陣地の方を向くと、そこには夥しい死体が無残に転がっている。
「…ッい、おいッ!!!!」
ハッとした瞬間、目の前の奴に焦点が合う。
「クソっ、お前まで戦力にならなくなるところだった」
「あ、ああっ。すまない、その」
そいつは俺が次の言葉を言うのを手で制す。
「大丈夫だ。きっと帰れるさ…最後ぐらい華々しく散ってやろうじゃないの!」
そう、大丈夫。きっと俺ならできる。
だけど……これは現実か?目の前に死体が転がっている。1体2体程度じゃない、数百か数千か。
こんなの現実じゃない、ああきっとそうだ。だから大丈夫だ…俺は死なない…
「…ヨシ、一気に距離を詰めて爆破するぞ」
俺は力強くうなずく。そう、これはきっと悪い夢なのだ。
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「…獅子奮迅の戦いぶりだったそうだな?うん?」
初老のおっさんの声が聞こえるが、俺は何も理解できないでいた。
既に日が昇り、この付近の塹壕は俺たちの活躍もあって大英帝国軍の物となっていた。
「ハァ、中佐。部下の非礼をお許しください。どうも興奮状態から帰ってこれない様でして」
小隊長らしい男がおっさんに詫びている。
「おぃ、おい!…大丈夫か?」
ゆっくり顔を上げるとそこには昨夜会ったあいつがいた。
「…………なぜ俺は……人を殺してしまったんだ……」
何度もこれは悪い夢だと自分に言い聞かせていた。
だが、その度に昨夜殺してしまった連中の顔が思い浮かぶ。
「…ショックになってやがる…」
銃を撃っている暇などなかった俺は敵兵を銃剣で突き殺し、自らの拳で相手の目を抉り喉を潰した。
その瞬間の感触やら、相手の引き攣った顔が脳裏に焼き付いて離れないのだ。
「…おい、こっちに来い」
あいつが俺の肩を組んで無理やり立たせる。
「いいか、これを視ろ!」
強制的に広がる景色を視させられる。
そこには泥と一体化した兵士たちの亡骸と彼らの存在を示すかのように落ちている銃、元がなんだったか分からない物までが一体となって広がっていた。
「…俺は"お前が為すべきことをやった"とは言わない」
静かにその景色を見ながらそいつが言う。
「だが、お前は泥に堕ちたあいつ等とは違う。まだここに居る」
俺はそいつを思わず見てしまった。
「お前は誰だ?いいか、お前はボンド"1等兵"だ。階級がある、武器がある。そしてまだ生きている」
静かだが熱が籠った声でそいつは俺に言う。
「栄えあるレッドコートの一員ならその命が尽きるまで立ち上がれ!武器を取れ!最後の一兵となるまで戦え!」
俺の頭が徐々にクリアになるのが分かる。
「あっ、あっ、ああ」
「よしッ!お前はまだ立ち上がれる!」
どうやら俺は世界大戦という呪縛に取りつかれたらしい。
なら…とことんやってやろうじゃないの…
「ブロディだ。階級は伍長。一応伝えておく」
「ああ、ええと、ボンド1等兵であり、ます…?」
俺の顔を不思議そうにブロディが見る。
「ボンド、お前アタマやられたのは本当なのか?」
「えっ?頭?」
ちょっと待ってくれメンス。
「ああ、つい3、4日前の突撃で迫撃砲にやられたって聞いたが…俺の名前も忘れちまったか…」
残念そうにブロディがうつむく。
「あっ、ああ、そう、そうなんだ。よく覚えてなくて」
「そうか…まあここから始めればいいだけの話だな」
こうして俺は西部戦線で初めての戦友を手に入れることになったのであった。
初めまして、SW好きのガノタと申します。
普段はSW系を書いていますが、今回は世界大戦を舞台にした作品を書かせていただきました。
拙い文章ですが、楽しんでいただければ幸いです。
評価・感想くれると嬉しいです。