死神警官〜バグ大の極道たちに振り回される警察   作:書庫・ラ・オランジュ

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早くも決戦か・新生下離羅アジト襲撃

 

私の名前は石長木ノ葉です。

 

 

「木ノ葉!どうしたその傷は!?」

 

 

主に怪我を心配される、本職のメイドです。

 

 

先ほど、私は子供たちを保護するために黒焉街へ行ってきた所なのですが、その先で勘違いから京極組の武闘派、久我虎徹と戦闘に発展。

頬と肩と腹部を浅く斬られる軽傷を負って帰ってきました。

 

 

「誰にやられた?」

 

 

司馬さまは私に対して時々過保護な面を見せてくることがあるので毎回それにはほとほと手を焼かされます。

 

 

「京極組の久我さまです」

 

「よし、今すぐ確保に行くぞキクリ!木ノ葉に手を出した罪は極刑級だ」

 

 

司馬さまは刀を背広の腰のベルトに差して事務所を出られようとしています。

 

 

「何言ってんですか味方じゃないんですか」

 

 

私は司馬さまの頬を勢いよくつねります。

さっき六車さまと飲んで酔ったせいなのでは。

主の暴走を冷静に止めるのもメイドの職務であります。

 

 

「ところで菊理くんは何をやっているのですか」

 

 

司馬さまの部下である菊理くんは、机に伏せてマヌケな顔して眠っています。

 

 

「あぁ、キクリなら今は【整理中】だ。起こさないでやってくれないか」

 

 

菊理くんは時々、このように『整理』という仮眠状態になります。

司馬さまによると、この時の菊理くんは眠っているわけではないらしく、【目が覚めている状態で無意識に落ちている】ようです。

夢は記憶を整理する作業とも言われていますが…………眠らずに夢を見るなど…………そもそも目が覚めている状態で完全な無意識の状態になることは可能なのでしょうか。

 

……………私と菊理くんの距離は絶妙なバランスで保たれています。

お互いのことを信頼していますが、過干渉は避けるようにしており、お互いに細かい素性や過去までは知らないのです。

 

菊理くんは一流大卒と聞いていますが、天才学生というのはこうして眠っている間も勉強になるような工夫でもしているのでしょうか。

 

 

……………ちなみに司馬さまは、この『整理』と『居眠り』の違いが見抜けるらしいです。

菊理くんはもちろん居眠りもするのでそのたびに殴り起こされています。

何が違うのかよく分かりませんが。

 

私が言うのもなのですが、なかなかどうしで彼も不思議な人です。

そんなアホヅラで眠っているのなんて、どう見ても居眠りなのに。

 

 

そもそも、彼は何を整理しているのでしょう?

 

 

「ん、」

 

 

伏せている菊理くんの腕の下に紙が挟まっていました。

私はそれを抜き取ります。すると、それは地図で、何か大きな赤丸が記されていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─────俺の名前は司馬喬皇平。

 

 

「司馬さま。これは何の位置情報でしょうか」

 

 

メイドである木ノ葉から業務報告を受ける特殊犯罪対策課の警官だ。

 

 

「なんだこれは。これは黒焉街の地図だな。筆跡を見るにキクリが書いたものだ。何を記しているんだ?」

 

「本人に聞いてみましょうか?」

 

「いや、今は起こしてはならない。整理中だ」

 

「彼は何を整理しているのですか?」

 

 

私は疑問を投げかける。

 

 

「キクリの整理は任務に必要な作業だ。これがないとキクリは無駄死にする。暴力組織をシメ上げる特殊犯罪対策課を生業とするうちの事務所だ、一般の警官にこの部署は務まらん。ゆえに当然キクリにも戦闘能力はある」

 

「てっきり逃げ惑うだけかと」

 

「通常時はな。キクリの通常時の戦闘能力は普通の警官に殺し屋級の防御力が付いただけの雑魚だ。だが、一定の条件下では戦闘が可能になる」

 

 

はぁ…………。よく分かりませんが、整理は戦うために必要な作業なのですね。

戦闘シュミレーションでしょうか?

 

 

「それより、こんな事を調べているということはこれは下離羅関連の調査結果か…………?」

 

 

俺たちが地図を見ている間に、キクリの整理が終わった。

むくり、と起き上がって周囲を見渡している。

起きたキクリの目に地図が映る。

 

 

「あぁ。それ、弥二郎が何か書いてましたよ。さっき」

 

「お、おう…………?」

 

 

キクリは自分で自分の頬を叩く。

すると寝起きの目付きが変わっていつものアホ面に戻る。

 

 

「あっ!それですね、さっき僕が聞いたんですよ」

 

「そうか。って、どこから聞いたんだ!?」

 

「木ノ葉ちゃんが心配で心配で。ドローン出して尾行してたんですよ。そしたら急にドローンの映像が乱れたというか、画面の先の景色が暗闇に落ちちゃって。しばらくウロウロしていたら復活したんですが、そしたら聞こえてきて」

 

 

キクリはPCを取り出すと、映像を流して見せてきた。

カメラの向こうは暗闇になっていてよく見えないが、音は聞こえる。

 

 

 

『こ、子供!俺らが使ってる子供の場所を教えてやる!お前の役にも…………立つかも、しれねぇだろぅ?これはそう…………取引だ!』

 

『言え』

 

『俺たちのアジトだ。街の南に鉄鋼生産所の跡地がある…………そこに攫ったガキどもを残しているから、』

 

 

 

ね?とキクリは両手を広げる。

 

 

「ドローンを出した動機については木ノ葉に任せることにして、それはそれとしてでかしたぞキクリ」

 

「久しぶりに司馬さんに褒められた気がします!

 

 

まぁ、ドローンのカメラが暗視カメラだったら暗闇の中にいる男たちの姿がわかったりしたのだが…………

 

 

「なんですが、どうやらこの暗闇の向こうで殺人が起きているみたいでして。でも久我くんじゃないということは木ノ葉ちゃんの近くに他の殺し屋がいたということになりますね」

 

「木ノ葉、この周囲を歩いていたのではないか?向こうで何か見たか?」

 

「……………いえ、特になにも」

 

「そうか」

 

 

何か知っていれば楽だったのだが…………

もしかしたらこの画面の奥に映っていた、男を殺している者の姿というのは、謎の剣豪オロチとやらかもしれなかったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の晩、俺たちは早速下離羅のアジトを襲撃した。

中から男たちの声が聞こえてくる。

 

 

「まさか本当に廃工場とは…………」

 

 

六車が困惑している。

 

下離羅は黒焉街を荒らしている。

シマの長である京極組も来るべきだと思い、六車と久我を連れてきた。

それにしても、今夜のキクリはかなり眠そうだ。今にも永久に閉じそうな目でフラフラとしている。

 

 

「キクリ。大丈夫か?昨晩の整理は維持できている」

 

「…………………………………」

 

 

聞こえていないな。

まぁ、これくらい無意識な方が良い。

 

 

「……………はっ!あ、ハイ!大丈夫です!」

 

「司馬、本当にコイツ大丈夫なのか」

 

「六車さんも僕を無能呼ばわり!?」

 

 

だってお前無能だもん。

 

 

「あ、そうだ六車さん。鞘一本貸してください」

 

「どうした?どういうことだ?」

 

「すまん六車。今日のコイツはそういう状態だ。付き合ってやってくれ、俺は抜刀術だから鞘がなくてはならんからお前のが必要だ。二本もあるんだから一つぐらい良いだろう」

 

「そういう事ならばやる」

 

 

キクリは六車から黒塗りの鞘を受け取った。

 

キクリはそれを素振りする。

 

 

「やーっ!!!って、どわぁぁぁっ!?」

 

 

鞘を振り抜いた瞬間に足を踏み外して転倒。

 

 

「…………………………………では行こうか、」

 

 

俺たちは工場の門に向かう。

 

門には2人の見張りがいる。

 

 

 

「行くぞ虎徹」

 

「はい、身の程知らずに分からせてやりましょう」

 

 

先陣を切ったのは京極組の2人。

 

 

「オラァ、クソ共が!京極組じゃ!」

 

 

六車の両腕が隆起する。

まるで金棒を持ったゴリラを前にしているような迫力が溢れる。

 

 

「な、なんだぁ!?」

 

「敵襲じゃあ!殺せ!」

 

 

2人の見張りは正面から堂々とやってきた俺たちに吠え始める。

 

 

「テメェら、京極のシマで好き勝手しておいて、ヤサの見張りが二人ってどういう事だよ。舐めてんのか………?」

 

 

久我が緑に煌めくドスを抜く。

 

 

「テメェらは何もわかってねぇな。侵入者の報告もできねぇで死ぬ事になる」

 

 

六車は腰を落とす。

 

 

それに対して、逆上した半グレ共が一斉に飛びかかる。

 

 

「うるせぇ!黙って血の海に沈んどけや!」

 

「ココはテメェら関係ねぇだろ!俺らのアジトだぞコラァ!」

 

 

六車と久我は十分に圧をかけたはずなんだが、それでも尻込みしないのは少し見込みがあるな。

 

 

 

 

とはいえ、今回ばかりは相手が悪すぎたな。

 

 

「遅すぎんだよ。見張り向いてねぇって、罰として死刑な」

 

「おぎょぉぉぁぁぁぁっ!!!」

 

 

相手は京極組を象徴する武闘派だ。

勝てるはずがない。

 

 

「ガキが、真っ二つに分かれとけ!!!」

 

「うぎぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

 

 

ものの2秒で見張りが全滅したので、工場の本館を開けることにする。

扉のレバーには鎖が厳重に巻かれていた。だが、鎖が古びている。全然、力で突破できるな。

 

 

「あっ、扉蹴破るのは僕がやりますね!」

 

「おっ、先陣切りますか菊理巡査!」

 

「門は俺たちが切り開いた。今度はお前さんに譲ろう、」

 

 

キクリは針金を2本出すと南京錠をいじり始めた。

 

 

 

「──────何やってんだ時間ねぇんだぞ」

 

 

俺は刀の鞘でキクリの頭をぶん殴った。

 

 

「ごげぇっ!!!」

 

 

 

 

 

結局、扉は六車がタックルで破った。

 

 

「お前ら、クズ組織の跡目になるとは、つくづく神経が知れんな」

 

「どうも、クシナダヒメに似ている人です。アルカナは女教皇です」

 

 

それはキクリヒメだろ。

 

 

「な、なんでサツがココにいやがんだァ!?」

 

「なんでココがバレ…………!」

 

 

奴らがうろたえている間に戦闘は始まっている。

 

 

「おいテメェら!死ぬ覚悟はできてんだろうな!」

 

 

久我が元気よく飛び出す。

コイツ、昨晩で木ノ葉にボコボコにされた所じゃなかったのか。

 

 

「良かったな、全員仲良く地獄行きだよこの野郎」

 

「ごぇぇぇっ!」

 

「こぺぇっ!」

 

 

久我のあの速度…………随分と速いな。木ノ葉とやり合って生還した男だ。普通の武闘派極道ならそうは行かん。瞬殺されていただろう。

 

奴も随分と成長株だ。

こっちも負けていられないな。

 

 

「お前らは更生の余地なしだ。早めの死刑だ」

 

 

俺の日本刀が敵を一斉に切り捨てる。

 

 

「ハヤすぎるぅぅ!!!」

 

「シニタクナーイ!!」

 

 

 

「い、今だ!死ねよボケが!!!」

 

 

俺が攻撃した後隙をついて射撃を食らわせようとするやつが一人。

こんなもの当たらないほうが難しいが…………

 

 

「テメェの相手はこっちじゃ、覚悟しろ下衆がぁぁぁぁ!!!!」

 

 

その必要はなかったな。

六車が背後から叩き切ってくれた。

 

 

一方────────

 

 

「すぅー、くぅー、」

 

 

キクリは六車から受け取った鞘を握りながら眠っている。

 

 

 

 

このままなら俺たちの圧勝だが、それでも敵の数は多い。

 

 

「オラァッ!!!!!」

 

 

俺たちは敵に囲まれているため、周りに気を配る余裕がない。

久我はその真ん中で長時間戦い続けている。

 

精神力で戦っているが、久我は木ノ葉と戦った後だ。

 

 

「ぐぅっ…………!!!クソッタレ…………」

 

 

身体に受けた傷が開きつつある。

 

 

「この程度、何とも………ねぇッ…………!!!」

 

 

久我は激しく血を流す傷を押さえながらも敵と戦い続ける。

 

 

 

「死ねやぁぁぁぁっ!!!」

 

 

そんなとき、後ろから鉄パイプを振り下ろす半グレがいた。

 

 

「ぐぅっおっ!!!」

 

 

久我はナイフでそれを止めたが、傷がさらに開き、血が流れる。

さらに、咄嗟のガードで体勢を崩す。

 

 

(この怪我がなけりゃ…………こんな雑魚ども…………)

 

 

その時、久我の横からナイフを持った半グレが突撃してくる。

その数、なんと3名!!!

 

 

 

 

「なっ………………」

 

(マジかよ、こりゃ…………受けるしかねぇか?)

 

 

傷を抱えてる防御中の久我はこれを躱すほどの余力も、腕の数もない。

 

さらに俺と六車は敵地のただ中。

この中で久我を助けに行くには、数秒ほど時間を食う。

 

 

しかし、それでは間に合わない。

 

 

「うぅぅぅぅっ!!!!」

 

 

久我はここで挟み撃ちに遭ったのだ。

怪我のせいで回避も困難、防御は既に潰されている。ならどうする。

久我にできることは、急所を外すようにナイフを受ける。それしかない。

 

 

(腹くくれ久我虎徹…………もっとえげつねぇ修羅場、山ほど見てきただろうが…………!!!)

 

 

久我の目は決意に燃える。

 

 

 

「オオォォォォォォォォォ!!!!!」

 

 

久我の脇腹に半グレのナイフが刺さる一瞬、久我はその身体で鉄パイプを押し返した!!!

 

 

(よし!だが………くそっ、遅かったか…………!)

 

 

気合が入ったのは上出来だが流石に遅かった。

 

躱すことは難しい。

なら、余った体力で強引に掴み取った防御手段、それを取るしかない!

 

3人のうち、何人まで受けれるか。

3人から同時に刺されて、生き残れる保証はない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────しかし次の瞬間、予想外の出来事が起きた!!!

 

 

 

 

 

「─────────カッ…………!!!!!」

 

 

 

 

なんと、久我の背後から、鞘を握ったキクリが現れた。

 

キクリが繰り出したのは剣術の突き。

 

 

 

「これが沖田総司の、三段突き…………!!!!」

 

 

しかも、ただの突きではなかった。

 

 

「おげぇっ!」

 

「ぐぎゃぁっ!」

 

「ぴぎぁぁぁぁっ!!!」

 

 

キクリはわずか一呼吸のうちに、離れた三人の相手を同時に突いたのだ!!!

 

三人の半グレは鳩尾を勢い良く突かれ、肋骨を破壊された。

 

 

 

 

それを横目に見た六車は目を見開く。

 

 

(なんだ…………あの突きは……………一突きにしか見えなかったぞ…………一呼吸で三度の突きだと………?人間の域に収まらん…………まさに神業…………!)

 

 

しかも、その必殺技は一発では終わらなかった。

 

 

 

 

 

「ガトチュ、エロスターイム!!!!」

 

 

「ア゙ーッ!!!!!」

 

「ごへぇっ!!!」

 

「ぎょえぇぇぇぁ!!!」

 

 

 

「ヒテンミツルギスタイル・お取り寄せーッ!」

 

「ぬぉぉぉぉぁぁぁぁっ!!!」

 

「がぁぁぁぁっ!!!」

 

「メケェェェモォォォォッ!?」

 

 

キクリは人間離れした神業を3回連続で発動した。

 

 

 

 

あっという間に半グレどもは全員いなくなった。

 

 

 

 

「やった!勝ちましたね!」

 

 

なんともない顔をしてキクリは飛び上がって喜んでいる。

 

 

「菊理巡査……………」

 

「お前さん、強すぎんか」

 

 

久我と六車は棒立ちしている。

俺たちと半グレを含めてこの中の全てで一番弱そうなキクリが、わずか2秒で9人の肋骨を破壊したのだ。

 

持っていたのは鞘だったが、これが真剣だったら最低6人は死傷者がいた。

 

 

「菊理巡査殿!是非とも俺に、剣術をご指南いただきたい!」

 

 

六車は刀を仕舞うとキクリに90°のお辞儀を向けてきた。

 

 

「はっはっは。六車くん、剣術を修めるということはまずは心を清くするところから始めるのだよ。まずは師匠へささやかな贈り物を………」

 

 

俺はキクリの頭をぶん殴る。

 

 

「興奮中の所を悪いな六車。今の技は他人に師事できるものでは無いし、本人も明日には使えなくなっている。あきらめろ」

 

「なにっ………?どういう事だ?」

 

 

俺は六車にキクリの能力について説明をした。

 

キクリは夢で記憶を【整理】した時、『見たことのある動き』を完全にコピーできるのだ。

 

 

「育成RPGで言うところの『スキル継承』ですね。見たことある技ならなんでも真似っ子できるらしいですよ!」

 

「なぜお前さんが「らしい」なんだ」

 

「コイツがコピーした技能を発動できるのは無意識の間のみだ。意図的に同じ事をしようとしても上手くできない。無意識下にストックされた技能だからな」

 

 

まとめると、コイツは夢を見ている間に見たことのある技術のうち一つがランダムに保存され、夢から覚めた後、次の夢を見るまでの間は【眠気に襲われている間や思考停止、よそ見をしている間などの無意識下に限って】、その技能をまったく同じように再現できる。

 

………………ということだ。

 

 

 

たしかにその三段突きも俺の記憶にある。

たしか、キクリを事務所に招いてしばらくした時に、かつてない強さを誇る剣豪を見たことがある。そいつの技だったような気がする。

 

ちなみに、人間の脳のスペックの問題で、一度に保存できる技は一つまで。それ以外を覚えるには一度夢の中で覚えている技能を上書きする必要がある。

 

 

つまり、今日のコイツはその三段突き以外に何もできない。

先ほどは、鞘を振り回してコケていたが、技が使えるだけで実際の力量で言ったらあの程度ということだ。まさしく素人以下だ。

 

 

「裏を返せば、それほどの神業を無意識で使えるとは…………恐ろしい男だ」

 

「六車さんの二刀流も、久我さんのスピードも、もしかしたら使えるかもですね!まぁ、無意識なので技がコピーできるかとか、ちゃんと使えたのかとか全然認識してないんですよね。自分にそういう能力があるのはシバさんから聞かされるまで知らなかったんですよ」

 

 

 

「いったいどうしたらそんな能力が…………」

 

 

 

無意識下でも思考を働かせる事ができる能力。

脳を休ませながら働かせる…………俺が子供の頃に流行った睡眠学習マシーンをセルフで実現させるようなものだ。

 

 

いちおう、俺は原理を知っているので科学的に証明することは可能だが、それでもやはり人間離れしているな。

 

 

「さぁ?苦労人の僕へのプレゼントみたいなもんなんじゃな…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

─────────次の瞬間、工場が暗闇に包まれた。

 

 

 

 

「え?」

 

「なに…………?」

 

 

 

「この感じ…………まさか…………!!!」

 

 

久我がつぶやいた瞬間、この工場は突如、地獄と化してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

次回『久我が血ダルマ・闇の蛇、反町(そりまち)恩朗智(おろち)

 

 

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