死神警官〜バグ大の極道たちに振り回される警察   作:書庫・ラ・オランジュ

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生きるのは一人だけ……守若 VS 茨木 完全決着

 

 

先ほど、俺たちが療養していた闇医者に、謎の男が襲撃してきた。

 

 

「両腕全開放やでぇぇぇ!!!バチボコにしたるわぁ!!!」

 

「グゥゥ………!!」

 

 

偶然居合わせた守若の兄貴が茨木と応戦。

序盤は守若の兄貴が圧倒的な力の差を見せつけたが、

 

 

「俺の黄金の右を食らって、生き残れる奴はおらへんでぇ」

 

 

この男…………茨木の真の力はここからだった…………

 

 

 

 

 

俺は騒ぎを聞きつけ、六車の兄貴と一緒に、病室の窓から下を見下ろした。

 

 

「今の音、アイツが出したのか………!?」

 

 

俺が見えたのは見覚えのない立ち姿の男一人だけだった。

 

 

「守若のヤツ、奴と応戦していやがったか。どこで気取ったかは知らんが、今の音………守若は病院の扉に激突させられたんだろうな」

 

「あの守若の兄貴をぶっ飛ばした………!?」

 

 

守若の兄貴はかなり大柄で、体格も恵まれている。うちの組のなかではかなり体重は重い方のはずだ。それをぶっ飛ばすとか…………腕から車でも発射されてんのかよ!

 

 

「あの男…………見覚えはないが、それらしい男は知っているかもしれん、」

 

 

六車の兄貴がつぶやく。

 

 

 

 

 

男の名は茨木綱也。

関西の一大極道連合組織、鬼童会の本家に所属する武闘派極道。

 

 

「突然やけど問題やでぇ。大阪府茨木市のマスコットキャラクターの名前は知っとるかい?」

 

 

その男は山吹色のジャケットを羽織った左利きの男。

 

 

「『茨木童子』やろ?知っとるわボケェ!」

 

 

そして、その特徴は……………

 

 

「『いばらき童子』やろがい!!!漢字使うとるんちゃうぞこんボケナスがァァ!!!死に晒せェァァァキェェァァァァ!!!」

 

「ナンデワ………カルンヤ………!!!」

 

 

ちょっとしたことですぐに怒髪天を衝くらしい。

怒りが狂気のパワーとして覚醒し、戦闘能力を向上させるらしい。

 

武器は【左手】の忍者刀を振るう近距離の圧倒的なパワー型らしいが…………

 

関西ではなぜか『黄金の【右】の茨木』として知られている。

 

 

 

 

 

「黄金の右?あいつ左手に武器持ってるじゃないっすか?」

 

「たしかにボクシングチャンプの必殺ストレートを黄金の右腕って表現したりもするが………」

 

 

そうこうしている間に、茨木は病院に向かって歩き始めた。

 

 

「……………アイツ、歩く時に右脚から出したな。左利きと見せかけて右利き………ということはないようだ、」

 

「じゃあ、黄金の右ってのはいったい…………?」

 

「それは分からんが……………もしかすると、」

 

 

 

 

 

 

 

 

その右腕に、あの守若と渡り合う力の秘密があるのかもしれん、

 

 

「いってぇぞお………身体が傷だらけだあ」

 

「よぉ…………俺はヤクザやけど殺し屋とかちゃうねんよ…………あんたを殺すつもりなんてないし、あんたみたいなアホ強いやつと戦いとうないねんな。わかったら久我と六車の身柄、譲ってくれへんか?」

 

「うるせー。誰がお前のいうことなんて聞くかボケェ。たこ焼き食いすぎて脳みそまで小麦粉になったのかよお」

 

「なんやと…………?」

 

 

その時、またもや茨木の狂気が爆発する。

 

 

「ジャァァァッッカシャァァァァ!!!うちの実家はお好み焼き屋やボケカスがコラァァオイ!!」

 

 

茨木はゆったりと兄貴に歩み寄っていた所から、急に目にもとまらない速度で突っ込んできた!

 

 

この至近距離でこのスピードをいきなり出されりゃ、対応できるハズがねぇ!

 

 

「オンドルァァァァァッ!!!」

 

「あっぶねえー!」

 

 

だが、守若の兄貴はすぐに立ち上がり、サイドステップでそれをかわした!!

 

 

(今の攻撃、横薙ぎだったら腹斬られてたな)

 

 

茨木がたまたま忍者刀を振り下ろしたおかげで、守若の兄貴の一か八かの読みは成立した。

 

 

茨木の右腕から振り下ろされる攻撃はパワーもスピードも凄まじいがそのかわり後隙が非常に大きい。

 

 

直後、守若の兄貴のカウンターの一撃が飛ぶ!

 

 

「頭を落とすぞぉ」

 

「チィッ!!!またキレてもたわ!!!」

 

 

 

「やけど、のろいのぉ!!」

 

 

茨木はなんとかガードを間に合わせる。

 

 

だがその時、守若の兄貴の包丁の軌道が変化する!

 

 

「やっぱやめたー。腹ワタ裂いてやるー」

 

「なんやとぉぉぉぉ!!!」

 

 

守若の兄貴の包丁が茨木の腹に深く入った。

 

これは確実に臓腑に届いた。

 

 

「──────────んん?」

 

 

──────だが。

守若の兄貴が異変に気がつく。

 

 

「甘いのぉ…………あんたがアホで助かったわ、せやけどなぁ…………」

 

 

茨木が怒号を上げる。

 

 

「さっきのフェイントはなんなんやコラァァァ!!!漢やったら一度決めたことは貫かんかいダボがァ!!!」

 

 

茨木が忍者刀を左の逆手に持ち替え、守若の兄貴の伸び切った右腕を刺す!!

 

 

「ちっ…………」

(コイツの身体…………)

 

 

「もう一回見せたるわぁ、茨木の黄金の右、っちゅうやつをなぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

守若の兄貴は腕を掴まれて逃げられない!

 

 

 

直後、天を貫くような茨木の拳が守若の兄貴の腹に向かって飛ぶ!!!

 

 

「これが、サトテルはんに捧げる、阪神必殺ホームランパンチじゃぁぁぁぁい!!!!」

 

「グ…………ブゥァァァァ…………!!!」

 

 

守若の兄貴は空中に打ち上げられ、天井に激突!!!

 

 

直後、闇医者エントランスの天井が音を立てて崩落する!!!

 

 

「おっとっと、ついやりすぎてもうたわぁ、」

 

 

茨木は崩落する天井の瓦礫をなんとかバックステップでかわす。

 

天井の一部は崩落し、その瓦礫のなかに守若の兄貴が倒れていた。

 

 

「オマエえ…………腹に穴開くところだったぞコラァ…………」

 

「──────オイオイ。やから、オイオイオイ」

 

 

守若の兄貴は、口から大量の血を噴き出していた。

だが、あれほどの威力を食らっていながら普通に立ち上がったのだ。

 

 

「お前の右腕…………ホントに黄金の右なんだなぁ…………昔やってたロボアニメみたいだぁ」

 

「ふん、おもろいやんけ…………こんの怪獣が、」

 

 

茨木の右手の一部が光を放っていた。

 

その光の正体は、本物の黄金…………

 

 

「お前え…………身体が機械でできてんだろー?腹に包丁が当たった時、変な音がしたからわかったんだよなあ」

 

「……………………………………………………」

 

 

守若の兄貴はこの一瞬の対峙で、衝撃の事実を見抜く。

 

 

「せや?俺の身体は5分の3が機械や。上半身右半分と腹部から下半身全て。それ以外は生身の人間やけどな、」

 

「最初から分かってたんだあ。パワーとスピード以外は大したことのないお前みてえなやつが、なーんで組織育ちの俺よりも身体が強いのかずっと不思議だったんだよなあ」

 

 

とはいえ、守若の兄貴もヤバい人だ。

なんと、合金でできているはずの茨木の腹部は、守若の兄貴の攻撃で一部が欠けていた。

わずだが、刺身包丁が食い込んだんだ。

 

 

「人間やめてまでそんなに力にこだわったお前は、何がしてえんだぁ?」

 

「人間やめるやと?ざぁけんのもたいがいにせぇや?俺はなぁ、こうするしかなかったんや。こうでもせんかったらな、俺は胴体から上と左腕しかない意識を持っとる植物みたいなもんなんやからな、」

 

「ふうん。でもお前大したことねえけど、黄金ロボ………それだけはカッコいいぞぉ、最高にイカしてる」

 

「はっ。せやろ?せやろ?俺は今、最高にイカしとるんや!」

 

 

茨木は高笑いする。

 

 

 

 

「はっはっはー…………ザーッケンなタコがァァァァァァ!!!!」

 

 

茨木は急に右腕を守若の兄貴に向ける!!!

 

 

直後、守若の兄貴の背後にある壁に大穴が開く!!!

 

 

「うぉぉぉっ!?」

 

 

守若の兄貴は腕を向けられた瞬間に体勢を低くしながらスライディングして避けていた!

 

おおよそ自然現象と思えない出来事。

いったい今のは…………

 

 

「チッ、」

 

「お前ぇ、フェイントが卑怯とか言いながらめちゃくちゃ不意打ちしてんだろーがあ。卑怯はどっちだあ卑怯者ぉ、」

 

「タングステン合金性の対物ライフルをかわしよったか、」

 

 

茨木の右手はいつの間にかなくなっており、代わりに腕からは銃のような筒が生えていた。

 

 

守若の兄貴は確信した。

 

 

(こいつホントに機械でできてんのかあ。これはまずいな)

 

 

守若の兄貴の背後にある壁は大砲を撃ち込まれたかのように完全に破壊された。

 

 

「この対物ライフルに当たってみぃ。口径も威力も、チャカとは訳がちゃうで。あんたみたいなデカブツ、拳銃で腹ハジいても多少は動けるやろうけど、このライフルは腹に当たれば上半身が丸ごと粉砕して粉々や。即死の射撃ちゅうこっちゃ」

 

 

この茨木という男、左半身と頭部を除いた全身が機械…………いや、機械というより兵器でできている。

人間やめてるとはいえ、守若の兄貴も生命体だ。悔しいが、守若の兄貴とサイボーグ戦士とでは流石に力の差がありすぎる。

 

 

「極道っちゅうんはようわからん生き物やなぁ。そうは思わへんか?ドスとチャカと根性だけで泥臭い戦い方しよる。極道っちゅうんは暴力を、圧倒的な暴力で支配する生き物や。負けてたら話にならへんわな、せやから相手をぜったいに殺せるようにせなあかん、ちゃうか?」

 

 

茨木が忍者刀をまた左手に持ち替える。

 

 

すると、左腕が機械音を立てて変形する。

 

茨木の腕の形がまた変わった!

 

奴が次に出したもの、それは……………

 

 

「せやから、武器に細工すんのは、最大限度までって、相場が決まっとるんや!!!」

 

 

なんと、電動カッター!!!

 

 

(やべえぞコイツ………イカれてんぞ)

 

 

「ちなみにこのカッターはフッ酸を噴き出す特殊加工も付いとんで!!!流石に逃げられんやろ、こんガキがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

茨木は電動カッターを振り上げて守若の兄貴めがけて突っ込んでくる!!!

 

 

「でぇぇぁぁぁぁぁい!!!!」

 

「おぉぉぉぉぉっ、すげぇぇぇぇぇっ」

 

 

守若の兄貴は逃げの一方!

だがもう逃げられないと悟った守若の兄貴は、なんと真正面からの応戦を選択した!

 

 

「ほんまにアホなんやねんなぁ、」

 

 

斬り合いの中で茨木が右足を全力で振りかぶる。

 

守若の兄貴の頭部めがけたハイキック!

 

 

「それはもう見えてるぞお」

 

 

守若の兄貴は体勢を低くしてそれをかわす!

 

 

 

 

「アホが!!!俺は下半身も機械や言うとるやろがい!!!」

 

 

その時、茨木の足の関節が、人間の脚ではありえない形に折れ曲がる!

 

折れ曲がった足が守若の兄貴の頭に落ちる!

 

 

「わぁあ」

 

 

しかし、瞬時に守若の兄貴は腕を入れて防いだ。

 

 

「ふん、それがどないしたっちゅうねん」

 

 

その時、茨木の右ふくらはぎがチェーンソーの刃に変形する!

 

 

「放さんかい!!」

 

「おおっ!足も変形するのかあ」

 

 

回転する金属の刃を携えたハイキックが守若の兄貴を狙う。

チェーンソーの刃は守若の兄貴の髪をわずかに切った。

 

 

「あぶねぇだろうが、このクソ野郎」

 

「避けんなやダボがァ!!!男なら正々堂々受けんかいハゲ!!!」

 

 

守若の兄貴と茨木による、圧倒的なパワーの拮抗が始まる!!

 

 

「左腕と頭も機械にしなくちゃならねぇような身体にしちゃうぞ、」

 

「頭壊されたら死んでまうやないか!!!」

 

 

茨木の義手から繰り出される圧倒的スピードにも、守若の兄貴は圧倒されず返していく!

 

 

「頭風穴空けたらァ!!!!」

 

「ちっ…………」

 

 

茨木の極限の突きを、守若の兄貴は頭をずらして躱した。

 

 

次の刹那──────

 

 

「これ、流石に読んどらへんやろ」

 

 

なんと、突き出しした茨木の右腕の関節が、外側に向かって曲がったんだ!!!

 

コイツの身体は機械、人間の腕は内側にしか曲げられないが、義手ならば関節の可動域は人間とは比べ物にならねぇ!

 

もっとも、突き出した忍者刀の軌道を変えること自体が至難の業!

守若の兄貴がズレた方向に向かって、寸分違わず茨木の関節が曲がり、改めて忍者刀が守若の兄貴の側頭部へと肉薄する!

 

 

 

 

 

だが、次の瞬間!!!

 

 

「ンなもん、最初から読んでるわ、ボケェ」

 

 

守若の兄貴は右手の刺身包丁を手放す。

 

 

「なんやと─────ッ!?」

 

 

守若の兄貴は空になった右手で、茨木の刃をタイミングよく掴んで止めた!!!

 

 

刃を直接握ったことにより守若の兄貴の手の肉が激しく削れる。

 

 

「うぅ…………ぅ、」

 

 

だが、守若の兄貴はこの一瞬の間だけ、茨木のパワーを抑えちまったんだ!!!

 

密着状態で攻撃を留められた茨木に、大きな隙ができる!

 

 

(あかんあかんあかん………!!!スキ、晒してもうた………!!!)

 

 

当然守若の兄貴がこれを逃すはずがない!

 

 

「触んなや気持ち悪いんじゃコラァァ!!!」

 

 

茨木は再び右足のチェーンソーを振り上げる!

 

 

 

しかし、守若の兄貴は、つかんだ茨木の身体を軸にして、逆立ちの要領で身体を持ち上げる!!!

 

 

 

(お前の身体は機械なんだろ。そんだけのパワーがあんなら、伸びきった腕も鉄棒みてぇに硬く固定されてるはずだ)

 

 

守若の兄貴の跳躍は、チェーンソーの間合いを外れる。

 

 

(普通の人間なら俺の体重で腕が垂れ下がるが、お前の腕ならそこを支点にしてやれば、できるんだよなあ)

 

 

「ば………んなアホな……………」

(俺の身体が機械やっちゃうこと、完全に利用されてもた………!)

 

 

茨木の義手はゴツい。だから簡単にはできないんだが、今の守若の兄貴だけは特別だったんだ。

 

 

(ポテチの油。こいつがあるから、スムーズに身体が持ち上がるんだよ、ボケェ)

 

 

守若の兄貴はポテチの油を潤滑油に、茨木の身体を流れるように登る。

 

 

「んで、お前言ってたよなぁ…………頭潰れたら死ぬ、って」

 

 

守若の兄貴が両腕を振り上げる!!!

 

 

 

「だったら、頚椎ぶち壊してやれば、普通の人間だろうがあ!!」

 

 

守若の兄貴は両腕で茨木の首を絡め取る!!!

 

 

「ぶ………ご……………」

(あか、ん…………頚椎折られてまう…………!!!)

 

 

茨木は必死にもがくが、こうなっちまったらもうどうしようもない。

 

 

「せやけどなぁ……………バカはあんたやでこのクソがァァァァァァ!!!」

 

 

茨木の腕が再び対物ライフルに変形する!!

さらに腕の関節が伸び、複雑に折れ曲がり、自身の首に絡みつく守若の兄貴へと向けられる!

 

 

「時間切れや!!!死ねや!!!こんの、ボゲカスがァァァァァァ!!!!!」

 

 

対物ライフルの装填が完了!!!

 

 

「違えよ………そっちにするべきじゃないんだよ、テメェはよ」

 

 

守若の兄貴が全体重をかけて背中を逸らす!!!

 

 

 

「これが本物の、反り立つ壁ぇぇぇぇ!!!」

 

「ごゲェぁぁぁぁぁッ………サスケやな、いかホレぇぇぇ………!!!」

 

 

茨木の頚椎が無惨な音を立てて粉々になった!!!

 

茨木の下半身は強靭な義足で固定されている。

たとえ守若の兄貴が肩車してる状態から後ろに倒れようとも、茨木の胴体は倒れない。

 

 

だが、それが仇となった。

茨木の胸から上は生身の人間のもの。固定された脚と守若の兄貴の体重に潰され、てこの原理で首の骨が砕けたんだ。

 

 

「ごふっ………………」

 

 

茨木はそのまま力なく倒れる。

 

 

「はぁ……オメー………強ぇな………ワクワクしたっぺぇ」

 

「悟空似、とるのは………服の色だけやろがい………」

 

 

 

 

茨木は命の灯りが消えかけている頃だった。

 

 

「全身機械にしとけば良かったんだ、そしたら俺に勝てたのかもしれねえのに」

 

「いや………それ………もう俺ちゃう、やろがい………ボケが…………」

 

 

 

 

「んじゃ、俺ポテチ買ってくるわぁ。じゃあなクソボケぇ」

 

 

守若の兄貴はそのまま何でもないように病院から立ち去る。

 

 

 

「………………な………なんつぅ、やっちゃ………」

(アカンわ…………俺とじゃあ、力の差がありすぎるわ………なんやねん………俺が機械やったせいであの負け方したっちゅうんか…………)

 

 

守若の兄貴は組織出身だ。

周囲にある全てのものを利用して相手を制圧してくる。

茨木の強みである黄金の右腕は、まんまと利用されたってわけだ。

 

 

「凄すぎ、るやろ…………最大の個性は最大の弱点ちゅうことかい…………」

 

 

茨木の上半身から力が抜ける。

 

 

「その顔…………覚えたで…………次は…………絶対、ブ、チ殺したるわ………ダボ………がァ…………」

 

 

こうして鬼童会の武闘派、茨木綱也は、機能を停止した。

病院に残されたのは、冷たくなった奴の身体と、元から温度のなかった機械の体だけだった。

 

 

 

 

 

 

次回『死ぬまで勉強しないと……新下離羅トップ・佐志原の過去』

 

 




茨木 綱也
Ibaraki Tsunenari

関西極道の総本山とも言われる超巨大極道連合組織、『鬼童会』の本家に所属する武闘派極道。
身体の左上半身と頭以外のすべてが機械で作られている人間兵器、いわゆるサイボーグ。
明らかに人間離れした身体能力や、対物ライフルを用いた圧倒的な破壊力、人間の関節では不可能な動作も全て可能としたすべてが戦闘兵器となるために生み出された存在。
普段は愉快な男だが、ことあるごとに突然激昂しては怒鳴り散らし、急に落ち着いたりと感情の上下の起伏が非常に激しい。
本当に怒っているというより、あえて怒気を放つことで闘気を増す、バトルスイッチのようなものだと考えられる。
関西極道である鬼童会でありながら、下離羅の後ろ盾のような存在として京極組に絡んできた。
鬼童会の事も、彼自身のことも、情報があまりにも足りないが、何か聞き出す前に京極組の守若に殺されてしまった。
所詮は兵器。鬼童会からすれば『いくらでも茨木の替えはある』という認識だろう。
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