死神警官〜バグ大の極道たちに振り回される警察   作:書庫・ラ・オランジュ

4 / 33
激震・天羽組襲撃

 

僕の名前は菊理弥二郎!

 

 

「シバさん!天羽組で大事件が起きましたよぉ………!!!」

 

 

慌てて事務所へ駆け込んだ、特殊犯罪対策課の若手警官です!

 

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙ん゙!?」

 

 

頃は今より前で、日滅軍という極左組織が日本最大の繁華街、空龍街を爆破するという事件が起きました。

僕の上司である司馬喬皇平、シバさんは日滅軍の粛清のために、空龍街を拠点とする任侠集団、天羽組の助力を得て、ついに僕たちは日滅軍の幹部である磯辺を倒すことに成功しました。

 

しかし、ようやく奴らの氷山の一角を削り落としたと思えば、僕たちに訪れたのは新たな悪い報せだったんです。

 

 

「何者かの毒ガス攻撃によって天羽組事務所が襲撃されて、武闘派が3人も病院送りにされちゃいましたよ…………!!!」

 

「なん、だと……………?」

 

「なんでも、ドローン型の物体がやってきたようで………それを撃ち落としたら毒ガスが撒き散らされてしまったようで………おそらく、日滅軍による天羽組への報復攻撃なんじゃないかって………」

 

「日滅軍のクソどもが………天羽組にまで手を出す気か………!」

 

 

シバさんは思わず机に拳を叩きつけました。

 

 

「あー!ダメですよシバさん!物にあたっちゃ!せめて僕を殴るとかにしといてくださいよ」

 

「喋るなキモいお前!!!」

 

「えー!?僕めちゃ普通の事言ったのに!?」

 

 

物にあたっちゃだめって、凄いマトモな事だと思うんですが…………

 

 

「ドローン攻撃なんてヤな事するんですね〜」

 

「当たり前だ。戦争は相手にどれだけ嫌なことをするかだぞ」

 

「シバさん、今度という今度は許せないですよ。さっさとぶっ飛ばしましょう。もうじき天羽組でドローンの持ち主が尋問されて日滅軍の事が吐き出されると思います。木ノ葉ちゃんのメールのやりとりも、まだ続いているみたいですし」

 

「なんだと?木ノ葉はまだ連絡を取っているのか?」

 

「えぇ、そりゃあね」

 

 

木ノ葉ちゃんには偶然にもSNSアカウントにダイレクトメッセージを寄越してきた構成員と連絡を取ってもらい、向こうの情報を出させる役目をやってもらっています。

 

 

「木ノ葉が聞き出したヤサはつい先日つぶした。なのにそいつはまだ生きているのか?」

 

「さぁね。他のヤサの情報でも吐いたんじゃないです?」

 

「何かひっかかるな。警戒して行くぞ。というより、なぜお前はそんなにもやる気なんだ」

 

 

僕はすごく真面目にやってると思うんですが?

 

 

「個人的な怒りですけどね。搬送された天羽組組員の中に須永さんがいたようなんです」

 

 

そう、毒ガス攻撃に巻き込まれた組員の中には、僕に良くしてくれたあの須永さんがいたんです。

 

 

(パトラッシュ………僕はもう眠いんだ…………)

 

 

まぁ、須永さんは毒ガスでは死なないと思うんですが。

 

 

 

 

 

──────須永さんは天羽組の中でも、特に僕に愛情を注いでくれた人でした。

 

 

「どーもー。警察でーす。命も取らなければ逮捕もしないので動かないでくださーい…………」

 

 

出会いは僕が初めて天羽組へ挨拶に出た時でした。

あの時はまだ警官になったばかりで、仕事でミスを連発しまくり、そして上の指示で司馬さんのもとに飛ばされて間もない時でした。

 

「キクリ、お前そろそろ俺がいなくても巡回ができるようになれ。そうだ、天羽組に挨拶へ行け。一人でな。報告書類を持っていくおつかいだ」

 

そう言われて僕は天羽組が粛清した通り魔の記録のあれこれを封筒に持たされ、お尻蹴られて天羽組に突き出されました。

この時はほんと不安ばかりで。どこまで行っても天羽組はヤクザじゃないですか。なんか気に入らないことしたら殺されないかなって怯えながら行ったんですが、

 

 

「へ?サツ?しかもシバシじゃねぇの!?ついに俺、ガチで捕まる!?そういや星占い、今日は運命的な出会いカッコ良いものとは言ってないが巻き起こるかもしれない!みたいなこと言ってた」

 

 

他の人たちは忙しかったのか、事務所にいたのはいかにも留守番中な須永さんだけだったんです。

 

 

「ど、どうも…………シバさんの代理できましたキクリです…………すぐ帰るので殺さないでください…………」

 

 

僕はいかにもヤバそうなその人に封筒を盾にしながら顔を見ないように近づいていきました。

すると、

 

 

「なにビビッてんだ!天羽組(ウチ)は暴力の力で暴力を潰すタイプの聖人君子の集まり!お前は殺さないぞー。聞いてるかー?」

 

「ひぇぇぇぇ!!!失礼しましたぁぁ!!!」

 

「あ゙っ、そうだ!お前も星占いやるかァ?初めて会う人とは星占いをして仲良くなるのが良いって占い言ってた!今日の須永のラッキーアイテム「あたらしい友達」だし」

 

「う、占い?」

 

「あぁ星占いだ。シバシの代理、誕生日いつ?」

 

「じゅ、12月25日です…………」

 

「え゙え゙ー!まさかのクリスマスピッタリ!誕生日の日にクリスマスプレゼントまでもらえちゃうヤツ!」

 

「ぷ、プレゼントは1個でしたよ子供の頃は…………クリスマスプレゼント兼誕生日プレゼント」

 

「え?じゃクリスマスケーキと誕生日ケーキも一緒?お前可哀想だな………他の人より1年のお祝いの数半分だな、」

 

 

ほぼ一方的に話が進んでいく人でしたね。うん。

 

 

「よし!人格者で大人しいキミにこれまでのぶんの貰えなかったクリスマスプレゼントをこの須永サンタが買ってやろう!その代わりお前、俺の友達になれ!」

 

「ファ?」

 

「お前の上司、来る度に毎回俺のことぶん殴ってくる。お前はその時は俺をまもる。そんだけだ」

 

「よ、よくわかんないですけどわかりました!なんでもしますから殺すのだけはやめてください………!」

 

 

マジで焦りすぎて当時は話の内容を半分以上理解できていなかったです。

 

 

 

 

 

「須永さんからは、この時計貰ってますからね」

 

「ちょっ、お前その腕時計、須永から貰ったものだったのか」

 

「えぇ」

 

 

あのあと、須永さんはとんでもないブランドものの時計をくれました。おそらく僕の所持品の中でも最も高価なものだと思います。

紫メタリックはちょっとセンスないと思いましたがあの人らしいチョイスだとは思っているだけあり、今では僕の宝物です。

辛い時はこの時計を見て元気出すんですが、そんな経緯もあって須永さんとはいまだに旧知です。

 

 

「そんな須永さんを毒ガス攻撃で殺そうとした連中は、ただではおけないですよ」

 

「お前ですら動くとは、やはり怨嗟というのは人を動かす力強いエネルギーなのだな」

 

 

だから僕ちゃんとやってると思うんですけど!?

 

 

「国民を守るため絶え間なく動く俺と、私怨によって初めて動き出すお前か。まるで俺とは正反対だが、それもお前なりの警官としての信念なのだろう。無能すぎてすぐさま上層部から追われ、俺に拾われて2年間。普通なら俺の色に染まるしかないところをお前はお前なりの道を選んだ。憎たらしい野郎だ」

 

「…………そうかもですね。でも、それでも僕の目標はシバさん以外にないですよ!たとえやり方や思うことが違っても、それだけの強い情熱を持って自分の正義のために戦い抜き、時には僕みたいな弱いものを助けてくれるようなあなたがずっと憧れです!僕は警官としてはまだまだ二流だけど、いつかシバさんみたいに背中で語れるような男になりたいです!」

 

 

でも、シバさんはこんだけ言われても表情一つ変えないんですよね。

 

 

「警察は漢磨きのための組織ではない。そんなくだらん目標を掲げるぐらいならお前の守るべきものを守ってからだ。あと、お前は二流じゃなくて四流な。気づきにくい程度に傲るんじゃない」

 

「そんな、ひどーい!!!」

 

 

その時、ショックで腰を抜かしそうにしている僕のもとに電話がかかってきた。

このアイコン、木ノ葉ちゃんからだ。

 

 

「やっほ!木ノ葉ちゃーん!どったの?」

 

「業務連絡だぞ。身内相手にも敬語使わんか。敬語は言い過ぎにしてもタメ口すぎるだろ」

 

『菊理くん、天羽組の人たちが日滅軍のヤサに飛び込むらしいわよ。リーダーの松村もそこにいる。私たちはまた別の部所を狙うわ。DMで本部の場所を教えてくれたわ。司馬さまによろしくお伝えしてちょうだい』

 

「は、はい!シバさーん!天羽組が本部を見つけて襲撃するみたいです!んで………えーと、僕たちはなんだっけ?一緒の場所に行くの?」

 

 

松村ってだれ?

松村がいるヤサに飛び込むのは天羽組で、

僕らは本部を狙う?

じゃあリーダーの松村がいる本部を僕らが一緒にやるってこと?

 

 

「キクリ。もういい、俺が横から聞いたので理解した」

 

 

うーん。人の話聞くのってまだ慣れないですな。

 

 

「松村はおそらく、次のテロを起こそうとしている部隊のもとへ行っているのだろう。それは天羽組が叩くそうだ。だから俺たちはその隙に松村がいない本部を叩き潰すということだ」

 

「あーなるほど。だったらそう言ってくれたら良いのに」

 

「お前が仕事できないのはこういう要因もあると思うぞ」

 

「えー。真面目にするのが嫌なだけですよー」

 

「大丈夫だ。お前みたいな系統は仮に真面目にやってもダメだ」

 

「ひどいっ!!!」

 

 

 

 

 

そしてこの後、僕たちはついに日滅軍の本部へと乗り込むことになるんですが、そこではとてつもない熾烈な争いが巻き起こるということはまだ知る由もなかったんです。

 

 

 

日滅軍の本部には組織が誇る最強の、本物の殺し屋がいたんです。

 

 

「バカなニホンの企業たちの侵略行為………マツムラと一緒にゼンブ消し去ってやるネ。ワタシたちの正義のジャマするやつ、ゼンブ殺すネ………」

 

 

さらに、そこにいたのは日滅軍の殺し屋だけじゃなかった。

 

 

「あら。あなたは空龍街の人?素敵なカメラね。私の事、後ろから撮ったら………ダ・メ・よ」

 

「呵ーッ!可愛すぎるだルォ!?こんなん、惚れん方が無理だわ!ようできてるなそれ………!」

 

「………見知らぬ人にそれやるんですか」

 

 

天羽組の小峠さんと、どこかで見たような気がする謎の女性。

 

そして………三脚を持った、見たことのない人!?

 

日滅軍のことそっちのけでめちゃくちゃなことになりそうですよ!?

ぼ、僕、もう行かなくてよくないですかー?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回『決戦・日滅軍』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。