father's room ―親父の部屋―
デッケェー」
UーNASAのビルを見上げて俺はそう言った。
俺は受付に名前と『小町小吉』がいるかと聞いた。
「お前か?神崎の息子さんは?」
後ろから声が掛かる。
声を掛けたのはガタイの良いおっさんだった。
「あんたh「小吉さん!」え?」
俺の疑問の声と受付の驚きの声が重なる。
「会議は!?」
小吉らしきおっさんは怪訝そうな顔で
「あぁ~…」
「サボリですか…」
「い、いや大丈夫だよ!ミッシェルちゃんが代わりに…」
「何が大丈夫ですか…」
「ま、まぁそれは置いといて」
「君が神条の息子、神崎刃くんだな?UーNASAへようこそ。」
握手を交わし
「ありがとうございます。小町小吉さんですね。」
「早速君の部屋へ案内しよう。」
UーNASAの居住区は広かった。
部屋を覚えられるだろうか?
そして案内された部屋からはどこか懐かしい匂いがした。
「ここ…もしかして…」
「そうだ。ここは神条迅、君の父親の部屋だった。」
「今日から君の部屋となる。」
「あの…小吉さん…これ知ってますか?」
俺は日記と子供の頃から飲んでいる薬をを出した。
「それは…神条の日記…それにこれは?」
子供の頃、親父が持病の薬だと言って3歳から飲み続けてきた薬だと説明した。
しかし、小吉の顔はとても驚いていた。
「日記を読んだのなら知ってるはずだが」
「君の父親はバグズ2号の乗組員だった。」
「バグズ2号の乗組員に特別な手術をされていたのは知ってるか?」
「バグズ手術…ですね?」
「そうだ。」
「そのバグズ手術は親から子へ遺伝する。」
「その術後に生まれた子供の3人目が刃君、君だ。」
俺は信じられなかった。親父のバグズ手術が、能力が遺伝していたなんて。続けて小吉さんは
「君がずっと飲んでいる薬は神条が君のために処方した薬だ。」
「親父が…俺のために?」
どういう事だ?親父は呼吸器系の持病の薬だと言っていた。違うのか?
「君のその薬はあまりにも適合し過ぎたM.O…モザイクオーガンの活動を弱めるための薬だ。」
適合し過ぎた?M.O?モザイクオーガン?一体何の事だ?
「モザイクオーガンの事は聞いてないか?」
「全く」
「M.Oというのはアレクサンドル・グスタフ・ニュートンという博士がゴキブリのサンプルを調べていた際に発見した火星のゴキブリが進化した理由でありバグズ手術の基礎になった物だ。」
「それをモザイクオーガンと呼ぶ。」
「進化した理由?」
「人間は同じ血縁関係を他人からでも臓器移植で拒絶反応を起こすことがある。」
「しかし女性は子供を身ごもる際、その子供は半分近く他人のDNAだというのに拒絶反応は起きない。」
「これは一時的に免疫寛容を起こしていると考えられる。」
「火星のゴキブリはあそこまで進化したのに卵生のままだ。」
「このことからゴキブリは人間より圧倒的な免疫寛容能力を持っている。」
「それを移植してあらゆる生物の能力を持つ事が出来るようになる。」
「あらゆる生物?」
「昆虫をベースにするからバグズ手術ではないのですか?」
「今のバグズ手術はバグズ手術と呼ばない。」
「今の手術はM.O.O(モザイク.オーガン.オペレーション)またの名をM.O手術とよばれている。」
なんとなく整理がついてきた。ただ…
「その…M.O手術で使われるモザイクオーガンと
バグズ手術で使われたモザイクオーガンて一緒ですか?」
「?あぁ一緒だ。」
「じゃあ俺の場合…親父から受け継いだ能力とM.O手術の能力の2つをベースに持つことが出来るということですか?」
「そう言う事だ。」
マジか!ベースは何がいいかな?クワガタ?カブト?
悩むなぁ〜と喜ぶ矢先…
「言っとくけどベースは選べないぞ。」
「えっ」
「ベースはその人の細胞に関わるからな。」
「最初はパッチテスト…色々な種類の生物を少しずつ試していって適合するものを選ぶ。」
つまり…
「何も適合しない事も…」
「有りうるな。」
「まぁでもお前に関しては何も適合しない事は無いと思うが…色々なパターンが有るからな…一種類だけだったり、逆に複数のベースが見つかる事もあるだろうし。」
心配だ。
読んで頂きありがとうございます。
えぇ〜ちなみにここから燈が出てくるまですぐです。
速攻マンガ路線の乗ります。