第3話どうぞ
「ここは…どこだ…?」
目の前には心配そうなミッシェルさんの顔。
「大丈夫か!刃!」
「ミッシェルさん…何でここに?」
「お前、覚えてないのか?」
覚えて?一体何の事を…
「はっ…」
(思い出した…俺はジムで…)
右腕を見る。もう黒い外骨格に覆われて無かった。
元の腕だ。
「…ミッシェルさん。」
「ミッシェルさんもあそこまで変態するんですか?」
「…いや」
「そう…ですか…」
「刃…すまなかったな。」
「いや、いいんです。俺も色々言っちゃってすみません。」
「なぁ刃」
「お前の親ってどんなだ?」
「親父は昔、高3の時、イスラエルに旅行に行ってそれっきり、日本に帰って無いんです。元々親父は『神条』て名前だったんすけど日本で行方不明扱いになったんで神崎に変えたんですよ。で火星行って、帰ってきて担当看護師になったアメリカ人と恋に落ちて、
結婚して俺が生まれた。」
「俺の家系、武道やってて親父も俺に教えてたですよ。でも出来ない事ばかり、そんな時慰めて、支えてくれたのが母だった。」
「親父は武道教える時はすげぇ厳しかったけど、いつも優しかった。」
「そうか…今、どうしてるんだ?」
「二人とも亡くなりました。」
「…そうか」
突如、ドアを叩く音が響く。
「刃、入るぞ。」
入って来たのは見舞いの花を持っきてくれた…
「小吉さん」
「大丈夫か?落ち着いたか?」
「はい。もう大丈夫です。」
「そうか…良かったな。」
「小吉さん、言ってましたよね?」
「あの薬が適合し過ぎたモザイクオーガンを抑える物だって。」
「『適合し過ぎた』どういう事何ですか?」
「それは私も気になる。」
「刃…ミッシェル…」
「解った。全て話そう。」
「適合し過ぎたモザイクオーガンというのは、薬がなくてもある程度変態が出来るという事。」
「ミッシェルもある程度変態出来るのは、生まれつき持っていたからだ。」
「でも刃はモザイクオーガンが完璧に体に適合している。非常に稀なパターンだ。」
「だが、危険でもある。」
「神条から聞いたが、お前は幼い頃泣くと変態していたそうだ。だから神条はお前に薬を飲ませてきた。」
「てことは…俺の能力のことは母も知っていたって事ですか?」
「そうだ、カレンも知っていた。」
(そんな…信じられない…)
「あとこれは…」
そう言って小吉さんは封筒を出して俺に渡した。
「これは神条が俺に渡した遺書だ。」
「お前が能力に発現した時に渡して欲しいと頼まれた。」
(親父の遺書…)
「じゃ俺はもう行くわ。」
「安静にな、刃」
「はい、ありがとうございます。小吉さん、ミッシェルさん」
二人がでて俺1人になった病室で俺は封筒を開けた。
そこには手紙が入ってた。
俺は手紙を開いた。
『刃へ、
この手紙を見る時、俺は死んでる筈だ。そして、
小吉から話を聞いている筈だ。お前のモザイクオーガンについて。
すまなかった。お前に、事実を打ち明けられなくて。
親として失格だ。でもこれだけは言わしてくれ。
俺も、カレンも、お前が産まれてきてくれて良かった。
お前と一緒に生きてこられて良かった。
お前に遺伝したことは後悔してない。だから、
その能力に自信を持ってくれ。頼む。
それと、俺の家系について教えよう。
俺の家系は代々神条じんという名前を受け継いできた。時代によって「じん」の字は違うが。
俺で28代目となる。
一族は昔、暗殺を家業としていた。それを武道として、お前に叩き込んだ。
だが、本心を言うと受け継いで欲しくない家業だ。
神条の名を受け継ぐか、どうか、よく考えて欲しい。
あと、「刃」というのはカレンが名付けた。
日本でも、外国でも「ジーン」と呼んでもらえる様にってな。
じゃあ…元気でな。愛してる。
28代目当主 神条迅より』
読み終わった時、俺の頬を涙が流れた。
読んで頂きありがとうございます。